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November 2001

Last Update : 11/27/2001



牛の話
11/27/2001
今回は New York の牛にちなんだ悲しいニュースと嬉しいニュース。

tsq.jpg(73997 バイト)
Times Square、46th Street 近くの様子。

先週Thanksgiving の連休があり、今年も静かに過ごした。正確に言うと Thanksgiving の翌日、Atlanta から R 君とその友達が New York に遊びに来ていたのでこの日はにぎやかな一夜になったのだが。
夜はみんなで Queens にある Korean Area の韓国レストランへ。牛タンにカルビ、プルコギの焼き肉づくし、それに石焼きビビンバ ( この日、器は石焼きじゃなかったけど ) と日本の狂牛病もなんのそのと、牛肉を食いまくった。( 大阪で同じ頃オフ会をやっていた F さんの携帯に電話したのも、焼き肉が一段落ついた頃だった )

そして翌日の R 君が Atlanta に戻る日、East Village にある日本食料品店、サンライズマーケットに寄ったときのこと。「なんかお菓子の新製品ないかなぁ」とか考えながら店内をうろうろしていると早速グリコからチョコレートプリッツなるものがでていることを発見。何もなければ買うつもりはなかったが、前から寒い日にはやっぱりクリームシチューでしょ!とルーを買おうと思っていたので探してみた。
前にきたときには確かカレーのルーの横に何種類も並んでいたのになぁと棚を探してるが、その棚はすべてカレールーとインスタントカレーしかおいてなく、シチューのルーは全く見あたらなかった。おかしいなぁと付近の棚も探すが一つもない。
近くにいた店員に聞いてみると「こちらですよ」と言って案内してくれたのだが、やはり案内されたのはカレールーの売り場だった。「そこ探したんですけど、一つも見あたらないんですよ」と言うと「あれー売り切れたのかなぁ」と棚にあるカレーのルーをどけて置くのパッケージを調べてくれながら店員も不思議そうだ。こちらも売り切れなら仕方ないな、どうせ今までだってそんなによく作っていた訳じゃないんだし、と思って「じゃまた来ます」と言い、手に持っていたプリッツを戻そうと思い始めたとき、その店員がふと思い出したような顔をして振り返った。

店員「あ、売り切れですね。それとこのあとしばらく入荷の予定はありません」
僕「もうシチューは取り扱わないんですか?何で?」
店員「実はシチューのルーの成分に牛脂がはいっており、これに脊髄部が混じっている可能性があるので輸入できないんですよ」とのこと。前の日、焼き肉をしながら日本の狂牛病の話題になり、アメリカにいるから大丈夫!なんて言っていたのだが、日本の狂牛病さわぎは対岸の火事ではなくなってしまったのだ。
こちらの店でルーがなくなったのは日本での回収騒ぎを受けて在庫がなくなったのか、それともアメリカ政府が規制をかけているのかわからないけれども、少なくともアメリカではなかなか手に入らない幻の食料品になってしまいそうだ。狂牛病騒ぎの前から牛肉が入っている加工製品、たとえば牛肉が入っているレトルトカレーなどは日本から輸入できなかったので、それだけで不便だったのにこれから今度はクリームシチューとカレーライスが食卓から消えてしまいそうだ。

その一方で嬉しいニュースも一つ。
アサヒコムを読んでいたら、吉野家が250円セールをするというニュースが目に入った。ふむふむと読み進めると、1000店目の出店を記念してのことらしいがそれがなんと New York というのだ。
実は西海岸には進出している吉野家も東海岸にはまだ一店舗もなく、前々から「 New York に進出してくるらしいよ」という噂が流れていた。その後正式な発表があったものの、9月11日のテロで計画が狂い、「開店延期のお知らせ」の通知がホームページにでていた。
次の開店予定日が記載されていなかったのでしばらく開店の見込みは無くなったのかと思っていたところ意外にも早く、12月18日に Times Square に開店するとのこと。 しかも当初は夜10時までの営業だが来年3月からは24時間営業、ということで牛丼が恋しくなった日本人たちでたむろってしまいそう。

これでシチューもビーフカレーは食べられなくなるかもしれないが、代わりに牛丼が食えるからまだいいか、と妙なところで納得。
今回の話は焼き肉で始まって、狂牛病、牛丼とまさに牛づくしになっちゃったな。

この間日本から来た友人にはインスタントコーヒーをたくさん頼んだのだが ( 僕はコーヒー党 )、今度来る友達からクリームシチューやカレーのルーに切り替えないといけないな!? 誰か宅急便で送ってくれる人いる?

