Sep. 30 2001

■Apple、北米でもMac OS X 10.1配付開始〜ただし中には不運なケースも

時差の関係上、日本のユーザーの中には既に無償アップデートCD-ROMを入手されている方も多いだろう。こちら米国でも本日配付が開始された。

もちろんApple直営店で配付が行われ、例えばバージニア州タイソン店では開店3時間前の午前7時には200人以上の列ができ、開店後1時間で在庫切れを起こす凄まじさであったそうだ。ほかのApple直営店も本日配付分は同様のようで、ほかの販売店ではまだ多少在庫が残っているかもしれないので、そちらを確認してほしいという事だ。

一方、MacMinutesによれば、場所によっては本日きちんとMac OS X 10.1アップデーターCDを受け取れなかった人たちもいるという。あらかじめ電話で確認した後に店頭に行ったにも関わらず、フィラデルフィアCompUSA販売店で10.1アップデーターが入手できないというトラブルもあったという。CompUSA側は時間通り10.1アップデーターを配送できなかったAppleの責任であるとしている

また、最悪のケースも報告されている。Computerworldという販売店はAppleから受け取ったアップデーターを勝手にMacに「バンドル」する事を決定。10.1アップデーターを欲しければMac本体を購入しろという。

問題なくMac OS 10.1の配付が開始されたモール・オブ・アメリカでは10.1を入手した多くのユーザーがMac OS X用ソフトの購入も行っていたという。人気はディスク・ユーティリティーDrive 10と個人財務管理ソフトQuicken Mac OS X版で、特にQuickenは品切れになりかかっていたという。

■Mac OS X 10.1みなさんからの感想(2)

[更新しました!]引き続き多くの方よりMac OS Xに関する第1印象や入手に関する書き込みをpierre design bbsに頂いています。Sound Sticksも問題なく利用できたという件、ユーティリティーを使用してPowerMac 9600で利用できたという報告などが掲載されています。[書き込みをまとめたページを閲覧]

■Mac OS X 10.1みなさんからの感想(1)

pierre designを読んで下さっている多くの方がMac OS X 10.1を早速入手。その入手の様子から、使った第一印象、不具合等の報告がpierre design bbsに寄せられている。

パフォーマンス向上については高く評価されている意見が多いが、一方でPowerBook G4 Blonzeでは不満足な速度という意見や、新iBookに入れてみて高速化は感じられるものの、さらなる向上を求める意見もあった。10.1ではDVD再生が可能となったがYosemiteやPBG3 Blonzeなどでは不可な事への不満も掲載、またMac.com以外のアドレスのメールが取得できないトラブルも報告されている。

日本語入力は搭載されていることえり3が第一印象が今のところ良いことが挙げられており、一方でATOK 14でトラブルが発生する(発生しなかったという報告もある)事が指摘。またOmniWeb 4.0.5を10.1で利用すると日本語では表示がおかしくなる点も報告されている。ぜひこの記事、もしくはBBSを読んで、ご自分の10.1に関する意見や気付いたことがあれば是非教えてほしい。[書き込み全文を読む]


ジャストシステムが「ATOK14 for Mac OS Xの「Mac OS X バージョン 10.1」での動作状況について」という内容の情報を公開している。本サイト記事「Mac OS X 10.1みなさんからの感想(1)」でもATOKでの不具合に関する報告があった。ATOKユーザーは確認してほしい。(Macお宝鑑定団さんより)

Site-Aroさんでは、Mac OS X 10.1での様々な細かい変更点や不具合についての記事がThink Mac OS X 10.1としてたくさん掲載されています。是非参照下さい。

Sep. 29 2001

■MozillaのAqua化はテーマではダメ?

