08-Apr-98 登場 ブドウ日記番外編 シュパルゲル日記 --- 98年その1 --- 3月10日(火・特別休日) 今日が何故「特別休日」なのかはブドウ日記に書いた。ブドウ散歩に続き、去年の秋以来久々のシュパルゲル散歩に向かう。普段ブドウ散歩に出かけるラインガウ地方ではシュパ畑はほとんど見かけないが、今日来たヘシッシェ=ベルクシュトラーセ地方の、ちょっとライン川寄りの平野一帯は、シュパルゲルの名産地でもある。 去年の秋には、伸び放題になって、花が咲いて、実のようなものも成った(??ここいら辺の記憶はいまいち鮮明ではない。今年のチェック課題としよう....)後は枯れ果てたままになっていたシュパルゲル畑であるが、今日見たそれは、もう殆どの所で地ならしが済んでいて、枯れたままのシュパルゲルが残ってるのはごく一部である。しかしながら、本格的に「畝」の土盛りをしてある所はまだ殆どない。場所によって低い畝状になっていたり、全く真っ平らだったりする。去年の記憶が無ければ、ここがシュパ畑であることすら殆ど分からないくらいだ。「まだちょっと早かったかな」と言ったところか。
2週間半ぶりのシュパちぇっく。プファルツ地方へブドウ散歩に行く途中に、ちょっとだけ寄り道。本格的に「畝」の土盛りをしてある所も大分増えたし、一部では畝にビニール覆いが施されている。「温室」のような効果を狙ったものであろう。まだまだ、収穫の雰囲気はない。反面、街の市場では、ちらほら白シュパが見られるようになったとのこと。南の温暖な地方から来たものが売られているのであろう。....ということで、今日はシュパ畑は足早に通り過ぎ、ブドウ散歩の為のプファルツへと路を急ぐ。
先週に続いて、今シーズン3回目のチェックである。まだまだ収穫は始まる気配は無いが、この日は述べ10本ばかし、「ニョキ!」っとフライングで頭を出してきたシュパ公を見た。.....うーん、この続きを書きたいのはヤマヤマだが、明日も仕事なので、また今度ね。 →お約束通り、この日のレポートの続きを記す。(12-Apr-98記) この日、我々は「Lippの農場」(後で説明あり)へ行った。シュパ畑のビニールカバーには、黒い不透明のもの、白い不透明のもの、透明のもの、の3種類があるが、たまたま車を停めた傍の畑では、透明ビニールを使用している。見渡す限り、まだシュパ掘りの気配はないが、とりあえず農道に沿って散歩する。.......と、「???!!!」 何だか、畝のてっぺんに棒みたいなのが見えるなぁ、と思って近付いてみると、なんとシュパ公ではないか! この元気なシュパ公は、ビニールのカバーを自分でプスっと突き破って、数センチの頭を突き出している。色は、まだ殆ど白い。いやー、これは面白いものを見た。 よくよく周囲を見渡すと、他にも何本かシュパ公が地面から頭を出し始めていて、中には元気にビニールを突き破っているやつもいるが、大半は元気がちょっと足りないか、ビニールに頭を押さえつけられて、ひん曲がった状態で伸びている。間もなく収穫が始まるのであろうが、このビニ畑、どういう風に収穫するのか興味深々である。 この後、ビニールカバーの無い所もブラブラ散歩した。最後の一個所を除き、何もめぼしいものは見なかったが......この「最後の一個所」では、なんと、「ここにも居た、シュパ公!」 まだちゃんとした畝にもしていない区画の一画で、それはそれは白くて太くで、キレイで旨そうな(!)シュパ公が、数センチほど頭を出しているではないか! 辺りを注視すると、他にも数本のシュパ公が見つかる。ここ以外の区画では、こういうのは全く見かけないところをみると、一種の「狂い咲き」(花ではないので「咲き」はヘンだが、適当な表現が思い浮かばない..)のようなものであろう。 ....ということで、今日は非常に充実した「シュパ散歩」であった。
この界隈でも、シュパ掘りが始まった! イースター(復活祭、ドイツ語ではOstern)の土曜日、世間一般の勤め人にとっては4連休の2日目であるが、法律上は「平日」なのでお店は開いている。ぼくたちも郊外のショッピングセンターで珍しく(*1)買い物などした後、最近「定点」(*2)化したシュパ畑へ向かう。 前回からわずか1週間であるが、キレイに畝作りのなされた畑が一段と増え、その上にビニールカバーを施した区画もまた増えている。田舎道の脇の空き地に車を停めると....遠くの方にぞろぞろ人影が見える。もしや、ここでもシュパ掘りが始まったかな? でも人影が見えるのはビニール張りの畑の真ん中で、ビニールをひん剥いたような様子はないが.... 畑の方へ歩いて行って、納得。畝のビニールのあちこちに、カタカナの「コ」の字を右回りに90度回したような形の、1辺が30センチくらいの切れ込みがある。どうやら、シュパ公を掘った跡のようだ。 人影の所まで行って、この様子を確認。まさしくその通りであった。ビニールの上からシュパ公の頭を見つけては、その周囲のビニールに切り目を入れてめくり上げて、普通と同じようにシュパ公を堀り出す。そののち、普通と同じように土をならしては、めくり上げたビニールを戻して、その端を土に埋めておしまい、という手順だ。その手つきは何とも鮮やかだが、ビニール覆いのある分、余計な手間がかかる。そういえば、市場ではぼちぼち「ドイツ産」のシュパルゲルを見かけるようになったらしい(妻の報告による)が、まだ旬の盛りに比べると高価なのも、この手間賃の分かもしれない。(例によって、ぼくの勝手な推測。) この後、近くの大手(?)農場の道具置き場を見物する。何台かのトラクターに挟まれるように、畑を耕す為のいろいろな形をした道具類がころがっているが、それらに混じって「シュパ畑の畝を作る道具」を見つける。仕組みは至って単純だ。(ああ、写真が載せられたら!) 金属製の、特大のラッパの先を半分に割ったような形の物をうつ伏せに置き、その後に畝の形に沿った「玄関マット」状のものが付いている。「ラッパ」の両側の部分、(すなわち、畑では「谷」になる部分)には、なんとなく地面に食い込んで行くような向きの、「鋤」のようなものが付いている。もちろん、「特大ラッパ」の部分だけでも、十分重そうだ。これを、「ラッパの先」を前に向けてトラクターで引っ張ってゆくと、いとも簡単にシュパ畑の畝が出来上がる、という訳だ。但し、その前に十分な畑の土の手入れをしておいて、フカフカの状態にしておかないとうまく行かないことは想像に難くない。 こうなると、今度はこの道具を使っている光景を見たくなるが世の常。辺りをしばらく見渡すと、なんとなくこの作業中らしき所を見つけ、急いで近くまで行ったのだが、タッチの差でアウト。本日の作業は終了で、引き上げるところだった。まだまだ真っ昼間のように明るいが、時計は夕方6時を回っている。他の所でも何度も書いたが、これからますます日没が遅くなり、夕方が最高に気持ち良い季節となる。 この夜、当然のごとくシュパルゲルを食す....というのはウソではないが、昼間近所のスーパーで買ったシュパルゲルは、ギリシャ産であった。都心の市場やデパートでは、すでにドイツ産も「初物」としての御祝儀相場的価格で売られているが、これが家の近くのスーパーにもお目見えするのは、あと2〜3週間先のことだろう。
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