アクセス向上物語「ふ、ふの闘争記」 第2部

アクセス数との血を涙で洗う屈、倒の闘争記


登場人物
有限会社「言葉の杜」社長 K氏---->この物語の主人公。トンチキでスットコドッコイ。天の邪鬼にして意固地
社員A 憂子------------------->利発で美人。傲慢で我侭。「ゆう」ちゃんとか「ゆう」君とか呼ばれる
社員B 鬱男------------------->聡明で臆病。軟弱にして日和見。「うっ」君


この物語は、アクセス数の伸びに一喜一憂する小市民のK氏を取り巻く、事実をもとにしたフィクションである
個人名、団体名等の名称は全て実在するもの架空のものであり、一切の非難・中傷とは無縁であることをここに誓う

HOMEへ 第1部(1話〜8話) 最新のお話

目次

第九話 「二年目の少し寒い春」

第十話 「スピッツで巻き返せ」

第十一話 「エッセイ分のアクセスが」

第十二話 「万策尽きた」

第十三話 「行くとこまで行ってやる」

第十四話 「三度目の神風が吹く」

第十五話 「夢の雑誌掲載」


第九話 「二年目の少し寒い春」

K氏 ついに二年目か、はーぁぁぁ
鬱男 後ろ姿が淋しそうですよ、社長
K氏 とうとう二年目か、はーぁぁぁ
鬱男 呟くのは止めましょうよ、社長
K氏 祝いのメールも来なかった、はーぁぁぁ
鬱男 僕たちが祝いますから
憂子 そうですよ。メールが来ないだけでみんな心では「おめでとう」って言ってますよ
鬱男 ええ、言ってますって、きっと
K氏 そうなのかなぁ
鬱男 そうですよ
K氏 本当にそうなのかなぁ
憂子 そうじゃなくてもいいじゃないですか。そう思っておけば
K氏 思ってるだけじゃなぁ
鬱男 と、とにかく二年めを祝って
K氏 祝って?
鬱男 そうですね、ええーと祝って
K氏 だからどうするんだ
鬱男 自己採点をやってみましょうか
K氏 自己採点?
憂子 やりましょう、自己採点
K氏 やりましょうって、君
憂子 この一年で社長のHPも随分質が上がったじゃないですか
K氏 おおっ上がったと思うか君も
憂子 ええ、私も思います。最初がひどかったから上げるのはわけないでしょうけど
K氏 わけないって、君
鬱男 「最近の言葉」もよく頑張ってますよね
K氏 おおっ頑ばってるぞ
鬱男 あれって、どうやって言葉を集めてるんですか
K氏 よくぞ聞いてくれた。ここだけの話しだが実は新聞から集めているのだ
鬱男 そのくらい分かります
K氏 分かっていても、ものには順序というものがある。知らなかった振りをしなさい
憂子 そうなんだ、新聞から集めてるんですか
K氏 そうだ、新聞だ
鬱男 一週間分まとめて読むんですか
K氏 最初はそうしていたんだが、とても間に合わないので毎日気になった言葉を抜き出すように変えた
鬱男 毎日ですか
憂子 それも大変ですね
鬱男 まあ会社が暇だから出来るんだろうね
憂子 そうね、かえって暇を潰せていいかもしれないわね
鬱男 会社だけは潰さないでもらいたいけどね
K氏 暇も会社も潰さないので安心してもらおう
憂子 ええー、それで?土曜日にまとめるんですね
K氏 ああ、一週間分の抜き出した新聞記事からさらに全体のバランスを考えて
鬱男 ええー、バランスなんか考えていたんですか
K氏 もちろんだ、そんなことも分からないのか
憂子 全然分かりませんでした。いきあたりばったりでつくっているんだとばっかり
K氏 何を言っておるか、細かい点にまで心を配っておるのだ
鬱男 もしかしたら順番にも気をつけているんですか
K氏 当たり前だ。読む人の身になって、流れも十分に配慮してある
憂子 それにも気付きませんでした。何の気無しにつくっているんだとばっかり
K氏 ばっかり、ばっかり言うんじゃない
憂子 でも気付いてる人居るんでしょうか
