14-Jun-98 更新
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ブドウ日記番外編  シュパルゲル日記


--- 98年(その2) ---



6月13日(土) Weiterstadt

シュパルゲルの花も満開だ!!



前回のシュパ散歩は息子が生まれる直前の週末だったから、それからちょうど2ヶ月経つ。一般に「ドイツのシュパルゲルは、夏至で終わり」と言われる(実際にはその後も暫く市場では見かけるが、確かに激減する)から、もうぼちぼちシーズン終了というわけだ。折角デジカメも買ったことなので、「終了前にもう一目」ということで、例のLipp農場のあるWeiterstadtへ2ヶ月ぶりに向かう。別に、この農場から宣伝料をもらっている訳でもなんでもないが、たまたま勤務先のすぐそばの空き地にここの直売スタンドが出ていて、日頃もここでシュパを買うことが多い関係で、なんとなく親近感を持つようになった次第だ。

前にも紹介したかもしれないが、このLipp農場、「シュパルゲルとイチゴ(ドイツ語ではErdbeere)」を売り物にしている。事実、農場の廻りはシュパ畑とイチゴ畑が半々くらいと言う感じで、イチゴの方は6月に入ってからが最盛期である。そこかしこのイチゴ畑で、「イチゴ狩り」もやっている。よろしかったら、イチゴのアップ写真もどうぞ。

そう言えば、大阪の実家の近くもイチゴ産地なので思い出したが、日本ではイチゴが地面に触れないように地面をビニールシートで覆うのが20年以上前から一般的だと思うが、ドイツでは全くおおらかなもので、昔ながらの通り、ワラを撒いてあるだけだ。「どうせいっぱい実がなるのだから、少々痛むやつが出たっていいじゃん!」ということであろうか。

さて、本題のシュパへ戻ろう。この界隈のシュパ掘りは、もう最盛期をだいぶ過ぎてしまった。比較的早い時期に掘り始めた場所(春先にビニールで覆って創促成栽培していた部分がそうなのだろう..)ではとっくに収穫を終え、その後放置されたシュパ公は、今度は太陽の光を存分に浴びてどんどん成長し、モサモサに茂っていて、冒頭の写真でお見せしたように花も咲いている。

もう少し後に収穫した部分だろうか、あるいは「まだ植え付けから年数が浅く、今年は収穫していない区画」であろうか、別の所では「ヒョロヒョロ」っと伸びたシュパ公が立ち並ぶ景色も見られる。

ご参考までに、これは最近新聞か何かに出ていたのだが、やはりシュパの地下茎は何年も生き続けるのであった。それで、市場で良い値段がつくような立派なシュパ公は、植え付けてから数年立って始めて出来るようになるそうな。

そんな訳でシュパのシーズンは盛りを過ぎたとはいえ、まだまだ収穫中の区画もある。シュパ掘り風景をご覧あれ。念のため補足。写真で、畑の畝の所々にスクッと伸び立つ棒のようなものが写っているが、これはシュパ公ではない。散水用の水道管である。

それにしても、今年はとりわけ、しつこいくらいにシュパを食べた。殆ど毎日食べたと言ってもよかろう。ついでに、当地でのシュパの価格についてもざっと触れておこう。(価格はキロ当たり。1キロで、等級の高い太いものなら15本〜20本くらい。1マルクは、現在約80円。)

 ドイツ産「クラス1」: シーズン初めで、20マルク前後
             シーズン最盛期で、15マルク前後
 ドイツ産「クラス2」: 10マルク前後
 ドイツ産「クラス外」: 6〜7マルク
 ギリシャ産:      5マルク程度

....ということで、「最高級品」は、大雑把に言って「1本100円」である。食べ物に金をかける発想が少ないドイツにあっては、例外的な、とてつもなく高価な食べ物と言えよう。それにもかかわらず、一般のドイツ人達もこのシュパルゲルだけはよく食べる。市場のシュパコーナーや道端のシュパ売りスタンドは、昼休みや夕方の帰宅時ともなると、どこも盛況である。おもしろいものだ。

最後に、シュパ畑を背景に、高級車で散歩中のスナップを一枚。なぜか、えらいピンぼけになってしまった。今後の研究課題である。



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