Boston たま日記

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8月1日

昨日は、朝からの大雨が午後には止み、夕方にはテニスをしながら、日焼け止めを塗らなかったことを後悔するぐらいに晴れ上がった。
そして今日は快晴。素晴しい夏の一日になりそうだ。
こんな日は、戸外でお昼を食べたいなぁ、と意見が一致し、取り敢えず敷く物と本とワイン・オープナーとシャボン玉セット(みのりは、これさえあれば静かにしている)を持って車に乗り込んだ。
途中で食料とワインを調達して、行き先は近くの公園だ。
そこは、数日前、偶然車で通りかかった公園で、その時は横目で見ながら通り過ぎたが、何とも独特の雰囲気があったので、いつかちゃんと来てみようと思ったのだ。
その公園の何が普通と違う感じを醸し出しているのかということを、M氏うまく説明できなかったが、とにかく緑が多くて草の上でランチが食べられるよ、と誘ったのだった。

Willow Park 数日前と同じ住宅と住宅の間の細い道を入り、「こんなところに公園あるの?」とM氏に訝しまれながら進んで行くと、突然左手に緑の空間が現われた。これこれ!左手に公園、右手に住宅の列を見ながら細い一方通行の道を一周すると、この公園が住宅に囲まれた浮き島の様な存在であることが分かる。
公園の中は土曜日の昼間だというのに殆ど人がおらず、遊具で遊んでいる子供もいない。これは、この辺りではかなり普通ではない光景だ。よその公園だったら、土日は親子で溢れ返っているのに。
さっそく半木陰(木陰がいい私と、日向がいいM氏の妥協地点ということ)に敷物を広げ、ランチにする。ワインもこっそり(公共の場ではアルコールは禁)飲んで、いい気分だ。みのりは早くもシャボン玉に興じているし、青空の下でゴロンと転がって本を読むのは至福の楽しみだ。

そして、改めてあたりを見回してみて、何が普通の公園と違う感じなのかということの理由の二つ目に気が付いた。柳だ。それも、かなり高い柳の木が公園をぐるりと囲むように繁っているのだ。写真は、その一部を写したもの。画像の中央やや左下に白く写っているのがバスケットボールのゴールだから、その高さが分かるだろう。柳は別にここでも珍しい木ではないが、こんなに大きい柳の木がぐるりを囲んでいるというのは、珍しいと思う。きっと昔からある公園なのだろう。そこで、私はこの公園を"Willow Park"と呼ぶことにした。(オイオイ、勝手に名前をつけて…。)

それにしても、あまり人がいないこともさることながら、何とも言えず打ち捨てられた感じのする公園で 、芝生のように見えた緑地はかなり背の高い雑草が生えているし(人が踏み込まない)、なぜか意味もなく公園の真ん中に手の入れられていない低木の茂みがあったり(見通しが悪くなる)、水溜まりにしては大きくて、以前からあったように周りに草木が茂っているけれど、池というには汚い「水溜まり」があったり(子供には危険)どうも、何かが違うのだ。

そうしたら、偶然近所に住んでいらっしゃるという日本人の親子が登場して、この公園は理由は不明だがつい先日まで閉鎖されていて、最近入れるようになったのだと教えてくれた。
「打ち捨てられた感じ」がしたのも、まんざら間違いではなかった訳だ。何となく納得がいったが、何で閉鎖されてたの?と新たな謎が呼び起こされた午後であった。

でも、"Willow Park"、気に入ってしまったので、また行きたいと思ってます。

8月2日

昨日に続いて今日もいいお天気なので、ちょっと遠出をすることにした。
行き先はニューハンプシャー州のポーツマスにある「ウォーターカントリー」。子供から大人まで遊べる大小様々なプールやスライド(チューブ?)がある遊園地だ。ボストンからだと、車で1時間半ぐらいかかるが、なにしろ夏が短いニューイングランド地方では、大規模な屋外プール施設は、ここしか無いので、皆が出かけて行くのだ。

「ウォーターカントリー」は、夏だけ(年間3ヵ月弱。6月中旬にオープンして、9月の第一週の週末を以って終了)営業している。(日本によくある、冬はスケートリンクになるプールではない。)それだけの期間しか使われないのに、プールが7つ(波のプールや流れるプール、子供のプール等)、スライドやチューブが7ヶ所もあって、すごく充実している。
今年は子供用のプールに、「パイレーツ・ラグーン&ボルケーノ」が新しく加わった。(去年はゴムボートに乗って下るスライドとチューブが増えたし、毎年一つづつアトラクションが増えている。)これが面白そうなので、みのりが喜ぶかと思ってまず最初に行ったら、全然怖がっちゃってダメ。スプリンクラーの水があちこちからかかって来るのが嫌でスライド(滑り台)がいっぱいついている海賊船へは行きたがらなかった。

