バスといっても長距離バスの話。ブラジルはバス網が発達しているってのは何度も書きましたが、そのためか長距離バスは快適です。まずは「視線が高い」。こちらには鉄道の低いガードとかないので車高がめちゃくちゃ高いです。日本でいうと「ハイデッカー」クラスよりも高いかもしれません。また、バスに乗るともう一つ扉があり、その中に客席があります。つまり運転席と客席が壁で仕切られているわけです。もちろん壁には窓があるので先頭にすわれば前は見えるんですが、これはバスジャック防止でしょうか?どっちにしろバスに乗る客(とくに長距離客)は今のところ育ちのいい客ばかりで荷物の盗難とかあまり心配してません。よっぽどインドや中国のバスの方が治安が悪かったように思います。
こちらのバスの旅は長いです。ベレーン→ブラジリアは36時間です。ベレーン→サンパウロになると60時間以上のバスの旅になります。そんな長旅に備えてブラジル人が必ず持参するのが枕。マイ枕です。日本のバスよりはゆったりとしていてリクライニングもすると言ってもそれほど寝心地がいいわけではありません。そこを寝心地良くしてくれるのが枕です。
さて、バスに乗ると、大きな荷物はバスの下のトランクに入れます。ここはホドビアリアに着くたびにあけられて荷物の入れ替えがあるのでなんか盗まれそうですが、荷物を預けるときに飛行機のように番号札をつけてくれ、持ち出すときにはそれをチェックするのでわりと安心です。そして車内には洗面用具や膝掛けなど車内で必要なものだけ持ち込みます。ブラジルも内陸だと昼夜の気温差が大きいのでちょっとした防寒着があるといいです。とくに足元が冷えると寝られないので膝掛け毛布などはあると便利です。また夏場の旅行でも防寒着は必要でしょう。というのもブラジルのエアコンはいつも強すぎるからです。日本人の僕だけじゃなくてブラジル人もバスの中では長袖を着たりするので、みんな寒いんだと思います。そして強すぎるエアコンの冷気は窓側から吹き出していることが多く、窓側のほうが寒いです。
そんな乗客達を乗せてバスは走ります。目的地に着くまでにあちこちのバス停に停まります。このバス停のことはホドビアリアと言いますが、ホドビアリアはその町の玄関で、日本でいうところの駅になります。ホドビアリアも町の大小によって大きさがことなりますが、どんな小さなホドビアリアにもランショネッチという軽食堂とトイレはあります。ホドビアリアのトイレでは入口に番人がいることが多く、一回50センターボ(35円)程度の料金を取られます。金を取るだけあって中はけっこうきれいです。もちろん設備なんかは古いことが多いんですが、きれいに掃除されていて日本の駅のトイレよりはきれいです。トイレがきれいで安心して使えるというだけで旅の苦労は半減するんではないでしょうか。
ちなみにバス車内にもトイレは必ずありますが、始発の町をでたばかりの頃はきれいですが何時間も走るうちにそれなりの状態になり、目的地に着く頃には・・・です。というわけで、ホドビアリアのトイレをおすすめします。大きな町のホドビアリアになると、トイレの中にシャワー室もあります。60時間のような長時間の旅の時などには利用するようです。料金も1.50R$ぐらいでちょっと高めです。ただ、シャワーを使う時には出発時間には注意しましょう。これは友人の話ですが。長時間のバス旅でシャワーを浴びていた客が出発時間までに戻らなかったそうです。それでも出発しようとしたので客が「まだ一人戻ってきてない」といったところ「出発時間はちゃんと言ったんだから出発する。次の停車町が○○であることはそこで聞けば分かるので、タクシーなりバスなりで追いかけてくればいい。」の一言で出発したそうです。バスから降りるときに運転手に「クワント・テンポ?」と聞けば、そこに停車している時間を教えてくれます。
バスにトイレがついている関係で、トイレ休憩などというものはありません。何時間かおきにドライブインにとまります。とまるドライブインは乗っているバス会社によって決まっています。逆に言えば、決まっているドライブイン以外にはとまらないということになります。そんなわけでバスが渋滞で遅れたりなんかすると、次のドライブインまで延々と待たされ、食事の時間が過ぎてしまうこともしばしばあります。そんなときにドライブインがあったとしてもバス会社と提携していないドライブインだったらとまりません。念のため一食分の軽食ぐらいは持ち込んだほうがいいようです。