MacNNがある開発者が行っていたMac OS X用MozillaでAqua的な外見を実現するスキン開発プロジェクトがAppleの要望により中断したとレポートしている。開発者のメッセージによれば、AppleはMozillaをAqua化する事自体ではなく、エミュレーション(つまりスキン)で偽のAqua化を行うことに反対意見を持っているという。従ってAppleはMozillaが「本当の」Aqua化をする事に対してなら充分な情報を提供する用意があるという意向だという。

AppleはMac OS XのAquaが他のプラットフォームなどで利用される事について非常に神経質になっており、Aquaやそれに近いデザインを行った様々なスキンやテーマの開発を行うと、Appleより開発・配付を行わないようにと、同社法務部より訴訟の可能性も含めた強い要請が来ることが以前から様々な場所で報告されていた。

オープンソース・WebブラウザーMozillaは、特定のプラットフォームに依存する部分を極力減少させるため、独自のユーザーインターフェースを搭載されているHTMLレンダリングエンジンで実現、またユーザーインターフェース全体もスキンを追加することで自由に改変できる構造となっている。ただしApple社自身は、このスキンを使ってのAquaっぽい表現は好ましいと判断していないようだ。

筆者は個人的にはMac OS Xのユーザーインターフェースをキチンと採用しているMozillaが出るようならかなり支持するが、現実問題としてMozillaの構造上から同ソフト自身がAquaにネイティブで対応するようになる可能性は低いのではないか?と考える。

■Mac OS X 10.1を使いはじめて(2)

昨日に引き続きMac OS X 10.1を使いはじめて気付いた点をノートとして公開する。

iSub:iMac専用のUSBで接続するサブウーファー、iSubは問題なくMac OS X 10.1で動作した(DVDプレーヤーで確認)。ただし、Mac OS 9.xでは存在したウーファーの音量バランス設定ボリュームはSystem Preferenceに見当たらなかった。普通に使う分には問題ないのだろうが、低音の増減を調整できなくなっているのは、場合によっては不満に感じるかもしれない。尚、SoundStickは所有していないため、テストはできない(もしお持ちの方が土曜日の無償アップデーター配付で試されたら、是非ご報告をお願い)。

Print Center:9月28日付けのサンフランシスコ・クロニクル記事でも触れられていたが、Mac OS X 10.1に付属するPrint Centerで新たにプリンターを追加登録する場合は、相変わらず、結構待ち時間が長い。尚、ソフトの起動時間自身は早いのだけど。

Desktop Picture:Mac OS 9.xまではデスクトップピクチャー設定にタイル表示やアスペクト比(縦横比)を保ったままの拡大/縮小など、いくつかのオプションを設定できたが、Mac OS X 10.0.xでは無くなっていた。Mac OS X 10.1でもその設定項目は見当たらない。一方、Desktop Pictureの設定自身は、いちいちファイルを呼び出すのではなく、サムネイル一覧表示から選ぶ。画像を収録したフォルダーを選択する事で、純正以外の画像をサムネイル一覧表示できる。フォルダーでなく特定の画像ファイルを指定したい場合はデスクトップからドラッグ&ドロップする。

関連記事:


Panic SoftwareはMP3などのデジタル音楽用ソフトウエアAudition 2.6の配付開始を行っている。Mac OS X 10.1ではプレイリスト・ウィンドウのリサイズが高速化したほか、Dockのメニューでのコントロールが可能になるという(MacNN)。

Mac NNによれば、Mac OS X 10.1の配付は直販店のほか、CompUSAでも行われる予定と言う。

Sep. 28 2001

Mac OS X 10.1のさまざまな情報を集める「Mac OS X 10.1情報」セクションを開設しました。まだ現在作業中で、今後どんどん情報を追加していく予定です。更新状況はこちらで紹介します。

■サンフランシスコ・クロニクル紙:Mac OS Xは素晴しいXPの代替となりうる

今週Seybold San Franciscoではじめて一般への提供が開始されたMac OS X 10.1について地元紙サンフランシスコ・クロニクルが紹介記事を掲載、10.0では不満が多かったものの、10.1ではおおむね満足のできる仕上がりになっており、Windows XPのオルタナティブとして存在感を増しているという。