K氏 居るに決まっておる
憂子 そうですね、そう思っていましょうね
K氏 ♂マーク、♀マークも付けたし
憂子 はい、付けました
K氏 リンク情報も多岐に渡っているぞ
憂子 はい、多岐に渡ります
K氏 時にはちょっとコメントも付けているぞ
憂子 はい、コメント付けました
K氏 君はオウムか
憂子 調子に乗りすぎました。御免なさい
鬱男 でも最初はコメントは付けないようにするって言ってませんでした
憂子 そうね、個人の意見は極力控えて色が着かないようにするって言ってたわね
鬱男 そうそう、コメントを付ければいくらでも面白く出来るけどジャーナリストとしてやってはならない行為だとかなんとか、わけの分からないことを言ってたよね
K氏 背に腹はかえられない
鬱男 背に腹ですか
憂子 誰も読んでくれないよりはいいわよね、確かに
鬱男 でも効果あるのかな
憂子 ないんじゃない
鬱男 アクセスには直結してないことは確かだね
K氏 無駄な努力で悪かったね
憂子 別にそんなことないですよ
K氏 いいや、悪かった
憂子 もうっ、すぐいじけるんだから
K氏 誰がいじけさせてるんだ
鬱男 でも一番の人気コーナーですよね
憂子 訪れた人の半分がここにきますものね
鬱男 このページをブックマークしている人も随分居るみたいだね
K氏 何? そうなのか
憂子 ええ、時々Topページよりも「最近の言葉」のページのアクセスが多いこともあるんですよ
鬱男 とにかく、評価は高いですよ
憂子 まあ、目くそ鼻くそって話もあるけど
鬱男 ゆうちゃん、それはいくらなんでもひどいよ。せめて五十歩百歩にしておこうよ
K氏 どっちでも同じだ
憂子 そうです、どっちも同じぐらいのアクセスがある時もあるんです
K氏 いや、そう意味ではなく、、
鬱男 それに、今までの言葉を見に行く人が結構いるんですよ
憂子 一回、最初から最後まで見た奇特な人が居たじゃない
鬱男 居た、居た
憂子 あれは相当疲れたんじゃないかしら
鬱男 本当だよね、あんなことするのは作った本人しかいないと思ったけど
憂子 作った本人って社長のこと
鬱男 そう、社長って時々自分のページ最初から最後まで読んでるんだよ
K氏 もちろん、電話代が勿体無いので自分のパソコンでだがね
憂子 それって、完成度を上げるためですか
K氏 いいや、面白いからだ
憂子 そうですか、面白いんですか
鬱男 時々一人で笑ってるよ
憂子 一人で?
鬱男 うん、一人
憂子 そう、ひ・と・りで!?
K氏 そんなに一人を強調しなくてよろしい
鬱男 コーナーも随分増えましたよね
憂子 そうね、今では12コーナーもあるわよ
鬱男 すごいね、それ
憂子 ほんと、凄い。数だけは
鬱男 でも「大人の♂の法則」が終わったのは痛いなぁ
憂子 2番目の人気ページだったのに
鬱男 そうなんだよ、これで益々アクセスが少なくなるんじゃないかな
憂子 嫌なこといわないでよ。これ以上少なくなったら大変よ
鬱男 御免、失言だった
K氏 御免ですむなら警察はいらんのじゃ
鬱男 訂正します。暴言でした
K氏 しかし誰からも終了を惜しむメールが来ないのはどうしてだろう
鬱男 来なかったんですか
K氏 止めないでってメールが来たら止めないつもりだったのだが
鬱男 ええっ、そうなんですか
K氏 もちろんだ。読者の要望に最大限こたえるのがこのHPのポリシーなのだ
鬱男 じゃ、誰も何も言わないので引っ込みがつかなくなったんですか
K氏 まあ、そういう点もあるにはあるな。まあ、その気になればいつでも再開出来るようにはしておいた
憂子 どうせそんなことだと思ってました
止めるといった手前止めざるをえなくなった人気ページ「大人の♂の法則」なき後、一体どうなるんだろう? 不安だらけの二年目もはや一ヶ月が過ぎてしまった

