ブラジルの通貨はREAL、こう書いて正確には「ヘアウ」と読みます。複数形はREAIS 「ヘアイス」。 書くときは「R$」とも書きます。その下の単位はCENTAVO。読みは「センターボ」です。 複数形はCENTAVOS 「センターボス」
98年までは「1US$=1R$」で事実上固定されていたので、 コーラ一缶(1R$)が120円というように日本とほとんど同じか日本よりも物価が高かったです。 ガソリンなんか1リットルが90センターボなので日本よりも高いということになります。 ブラジルの国力からして高い通貨を維持するのは無理があると言われていて、 事実ブラジル人達は相対的に安くなった外国製品を大量に購入するようになったので、 ブラジルの外貨準備高はすごい勢いで減っていきました。 それが99年の2月、日本でも大きく報道されたように変動相場制に移行し、 今では「1US$=1.70R$」あたりになっています。日本円で言うと 「1R$=70円」ぐらいになります。
なぜそれまで高通貨政策をとっていたかというと、 それまでは逆に低通貨で悪名高いハイパー・インフレーションに悩まされていたからです。 年率1000%を越えるインフレを抑える切り札として「1US$=1R$」 という新通貨ヘアルを導入したといういきさつがあります。 ちなみにそれまでの通貨はクルゼイロです。 おかげでハイパー・インフレは収まり、 ブラジルの経済はだいぶん回復したのでヘアル導入は成功だったと言われています。 そんなヘアルを導入したのが当時の大蔵大臣で現在の大統領のカルドーゾということになります。 今、彼はインフレを救った張本人として絶大な信頼を持っています。 このあたりは第一次世界大戦後のドイツの1兆倍というこれまた信じられないようなインフレを 奇跡的に救ったレンテンマルクの話しに似てますね。 あっちは土地を担保にして保証しましたが、 こっちはUS$とのリンクを担保に保証したってところが違いますが。
これは余談ですが、カルドーゾが大蔵大臣だったときの大統領はコロールという人で、 「インフレを放置した張本人」ということで人気がありません。 しかしなにを間違ったか彼がブラジル第二の経済力をほこるミナス・ジェライス州の州知事になってしまいました。 そして何かにつけてカルドーゾ率いる連邦政府の政策に反対しています。 今回の通貨危機ももとはといえばコロールが「ミナス州は対外債務の支払いを停止する」 と宣言したためにブラジルの国際的な信用が失墜して起こったようなものです。
ブラジルの物価紹介(後でもっと調べて追加します)
ではその通貨の一部、センターボコインの写真です。
金額が書いてある方の面です。上の6枚は新しいコインで左から「1ヘアウ、50,25,10,5,1センターボ」です。二列目は旧コインで左から「1ヘアウ、50,25,10,5,1センターボ」です。次に絵が描いてある方の面です。
これも上と同じ並びです。見てお分かりの通り、旧コインはどれもこれも同じくらいの大きさ、同じ色で、裏側の絵まで似ているので見分けるのに非常に苦労します。財布から手のひらにジャラッと出して一枚一枚数字を確認しながら出さなければいけないので大変です。こっちの人も見分けにくいと言っているぐらいなのでやっぱり似ています。たぶんそういった声がたくさんあるんでしょう、新コインはそれぞれが色や厚さや大きさが違うので使いやすそうです。とくに1ヘアルコインなんか色が変わっていて新鮮です。新コインは僕のいるような田舎町ではまだあまり出回っていませんが、ブラジリアあたりではよく見かけるようになったとのことです。
なお、ヘアウのお札の方は1,5,10,50,100の5種類あるんですが、なかなか100ヘアイスのやつが手に入らないので手に入ったらまとめてアップします。