特にパフォーマンス向上やDVD再生機能やCD-RやDVD-R焼込が可能となった点などの解消は嬉しいニュースだが、特にパフォーマンスの点では一部のソフトを使用する時にはまだ遅い…として、System PreferenceやPrint Centerでそれが顕著であるほか、標準バンドルのIE 5.1はWindows版と比較して体感速度が遅いと感じるといい、他にもユーザーインターフェースでまだ改善の余地はあると見えるという。

Mac OS X 10.1の一番の問題はまだ対応アプリケーションが出そろっていないことで、特にAppleの核となる市場であるグラフィック分野でPhotoshopやQuarkXPressなどがまだ正式アナウンスされていないなど、主流デスクトップになるまでには、まだ時間がかかるかもしれないという見解。

ただし、サードパーティー製ソフトが出そろうころにはMac OS X自身もマイナーバージョンアップし、さらに完成度を高めているかもしれない…と楽観的な意見が述べられていた。

注:記事筆者のHenry Norr氏はMacNNにも寄稿する事もあるMacを熟知したサンフランシスコ地元テクニカル・ライター。

THE NEXT X :Apple's operating system upgrade an excellent alternative to Windows XP but leaves room for improvement (San Francisco Chronicle)

■Mac OS X 10.1を使いはじめて

Mac OS X 10.1を昨日より早速使っている。この項目では、AppleのMac OS Xサイトに記載されていないような、どちらかといえば細かい部分で気付いた点を掲載する。相当いろんなところを見落としていたり旧バージョンで既にあった…というような勘違いもあるかもしれない。もしなにかあれば指摘してほしい。

ビルド番号:「5G64」が少なくともSeybold会場で無料配付された10.1のビルド番号。「このMacについて」ウィンドウのVersion 10.1と書いてある部分をクリックするとビルド番号を見る事ができるようだ。Apple System Profilerユーティリティーを利用してもビルド番号を確認できる(これらの手法はBBSで教えていただいた)。

ウィンドウのリサイズ:以前のMac OS Xで最も遅さが顕著だったのがウィンドウのリサイズだが、この点は相当に軽快であるといえる。試しに結構な長文を標準のTextEditで開き、書類ウインドウのリサイズを行っても、かなり軽く操作ができたのには驚いた。ちなみに利用したのはiMac DV G3 400MHz(利用Mac機材ページ参照)なのでそれほど強力なマシンではない。

スケールエフェクト:ウィンドウをDockにしまうときに、以前のグニャっと曲がるジニーエフェクトだけでなく単純にウィンドウサイズが縮む視覚効果のスケールエフェクトも追加。これはかなりサッと早くウィンドウが仕舞われるので、サクサク使いたいときに良いと感じた。

スクロールホイール対応:10.1ではFinderをはじめとする多くのCarbonソフトでスクロールホイールの利用が可能になっていた(Microsoft Intellimouse Exprolerを使用)。10.0.xではCocoaベースのソフトの場合やIE 5bで利用できたが、他のソフトではスクロールホイールは標準で利用できなかった。

Mailの改善:OSに付属するメーラー機能が向上している---といっても機能的には他の商用メーラー機能に近付いたといった方が良いのかもしれない。既に返信をした---などの表示がアイコンで示されたりするなど使い勝手の面で細かい(けど重要な)機能が多く変わっている。またOutlook / EntourageやNetscapeのメーラーから乗り換えるためのメールボックスインポート機能もある。

ことえり:Mac OS X 10.1に標準で添付される日本語IM「ことえり3」だが、少なくとも起動や英語/日本語の切り替えはかなり速くなったように感じられる。変換効率のような点については、いろいろと使ってみなくては分からない点も多いと思うので今すぐ結論は出せないが、すくなくともフラストレーションを感じるようなことは無い。これならサードパーティー製品を使わなくても満足してしまうユーザーも多くなるかもしれない。また文字パレットにはJIS 2000で用意された旧漢字や様々な記号が用意されているのが確認でき、なかなか嬉しくなってしまう。また旧字体を自動て探す「関連字体」表示も用意されている。