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第十話 「スピッツで巻き返せ」

K氏 やっぱりアクセスは低調かね
鬱男 ええ、まあ
K氏 低調か、はーぁぁぁ
鬱男 いや、それほど
K氏 それほどか、はーぁぁぁ
鬱男 でも心配された落ち込みはありませんから
憂子 そうなの?「大人の男の法則」が終了したのに
鬱男 うん、そうなんだよ
K氏 まだ影響が出てないだけだろう
鬱男 いえ、そういうわけでもないんですが
K氏 じゃ、どういうわけなんだ
憂子 もっと、わかるように言ってくれる
K氏 そうだ、そうだ。言ってくれる
鬱男 と、とにかくトータル数は殆ど変わってないんですよ
K氏 殆ど!?
鬱男 確かに「大人の男の法則」そのものは半分ぐらいに減っているんですが
K氏 ですが、、、何だ
鬱男 増えてるんですよ
K氏 借金がか?
憂子 まじめに聞きましょうね、社長
鬱男 「不思議の言葉」のアクセスがです
憂子 あのスピッツのやつよね
K氏 おおっ、キャンキャンうるさい
憂子 まじめにしましょうね、社長。それでなくたって勝手にスピッツの歌を茶化しているんだからファンの中には怒っている人だっているんじゃないですか
K氏 怒ってるかなぁ、はーぁぁぁ
鬱男 まあ、それはこっちに置いといてですね
K氏 そうだな、そっちに置いとくか
鬱男 ええ、あっちに置いときましょう
K氏 どっちに置いておくって?
鬱男 この辺にしておきましょう。社長
K氏 で、どのぐらい増えているんだ
憂子 昔はほとんどアクセスがなかったわよね
K氏 殆ど!?
鬱男 まあ、一番人気が無かったかもしれないね。でも更新頻度も少なかったせいもあるんじゃないのかな
K氏 いや、このところ月一ぐらいのペースで更新しておるぞ
鬱男 月一ですか?
憂子 それ先月更新したことを言ってます
鬱男 先月更新したから「月一」か
憂子 確かに「月二」ではないわよね
鬱男 ああ、確かに「週一」でもないよね
K氏 そうだろ、間違ったことは言ってないぞ
憂子 はい、はい、分かりました
K氏 で、実際はどのぐらい増えたんだ
鬱男 だから「大人の男の法則」の減った分ぐらいです
K氏 なに? 一体どうしたんだ
憂子 何かの間違いじゃない
K氏 君はどうして、そうなんでもかんでも間違いにしたがるんだ
鬱男 間違いじゃないんだ。アクセスを調べてみると最近はエッセイより人気があるみたいなんだよね
K氏 つまり、どういうことだね
憂子 まさか、そんなことはないわよね
K氏 なんだ、そのまさかって
憂子 いくらなんでも、そんな馬鹿なことはないわよね
K氏 だから、何が馬鹿なことなんだ
憂子 よりによって、考えたくもないわ
K氏 だから、何がどうしたんだ
憂子 うそっ、うちのHPで2位の人気なの
K氏 なに? 2位
憂子 はい、一位はもちろん「最近の言葉」ですけど
K氏 いきなり2位か、そこまでやるか
鬱男 はい、いきなり2位です、わけがわかりません
K氏 うーん、そんなに面白いページなんだろうか
憂子 自分で書いてて分からないんですか
K氏 自信はない
憂子 そんな、偉そうに言わなくても
鬱男 でも、これ結構いいんじゃない
K氏 そうだろ、いいだろ
鬱男 ええ、いいですよ。これもっと力入れましょうよ
憂子 そうね、スピッツっていうだけでだまされる人もいそうだし
K氏 だまされるって、君
憂子 そうですよ、こうなったらだましちゃいましょうよ
鬱男 うーん、だますのはまずいと思うけど、少なくとも「月一」で更新しましょうよ
K氏 だから「月一」で更新してるって言っておるだろうが
憂子 今月も、来月も「月一」ってことです
K氏 いや、それはちょっと
憂子 ちょっとなんですか。出来ないって言うんですか
K氏 いや、そうは言わないが、、、余り多作だと質が落ちるしなぁ
鬱男 でもうまくすれば大人気コーナーになるかもしれませんよ
憂子 そうですよ、ブレークするチャンスですよ
鬱男 そうです、そうです。マイナーなページとおさらばするチャンスですよ
K氏 チャンスか
憂子 そうです。こうなったらどんどんだましちゃいましょう
鬱男 いや、だますのはまずいけど、だまさない程度に
憂子 じゃ、だまされたと気付かれないように
鬱男 いや、だからだますことを狙うんじゃなく
K氏 いつも通りに書く
憂子 いつも通りですかぁ
K氏 そうだ、いつもと同じにだ
鬱男 もちろんそれでいいです。更新さえまめにやってもらえれば
憂子 今月も来月も、もちろん再来月だって「月一」ですよ、分かってますね
鬱男 そうです、「月一」でお願いします、社長
憂子 念の為に言っておきますが「月に一行」のことじゃ有りませんからね、分かってますね
鬱男 誤魔化しは一切受け付けませんからそのつもりで
憂子 分かってますね、社長
K氏 分かってますねって、君こそ偉そうに
憂子 分かってますよね、社長
K氏 はい、分かりました
じわじわと人気が出てきた!?「スピッツの不思議の言葉」。これはチャンスだ「スピッツ」人気に便乗して、いまだ、ここだ、やれいけ、それいけ

