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12-Dec-99 編集

99年クリマル記録  --- アドヴェント第2週 ---





正統派の地方都市クリマル
(04-Dec-99 Marburg)


1999年12月4日(土)

 アドヴェント第1週の先週末はあまりクリマル巡りができなかった(それでも2軒ほど行ったけど)ので、この週末はちょっと力を入れた。

しょっぱなは、フランクフルト郊外はDreieich(ドライアイッヒ)市のDreieichhain(ドライアイッヒハイン)地区から。この市は、このあたりの小さな町・村がいくつか合併してできた市のようで、元の町や村の名前が今は地区の名前となっている。市域のほとんどはフランクフルト近郊の新興ベッドタウンといった趣であるが、このDreieichhain地区の中心部はちょっとした由来のある古い町の名残らしく、きれいな木組みの家が並び、ささやかな観光対象となっている。

小さな町の常として、アドヴェント期間中ぶっ通しの常設クリマルはなく、この週末と翌週末のみの「仮設クリマル」である。もっとも、ぶっ通しのやつだって「仮設」ではあるが。下の写真は、そんな仮設クリマルの並ぶ町のメインストリート。クリマルの店も、立派な木の小屋ではなくテントである。




我が家はといえば、相変わらず「クリマルカップ」チェックに余念が無い。が、見かけるグリューヴァイン屋のカップはみな、無地や、模様が入っていはいても特定の町のものではない「汎用品」ばかり。




やっと1軒、見つけました。この町の名前を図柄の入ったカップ。次の写真に写っている塔がおわかりいただけようか。残念ながらこのカップ、「お持ち帰り厳禁」であった。きっと何年か前に特別に作り、少数だけが残っているのだろう。




 さてお次は何処へ行くかちょっと迷ったが、結局Marburg(マールブルク)まで出かけることにした。ここから100キロ弱、車で1時間かそこら。実はこれだけクリマル巡りをしていると、近場で「未訪問」のめぼしい町がだんだん無くなってきたのだが、この町は残り少ない「クリマル時期に未訪問」の町の一つ。別の季節には、週末ドライブでちょっとだけ寄ったことがある

で、今回分の冒頭写真が、そのMarburgの旧市庁舎らしき建物の前の広場のクリマル全景。ちょっと雨が降りだしたところで、人影まばら....かと思いきや、




グリューヴァイン屋の前のテントは大盛況。グリューヴァイン片手にお喋り始めてしまえば、この程度の雨は全然気にしないのが平均的ドイツ人のようだ。




1999年12月5日(日)

 今日は昨日よりは天気も安定してそうだ。「クリマル未訪問の町」と「ブドウチェック」を兼ねて、Pfalz(プファルツ)地方へ向う。これまた、当地から100キロちょっと、車で1時間ほどのところ。こんなたわいも無いことのために、連日20リットル強のガソリンを水とCO2化してしまうことにちょっと罪悪感を感じつつも、結局行動パターンは変らない....




こちら、Bad Duerkheim(バート=デュルクハイム)なる小都市のクリマル。小都市とはいっても、一応この界隈の中核都市で、それば証拠にこの界隈の車のナンバーは「DUeW」(UeはUウムラウト)である。末尾の「W」は、「an der Weinstrasse」すなわち、「ワイン街道の」という形容詞である。ドイツ中には少なくとももう一つ以上、Duerkheimという町があるということらしい。

そんなわけで、ここのクリマルは、小さいながらも木の小屋が並び、期間中通して営業する「常設クリマル」のようだ。(もっとも、平日もやっているのかどうかは定かではない。)




ドイツ語圏のどこのクリマルでも、その店構えは、立派な木の小屋であっても奥行きは浅く、商品を挟んで中は売り子さんがいるだけ、というのが一種の基本パターンであるが、ここプファルツ地方のはちょっと変っている。ご覧の通り奥行きの深い小屋になっていて、客が中まで入っていくようになっている。以前訪れた、このすぐそばのDeidesheim(ダイデスハイム)のクリマルもそうであったから、これがこの地方の独特のスタイルと考えてよかろう。




こちら、すぐわきの一般商店のショウウインドゥに飾られた、「クリ食器」。




次の町へ向う途中で、天気もそこそこ悪くないので、いつものForst(フォルスト)村でブドウ散歩。ついでに......




まだまだ緑色の残る、健康なブドウ。


 さてこの後は、プファルツの中心地とでも言えそうなNuestadt(ノイシュタット)へ。直訳すると「新しい市」という単純な名前であるからして、同じ名前の町はドイツ中にいっぱいある。それらと区別するため、例によって「an der Weinstrasse」を付け、ナンバーも「NW」となる。2文字ナンバーであることから、さっきのDuerkheimより大きな町であることがわかる....というのは、在住経験者か、独逸ヲタクくらいのものであろうか。

さてここでは、グリューヴァインカップの大きさに注目あれ。




以前にブドウ日記等でも書いたが、豪快な食生活を送る(?)この地方では、庶民飯屋・飲み屋で飲む日常的なグラス売りワインは、何と0.5リットル単位である。(他の地方では0.2または0.25リットルが普通。)

もっとも、この「0.5リットル入りグリューヴァインカップ」は、伝統的なスタイルというよりは、普通のワインのグラスの習慣をもじった、一種の冗談から発生したのではないかと思う。ちなみに、以前ダイデスハイムのクリマルで見たときは、大半の人は普通の0.25リットル入りカップで飲んでいて、特大カップはもっぱら「飾り」という感じであったが....本日この町の場合は、特大カップで飲む人の方が多いようだ。




で、こちらは人で溢れるクリマル会場。後の建物は、やはり市庁舎か。Marburgなんかと違って町自体が新しい(そう言えば町の名前の「新しい市」だった)ため、中世風木組みの建物なんかは少なく、歴史的建物といってもせいぜい18〜19世紀風の建物である。


 この後更に、もう1軒(というか、もう1都市)ハシゴをした。




ライン川沿いの工業都市、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen)なり。典型的な工業都市なので、観光なんかではまずいくことの無い所であるが、「クリマル未訪問都市」に拘った結果、この町の出番となった。ちなみにこの町、今裏献金口座スキャンダルで揉まれているコール前首相の出身地だそうな。


......では、またの続きをお楽しみに。


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