Classic環境:利用するためにはMac OS 9.2.1が必要となる。9.1を利用している場合、Classic起動と同時に警告ダイアログが表示され、9.2.1へのアップデートを則すメッセージが出される。その表示によれば、一旦9.1のClassic環境から9.2.1アップデーターを利用することは可能であると言う。ただし僕のところでは検証はしていない。

DVD再生:Mac OS Xの以前のバージョンで対応できずに多くのメディアから叩かれていたDVD再生機能がMac OS X 10.1ではサポートされている。実際に再生を試してみたが、PowerBook G4はもちろん、iMac DV SEで問題なく再生できることが確認できた(利用Mac機材参照)。再生テストに利用したのは映画Matrix(iMacの初期DVD Playerで多く不具合が報告された)と映画「ブレードランナー」の2本。

多くのみなさんがMac OS X 10.1を入手できるようなったら、みなさんの意見や情報提供をBBSなどでお願いすることになる。御協力をよろしく! もちろん僕の側でも引き続き気付いた点を暫時「メモ」として紹介していく。ただ僕は“間違い探し”のようなゲームに弱いんだけど…。

注:本サイトで掲載しているMac OS X 10.1内容はSeybold San Francisco 2001で基調講演参加者及びAppleブース来場者に無償配付されたアップデートCD-ROMを利用して記述している。

関連記事:

Sep. 27 2001

■AppleがQuickTime Live!を延期

AppleはQuickTime制作者などを対象にしたカンファレンスQuickTime Live!の開催を延期する決定をした事を発表している。同カンファレンスはカリフォルニア州ビバリーヒルズのヒルトン・ホテルで10月8日〜11日に開催される予定だった。今回の決定によりQuickTime Live!は2002年2月10〜14日に同じ会場で開催される事になった。

昨日より電子出版関連の展示会/カンファレンスSeyboldが本格開催となったが、国内外の移動で様々な支障があるようで、参加者激減という状況だった。従って、AppleのQuickTime Live!延期は納得できる結論と筆者には思える。

■Seybold San Fransico 2001展示会ホールより

昨日は基調講演参加のあと、さっそくオープンした展示会場にいく事となった。しかしその展示会ホールは「みじめ」とも言える光景。同時テロによって航空便移動が不便なものとなったため、海外や米国でも東海岸など遠距離に拠点を置く多くの企業が参加を直前に取り止めており、展示会場は空きスペースが目立つ。また展示会を訪れる来場者も激減している。ほとんどの参加者が移動に支障の無い地元からだけだったようだ。さらに米国の景気、特にネット関連が不調である事も追い討ちをかけているようだった。ハッキリ言って今まで見てきた中で一番閑散とした展示会だったかもしれない。Seybold主催者側は強気の予定決行を行ったが、結局展示会の成功という面では裏目にでたようだ。

会場ではAdobeが大きなブースでデモを行っているほか、CrelがprocreateブランドでPainterやKPT関連のデモを実施。ただしMacromediaの出展は取り止めとなっていたようだ。Microsoftは電子ブックなどを展示していたがあまり目立たず、閑散とした雰囲気。Mac OS X対応ソフトのデモはそれほど多く見られなかったが、その中でCorelがCorelDRAW 10のセミナーをMac OS Xで実施している事や、WacomがMac OS Xドライバーのデモを行っていた(別記事参照)。

小規模ブースで面白いな…と興味をもてたのがnik multimediaのPhotoshopフィルターパッケージ。KPTのような派手なエフェクトというより写真家にターゲットをしぼったプラグインを多く提供している。