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第十一話 「エッセイ分のアクセスが」

K氏 やっぱりアクセスは低調かね
鬱男 ええ、まあ
K氏 低調か、はーぁぁぁ
鬱男 いや、それほど
K氏 それほどか、はーぁぁぁ
鬱男 でもスピッツの「不思議の言葉」へのアクセスはじわじわ増えていますよ
憂子 遅々たる歩みですけどね
鬱男 相当遅い歩みだね
K氏 亀の歩みぐらいに遅いって言いたいのかね
鬱男 いえ、そういうわけでもないんですが
K氏 じゃ、どういうわけなんだ
憂子 はっきり言えば、亀よりも遅いですね
K氏 適切な指摘をありがとうゆう子君。よく状況が飲み込めた
鬱男 と、とにかく増えてるんですよ
K氏 そうだね、増えてるんだよね
鬱男 狙い通りじゃないですか、社長
K氏 ああ、君たちに言われてこの2ヶ月必死に頑張ったからな
鬱男 本当ですよ、月一の約束を守ったんだから大したもんですよ
K氏 月一は辛かった
憂子 今年いっぱいはこの調子でお願いしますね
鬱男 こ、今年いっぱい今のペースを維持するのかね?
憂子 もちろんです。結果が芳しくなければさらにペースをあげてもらうかもしれません
K氏 あげてもらうって、簡単に
憂子 他に客を呼べるコンテンツがないんだからしょうがありません
K氏 しょうがないって、君
鬱男 と、とにかくいい方向に向かってるのは確かです
K氏 確かといっても亀の歩みなんだろ
鬱男 いや、それ程ひどいもんでも
K氏 猫の歩みぐらいかね
鬱男 それ程大したもんでも
K氏 適切な指摘を、どうもありがとう、うっ君
憂子 でも、もう一つ増え方が芳しくないのは事実よね
K氏 増えないかね
鬱男 そうですね、先月で月に1500ページビューぐらいですかね
K氏 おお、1500ページか、すごいじゃないか
鬱男 ええ、それほど悪くはないと思います
憂子 社長、1500ページビューって意味わかってます
K氏 失礼なことを言っちゃいかん。1500のページがビューされたんだろう
憂子 そのままじゃないですか
K氏 1000ページより500ページも多い、1600ページよりわずか100ページ少ないだけ
憂子 当たり前じゃないですか
K氏 あと500ページで2000ページ、2000ページといえば1000ページの倍に当たる
憂子 わかりきったことです
K氏 何を言ってる2000ページと言えば大河小説並みの長編といっても差し支えない
憂子 何か勘違いしてません
K氏 上下2巻にも上中下3巻にも出来るぐらいに大したもんだ。
一体いつのまにそんな長編を書いたんだ、ワシは
憂子 わざと言ってますね
K氏 本当を言えばよく分からん。つまり、どういうことだね
憂子 一つのコンテンツを一ページとして延べ1500回のアクセスがあったってことです
K氏 何、一月で1500アクセスか
憂子 そうじゃないんです
K氏 しかし、今君は確かに1500回のアクセスがあったと言った
憂子 確かに言いましたが
K氏 ほら、やっぱり言ったじゃないか
憂子 言いましたが別にアクセスカウンターが1500増えたって意味じゃないんです
K氏 他にどんな意味があるんじゃ、分かるように説明しなさい
憂子 例えば誰かが社長のHPにアクセスしますよね
K氏 誰が
憂子 誰でもいいです
K氏 そんな邪険な、誰でもいいってことはないだろう
憂子 わかりました。歳の頃なら三十半ば
K氏 おお、三十半ばか
憂子 小股の切れ上がった未亡人でどうですか
鬱男 そこまで細かくなくてもいいんじゃない
K氏 いや、いい。それでいい。続けて続けて
憂子 その小股の切れ上がった未亡人がアクセスしたのは夜も更けた頃です
K氏 おお、更けているか
憂子 そうです、ちょっとむしむしした熱帯夜のことです。するとも無しに始めたインターネットサーフィンで偶然社長のHPにたどり着いたのは夜2時を少しまわっていたと思います
鬱男 そこまでいくとやり過ぎだと思うよ、ゆうちゃん
K氏 そうだな、少し行き過ぎだな
憂子 インターネットを初めてまだ日の浅い彼女にとっては、今が一番インターネットサーフィンの面白い時で、今夜ももう4時間近くサーフィンを続けているのです。
もっと、続けます? 社長
K氏 分かった、ワシが悪かった、謝るから話をもとに戻そう
憂子 分かってもらえれば結構です
K氏 そっちの方は分かったが、肝心の方がちっともわからない
鬱男 一人の人がアクセスすればカウンターが一回増えますが、その人がいくつかのコンテンツを、例えば「最近の言葉」に行って、それからTopページに戻ってから「エッセイ」のページに行っても通常はカウンターは増えないんですよ
憂子 あくまでアクセス数は何人の人が来たかを示す目安でしかないんです
鬱男 そうです、それに比べてさっきのページビューはどれだけのコンテンツを見てくれたかの目安になるんです
K氏 そうすると、ワシのような読み物のHPはそっちの方が重要ってことか
憂子 どっちが重要ってことはないと思いますが、どれだけ楽しんでくれたかの指標にはなるんじゃないでしょうか
鬱男 Topページだけで帰る人も、「悔恨録」を全部読んでくれる人も同じアクセス、”一”ですからね
憂子 「悔恨録」を全部読む人はいないんじゃない
鬱男 いや、単なる例えだから
K氏 例えとはなんだ。読むやつはいないかね、ワシ以外に
憂子 いないんじゃないですか、そんな酔狂な人
K氏 そこまで言うか、君は
鬱男 そ、そんなことより
憂子 そんなことより、何?
鬱男 いつも思うんだけどさ
憂子 いつも何?
鬱男 あの、エッセイのお客さんてなんとかならないかな
憂子 何とかって?
K氏 ならないかって?
鬱男 あのエッセイメールのお客さんってHPにはアクセスしないってことだよね
K氏 まあ、そうなるかな
鬱男 考えてみれば月に300件のアクセスを失ってるってことじゃないですか
K氏 そうなるか
鬱男 そうなります
K氏 それじゃ、メール配信をやめるか?
鬱男 いや、止めるのはまずいです
K氏 じゃ、止めない
憂子 結局どうしたいの、配信を止めてもその人たちが全てアクセスしてくれるとは限らないんじゃない
鬱男 うん、だから止めるんじゃなくて始めるんだ
憂子 始めるって何を
K氏 そうだ、いったい何を始めるんだ
鬱男 だからもう一つのエッセイのコーナーですよ、社長
K氏 なにおー、もう一つコンテンツをふやせだとー
鬱男 駄目ですかね
K氏 駄目だ、駄目だ。それでなくともコンテンツが多すぎるんだワシのページは
憂子 やってもらいましょう
K氏 へっ
憂子 新しいコーナーを
K氏 やってもらいましょうって、君
憂子 アクセスのためです、社長
K氏 ためですって、、、また勝手に決めて、、、
ということで、もう一つのエッセイのコーナー「半端者(はんぱもん)」が始まったのでした。さて、さて結果はいかに

