直美さんとホルヘのスーパーマーケット・「沖縄」
首都アスンシオンから自動車で30分程行った近郊の都市・サン・ロレンソ市にある直美さんとホルヘが経営しているスーパーマーケット(よろずや)・「沖縄」の紹介をしましょう。
ホルヘはごく普通のパラグアイの青年、向上心に燃えており、留学を決意し研修の機会を得て日本へ、沖縄県にある研修施設に行ったのです。そこで巡り合った日本女性に恋をし、恋心を抱いてパラグアイに帰国したのです。その後、彼は船員として生活していたのですが、彼女に対する思いは募り、おかに上がり、自宅の近くに「スーパーマーケット」を開業したのです。そこで付けた店の名前が「沖縄」、彼女への思いを込めたネーミングでした。
(写真)スーパー・「沖縄」全景
そこから熱心な遠距離恋愛が始まったのです。なにしろこれほど遠い遠距離恋愛もまず無いでしょう。飛行機は那覇-アスンシオンは東京とサンパウロで乗り継ぎをしてほぼ2日近くかかります。言葉も余り通じません、説き伏せようにも直美さんの両親はスペイン語がわかるわけも無く困難を極めまたはずです。でも彼は諦めず、粘り強く6年間彼女と彼女の両親を説き、思いは通じ、98年 2月に結婚、彼女の為に準備して来たスーパーマーケット・「沖縄」で新婚生活に入ったのです。
彼女、直美さんは沖縄県・具志川市の出身で、いわば一番新しい我々移住者の仲間と言えます。サン・ロレンソのホルヘの自宅にホルヘのご両親と一緒に住み、この半年でスペイン語は日常会話にはほとんど不自由しないまで上達、今は午前中はお店の手伝いとこのお店の向かいにある自宅での家事の両方をこなし、午後はアスンシオン市に在る日本語学校付属幼稚園で先生をしているそうです。
来た当時はパラグアイ人のいい加減さに腹を立てることもあったそうですが、今はすっかり慣れて充実した毎日を過ごしているそうです。ただパラグアイは戦後移住が主体で他の南米諸国には多い沖縄県人の方は皆無に等しく、地方色豊かな同県人の方が居ないのは多少気の毒な気はします。
(写真)お店の前の二人
(写真)直美さんとホルヘ
現在はお店の向かいに在る自宅でホルヘのご両親と一緒に暮らしているのですが、現在お店の裏側に家屋を増築されています。庭に大きなバナナの木があるのが印象的でした。またホルヘは果樹が好きなようで、自宅の庭を拝見したら、プラム、マンゴー、レモン、バナナなど各種の果樹が所狭しと植えられていました。
(写真)増築中の自宅
長男が誕生(2000年 6月25日)
結婚から2年の歳月が流れ、ホルヘは相変わらず毎日スーパーマーケットの商売に忙しく、一方の直美さんは日本語学校併設幼稚園の先生として園児を相手に毎日過しています。そんなお二人にこの度、長男が誕生しました。5月30日に誕生し、体重は4キロあり、健康そのもの元気な赤ちゃんです。
(写真)直美さんとホルヘと赤ちゃん