今回米国同時多発テロにより会場内はかなり厳重な警備がなされていた。そのため、展示会場への写真機材持ち込みは禁止。プレス資格で入場する場合でも事務局からの特別許可が必要という有り様だった(大変だったんだから!)。今回はインプレス(PC Watch)からの取材契約を全面的に主張して許可を得たため、本サイトには一切写真を掲載しない。

関連記事:

Seybold San Francisco 2001レポート---Mac OS X 10.1を発表
(PC Watch 記事:Pierre Fujiki)

■WacomがMac OS X用のタブレット・ドライバーβ版を配付開始

Wacomは同社のIntuisなど多くのUSBタブレットで利用できるβ版Mac OS Xドライバー4.70-7を公開している。

Seybold会場で実際にソフトを見る機会があった。従来のドライバーはアプリケーション仕様なので、バックグラウンドでソフトが動作している必要があったようだが、今回はその必要は無いようだ。実際Mac OS Xのログインパネルが表示されている状態でタブレットを動かし、マウスとして利用できている様子を見せてもらった。また、Classic環境で動作しているソフトでも感圧式タブレットが利用できる事をデモするため、Photoshop 6が多く使われていた。

ちなみにWacomの現在のドライバー設定用パネルは外見がMac OS 9のような感じ。これをWacom説明員に聞いたところ、複雑なソフトなのですべてを短期間にAqua化する事は難しかった…という説明を受けた。今回のβ版は正式版になったらAqua化するのか?という質問にはノーコメントだったものの、将来的にはもっとMac OS Xネイティブの外見をしたソフトを提供する事を考えているという。


AppleはQuickTime Streaming Server 3.02を配付開始している。SSL対応やWebベースの管理モジュールを利用可能。

Mac OS X 10.1対応のFetch 4.01が提供されている。

Stone DesignはCocoaベースのグラフィック・スイートStone Studioにイタリア語と仏語ローカライズが加り、またMac OS X 10.1に最適化された新しいバージョンが提供開始されているとアナウンス。

RoxioはToast 5 Titanium for OS X Preview 2を配付開始。Toast 5ユーザーだけが利用可能。

昨日Seyboldで行われたApple基調講演がQuickTimeストリーミングで視聴できるようになっている。

MOTUはMIDI/ハードディスクレコーディングソフトDigital Performer 3.01を提供開始。

Sep. 26 2001

■Mac OS X 10.1インストールしてみました

本日、基調講演に参加して、普通よりちょっとだけ早い時期にMac OS X 10.1 CD-ROMを手にすることができた。ちなみにSeyboldのAppleブースにいくことで入手できるので、ベイエリア在住の方がいらっしゃるようなら、同会場に足を運ぶのも手の1つかも(展示会のみなら入場無料)。

さて、pierre design bbsでも多少話題となっていたのだが、まず本日受け取ったパッケージにはマニュアル冊子とMac OS 9.2.1、そしてMac OS X 10.1のアップデートCDが入っており、Developer CDは無かった。なお、アップルのページを見る限り、有料パッケージの方には含まれているようだ。Developer CDの内容はADCオンラインメンバー登録をすることで無料ダウンロードできるようになる可能性が高いが、100MBクラス…と容量が非常に大きいので回線に余裕の無い方は有料版を入手するのも悪くないのかもしれない。

アップデートCDのインストーラーはMac OS 9では起動せず、Mac OS Xを利用する必要がある。インストーラーを起動するとMacがリスタートし、CD-ROMから起動してMac OS X 10.1のインストール作業が開始される。10.1インストールのボリュームを選択するとき、アップデーターCDの場合にはMac OS Xが入っているボリュームしか選択できないようだ。2つあるMacのうち1つで上書きインストール処理を行ってみたが、マルチユーザーも含めてかなりの設定内容がそのまま継承されるので、楽だな…とは感じた。