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第十二話 「万策尽きた」

K氏 どうだアクセスは増えたかね
鬱男 ええ、まあ
K氏 ええ、まあとはどういうことだ
鬱男 増えたと言えば増えたような
K氏 変わらないと言えば変わらないような
鬱男 判断に苦しんでおります
K氏 そんな防衛庁背任事件でのNECのコメントみたいのはやめなさい
鬱男 少しは増えたようなんですが
憂子 大差ないってことでしょ
鬱男 いや、そうとも言いきれない気がするような、しないような
K氏 君達の言うとおり、エッセイのコーナーも増やしたし
憂子 はい、増やしてもらいました
K氏 スピッツだって更新しているし
鬱男 たしかに何とか更新してますよね
K氏 何とかじゃない。このためにどれだけ大変な目にあっているか分かっているのかね
鬱男 も、もちろん分かってますよ社長
K氏 いいや、分かってない
鬱男 分かってます、大変なのは分かってます
K氏 月一は辛かった
憂子 正確には月一に更新はされていないんですけど
鬱男 い、いや四捨五入すれば月一って言えなくもないよ
憂子 四捨五入?
K氏 とにかく君達の言うとおりにやってるのにアクセスが増えないとはどういうことなんだ
憂子 コンテンツの量じゃなくって質ってことなんじゃないですか
K氏 質って、君
鬱男 と、とにかくいい方向に向かってるのは確かです
K氏 スピッツは人気が有るって言うから
鬱男 もちろん有ります
K氏 じゃ、増えるだろう
鬱男 ちょっと伸び悩んでいるみたいですね。夏ばてかなあ、ねえ?
K氏 電話回線が疲れるのかね、食欲が落ちたりするのかね
憂子 踊り場なんじゃないかしら、ねえ?
K氏 まだ二階にも上がっておらんだろう
鬱男 やっぱり「大人の男の法則」が痛いですね
K氏 もう、騙されんぞ、君には
鬱男 き、君にはって。やだな社長
憂子 そうね結局「大人の男の法則」なのよ
K氏 もう、騙されんぞ、君にも
憂子 騙したりしませんよ、一文の得にもなりませんもの
K氏 とにかくこれ以上コンテンツを増やすのは無理だ
憂子 じゃ、減らしますか
K氏 減らす?
憂子 ええ、人気の無いコンテンツを整理したほうがいいと思います
K氏 何を言ってるんだ。どれもワシにとってはかわいい子供のようなものだ
憂子 でも、ほとんど誰も来てくれないわけだし、だらだら有っても、ねえ?
K氏 だらだらって、君
憂子 でもアクセスもちょぼちょぼだし、ねえ?
K氏 ちょぼちょぼって、君
憂子 さしあたって、このじこ紹介は全廃して
K氏 じこ紹介はいかん、これは記念のコンテンツなんだから
憂子 それと、更新が少ない「惹句のキング」もごみ箱行きと
K氏 ごみ箱はいかん。こら勝手に入れるんじゃない
憂子 「大人の男の法則」もそろそろ引退と
K氏 引退?
憂子 こうアクセスが少ないんじゃねえ、かわいそうにねえ
K氏 ちょっと待った。アクセス少ないのか?
憂子 ジリ貧ですね
K氏 なぜ?
憂子 更新が無いですから
K氏 そんな馬鹿な! 何度読んでも十分に面白いだろう
憂子 でも、更新されないんじゃ、ねえ?
K氏 更新すればいいんだな
憂子 同じことをやっても、ねえ?
K氏 何度も何度もその、、「ねえ?」って語尾を上げて上目遣いにワシを見るんじゃない
憂子 中途半端に再開するんじゃ、ねえ?
K氏 だから「ねえ?」はやめなさい
憂子 どうせ始めるならなんかもっとぱっとしたものがいいなぁ。そういうやつが素敵だなぁ
鬱男 気分一新で行きたいなぁ。新鮮さが欲しいなぁ
K氏 「なぁ」もやめなさい
憂子 わかりました。「ねえ」も「なぁ」もやめますから
K氏 しかし、実際これ以上コンテンツを増やすのは無理だぞ
憂子 そこをなんとかするのが社長じゃないですか
K氏 なんともならないから無理だと言ってるのだ
鬱男 しょうがないよ、この際不人気コンテンツはばっさりやって、その空いた時間で再開してもらいましょう
憂子 それじゃ、期待はずれだった「半端者」も止めちゃおうか、今なら傷は浅いし
鬱男 そうだね、過ちを認めざるを過ちと言う、だからね
K氏 だからね、じゃなーい
憂子 怒っても駄目です
鬱男 怒鳴っても駄目です
憂子 駄目なものは駄目です
鬱男 そうです、その通りです
K氏 分かった、再開すればいいんだな
憂子 でも、無理なんでしょ
K氏 そこをなんとかしてみよう
鬱男 中途半端にやられてもなあ
憂子 こまりますよねえ
鬱男 思い切って、新装開店
憂子 前面リニューアル
K氏 分かった、分かった。なんとかしよう
鬱男 さすが、社長
K氏 でも、毎週は無理だぞ
鬱男 月一ですか?
K氏 まあ、そんなところかな
鬱男 それじゃ、ちょっと
K氏 なんだ、不満か
鬱男 不満っていうこともないんですけど
K氏 じゃ、やらない
憂子 隔週にしてください
K氏 くださいって、君
鬱男 決まりました。ゆうちゃんが隔週って言えば隔週ですよね社長
K氏 ゆう君が言ったからって、君
鬱男 駄目ですかね
K氏 駄目とは言わんが
憂子 来週からやってもらいましょう
K氏 へっ
憂子 新しいコーナーで新・大人の男の法則
K氏 来週からって、君
憂子 アクセスのためです、社長
K氏 ためですって、、、また勝手に決めて、、、この頃そればっかじゃないか
ということで、ついにあの「大人の男の法則」が帰ってきた。もうなんでも有り、有りなのだ

