5月22日(木)
タンペレ通信に戻る
(フィンランドは、巨人の国)
タンペレ工科大学での初日は、午前8時過ぎに研究室を訪ねる。秘書リーッタさんに研究室、建物のカギとユーザーアカウントを申請してもらった。鍵は明朝、ユーザーアカウントは明日の午後とのことである。研究室は、マラさんと同室になった、プロレスラーだと紹介されても信じてしまうような巨漢である。部屋を片付け、私の机とデスクトップのMacintosh一台を準備してくれた。Quadra840AV,
RAM 32MB, HDD 500MB×2, CD-ROM 内蔵機、Ethernet には接続済みである。
あとは、環境を元に戻せるようファイルのバックアップを取り、持参したCD−ROMから日本語OSをインストールするだけである。明日、ポヒオライネン教授(以後セッポさんと呼ぶ)がR−CDドライブを持ってきてくれれば、ファイルバックアップはすぐできるとのこと。明日までには、日本語メールの読み書きできる環境設定が整うだろう。
それにしても、この研究グループの男性は皆、背が高い、巨漢のマラさん以外のメンバーも、セッポさんを始め、現在はコンピュータセンター移ったカリさんなど180センチを越える身長で、常に上を向いて話さなければならない。太陽光が希薄だと人間もよく伸びるのだろうか。
(食堂)
昼食は定食のメニューからチキンカレーライスを選んだ。もちろん、お米はインディカ米でパサパサ、カレーのルーはとろみの無いしゃびしゃびであるが、味付けはあっさりしていて食べやすい。驚いたのは食堂のおばさんがお皿に盛って見せてくれたご飯の量である。2人前かと思うほどの盛りである。あわてて減らしてもらうがそれでも食べ過ぎのような気がする。帰国時の体重が少々心配になって来た。定食は20〜27マルッカ(500〜700円)にて決して安くはないが、単身ならば、朝晩を軽くすれば昼食だけで十分かもしれない。
CD−Rが来るまで環境設定もできないので、初日は5時で帰宅する。まだまだ、お日様は空高く、とっても得をしたような気分である。アパートの近くまで来ると、小さな公園でわが家の子供達が遊んでいる。夕食の買い物も終わっているからと4人で散歩に出かけることにした。
冬だと思えば小春日和の穏やかな昼下がりである。最寄りの湖畔まで行くことにした。ヘルバンタの中心にはアハベニス湖という周囲600mの湖(池)がありアパートからはテーッカリン通りを渡って北へ200mであるが、町の西隣りにあるスオリ湖(周囲3.5km)までは700mの散歩道があり、もちろん車は入ってこない。長いロープに犬をつないだ人、2〜3人のグループで散歩をする人々など、比較的多くの人々とすれ違う。
湖畔の桟橋では数人の男性が釣りをしており、子供達が見ている。長さ50mが井型になった桟橋の先端には高さ2m程の台があり、台のふもとの他三箇所に、水面下から鉄製のはしごが架けてある。もしかして、水浴場かなと思って地図をみると白抜きの青丸の真ん中に青色の波線のマークが付いている。近くには、子供用のすべり台、鉄棒のある公園があり、その向こうには海の家にも似た売店風の建物まであり、ますます水浴場の雰囲気である。湖水の透明度は高くなく1mがやっと。流れ込む川も流れ出る川も無い、町の隣りの水たまりにしては、きれいなのかもしれないが、泳ぎたいとは思わない。それにしても、この湖で水浴ができるような暖かい日が来るのだろうか?
湖畔から北側に500m程歩いたところで素子(長女4歳)が歩かなくなる。彼女をおんびし、町の西側から全天候型のトラック(400m)とサッカー場の隣を通ってアパートに戻る。トラックでは15人位の若者が陸上競技の練習を、また、サッカー場では、50人を越える子供達がサッカーをしている。サッカー場に芝はなく、地面がむき出しのグランドに一対のゴールが置かれているだけであるが利用者は多い。フィンランドでもサッカーは人気があるらしい。
時刻は7時半近いが、太陽はまだ30度くらいの高さであり、まだまだ夕方の雰囲気ではない。サッカー場は、アハベニス湖の西隣り、アパートからはテーッカリン通りを越えた北隣りに位置し、わが家の食堂、書斎(本来は子供部屋?)からは、よく見える。夕食を済ませ、シャワーを浴びた後に眺めると、午後10時近いのに、相変わらず10人くらいが夕日の下でサッカーをやっている。
太陽は刻々と位置を変えるのだが、なかなか沈まない。西の空からどんどん北に移動するのである。ようやく、ヘルバンタ水道塔近くの高層住宅の向こうに太陽が隠れたのは10時をだいぶ回った時間であった。夕焼け空が北の空に広がっているが、暗くなるまでには、もう少し時間がかかりそうである。なかなか、サッカー場からは、人影が消えないし、先に寝ることにします。おやすみなさい。
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