尚、「アップデート」という名称から、クリーンインストールができないのか?という疑問もbbsに寄せられているが、結論から言えばできる。ただしMac OS 9とは多少勝手が異なる。インストール先ボリュームを選ぶとき、「ディスクを初期化」をチェックして作業を行うと、まっさらなMac OS X 10.1となる。ただしMac OS 9の場合はSystemのクリーンインストールだけをして同じボリューム内の書類やアプリケーションを消去しないようにできるが、とりあえず見たところではボリュームを初期化せずにクリーンインストール作業を行う方法はなさそうだ。もちろん、まっさらな10.1インストール後は、再度ユーザ登録設定の作業などを要求され、多少面倒かもしれない。

10.1をインストールすると、いままでと同じようなアプリケーションも含まれ、さらにはiMovieも標準ではいってくる。またAdobe Acrobat reader 5.0も標準バンドルとなっている。さらに新しいものとしてはDVD PlayerやAirPort Setup AssistantやAdministrationツールがUtilitiesフォルダ内に付属してくること。ちなみにDVDはまだキチンと見ていないが、試しに映画Matrixを5分ほど再生してみたところ、きちんと動作しているよう見受けられた。
上書きインストールをした方でDockにIEを登録している場合、リンクを見失ってしまうようだ。リンク切れアイテムを外し、再度IEをDockに再登録するといい。

Mac OS X 10.1を利用して、まず最初に「おぉっ!」と思うのはパフォーマンス。Finderはもちろん、長文が表示されているTextEditやMailのウィンドウをサイズ変更しても非常に軽快。またアプリケーション起動もかなり早くなっている。FinderからSherlockを呼び出したとき結構起動が速かったので、ちょっと感激。尚、IEはそれでもリサイズがちょっともたつくなか?という感じがする。

Appleメニューから「このMacについて」を表示させた場合、今回からビルド番号が表示されなくなっていることにも気が付いた。他にも細かい点で「おっ!」と思う新しいことは意外に多々ある。とりあえず思い付くままに書いてみたが、これからMac OS X 10.1を使っていき、少しづつ特に発表されていなくても気が付くような新しいことをまとめていきたいと思っている。

■Seybold:Appleフィル・シラー基調講演詳報

今回の基調講演はAppleの上級副社長フィル・シラー氏が行った。予定ではジョブズはパリより衛星中継で出演だったが、同Expoが中止となったためジョブズ本人が基調講演冒頭に登場。Mac OS Xへの移行を時計になぞらえて、Mac OS X 10.0が6時、そして10.1や様々なアプリケーションが登場しつつある現在は9時にあたり、来年春には最終的な移行が完了するとジョブズは述べた。またMac OS X 10.1は$129でパッケージが販売されるほか、アップグレードCDは$19.99で配付、もしくは販売店で無料アップグレードも可能との事。時期は今週の土曜日(9月29日)からだという。尚、それ以降の講演はシラー氏にバトンタッチ。

Seybold基調講演での最大の主役はなんといってもMac OS X 10.1である。フィル・シラー氏はMac OS Xの特徴、そして10.1でどのように変わったか?という点を丁寧に説明。中でも処理速度の大幅な改善について強く強調したほか、CD-ROM焼き込みやDVDムービー表示などいままで強く求められていた機能が搭載されている事をデモ。さらにDVD-Rにも対応し、Finderで通常のディスクを利用するようにファイルをDVD-Rに焼き込み様子を見せた。他には10.1がSMBやNFS等に標準で対応し、様々なネットワークで利用する事が簡単であるとしていた。尚、冒頭でアプリ起動の様子を見せようとしてQuickTime Playerが不調となり、画面にカーネルパニックの様子が表示されてしまうアクシデントがあった。

Mac OS Xで利用できるAppleの技術としてiDVD 2のデモに多くの時間がさかれたほか、Seyboldは電子出版のプロの展示会である事からColorSync 4とAppleScriptがデモされた。ColorSync 4がOSに統合されている事からPreviewやMailでもColorSyncが使える事や、ImageCaptureでデジカメからの画像取込時に自動的にプロファイルをJPEG画像に添付する様子を見せた。また、AppleScriptに関しては、特に力を入れた紹介がされている。