吉野家 New York 店のニュースリリース
http://www.yoshinoya-dc.com/newsrelease/news08-2.html




Thanksgiving Day Macy's Parade
11/22/2001
今年もこれが Thanksgiving Day の連休に突入。これがやってくるとなんとなく年の瀬を感じる。なんとこれでアメリカで迎える Thanksgiving は8回目になった。

( 写真はすべて CANON Powershot G2 )

珍しく今年はそれほど寒くない Thanksgiving Day を迎え、そのおかげか見物人もぎっしり。
このパレードの特徴は巨大なバルーンが主役なこと

といっても8年も New York に住んでいるわけではなくて、長期出張で滞在しているときにたまたま Thanksgiving Day を迎えてしまった、というのもカウントされているのだが、それでももう8回目かと思うと自分でも驚いた。

Thanksgiving Day についてはここ何年かの New York Watch でも取り上げているので、あえて書かないが アメリカ大陸に入植した人たちが何も食べるものが無かったある年、Native Amerian ( インディアン ) の人たちから施しを受けたことに由来する。日本の年末年始同様、普段は離れている家族が集まり、当時の伝統的な料理 ( ターキーなど ) を食べるのが一般的な習慣のようだ。

年中無休の店もこのときは閉めるところが多く、街は閑散としてしまう。が静かな東京の正月でも人が集まるところ、明治神宮があるように、Manhattan で名物のイベントがあるのだ ( もって行き方がちょっと強引だ )。それがデパート、Macy's がスポンサーをつとめる Macy's Parade だ。このことは New York Watch で紹介していたと思ったのだが、過去のページを見ても載せていなかった。正確に言うと、New York Watch を始める前の New York 旅行記に写真を載せたことがある。
11月22日の当日、休日にしては珍しく朝早く目が覚めたので、写真を撮りに行ってみようと思い立って、顔をさっと洗うだけでデジタルカメラをつかんで電車に飛び乗ったのだ。今回は、今日の撮れたての新鮮な写真を使って、初めて New York Watch で Macy's Parade の様子を紹介することにした。

パレードは朝9時からスタートし、正午近くまで Broadway を南下するコースをたどる。正確にはパレードは34th Street の Herald Square が終点になっている。これはスポンサーの Macy's デパートがある場所だ。テレビの中継もここから行われている。
僕がアパートを出たときにはすでに時計は10時をまわっていたので、一番混むと思われる 34th Street 駅と、Times Square 駅をはずして、その前の49th Street 駅で下車してみることにした。
地上に出てみると、34th から離れているにもかかわらず、通りはものすごい数の人たちで埋め尽くされていた。9月11日のテロ以来、これだけの活気を見られたのは初めてかもしれない。とりあえず Broadway に出てみるが、歩道は人で埋め尽くされているので前にいる人たちの頭上にカメラをかざして写真を撮るしか方法は無いのだが、こんなとき G2 の液晶はぐるりと反転できるので、頭上のカメラを真下から見て写真が撮れて便利だ。

あまりに大きいので、写真に撮るのが大変。このパレードは家でゆっくりテレビの中継で見るのがいいのかもしれない。

Macy's Parade の名物は写真にあるような大型バルーンなのだが、これはなかなか圧巻だ。最初見たときは街の景色とマッチしない大きさとそのキャラクターに、つい笑ってしまった。
毎年その年を代表したキャラクターなどが追加されるので、少しずつ登場するバルーンもかわる。去年は見なかったのでわからないが、今年もあったポケモンはもう常連なのかもしれない。

実は Thanksgiving Day の当日は毎年気温が急に下がるときで、一度などはこのパレードを見に行った後すっかり風邪を引いてしまったことがあった。肌が露出しているところが寒い、というよりは痛いほど気温が低かったのだ。来ている人たちも銀行強盗がかぶるような、あの目だけがくりぬいてある毛糸の帽子をかぶっていたもんだ。
ところが今年は比較的暖かく、晴天に恵まれてそこまでの装備は必要なかった。前回は持たなかったデジタルカメラのバッテリーも今回は十分足りた。



上の写真のパルーんを実際に引っ張っている人たち。おかしいのは、こういった人たちもコスチュームをちゃんとキャラクターに合わせていること。
残念ながら、みんなの関心は頭上を浮かぶバルーンに向かってしまっているのだが・・・。



日本語だと「感謝祭」と訳されるようだが、そう聞くとなんとなくバーゲンを連想する。
これは当たらずとも遠からずで、Thanksgiving Day の翌日または翌々日からバーゲンが始まるのだ。

今宵は皆、家族でターキーをたらふく食べながら静かな夜を迎えていることだろう。
僕も招待してくれた友達の家で食事を食べ過ぎないように気をつけないと。

WWF 団体もフロートを出していた。有名なレスラーなんでしょうか? > 詳しい人
バルーンだけでなく実はマーチも多いのだが、子供たちにはバルーンの方がウケがいい。
この写真の中の人が来ている皮のベストも変わっているなぁ。