第十三話 「行くとこまで行ってやる」

鬱男 ぜんぜん駄目だよ、今度のエッセイ
憂子 ほんとね、こういうのを見るも無残って言うのね
鬱男 語るも無残だよね
憂子 あたしはそこまで言わないけれど
鬱男 でも、いけると思ったんだけどなぁ。もう一つのエッセイ
憂子 なんでもやる前はみんなそう思うのよ。社長なんかきっと確信してると思うわよ
鬱男 そうなんだよ、そこが問題なんだよ
憂子 なにしろ、うっ君たら月に300なんて言っちゃうんだから
鬱男 えー、だってオンラインエッセイの登録者が300人以上だからそのぐらいは
憂子 それが甘いのよ。そもそも300人って言ったて、登録を取り消すのが面倒でほっておく人だって結構いるんじゃないの
鬱男 うーん、それはなんとも。でもそんなこと社長の前では言わないでね
憂子 もちろんそれほど愚かじゃないから安心して
鬱男 愚かじゃないのは分かってるんだけど君の場合口がなぁ
憂子 口が何?
鬱男 いや、、、とてもセクシーだなって思って、エヘヘ
K氏 何? セクシーだと
鬱男 おはようございます、社長
K氏 おお、今朝もよい天気だね。おはよう諸君
憂子 なんか、いやに機嫌いいですね。気をつけたほうがいいですね
K氏 おおー、相変わらずセクシーな口だねえ。とげとげしいよ今日も憂子君
鬱男 なんかいいこと合ったんですか社長
K氏 いやあ、別になんてこともない。食うもん食って出すもん出せば今日も快調たばこがうまい
憂子 相当ハイテンションですね、やっぱり怪しいわよ
K氏 別に物騒なものはやっていないから安心したまえ
鬱男 お願いしますよ、くれぐれも法に触れるようなことはしないでくださいよ
K氏 穏やかじゃないぞうっ君。いままでにワシが法に触れるようなことをしたっていうのか、ええ?
鬱男 よく、飲んだ後人のうちの塀に変なもの飛ばしているじゃないですか。あれはいいんですか
K氏 こらこら、誤解されるような言い方をしてはこまる。あれは純粋な排泄行為だ
鬱男 その言い方の方が誤解を招くと思いますが
K氏 そうか、それじゃ有り体に言えば飲めば出る、出せばまた飲む。自然の摂理だ。特に最近は、老人力がついたせいか出るのが早い。世界新とまではいかないが日本新は確実だ、というくらいに早い
憂子 年取ったってことですか?
K氏 違う違う、老人力だ。老人力。おかげですっかり視力も落ち着きを見せてきた
憂子 老眼てことですか?
K氏 違う違う、老人力だ。老人力。今では少々のことでは驚かなくなった
憂子 ボケたって事ですか?
K氏 いいかげんしつこいぞ、君
憂子 老人力がついてもこらえ性がないのは直らないんですね
K氏 いや、君と付き合い出してからちょっと悪化したようだ
憂子 付き合うなんて誤解を招く言い方は止めてもらえませんか
K氏 さっきからちっとも話が先に進まないのは意識的に話題を逸らそうとしているのかね
鬱男 やだなあ、逸らさないとまずいような話があるんですか、社長
K氏 まずくはないが話しはある
憂子 後にしません
K氏 今したい
憂子 昼間からはちょっと
K氏 何を言ってるんだ、どうせ誰もきやしないさ、さあ早く
憂子 早く、何ですか
K氏 ええいジレッタイ。早く「何の話ですか?」と聞きなさい
憂子 それじゃ聞きますが、変な話ならお断りですよ
K氏 実はいいアイデアが浮かんだんだ
憂子 まだ何も聞いてません
K氏 これでアクセスもうなぎ上りだ
憂子 だから何も聞いてません
K氏 うなぎも上ればどじょうも上る、アナゴも上れば物価も上がる
憂子 ついでに給料一緒に上がる?
K氏 なぜ?
憂子 何故って言われても、こういうものは縁起物ですから、オホホ
K氏 残念ながら給料は上がらない
鬱男 それでどんなアイデアなんですか?
K氏 おお、よくぞ聞いてくれた。そんなに聞きたいか?ええ、そんなに聞きたいか?
憂子 本当に薬はやってませんよね
K氏 やってない、やってない。ナチュラルハイだ。天然ボケだ
鬱男 ふざけているなら帰ります
K氏 いや、悪かった。少しばかりはしゃぎすぎた
鬱男 それで一体どんなアイデアなんですか
K氏 新しいコンテンツを考えた
憂子 はぁ
K氏 大人気間違い無しだ
憂子 却下します
K氏 な、なんだと。どうしてだめなんだ。あれほど書け書け言っていたのに
鬱男 僕も反対です。もうしばらく今のコンテンツでやったほうがいいと思います
憂子 あまり手を広げても散漫な印象を与えるしぃ
鬱男 多すぎてもただ分散するだけだしぃ
憂子 中身が薄くなっても困るしぃ
鬱男 更新が遅くなってもいけないしぃ
K氏 そんなことはない。大丈夫だ。今までのものもちゃんとやる
憂子 今までのものをちゃんとやっていただければそれで十分です
鬱男 それで満足です
憂子 それで合格です
鬱男 それで文句在りません
K氏 なんか、変だぞ君たち。なんでそんなに反対するんだ。
とにかく「何をやるんですか?」と聞きなさい
鬱男 また今度にしませんか
K氏 ショート・ショートのコーナーを始めようと思うんだが
鬱男 まだ、何も聞いてません
K氏 分かってる、だから勝手に喋ってるんだ
鬱男 分かりました。何をやるんですか?
K氏 昔、SFのショート・ショートを書いたことがあるんだ。これが我ながら傑作なんだ
鬱男 分かりました、それで
K氏 調べるとSFというカテゴリーがあったりするじゃないか。これは当たるぞ、きっと
鬱男 昔って何時ごろですか
K氏 うーん、十数年前かな
鬱男 傑作ってほんとですか?
K氏 もちろん、ぎょっとしてきゃっとなってはっとする、ぐらいにすごい
憂子 それって誰かに言われたんですか
K氏 いや、ワシが今言っただけだが
鬱男 誰かに読んでもらったんですよね
K氏 もちろんだ、講談社のショート・ショートの広場に出た
鬱男 ええっ!あの星新一のですか
K氏 おおっ!あの星新一のだ
憂子 すごい、なんで早く言わないんですか
K氏 別に言うほどのこともないだろう、応募しただけなんだから
憂子 ヘッ。応募しただけなんですか
鬱男 でも、今出たって言いませんでした
K氏 そうか、訂正する。出したことがある
憂子 落ちたんですね、結局
K氏 ああ、どうも星新一とは感性が合わなかったようだ
鬱男 他には応募したんですか
K氏 いや、、、ただショート・ショートの広場なら三年連続だ
憂子 三年連続で落ちたんですね、結局
K氏 そういうとらえかたもある
鬱男 途中までいったとか
K氏 中途半端は嫌いだ
憂子 かすりもしなかったんですね、結局
K氏 そういうとらえかたもある
鬱男
憂子
K氏 おい、こら、どこへ行く。帰ってこい、、、お願いだから最期まで話を聞いてくれ。これからが面白いんだから。おーい。君たちー
どうしようもない。どうしようもないでショートストーリー「いつかどこかで」が始まった。本当にどうしたらいいんだろう。行くところまで行くしかない