さらに高度になったAppleScript。写真はAppleScriptをFinderのツールバーに追加している様子。

まず作成されたAppleScriptをFinderのツールバーに登録して機能を拡張する様子、そしてネットから様々な情報をXMLにより入手する様子がデモされた。これをグラフィック分野で応用する例として、AppleScriptを利用して米国各州の平均気温をネットより入手、それを元にIllustrator上で米国地図の各州に温度ごとに異なった色を付ける…といったデモを見せた(ちなみにIllustrator 10が利用された)。
また、今年内にAppleScript Studioとして従来はCocoa版ソフト開発などに使われていたProject BuilderとUser Interface BuilderでAppleScriptが利用できるようになるという。これは今回発表された新しい点である。このAppleScript Studioを使う事でユーザーインターフェースを持ったAppleScriptアプリケーションを作成できるといい、またユーザーはScript開発のための高度な環境を手に入れる事ができるようになると言う。デモではFileMakerやInDesign等をリモートコントロールし、自動レイアウトを実行するAppleScriptアプリケーションを見る事ができた。出版業界などではAppleScriptを多用する例も多く、この強力な環境には観客から拍手が沸き起こっていた。

Adobe GoLive(開発途上版)のMac OS Xでのデモも行われた。

サードパーティーからは主要4社の紹介があった。MicrosoftからはOffice v.Xのデモが行われたほか、AdobeはGoLiveの開発途上版(正式なアナウンスはまだされていない)、そしてNewTekからはLightwave 3D [7]によるラジオシティー等の高品質グラフィック作成事例紹介、さらにAlias | WavefrontはMayaの特にペイント機能をグラフィック関連ユーザーにアピールしていた。

最後に本当は土曜日まで待たなくてはいけないMac OS X 10.1だが、基調講演参加者にはアップグレード版CDが無料提供された。またAppleブースでもCDを入手する事ができるようになるとのこと。今回はあらかじめ新製品発表が無い点がアナウンスされていた事やテロ事件の影響もあって、参加者が少ない事がちょっと目立った基調講演だったが、10.1のCD-ROMは嬉しいお土産だったかもしれない。

■Seybold:Appleフィル・シラー基調講演速報

本日、Mac OS X 10.1の正式発表(価格$129)。今週土曜日(9月29日)より入手可能。アップグレードCDは$19.99、ただし販売店でアップグレードする場合は無料となる。その後Mac OS X 10.1の特徴に関するデモとなった。

Macworld NYと同様にApple製ソフトのデモとしてはDVD制作ソフトiDVD 2に多くの時間がさかれたほか、電子出版業界展示会のSeyboldに向けてMac OS Xと密接に統合された色管理システムColorSync 4やAppleScriptがデモされた。

中でもAppleScriptに関しては非常に力を入れているようで、AppleScript StudioとしてProject BuilderやInterface Builderを利用してユーザーインターフェースを伴ったような高度なAppleScript開発環境が提供される予定であるという。これはMac OS X 10.1と同時ではなく、今年中の出荷が予定されているという。これは今回の新しい点かもしれない。

さらに基調講演ではMac OS Xで動作するサードパーティー製品としてMicrosoft Office v.XやAdobe GoLive(開発途上版)、Lightwave 3DやMayaが紹介された。

尚、基調講演参加者には先駆けてMac OS X 10.1が配付されたほか、Appleブースでも入手する事ができるようになるとの事だった。

[関連情報]

Apple Mac OS Xセクション

AppleがMac OS X 10.1を発表(報道資料
AppleがMac OS X 10.1対応ソフトが1,400点以上既に存在している事を発表(報道資料
AppleがMac OS X Server 10.1を発表