「お散歩デジカメ」
11/21/2001
今回も New York にちなんだ話でなくて申し訳ない・・・

S30 とパッケージ。G2 + スピードライト420EX にて撮影

またか、と言われそうだが、また新しいデジタルカメラを買ってしまった。CANON Powershot G2 を買ったのが1ヶ月ぐらい前なのに、またしても CANON のデジタルカメラを買ったのだ。勘のいい人は前回の G2 と外部ストロボの合体している写真を撮ったのが何か別のカメラだと気が付いていたみたいだけど。
今回買ったのは Powershot S30 という300万画素機。

なんでまた同じメーカーから同じような機種を?という質問を友達から尋ねられたんだが、実はこれには明確な理由があるのだ。まず大きさ。G2 は S30 を買った今でも一番気に入っている機種で、S30 が300万画素なのに対して、G2 は400万画素機で外付けフラッシュがつけられること、明るいレンズの採用など、基本性能で上回っているのだが、いかんせんポケットに入る大きさではないのだ。New York Watch で使えるようなシーンは無いかと、なるべくいつもデジタルカメラを持って歩く身にとっては、いつも鞄にデジタルカメラを入れて出かけるとなると時として行動範囲が狭まってしまう。 そこでズボンのポケットに入るサイズのデジタルカメラが一つ欲しかったのだ。S30 はどうかというと厚みはあるもののぎりぎりポケットに入るサイズ。これまでも遊園地に行ったときにカメラを抱えながらローラーコースターに乗ったり、夜の外出の時に巨大なポケット付きのジャケットにカメラを入れて出るなど苦労したことがあったが、これでやっと報われる。

そして一番大きな理由は、水中ケースがキヤノン純正オプションで手にはいること。
僕は1年に1度か2度しかダイビングしない、なんちゃってダイバーだが、それでも海に潜ると必ず「あーあ、水中カメラ欲しいな」と思うのだ。回数が少ないならレンタルでもいいじゃないか、と言われそうだが毎回使用勝手の異なるカメラではいざ潜ると言うときにどんな風に写るのか、プリントができあがってくるまでわからない。しかもレンタルカメラのすべてといってもいいほど、まだフィルムカメラなので、web 用に再利用するのが面倒だ。
確かにデジタルカメラのような精密機器を水深30M近くまで持って潜るのには抵抗があるが、S30 のようなカメラだと少し ( だけ ) 気楽である。しかも多くのカメラの場合、メーカーから純正のハウジングケースが出ることはまれなので、サードパーティによるハンドメイドの高価なケースを買わなくてはならないのだが、純正の場合は大量生産によって安価に購入出来る。( ハンドメイドの特別注文だとたいてい5万から10万円くらい?、S30 のキヤノン純正のケースはストリート価格で$200を切っている )。
S30 を購入したときに一緒に購入したいアクセサリだったが、たまたま品切れかまだ未入荷のどちらかで、店頭にはない、とのこと。なのであわてず安いところで探すことにして。それまではお散歩デジカメでしばらくこいつのコツでもつかむことにしよう。

購入した店は、前回紹介した B&H。オンラインストアと比べてもそれほど高いということもなかったが、今回もどうせ AMEX の Price Watch を使うので、安いかどうかはそれほど問題にならなかった。
バッテリーが小型化され、G2 ほど持たないと聞いたので、今回も予備のバッテリーを一つ購入。早速充電して散歩に出てみた。
さすがに後ろのポケットに入れて、地下鉄なんかで座ることは出来ないが、前ポケットは OK。上着であれば左右のポケットでも内側でもだいじょうぶ ( 重さで形は服の形はくずれるかも )。
使い勝手もなかなかよく、カメラ全面のレンズバリアを横に移動するだけで撮影モードに入れる。日中の撮影はほぼ問題なくきれいに撮れる。オートフォーカスはピントがずれることなく、撮れた写真は発色も鮮やかで、特に赤色は目を見張るほどリアルになった。夜間の撮影はどうかというと、やはり内蔵フラッシュは小さなのがついているだけで、外部ストロボが使えないため、利用出来るのは友達同士のスナップ写真程度。ただし CCD 感度の最高設定が ISO800 まで選択出来るので、それなりのノイズを気にしなければ、フラッシュなしでもぶれの無い写真を撮ることが出来る。実は G2 も兄弟機種の S40 も選択出来るのは ISO400 までなのだが、これは S30 だけがノイズの少ないイメージを作り出せるからだろう。
そのほか S30 には「マイカメラ」という機能が付いていて、起動時のスプラッシュスクリーンや操作音、シャッター音、タイマーのかけ声などいろいろカスタマイズ出来るのだ。もともと複数のデータがカメラに納められているので、それを選択してもよいし、付属の CD に収録されているデータもカメラにダウンロードでき、かつキヤノンの公式サイトでも次々と新しいデータがアップロードされているのだ。買ってすぐは犬の鳴き声で「ワン!」とほえていたのが、今はシャッターを押すと「カシャッ」と人の声でしゃべり、タイマーの時は「はいっチーズっ!」と日本語を話すカメラになっている。
肝心の画質はというと、S30 のレンズ自体が小型のもので、比べるまでもなく G2 の描写力の方が力強い。ただしこれは大きな紙に印刷した場合の話で、web に載せる場合はどうせサイズ縮小する上に、JPEG による画質の劣化圧縮もかけるのでそれほどの差は出ない。もちろん僕が普段見ている 1600x1200 のモニターではどちらのカメラの写真も表示しきれないサイズなので、いずれにせよ縮小しないと全体が一度に見られない。
色合いはさすがに G2 譲りで鮮やか。ファンクションについてはほとんどといってもよいほど G2 と同じなので、G2 同様細かい設定を楽しむことも出来る。回転する液晶画面と外部ストロボが使えないのは、S30 の性格として割り切れるが、リモコンはあってもよかったんじゃないかと思う。結構気軽にみんなでスナップ写真を撮る機会は多そうだから。

