第◇話

〜それぞれのかたち 前編〜

1.
薄暗い室内には化学薬品や人体摸型などがごちゃごちゃとおいてある。
その片隅の机の上では怪しげな色の液体の入った丸フラスコがアルコールランプで加熱されゴポゴポと音を立てている。
きらりと光る眼鏡。透明な液体のはいった試験管を持つと慎重に丸フラスコにそそぐ。
フラスコを振ると液体はうすい水色になった。
うす明かりが人物の顔半分を照らす。
ケンスケ「・・・できた。」

2.
昼休み
缶ジュースを抱えて教室に入ってくるケンスケ。
「おそいで、もぅ。」
トウジがヤキソバパンをかじりながら言う。
ケンスケ「わりぃ。わりぃ。」
そう言いながら、トウジとシンジの机の上にジュースを置くケンスケ。
シンジ「?あいてる。」ジュースの入った缶のプルタブはあいていた。
ケンスケ「サービスだよ。サービス。」缶ジュースを片手に言う。
シンジがジュースを飲む。
きらりと光るケンスケの眼鏡。

中庭で本を読んでいるレイ。
なぜかレイの膝枕で寝ているシンジ。
二人を屋上から見ているトウジ。
トウジ「センセイとアヤナミ、ラブラブやなぁ。なぁケンスケ。」
そう言ってふりかえるケンスケ。しかし、ケンスケはいない。
「・・・なんや、ひとりぼっちか。」

3.
図書館で本を読んでいるヒカリ。
ヒカリ「どう?効果は?」
ひとりごとのようにつぶやく。
ヒカリと背を向けて少し離れたところでノートパソコンのディスプレーを見つめている少年が答えた。
ケンスケ「信じられないけど、うまくいった。」
やはり、ひとりごとのようにつぶやくケンスケ。
ケンスケ「ところで、・・・」
ヒカリ「わかってるわ。例のもの、今週中に手に入るわ。」
ケンスケ「受け渡し場所は、・・・・・」
お互いに聞こえるかどうかというくらいの声で会話は続いた。

4.
廊下の窓から外を見ているトウジ。
トウジ「センセイとアヤナミ、ラブラブやなぁ。なぁケンスケ。」
そう言って振り返るトウジ。眼鏡のレンズを光らせながらケンスケが答える。
「まったく見せつけてくれるよなぁ。」
アスカ「なんなのあのバカと優等生。」
ケンスケ「見ての通り。ラブラブいや〜〜んな状態だよ。
”いや〜〜ん”のところで体をくねらせて答えるケンスケ。
トウジ「おっ。惣流、やきもちかいな?!。」
「ワタシにはカンケーないわ。」
と、口では言うものの険悪な表情をしているアスカ。
シンジとレイのことよりも、自分がシンジに嫉妬しているとトウジたちに思われたことがアスカを苛立たせる。
(なんであいつのことで私がいらいらしなきゃならないのよ。)

昼休みも終わりに近づき教室へ生徒たちが戻りつつあるなか、シンジは熟睡していた。・・・レイの膝枕で。

昼食を食べてトウジたちといつものように騒いでいると、強烈な眠気がシンジを襲った。
遠のいていく意識のなかで綾波を見たのはかすかに憶えている。
そこからさきは・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・だれかが呼んでいる。・・・・・・・・

「・・・・・・・碇君・・・・・。」
レイがシンジの肩をゆする。

中庭の芝生の上に座りポジトロンライフルの解説書をレイが読んでいると、
ふらふらと夢遊病者のように生気のないシンジが歩いてきた。
そして、レイの隣に半ば倒れるように座り、レイの膝へ頭をあずけた。
レイは本を読むのにちょっと邪魔だなと思ったが、シンジの頭を払いのけるようなことはしなかった。

5.
シンジが目を開くとレイの紅い瞳がそこに在った。
「アヤナミ?」
「五時間目が始まるわ・・・。」
「え?」
「そこ、どいてくれない。」
自分がレイの膝枕で寝ていることに気づくシンジ。
「ごっ、ごめん」
と言いながら、慌てて立ち上がる。
ようやく自由になったレイは、シンジなどいないかのように歩いていく。
シンジはしばらくその場でボーッとしていたが、五時間目の開始を知らせるチャイムの音に我に返ると教室へと走り出した。

6.
放課後
「センセェ、綾波と一緒に帰らんのか?。」
トウジがあやしい目つきでシンジをひやかす。
金曜日の放課後の昇降口はかなり混雑していた。
ロッカーからくつを取り出しながらシンジがつぶやく。
「お母さんのにおいがしたんだ。綾波。」
トウジとケンスケは一瞬シンジの言ったことが理解できなかったが、すぐに顔を見合わせると声をそろえて言った。
「シンジってマザコン?。」

7.
ミサト「ただいまぁ。」
シンジ「おかえりなさい、ミサトさん。」
ミサト「ただ歩いてるだけなのに汗が出るぅ。」
ぼやきながらタンクトップと短パンに着替えると、うちわをパタパタと扇ぎながらキッチンへいく。
シンジ「・・・!。この匂いは・・・。」
ミサト「今夜もカレ〜。明日もカレ〜。」変なうたを口ずさむミサト。
シンジ「ミサトさんが分量計らずに作るから。
ミサト「シンちゃ〜ん。言いたいことははっきり言おうね。」
と、猫なで声で言うが、ミサトの目は笑っていない。
シンジ「・・・アスカは委員長の家に泊まりにいってるし。」
ぼやくシンジ。
ミサト「はい、シンちゃん。大盛りカレー。
シンジ「・・・・・・・・・・。」

そのころ、ヒカリの家では洞木姉妹と、アスカが食卓を囲み楽しいひとときをすごしていた。
アスカ「く く く。今ごろシンジはミサトの大盛りカレーね。」
ヒカリ「なあにアスカ?。一人で笑って。」

8.
マンションのベランダに一人たたずむトウジ。
「・・・・・・・・・。」
いつものように父と祖父はまだ帰っていない。
いまだ入院している妹はもう寝ただろうか、そんなことを考えながらふと、ひとりつぶやいている自分に気付くとなぜだかわからないがトウジは可笑しくなって笑い出した。
「もう、寝よ、寝よ。」

窓の外、はるかかなたの月を見つめる少女。その紅の瞳に冷たくひかる月。
綾波レイは大きく息を吐くと両目を閉じた。
(夢・・・脳の作り出す幻想・・・それぞれの世界・・・それぞれのかたち・・・。)

月あかりの差し込む部屋
隣で寝ているアスカを起こさないようにそっとベッドから抜け出すヒカリ。
できるだけ音を立てないよう慎重に机の引き出しを開ける。
引き出しの中には高感度デジタルカメラがファンシー文具を押しのけて入っていた。
ヒカリはカメラを取り出しファインダーを寝ているアスカに向けた。
何も知らないアスカの顔がカメラのファインダーを通じてヒカリの瞳に映る。
ヒカリ(アスカ、ごめん。)


もくじ
∧∧
(◎←)
((( )))
- -

ヒカリはこんな事しないと思う。

アスカが気付くと思う。

いけいけヒカリ〜。

こんちわ。作者です。
ほれ薬、学園物、陰謀(?)ありがちなシチュエーションですな。。。
この話、エヴァのキャラ使わなくても書けるのではと書いてて思ったです。
↑それ言っちゃおしまいだって。
書きかけですぅ。っていうかここから先は あらすじ しか作ってません。女の子の心理が書けないという致命的な原因のせいです。 だれか続きを書いてぇ。←おいおい)

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