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第十四話 「三度目の神風が吹く」

鬱男 ゆうちゃん、変だよ
憂子 どうしたの
鬱男 なんかアクセスが大変なことになってるよ
憂子 大変ってついにアクセスが止まっちゃたの
鬱男 違う、違う。増えてるんだよ。ていうか、異常に多いんだよ
憂子 やだー、またカウンターが暴走してるんじゃないの
鬱男 うーん、そうでもないんだ
憂子 あらっ、どうしたのかしら
鬱男 ねっ、凄いだろ。ほら、ほら、ほら
憂子 そんな偉そうに言わなくてもいいけど。ほんと!あら、あら、あら
鬱男 また、なんかあったのかな
憂子 そうね、誰か死んだのかしら
鬱男 縁起でもないなぁ、死んだなんて
憂子 あら、でも一回目の神風はダイアナ妃でしょ
鬱男 ああ、あの時も凄かったよね
憂子 最初は、FirstNewsとかでの告知が利いたんだと思ってたけど、後で考えてみるとやっぱりあの時期はダイアナさんとマザーテレサよね
鬱男 うーん、確かにそんな気がするね
K氏 どんな気がするって
鬱男 相変わらずいきなりの登場ですね
K氏 そんなことはいいから、なんの気がするって?
憂子 誰かが死んだんですよ
K氏 はっ、誰が
鬱男 それが誰だか分からないんです
K氏 日本語を喋りたまえ、日本語を。恥ずかしくも最高学府の徒であろう君たちは
憂子 だからアクセスが多いんです
鬱男 神風が吹いてるんです、三度目の
K氏 何? それは大変だ。一体今度は誰が死んだんだ
鬱男 ねっ、社長もそう思うでしょ
K氏 そりゃ、そうだ。それ以外に神風が吹く心当たりはない
鬱男 確か二回目の神風は新井代議士の時でしたね
K氏 おお、あの時も凄かったな。4時か5時頃だったかいきなりアクセスが10倍に跳ね上がったからな
鬱男 そうですね。あの時はアクセスが増えた時間とインターネットのニュース速報から新井代議士の自殺が原因に違いないってゆうちゃんが言いだしたんだよね
K氏 そうだった、あれは大したもんだ。言葉に刺はあるがゆう君はやる時にはやる女性ってことだな
憂子 言葉に刺があるかもしれませんが、、、Infoseek Japanで新井将敬を検索してみたら、5番目にこのページがリストアップされたのよ。それでこれしかないって
K氏 その類まれな知能をフル回転すれば今回も誰が死んだか分かるだろう
憂子 それが全然駄目なんです。何も引っかからないんです
K氏 そんなことはないだろう。ちゃんと探してみたまえ。それじゃ言葉に刺があるだけただの見た目だけの女ってことになってしまうぞ
憂子 言葉に刺がある見た目のいい女って言われても、、、外国の人なのかしら
K氏 外国の人! うーん、確かに何人かは言葉を収集しているなあ。
おおっクリントンか!!
憂子 まさか、それはないでしょう
K氏 いや、この世の中何があるか分からん。念のために調べてみたまえ
憂子 でもそれなら、ニュース速報に流れてると思いますけど
K氏 この線も駄目か
鬱男 何か他に考えられることはないかな
K氏 ないだろ
憂子 どっかにHPの告知したかしら
K氏 どこかにしたのか?
憂子 いえ、私は。うっ君は?
K氏 してないのか。じゃ、一体なんだ
憂子 今日の朝からなんですよね。朝の1時から急に
K氏 まさか本日午前0時を持ちましてアクセス解禁なんてこともないだろう
憂子 でも、そんな感じなんですが
K氏 0時ジャストに誰か死んだのか
憂子 まさか、でもニュースが0時ジャストに流れた可能性はあるかもしれませんが
K氏 しかし、誰も死ななかった
憂子 そうです。そして誰もしななかった、です
K氏 うーん、アガサクリスティーでも分からん永遠の謎か
憂子 なんかの間違いでHPランキングにノミネートされたとかはないですよね
K氏 ランキング!?
憂子 例えばですけど。そんなことはないとは思いますが
K氏 ランキングはどうかしらないけど日経ナビの個人ページのランキングに昨日参加したぞ
鬱男 日経ナビですか?
K氏 おお、他の人のページにへんなバナーがあったので何かと思ったら個人ページのランキングだったのでワシもついでに参加申し込みをしておいた。そうそう、なんか知らんがバナーを貼らないといけないんじゃなかったかな
憂子 昨日ですか。まさかとは思うけど
K氏 君達にまかせるから適当に処理しておいてくれ
鬱男 日経ナビにアクセスしてみます
K氏 それから二人はちゃんとワシのHPに投票しておくように、いいね
鬱男 ええ、業務ですから有無はないですよね
K氏 業務とかではなく自発的にやりなさい、自発的に
憂子 もちろん自発的に投票しますけど、、、ええっ
K氏 どうした?
憂子 これですね、原因は
K氏 これですか、原因はってなんのことだ
鬱男 あれー「今日のお薦め」に紹介されてる…どうなっちゃたんだろう、世の中
憂子 うそー、変になっちゃってるのね、世の中
鬱男 ええー、何でもありなんだ、世の中
憂子 ずるーい、卑怯な人が勝つのね、世の中
鬱男 そんなー、ずるがしこい人が勝つんだ、結局
K氏 こらこら、それぐらいにしておきなさい。そろそろ正気に戻っていいんじゃないかね
憂子 はい、ありがとうございます。これだけボケる時間を頂ければ
鬱男 ええ、もう大丈夫です。僕も復帰しました。さっきは一瞬気を失いかけましたが
憂子 とにかく誰も死んでいなくてよかった
鬱男 ほんとだね、今までの神風はなんか、人の不幸を喜んでるみたいで少し後ろめたい感じだったものね
K氏 こらこら。人のHPのことを人の生き血を吸って生きてるみたいに言うんじゃない
鬱男 ああ、すみません
K氏 ところで君たち。何かワシに言うことがあるんじゃないか
鬱男 ええっと、なんでしたっけ
K氏 一言、何か、あっていいんじゃないか
憂子 おめでとうございます! ついに社長のHPも世に認められましたね
K氏 おお、おお。クスン
鬱男 本当におめでとうございます。頑張ったかいがありましたね
K氏 うん、うん
憂子 やっぱり分かる人には分かるんですね
K氏 おお、おお。グスン、スンスン
鬱男 見る人が見れば分かるってことですよね
K氏 うん、うん
憂子 でも凄いのね。紹介記事の威力って
鬱男 全てがこうはいかないんだろうけど、でも凄いね
K氏 さあ、これからワシの時代だ。矢でも鉄砲でも持って来い
鬱男 そうだ、そうだ。これからは社長の時代だ
K氏 苦情も文句も恐くないぞ
憂子 ヒューヒュー
K氏 批評・非難もへっちゃらだ
憂子 ヒューヒュー
K氏 軽蔑・叱責どんとこいだ
憂子 なんか、辛いことしかないみたいですね
K氏 みたいではない。辛いだけの人生だった
鬱男 社長の人生はもうしょうがないですが、HPはまだ大丈夫ですよ
K氏 仕様がないとはなんだね、ワシの人生だ。ほっておいてもらおう
憂子 HPぐらいじゃ、社長の人生がどうなるってこともないと思いますが
K氏 どうなるってこともない、ってのはなんだ。ワシの人生だ、どうとでもしてくれる
鬱男 とにかく社長の人生はこっちに置いておいて
K氏 こら、勝手に人の人生をそんなとこに置くんじゃない
憂子 ああ、でもよかった。私しあわせ
K氏 ああ、本当によかった。ワシも幸せ
鬱男
憂子
飲みに行きましょう!!!
K氏 分かっておる、心配するな。金は天下の回り物だ。ワッハッハ
この時は得票数がわずか2票に終わることさえしらない深まりゆく秋の日のことである