さてこうなると、しばらくは外出のときにどちらのカメラを持って出ていくか悩みそうだなぁ。

最後に S30 で撮った写真をいくつか紹介しておく。さらにみたい場合は、以下のリンクをたどってみてください。僕が撮った写真を載せてます。
http://www.pbase.com/hiro/s30

またとあるデジタルカメラ系の掲示板で「G2 との画質比較」依頼されたときの写真も以下のところに配置しました。こちらは夜間の撮影ですが、ISO 感度を上げても G2 よりノイズが少ない S30 の底力が見られます。
http://www.pbase.com/hiro/nightshot_s30_vs_g2



来年あたり、このカメラと一緒にカリブ海に潜れるといいんだが。




New York の大型カメラ店 B&H
11/14/2001
これまで長続きした趣味ってあまりなくて、どちらかというと「多趣味」が趣味だったのだが、なんでだかデジタルカメラだけは道楽としてすっかり身に付いてしまった気がする。

これが外部ストロボ。
G2 との合体図。

最初に購入した Fuji のデジタルカメラから数えて7台目にあたる CANON Powershot G2 を購入した話を先日紹介した。加えてそのときに AMEX カードで支払い、より安い値段で販売している他のオンラインストアとの差額、$160もリファウンドされた話も紹介した。

でこの$160、高値で購入したデジタルカメラの差額をもらっただけなので得した訳ではないのだが、クレジットカードの支払いタイミングの違いから何となく得した気分になり、その勢いで前から欲しかったものを購入した。

それが今回の外部ストロボ、CANON 420EX だ。
まあ撮影技術のことは下手の横好きだし、セオリーもないので単に猫に小判、豚に真珠なんだが、実際にこのストロボと G2 の組み合わせで撮った写真を、G2 の内部フラッシュのみで撮ったそれと見比べると一目瞭然なのだ。天井の高さや被写体との距離なども関係してくるが、天井にフラッシュをバウンスさせて撮った写真がとても自然に見えた。
まあ技術的なものはおいおい調べていくとして、今回この外部ストロボを買った店がちょっとおもしろいので紹介しておこう。

今回購入したのはオンラインサイトではなくて、Manhattan に実店舗を構えている店で、B&H という。オンラインサイトも展開しているので、興味のある人は下のリンクをたどって欲しい。

この店、以前から耳にしたことはあったが、足を運んだのはこのときが初めてだった。Manhattan、特に Times Square 周辺にあるカメラ屋というのは信頼おけぬもの、というのは定説で、いろいろなガイドブックに被害者の談話が載っていたりする。僕も何度か入ったことあるが、売り込み方は強硬だし、値段も信じられないくらい高い。というより、メーカー希望小売価格より高く売ること自体、信じられないのだが。

インターネット上の情報だったか広告だったかでちらっとみたときに、この店の住所もミッドタウンにあったので「似たような店かな」と思っていたところ、デジタルカメラウェブサイトのユーザフォーラムなんかでこの店の名前をよく目にして、その多くが結構賛辞に近いようなコメントだったのだ。どうやら店舗に訪れることの出来る New York 近郊の人のみならず、オンラインサイトを通じて全米で有名なカメラ屋の一つだと言うことがわかった。
オンラインサイトで見たところ、目当ての外部ストロボも割とリーズナブルな価格だ。これなら税金はかかるもののその場で手に入れられるし、と、この店に行って購入してみる気になった。
オープンしている時間と曜日を確認してみると、すぐにユダヤ系の店だと言うことがわかる。ジューイッシュの人たちの店は月曜日から木曜日まで通常営業、金曜日を早く閉め、土曜日は一日休み、そして日曜日に営業というパターンなのだ。

