12月27日(土)

December 27th (Sat), タンペレ通信に戻る( Back to Index)

(クリスマス料理)

 クリスマス直前の週末、パルモネンさん宅で、クリスマスの準備に特製のパンを作るというので、お邪魔させてもらった。フィンンランド風クリスマス料理を初めて作るみどりさんのために、近くに住むリーサさん(ユハさんの妹さんの旦那さんのお母さんであるから、日本だったら、わざわざ来て下さるかどうか、微妙な関係だが)が教えに来てくださった。欧州に共通することかもしれないが、フィンランドでも料理の中心はオーブンである。クリスマス用の特別料理も、パン、クッキー、ハムなど全てオーブンをフルに使った料理で、23日からはハムを焼くために徹夜体制でオーブンが使われる。
 20日(土)は、手始めにパンを焼くことから始まった。慣れた手つきでパンをこねるリーサさんを見ていて、我が家の子供達も我慢できなくなり、生地を分けてもらって形を作る。彼等にすれば、いつもの粘土細工と変わりない。この日は夕方、40km西北に離れたハメンキュロの町まで智のホッケーの試合(残念ながら、ヘルバンタはこの試合にも勝てずオープン戦を含め0勝5敗でクリスマス休暇となったのだが)に出かけなければならなかったので、長居はできなかったが、夕方にはハムの製作準備に入ったそうである。

  
    (製作開始)     (クリスマス・ハム:11kg )     (いろいろな形のパン)

 クリスマス・イヴにパルモネンさん宅でお聞きしたところでは、このクリスマス・ハムは下ごしらえの後、低温のオーブンで16時間かけて焼いたという。オーブンの調子が良くなく、予定より6時間余分にかかったそうだが、イヴの当日は、朝5時からユハさんが定期的にハムの内部温度を測定し、ようやく午後になって、予定の80℃に到達、完成したという。とても柔らかく、安価な豚肉を使った料理とは思えない。日本で作られる家庭料理の水準をはるかに越えている(オーブンがあり、作ろうという気持ちと忍耐力があれば、作れないものではない)と思う。ハムなど買ってくるものだとばかり思っていたが、考え直す必要があるかもしれない。パルモネン製ハムの11kg という分量も、日本のお餅+おせちに相当すると思えば、驚くほどではないかもしれないが、かなりヘヴィである。

(クリスマス特製クッキー)

 翌日曜日は、家内が単独でクリスマス・クッキーの製作に挑戦した。シナモンなどの香料をふんだんにつかったクッキーは、11月後半からいろいろな機会に作られ、我々にもなじみ深い素朴なお菓子である。彼女は、今回、このクリスマス・クッキーでお菓子の家を作ろうと企画した。お菓子の家製作にかかわる予備知識も全く持たず、いきなり製作を開始するところが素晴しい。四方の壁と2枚の屋根にはシロップで飾りをつけ、なかなか意欲的な作品である。
 惜しいことに、お菓子の家は完成しなかった。砂糖の接着剤で、屋根と壁をくっつけようとするのだが、わずかな寸法の違いから、十分な接着面積を確保できなかった模様である。フィンランドに来てから、みどりさんから肉マン製作を教えてもらい、ヘルバンタに住む中国の友人から餃子の皮の作り方を教えてもらった彼女であるから、このまま引き下がるわけはない。次回に期待することにしよう。

 
 (デコレーション)       (設計ミスか?)

(小学校のキルップトリ)

 クリスマス前には、臨時のキルップトリも各地で開かれた。智の通うミリブオレン小学校でも、校舎の廊下を使ってキルップトリが開かれた。たぶん、店はクラス毎、各家々から寄付された品々、小学生が自ら(もちろん、お手伝いは大なり小なりあるだろう)製作した作品(飾りや食品)を並べて客を待つ。先生方も控えてはいる(写真のパンダは、たぶん、先生か父兄だろう)が、店の運営は、ほとんど子供達が行っている。

 
       (パンダも応援)     (かわいいソーセージ屋さん)

 日本でも子供会や PTA 主催の廃品回収はあるが、キルップトリのように中古品を直接、再利用するしくみは定着していない。高度成長がとうに過去の話しとなった今、「何でも新品を揃えなけば」を考え直すのは一案ではないか。キルップトリの考えは製造業の論理からは出てこないのかもしれないが、消費者や行政の立場では、検討に値するものと思う。粗大ゴミ置き場で見かける、もったいないようなゴミを嘆くより、キルップトリの文化を輸入してみるのはどうだろう。身近な地球温暖化対策と言えるかもしれないし、物を大切にする幼い心の育成と、疎遠になりがちな地域のつきあいにも役立つかもしれない。

(マイナス11℃のきらめき)

 確か二週間前だったと思う。久々に冷え込み、外気温はベランダの温度計でー11℃、この温度計でマイナス10℃以下の気温を確認したのは初めての朝だった。いつものように、大学に向かうために、暗い夜(時間的には朝の)道に踏み出したのだが、いつもと感じが違う。路上の雪が、やけにキラキラと輝くではないか。少しすくって手のひらに乗せてみると、雪の粒が平たく、雪の結晶をそのまま大きくしたような感じ。たぶん、この形がキラキラの原因だと思うが、街路灯の光りを反射してキラキラと宝石をちりばめたように美しい。外気温が低くなると、降り積もったばかりの雪は、このようにキラキラと光り輝くのであろうか。このように美しい雪を見るのは初めてにて、その輝きにみとれて立ち尽くすことしばし。フィンランドに来て良かったと思った一瞬である。

(年末・年始の運用)

 このページは、年末・年始も連続運転を続ける予定です。フィンランドでは、この週末までがクリスマス休暇で、月曜日からは(1月1日を除き)通常勤務ですが、私は一週間ずらし、日本と同様に年末年始の休みに入ります。年末・年始にアクセス不能等の事態が生じた場合は、どうぞ、1月5日以降に再度、アクセスしてみてください。今年の最後は、我が家のアイドルさくらちゃん(パルモネン)でシメたいと思います。

「皆さん、良いお年をお迎えください。」


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