Sep. 25 2001

■KensingtonがMac OS Xでも使える無線トラックボールを発表

本日KensingtonはTurbo Mouse Pro Wireless trackballを発表。これは無線で遠隔利用できるトラックボールで、Mac OS X用ドライバーMouseWorksも用意される(Mac OS 8,5以上でも利用可能)。外側はステンレスの金属ケース。価格は$129.99。

■AdobeがIllustrator 10を発表

Adobeは本日Mac OS Xでネイティブに動作する定番ベクターグラフィック・ソフトIllustrator 10を発表している。

Illustrator 10の新機能は多岐にわたっているが、特にWeb関連機能の寿実が挙げられるだろう。グラフィックを様々な方法でスライスする方法を提供し、またWeb用出力のため文字のアンチエリアスを部分ごとにOn/Off設定可能などの細かい点まで配慮されているようだ。ほかにはベクター・グラフィックのSVGやFlash出力機能の向上がはかられているという。

グラフィックの表現能力を向上するという点では、エンベロープやワープ効果を実現する形状わい曲機能Liquifyツールや、頻繁に登場するグラフィックを登録するシンボル機能、4つの新しい描画ツール(直線、曲線、グリッド、ポーラー・グリッド)、コンパウンド(複合)シェープ作成機能の向上、反射やレンズフレアを表現するフレア・エフェクト機能といった機能が挙げられる。

他にもデータ資産管理機能やマジックワンド・ツールなどが搭載されているほか、Photoshopと設定を共有できるロールオーバー/アニメーション設定、直接ファイルをInDesignに貼り込める事、Web用グラフィック制作でのGoLiveとの協調など、多くのAdobe製品との統合も進められている。

価格は$399でIllustrator 9.0からのアップグレードは$149。北米での出荷時期は第4四半期(10〜12月)。

■AdobeがInDesign 2.0を発表

AdobeはMac OS Xでネイティブに動作するページレイアウト・ソフトInDesign 2.0を正式に発表している。ただし正式出荷は2002年第1四半期(1〜3月)になってしまうようだ。

InDesign 2.0は様々なオブジェクトにドロップ・シャドウや縁をぼかす効果、透明度設定といった透明度効果を設定できるほか、柔軟な表組作成機能を搭載。他にもオーバープリントの画面表示やグラフィックの高解像度表示に対応。OpenType対応も拡張されているという。

以前は複雑すぎると不評であった印刷関連のユーザーインターフェースを大幅に改善したほか、同様に問題視されていた動作速度も向上しているという。複数のレイアウト書類を1つの「ブック」としてまとめる等のQuarkXPressを意識した機能も搭載されている。

PDF出力機能が強化されAcrobat 4もしくは5互換のPDFが作成可能なほか、XMLファイルの入力および出力をサポート。またXMLによるレイアウト書類のワークフロー管理にも対応しているそうだ。またSVGやeBooks出力機能も用意される。

Adobe製品との統合という面ではPhotoshopやIllustratorのファイルを直接貼り込む事が可能なほか、Web出力のためにGoLiveとの協調が強化されているという。

価格は$699で、バージョンアップは発売後90日以内の場合は$99(それ以降は$149)、また9月24日以降にInDesign 1.5を購入したユーザーは無料で2.0にアップグレード可能となる。

■Adobeがグラフィック用サーバーソフトAlterCastを発表

Adobeが本日発表したサーバー用ソフトAlterCastはPhotoshopおよびIllustratorの技術を利用した製品で、様々なグラフィックの再利用、コンテンツ管理、eコマースなどを用途として想定した製品という。

例えば、印刷用に作成したIllustratorやPhotoshopなどのデータを自動的にサイズ変更やフォーマット変換するなどして別の用途…例えばWeb向けグラフィックデータを自動生成する事。さらにはPCユーザーとPDAユーザーでは異なった大きさ、色数のグラフィックを生成するなどができるようになる。

同製品は2002年初めに北米のみに出荷予定であり、CPU毎のライセンスで価格は$7,500〜(ハイパフォーマンス仕様の場合$60,000)になるという。

 

 

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