土曜日は休業なので、行って来たのは日曜日。Manhattan にある大きな郵便局 ( 炭疽菌騒ぎで一躍有名になった ) の横を通り過ぎ、店は9th Avenue と34th Street の角にあった。6th Avenue のフリーマーケットを見てから行ったので、着いたのは閉店まで30分もなかった ( 日曜日17:00閉店 )。入ってすぐにアナウンスがあり、「閉店まで15分。買い物はお早めに」とスピーカーががなりたてている。
さすがに店員のほとんどがひげを伸ばしもみあげも三つ編みにしているジューイッシュの人たちばかりだ。
皆緑色のベストを羽織り、日本の家電店販売員のような出で立ちだ。
品揃えはさすがで、マニア受けしそうなものばかり。カメラのみならず、ビデオカメラ、テレビ、プロジェクターなどもそろっている。ビデオのコーナーはプロ用?と思わせるような編集機器コーナーまで充実している。
カメラのコーナーはレンズやストロボなどのアクセサリのほか、三脚、ケース、それにスタジオ撮影用の壁紙、ライティング、それに暗室用の液体や機材などもあり、ただ見ていていてもそれが何に使われるのかわからないものでいっぱいだ。

で面白いというのはその品揃えだとかジューイッシュの人たちの店、ということではなくて、その内部にあるのだ。今回のテロの関係で荷物はすべて入り口で預けるため、店内の様子を写真に撮ることもできず、その様子を写真で紹介出来ないのが残念だが、これがまた非常に合理的にできている。
売り場そのものごく普通でガラスの陳列棚にカメラが展示してあったり、ケースや鞄、三脚などは実物が置かれて自由に触ることができるようになっている。
購入したいものが決まれば、その型番を最寄りの店員に言うと PC をたたいて在庫の確認や価格などを知らせてくれる ( ちなみにここは値引きは無いようだ )。で在庫があればその場で何か入力すると、その商品アイテムが店内天井や床下に配置されたレールを通って目の前に出てくるのだ。テレビか何かでミニ機関車が料理を運んでくるレストランの様子を見たことがあったが、まさにあんな感じだ。とある売り場では地下からレールが垂直に上ってきていて、それが床までくると今度は横にレールが曲がり横に移動するようになっているし、またとある売り場では頭上をレールが走っていてそこを商品が行き来したりする。そのレールの上を商品を運ぶブラスチックの箱が流れているのだ。人間が巻き込まれたりすることなく、全面的にガラスで覆われており、ノイズもしない。だが見ているだけで結構楽しい。

でその商品で良いかどうか実際に手に取ってみて ( たとえば箱入りの製品であれば内容物の確認など )、OK であれば、その場でバーコード入りの一片の紙を印刷してくれる。そのまま店内で別の買い物を続けても良いし、これが最後であれば、次はキャッシャーに向かう。キャッシャーコーナーは大きく二つに分かれ、小切手か現金で払う人と、クレジットカード支払いコーナーに分かれる。それぞれ複数のブースがあり、列に並んだ客を銀行の窓口業務のようにこなしていく。各キャッシャーごとに設置されているランプ「ピンポーン」と言う鐘の音で、空きを知らせてくれるので、まさに銀行かアメリカの入国審査のようだ。

ここで支払いを済ませるとカスタマーコピーの領収書と、製品受け渡し票をくれる。指定された通路を通っていくと、やはり大きなカウンタがあり、支払いを済ませた客が一列に並んで待っている。カウンタの人が「次の人?」と言ってくるので自分の番が来たら先ほどの商品受け渡し票を渡し、それと引き替えに商品をもらうのだ。支払いから商品の受け渡しまで、とてもスムーズで数分もかからない。

Manhattan では店員の程度が悪かったり、そうでなくても手間がかかってものすごく時間がかかったり、またキャッシャー前の並んだ列によって進み方が違ったりしていらいらさせられることも多いのだが、これだけ合理的だと、僕ら日本人から見ても感動的である。

さて予定通り、先日手に入れた差額$160プラスアルファで CANON 420EX という外部ストロボここで購入。もっぱら G2 用にと買ったわけだが、EOS でも使えるのでそれほど高い買い物ではないかもしれない。( EOS はほとんど使ってないけど )

カメラに興味がない人でも一度は見に行くとおもしろい、そんなカメラ屋だ。

B&H ストアの公式サイト

で作品とは言い難いが購入したばかりの 420EX 外部ストロボを使って撮った写真と、内蔵フラッシュのみで撮った写真の比較。

420EX 外部フラッシュ使用 ( 光が割と均等に当たっている )
内蔵フラッシュのみ使用 ( 鳥のくちばしの影が強く映っていたり、画面右下にレンズ自身の影が映りこんでしまっている。また箱も白く飛んでいる )