Willow Park 写真は「オクトパス・ラグーン」という、大きなタコの形のスライドがあるプール。みのりは、これも顔にスプリンクラーの水がかかるので、怖がって滑れませんでした。面白そうなのになぁ。
もう一つの子供用のプールでは、スライドの周りにスプリンクラーが無いので、ここでやっと少し滑って遊ぶことが出来た。

次に行ったのは波のプール。10分間隔ぐらいで、波と凪を繰り返している。浜辺のようになっている波打ち際で遊んで、みのりも楽しそう。深い所へは怖がって絶対に行かないので、親は安心してビーチェアに寝そべって読書をしていた。
しばらくしてふと見ると、みのりは胸まで水に浸かって遊んでいる。大分勇気が出てきたな、よしよし。いや、待てよ。あの深さでは、もし波が始まったらみのりは波にのまれちゃうじゃない!ギョッとしてカウントダウンしている時計を見ると、次の波が始まるまで、あと20秒しかない。大変!!跳ね起きて、50mぐらいの距離を人を掻き分けながら猛然とダッシュし、みのりを掬い(救い)上げたら、直後に波が始まった。すると、今し方までの周章狼狽はどこへやら。みのりを抱っこしたまま、くらげ状態(どんなだ?)で波乗りを楽しんだ。 それにしても、みのりが立っていたのは丁度波が砕ける辺りだったので、もし気が付かずに波が始まっていたら…と思うとゾッとした。M氏などは、その間中ずっと寝ていて、何があったかも知らないんだから、全くアテにならないのだった。
午後6時を回って、大分涼しく(寒く)なってきたので、家族が一緒にゴムボートに乗って滑れるスライドをやって、仕上げにした。

そうそう、「ウォーターカントリー」の難点はシャワーが水だけで屋外にしか無いこと。日本の感覚で、プールの後にシャンプー・リンスドライヤーなんて用意していくと馬鹿をみる。シャワーの水が冷たすぎるので、日焼け止めのクリームを流すのもそこそこに髪の毛はグチャグチャのままで帰路に着いた。夫婦ならいいけど、これじゃデートには向かないですね。

Water Country
603-427-1111

8月8日updated

タングルウッド音楽祭へ行って来ました!
一昨年、何だかんだで(車の無い友人を連れて行ったり)4回もタングルウッド音楽祭へ行った反動からか、昨年は一度も行かずじまいだった。今年も全然予定を立てていなかったのに、M氏がお昼頃になって、突然タングルウッドへ行こうと言い出した。タングルウッドへは車で3時間ぐらいかかるが、コンサートは夜8時半からのなので、これから準備しても充分に間に合う計算である。コンサートが終わるのは午前0時近くになるが、もともと宿を取るためには相当前に予約をしなければならないタングルウッドのこと、当日に宿を確保するなんてまずムリだ。そこで、無謀にも泊まらずに帰って来ることにして、敷物、イス、蚊避けのロウソク、ワインとクーラーボックスに食料を詰め込んで(「ボストンの年中行事」にある『タングルウッド音楽祭』の項を参照してね。) 出発した。

タングルウッドはレノックスというマサチューセッツ州の西のはずれの街にある。ボストンは東の端にあるから、ちょうどマサチューセッツ州を東西に横断するドライブになる。一度マスパイクというハイウェイに乗ったら、あとはひたすら真直ぐに走るのみだ。

Tanglewood1 会場に着いてローンチケット(芝生席)を購入して中に入ると、芝生席はもう9割方埋っていた。写真にあるように、テーブルにテーブルクロスをかけて、花まで生けている人達も珍しくない。午後8時を過ぎてもまだ陽があるので、コンサートの始まる前に充分ピクニック気分を満喫した。コンサートが始まる頃には日が暮れて、皆、ロウソクに灯をともしだした。



tanglewood2 今年の目玉は、新しく設置されたスクリーン。これまで、芝生席の子連れ席からは、指揮者が豆粒ぐらいにしか見えなかったが、今年からはスクリーンで大きく映し出されるので、小沢征爾の表情も見ることができる。昼間は見にくいのではと思うが、夜のコンサートでは御覧のように、良く見えていた。

本日の演目は、オペラのアリアとミュージカルのナンバーから。
演目の中から、私が特に好きな曲を抜粋すると以下の様になる。これで、演目の半分くらいだ。

tanglewood3 指揮:小沢征爾
テノール:NEIL SHICOFF
バリトン・バス:BRYN TERFEL

ROSSINI "The Barver of Seville"
PUCCINI "Recondita armonia" from Tosca
VERDI "Credo" from Otello
VERDI "E lui! desso! I'Infante!..." Duet from Don Carlo
BIZET "Toreador Song" from Carmen
LERNER & LOEWE "On the street where you live," from My Fair Lady
CY COLEMAN/DAVID ZIPPEL "You're nothing without me," from City of Angels
ALAN MENKEN/DAVID ZIPPEL "Go the distance," from Hercules

