ポートランド市のコミュニティ計画
〜その3〜


さて,3ページ目はいよいよ具体的な計画づくりの現況についてです。 先日市民説明会に400人が押し掛ける大混乱となった南西コミュニティ計画の計画プロセ スについて,詳しくみてゆくことにします。

まず計画づくりの現況を客観的に解説します。

南西コミュニティ計画の概要

混乱の経緯

混乱への対応

市民の要求

討議会など一連の議論の中で一部の市民が指摘,市に改善を求めた問題点は以下の4 点にまとめられます。(※2)
  1. アメとムチのバランス
    ドラフトでは,将来の人口増を収容するためにゾーニングを変更することは明記 されているのに対して,人口増に伴って必要なインフラ整備や公共サービス向上 については十分担保されているとは言えず,人口増加のツケが市民に回ってくる 恐れがある点

  2. 近隣間の不平等
    ドラフトでは,マルトノマのようにゾーニング規制が大幅に緩和される近隣があ る一方,一部の近隣(特に高級住宅地)の中には全くゾーニングの変更がされな い場所もあり,近隣間で不平等感があること

  3. 計画内容の根拠の薄さ
    ドラフトでは,将来の人口推計などの数値がどこから出てきたか,どの上位計画 に内容が規定されているか,またゾーニング変更の規模と程度の根拠は何か,な ど,計画の内容の根拠についての説明が不十分であること

  4. 近隣組合の参加の不足
    これまでのプロセスでは,計画の内容についてSWの各近隣組合が十分知らされ ていないこと,各近隣計画とSWCPとの関係が弱いこと,また市民勧告委員会 と近隣組合の役割分担が不明瞭なことなど,総じて近隣組合の参加が不足してい ること(注:近隣組合は主に住宅所有者によって構成されており,市民の中でも 特に彼らの声を代弁すると考えられます)

▽市民の要求に対する市の対応

長くなったので考察は次のページに書きます。

なお,市議会Charie Hales議員のSW市民への呼びかけ(※1),11月2日の討議会の 議事録(※2),計画局の計画プロセス見直し案(※3)などは,Hales議員のホーム ページ

http://www.europa.com/~hales/
にて読むことができます。


Copyright (c) 1996 Takeo Murakami
 
 
 
 
1