Price Match
11/10/2001
この制度、意外に知らない人が多いようだ。かくいう僕も最近知ったのだが・・・。

AMEX から送られてきた約$160のチェック

先月新しいデジタルカメラ、CANON G2 を購入したと紹介したが、そのときに「出かけるときは忘れずに」の American Express カードで支払い、Best Value Guarantee という制度を利用したことも書いた。今回はその顛末記を紹介したい。
AMEX カードの Best Value Guarantee プログラムとは、米国では一般に Price Match と呼ばれる制度で、日本でも「当店は最安価格を保証します。他店でより安く販売している場合はその差額を返還いたします」といったサービスを提供しているディスカウントストアがあるが、それと基本的には同じものだ。
つまり AMEX カードを使用してモノを購入したあと、他店で同一商品が安く売られていた場合、その差額を AMEX カードが保証してくれるというもの。もちろん AMEX カードを利用せず他社のクレジットカードを使用して購入しても AMEX は差額返還してくれるわけはないし、また逆に後から値段が高くなったからといって「差分を返せ」ということもない ( あたりまえか )。

実際に使用する場合には注意事項、制限事項があるので、僕もデジタルカメラをオーダーする前に念のため AMEX カードのカスタマーサービス部門に電話して、僕のクレジットカードにそのプログラムがあるか、今回の買い物に適用されるかなどを確認しておいた。
詳細は忘れたが、だいたいこんな感じだ。商品を購入したあと、印刷された広告でより安い価格を見つけた場合、購入時から60日間以内に限って Price Match が適用される。その場合適用される商品範囲があって、同一製品と比較できないモノは認められない。たとえばペットや植物、航空券チケット、ホテルの宿泊料金、映画やコンサートなどのチケット、家など、となっている。また個人が利用できる差額保証限度額は最大$1000で、1商品につき最大$250までとなっている ( まあこの時点で家はまず非現実的ではあるが )。
つまり A 店でとあるデジタルカメラが$2000で売られており、そのカメラを A 店から購入したあと、B 店では$1750 で売られていたことが判明した場合、AMEX に連絡するとその差額、$250を変換してくれるのだ。もし C 店が$1500で販売していて、それを AMEX に連絡しても差額$500のうち$250が戻ってくることになる。そしてこのあと年度内は残り$750分の Price Match が使えることになる。
制限はその他、買い物はすべてアメリカで行われなくてはならず、購入した店が自前の Price Match プログラムを持っている場合には AMEX の同プログラムは適用できないなどとなっている。
「最低価格保証」とは日本だけかと思っていたら、AMEX に寄ると Bestbuy などは自前の Price Match をやっているので除外されるのだそうだ ( 不確かではあるが、その後聞いた話では、Bestbuy の Price Match は周囲15マイルの店頭販売価格との差額を返還するとのことなので、AMEX のそれと比べるとあまり期待できない )。

ところで先に「印刷された広告」と書いたが、実はインターネットなどオンラインショッピングサイトの価格比でも OK とのこと。僕のケースでいえば、デジタルカメラを購入したのもオンラインショッピングだし、安い価格で販売している店として AMEX に Claim した店もオンラインサイトだ。これを証明するにはそのサイトの URL、価格の明示されているそのページを印刷日時付きで印刷し、AMEX が指定した番号に FAX するだけというかなり簡単なものだ。日時なんて PC の時間設定を変えれば印刷時の時間なんていくらでも書き換えられるのだが、こういうところがアメリカの不思議なところだ ( 笑 )。

さて僕が行った実際のケースだが、だいたい以下のような手順だった。
AMEX のホームページに記載されている Best Value Guarantee 1-800 フリーダイヤルに電話し、音声自動応答メッセージに従って「新規 Claim」のセクションに進む。するとすぐに担当の人が電話口に出て、手続きが事務的に進む。聞かれるのは AMEX カードの会員番号、購入した商品名とそれがなにかの説明。型名からではそれが何かはわかりにくいからだろう。次に購入した日時と店名、価格。価格は商品のみの価格、税金、それにオンラインで買った場合には送料や手数料がかかる場合もあるのでそれも聞かれた。ただし Price Match で保証されるのは商品そのものの代金のみのようなので、この辺は参考程度に聞かれたのかもしれない。次にそこより安く販売しているという店の情報。僕の場合はインターネットだったのだが、電話口で「ダブリュウダブリュウダブリュウドット・・・」なんて長い URL を説明する必要はなく、店の名前と価格を聞かれたぐらいだった。
担当の人がコンピュータにいろいろ入力し終わると Claim Number とやらを発行してくれる。またこのときに FAX 専用の 1-800 フリーダイヤルの番号も教えてくれるので、自分の名前、クレジットカード番号、連絡先、それに Claim Number などを自分で記入した紙1枚と、購入したときのレシート1枚、購入した店より安く販売している店の広告またはオンラインサイトの場合はその価格が載っているホームページを印刷したもの ( IE から印刷すると自動的に印刷日時と URL もヘッダとフッタに印刷される ) の合計3枚を FAX るだけだ。
「FAX 受信後、10日後ぐらいにチェックが送ります」と言われて電話での手続きは完了。早速翌日これらの書類を揃えて FAX した。