コンサートが終わって駐車場を脱出したらもう午前0時近かった。それからのドライブは、ハッキリ言って眠くて死にそうだった。インターネットをしながら夜更かしするのは得意なのになぁ…。
タングルウッドの夜のコンサートを日帰りでいくのは、全くお勧めできません。(昼のコンサートなら、やったことがあるけど、問題無いです。)

8月15日updated

ボストン圏で子育てをしている人達を対象にした "Parents' Parer" は、フリーの月刊情報誌だ。(Book Store や Bread & Circus で手に入る。) これには、その月の子供向けのイベントが漏れなく記載してあるので、とても便利である。

今日は、その"Parents' Parer"で見つけたイベント"Insects Safari"へ行くことにした。網と虫カゴを貰った子供達が、放たれた虫を捕まえるイベント(フリー)らしく、何だか楽しそうだ。場所は、Blue Hillという、ボストンから南へ30分程下ったところにあるFarmなのだが、説明が今一つで、道の名前も地図に載っていない。「でもまあ、行けば何とかなるさ」と、いつもの安易さで出かけた 。

ところが、BlueHillまで来て人に道を尋ねても、誰もその農場のことを知らず、やっと辿り着いた時には、もうイベントは終了して、みなは帰った後だった。いったいみんな、どうやってこの農場を見つけられたのか。(ヤ知らない人はちゃんと事前に調べるんです)そのイベントを仕切っていたらしいパークレンジャーの人も、"Parents' Parer"の案内を見て、これじゃわかんないわねー、と言ってくれた。
それまでずっと後ろのチャイルドカーシートに座って、「ムシを捕まえに行くのよ!」と言い続けていたみのりが不憫だったが、彼女は、パークレンジャーがくれたチョウチョの形に切った色紙とシールを貰っただけでハッピーになっていた。小さい子は簡単だ。(ヤよけい不憫。)

Farm そこで、パークレンジャーに頼んで、少しだけそこの草原で遊ばせて貰うことにした。何も、特別に虫を放さなくったって、バッタやチョウやトンボは幾らでもいるんだから。昔とった杵づかで、素手でバッタを捕まえようとすると、これが以外に捕まらない。アメリカのバッタは良く飛ぶなあ。(ヤち〜が〜う〜、単に歳をとっただけ!)
小さなバッタをやっと捕まえてみのりに見せると、怖がって触れなかった。(-_-;)

何だか不完全燃焼の帰り道、行きに、木々のすき間から水面がチラチラと見えていたマサチューセッツ州が管理しているBlueHill 公共の遊び場みたいな所へ寄ってみることにした。
中に入ると、子供の遊具がある広場があったり、食べ物を売っているスタンドがあったりして結構広い。湖の岸へおりて覗いてみたら、遊泳禁止の立て札の向こうに腰まで浸かって釣をしている人達がいた。(ここで、帽子でトンボを捕まえて、すこし面目をほどこした。)
なるほど、こういう所なのね、とあやうく帰る所だったが、少し先の方を偵察してきたM氏が、笑いながら戻ってきた。この先が突然開けていて、そこで大勢泳いでいる人達がいると言うのだ。(彼が笑っていたのは、「めぞん一刻」という漫画で、無人島に流れ着いたと思っている主人公達(実は山の向こうは海水浴場)の話を思わず思い出したからだそうだ。御存じですか?)

HOUGHTON POND 行ってみると、突然木々が開けて湖の全景が見え、それまで自分達がみていたのは、ほんの四分の一位の部分だったことが分かった。
遊泳場は、ライフガードが10mおきぐらいに見晴らし台みたいな椅子に座っている徹底ぶりで、水は透明度が高く、小魚が群れをなして泳いでいるのが見える。
この暑さだから、湖で泳いでいる人達が、すごく気持ち良さそうだ。 私は、虫捕りに備えてジーンズをはいてきてしまったから、水に入れなかったが、みのりはズボンを脱がして、水に入れてやった。
初めは足だけ濡らすつもりでいたが、結局パンツ一枚になって肩まで浸かりはしゃぎまくって遊んでいた。例によってシャワーが無かったのだが、プールしかしらないみのりが湖で遊べてとても楽しかったと思う。 昔の人は、湖や川や海で泳ぐのが普通だったんだものね。

偶然見つけた場所で、偶然湖で泳ぐことになった日だったが、2日後に、偶然この湖(池)のことがボストン・グローブ(地元誌)に載った。何でも、ここは昔から遊泳場としてあったらしく、知る人ぞ知る場所が、マサチューセッツ州のレジャー施設として最近充実してきたのだそうだ。岸辺では様々な人種が入り混じっているのも、ここの特徴らしい。湖(池)の名前 "HOUGHTON" PONDは、ネイティブ・アメリカンの言葉で、「静かな水」という意味なのだそうだ。きっと、大昔からこの湖で皆が泳いでたのねと思うと、何だか嬉しかった。

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