待つこと10日ちょっと。実際には New York の郵便局も例の炭疽菌騒動に巻き込まれているので郵便物の配達に遅れが出ていたようで、AMEX が発送してから6日も経ってうちに届いた封筒にはちゃんと$160相当のチェックが入っていた。あとはこれを銀行に持っていけば現金にしたり、自分の口座にも振り込める。以外にあっけないもので、今までなんで使ってこなかったのかなんだか損した気分だ。
でも不思議なのは AMEX はこれをやって儲かるのだろうかということ。AMEX にとってのメリットは?
ちなみに会社を含めて AMEX を持っている友人に聞いてみたが、誰も知らなかったという。このプログラムを利用する人が極端に少ないから、成り立っているだけかもしれない。
これから利用する方は、まず AMEX に電話して自分のカードにそのプログラムが適用されているかどうか確認することを勧めます。僕も実際の購入前に電話して「この買い物に適用されるか」と聞いたところ、クレジットカード番号を逆に聞かれて「あなたのカードではサポートされます」と調べてくれた。僕が持っているのは GOLD なんだが、そのほか AMEX BLUE でもこれが使えるらしい。

さてこの臨時収入 ( 正確に言うと購入時はこれが戻ってくることを想定していたのだが、カメラの代金はもう支払ってしまったので、いまは何となくもうけたような感覚 ) はもう次の買い物に費やされることが決まっている。その話は次回紹介かな。



Xbox unleashed
11/7/2001
最近、またやたらとテレビコマーシャルがにぎやかになってきたゲームコンソール。PS2 に続き、この秋、Nintendo のゲームキューブと Microsoft の Xboxが発売される。
とはいえ最新ゲーム機にそんなに興味があるわけではないのだが、昔はよくゲームをしていた ( 作ってもいた ) こともあって、ニュースぐらいは耳にしていた。
そんな中、New York でちょっとしたイベントがあり、それに足を伸ばしてみることにした。

会場周辺の様子。表に地元ラジオ局の車。
まだこの時間は学生は学校、社会人は仕事のはずなのに、行列が。中に入るまで約30分待ちだった。

Micorosft は Windows XP の製品お披露目を New York で行ったばかりだ。多くのショウやイベントが New York に限らずあちこちでキャンセルされる中、あえて New York でイベントを開いたのはテロ後の落ち込んだ雰囲気を打破しようという目的もあったようだ。
そしてこの週末、またも Microsoft が New York (と L.A ).で Xbox の一般ユーザへのお披露目ショウ ( Xbox Unlelashed ) を開いたのだった。

メールで配信されるニュースか何かでこの記事を読んだときは、それほど関心を持たなかったのだが、たまたまそれが週末の Manhattan、しかも割と便利なところで行われるあって、ならば週末の時間があるときにでも顔を出してみようかなと、軽い気持ちでいたのだった。
場所は Broadway の 21st Street。時間は木曜日から金曜日に日付が変わった零時から、土曜日が終わる23:59までの48時間耐久。実は木曜日の深夜、たまたま友達と Park Avenue、20th Street のフレンチカフェにいて、そこから歩いてもいける場所にいたので、もしこのイベントが行われていると知っていたら、ちょっと顔を出せたのだが、残念ながら正確な日時をチェックしたのは金曜日だった。

改めて仕切りなおして、友達と買い物ついでに寄ってみることにした。
うちからは地下鉄 N ラインに乗り、23rd Street 駅で下車。着いてみると該当ビルの前には人が数十人並んでいた。表には特に目立った広告などが無いため、たまたま通りかかった人たちは何なんだ?といった不思議な顔をしながら行列を見て、建物の中をのぞきこんでいく。
僕らも早速この行列の最後に並ぶことにした。並んでいるところからはガラス張りの建物の中の様子が見え、また中の人たちが遊んでいるゲーム画面の様子が建物の外側に向けたモニターから見て取れる。どうやら一旦中に入った人たちがなかなか出ず、アル一定の人数が出ないと、中に入れないようだ。
そうこうして待っている間に、Xbox の Staff カードをぶら下げた女性が行列を作っている人たちに Xbox ロゴの入ったTシャツを配布し始めた。僕らもそれぞれ一枚ずつゲット ( その後実は同行した友人が「日本にいる友達にもお土産にしたい」と会場を後にしたあと、この女性に話すと気持ちよく他のスタッフに「この人たち日本から来ているんだって、いくつかお土産あげてよ」と言ってくれ、HALO というゲームのペーパーバックと何枚かのTシャツをくれた。さすが Microsoft、気前がいい )。
30分ほど行列を待った後、やっと建物の中に入れた。実は行列に並んでいるときに「会場内では携帯電話、カメラ、ビデオカメラの使用を禁止します」とあったので、残念ながら建物の中での画像は紹介できない。なので、下にも紹介したインプレスの GAME Watch の映像へのリンクでお茶を濁させていただきます。
建物の中に入るとそこには数人の女性が座ってノートブック PC に参加者の住所、電話番号、電子メールアドレスなどを登録していた。表には沢山の人が並んでいるにもかかわらず、たった4人でこれをやっているのでなかなか行列が進まないわけだ。しかもクラブをこのイベントに使用していると見えて、会場内でかかっている音楽がとてもうるさい ( さらに司会者がゲーム大会の実況中継をするのでさらにうるさい )。そのためアメリカ人ですら口頭で名前や住所を伝えるのがかなり大変なようで、受付の女の子たちも何度も聞きなおしていた ( 僕は免許証を見せた )。
次の行列は公式スポンサーの Taco Bell と ドリンク Sobe のところで、大会の開かれている48時間の間、ここで食べ物飲み物が無料で提供されつづけるとかで、会場に入った人たちが喉の渇きを癒そうとするのか、黒山の人だかり。
ただしこの行列のあと、Xbox が遊べるゾーンに行くためにはもう一つゲートがあってここでも係員が人数を数えながら並んでいる人たちの入場をコントロールしていた。なので一旦このゾーンに入ってしまうと Taco Bell にも SoBe ドリンクにもありつけない仕組みなんだが・・・ ( GAME Watch は「参加者は飲み放題」と書いている )。

とにかくここで10分ほどさらに待たされた後、やっと中に入って遊ぶことが出来た。中ではフリープレイのコーナーとコンテストのコーナーがあり、並ぶラインは別々だった ( コンテスト参加者の方が待たされる )。ちなみに48時間で一番のハイスコア優勝者には4WD の車やパイオニアの AV システム、特別製 Xbox など300万円ぐらいの商品がプレゼントされることになっており、これを目当てにかなり少年たちが参加していた。
とてもじゃないがゲーマー少年達にはかなわないので、僕らはフリープレイで5種類くらいのゲームをそれぞれ数分ずつ見て回った。

さて Xbox で遊んでの感想。
「きれい・・・かな? 面白いゲーム出るといいけど」といった冷めた感じ。展示されていたゲームがほとんどアメリカンテイストの大雑把なものばかりだったからかもしれないが、この時期に発売される次世代ゲームマシンにしては PS2 とそれほど変わらない感じ。それともとが Windows PC の思想からデザインされたゲームマシンだからかどうもゲームデザインそのものや、Xbox のゲームが PC ゲームテイストっぽい。3Dのシューティングはどこか Doom だし、ファイティングゲームにしても解像度はあるものの、質感の無いような軽いイメージを受けるのだ。特に日本製のゲームでは「 Dead Or Alive 3」が展示されていて、それはそれでものすごくきれいなのだが、それにどうも質感が伴わないのだ。もうゲーマーではないので熱く語れないが、たとえば海辺でのシーンでは高低差のある砂の上を人間が滑ったり、紅葉の森の中では地面に枯葉が散っているのにその上を人間が滑っていて見ていてどうも気持ち悪い。Xbox は次世代ゲーム機にリアルさを求めたのかもしれないが、そのリアリティーが本物に近づけば近づくほど、こんなところがより一層不自然に見えるのではないか?
最後に手で本体を持ってみてその重さにと放熱にびっくり。夏にゲームする機にはなれそうに無いな。あ、一つだけ誉めるとすればそのコントローラ。これは結構もち易く、使いやすいし、デザインもなかなか。

ま、少なくとも発売時に衝動買いすることはなさそうだ。


GAME Watch が紹介した Xbox Unleashed イベントの様子

会場内の様子はここでも見られる。写真に写っているおっさんは Technology Officer だそうだ。




近況。
つい最近まで日本から友達が遊びに来てました。この間いろいろ遊びに行ったり食事に行ったりしたので ( しかもかなりボリュームのあるものばかり ) すっかり体は重く、財布は軽くなってしまいましたが、Web での紹介ネタはだいぶ出来たかも。特にヨシュラン向けのネタが増えたので、今月はヨシュラン強化月間になりそうです。

 

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