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第十五話 「夢の雑誌掲載」

鬱男 見た、ゆうちゃん
憂子 何を
鬱男 社長のHPが本に紹介されてたよ
憂子 やだっ、どうしちゃったの
鬱男 WWWイエローホームページってあるじゃない
憂子 ええ、あるわね
鬱男 あれのVol.6にオンラインマガジンのページで載ってるんだよ
憂子 凄い、見せて見せて
鬱男 いや、本は持ってないよ。立ち読みしただけだから
憂子 立ち読みしただけー。なんで買わないのよ
K氏 そうだ、なんで買わないんだ
憂子 そうですよね、社長。ところで、社長はもちろん持ってますよね
K氏 いや、わしも持ってない。雑誌社から送られてくるのを待ってるところだ
憂子 送ってくれるんですか?
K氏 そりゃ、そうだろう。それが礼儀というものだ
憂子 雑誌社がそう言ったんですか
K氏 いや、言われんが、、言われんでもそういうものだ世の中というものは
鬱男 そうかなあ? まだ届いてないんですよね
K氏 ああ、待ちくたびれた
鬱男 それってやっぱり社長の勝手な期待ってことじゃないですか
K氏 何! 人のHPを只で紹介するつもりなのか
鬱男 只って言っても、紹介してくれるだけいいじゃないですか
K氏 もちろん掲載料とかを取るつもりはないが、丸っきりの只はいかんだろう、只は
鬱男 世の中はそういうもんじゃないんですか
憂子 そういうもんだと思いますよ、世の中は
K氏 何? そんな馬鹿な。いつのまにそんな世の中になったのだ
鬱男 かなり以前だと思います
K氏 一言の断りも無くか
鬱男 ええ、いつのまにかそうなったみたいですよ
K氏 けしからん。しかし、、それじゃしょうがない、待っても無駄ならすぐに買ってこなければ
鬱男 じゃ、僕が買ってきます。もちろん代金は社長持ちですよ。一応念のため
K氏 何、最近の世の中はそういうものか?
憂子 戦前からそういうものだと思いますけど
K氏 ワシはそんなに古くない。これでも君と同じ昭和二桁の生まれだ
憂子 同じなんて言わないで下さい。親子ほども違うんですから
K氏 しかし、君も生まれは昭和の二桁世代だろう。まさか平成の生まれなんてことは言わないだろう
憂子 そりゃ、そうですけど。平成はまだ11年もたっていないんですから、ほとんどの人が昭和世代で、しかも二桁です。でも昭和10年代と60年代では全然話しが違います
K氏 おやっ。君は60年代の生まれだったかな?
憂子 70年代です。西暦の!!
K氏 そんな怒らんでもいいだろう。年代の話しを持ち出したのは君の方だろうが
憂子 分かりました。そんなことよりどうして本に載せることを教えてくれなかったんですか
K氏 君の悪戯かと思った。または何かの間違いかと
鬱男 社長、買ってきました。大丈夫ちゃんと上から2冊目の新品を持ってきましたよ
K氏 何!二冊目、甘い。玄人は三冊目を持ってくるもんだ
憂子 どっちでもいいですから、早く見せて
K氏 金はワシが出すんだから、最初はワシだ、ワシが見る
憂子 はいはい、分かりました。それじゃみんなで一緒にみましょ
K氏 ほーら、、このへんに、、あるんじゃないかな
憂子 そんなところじゃありません。もっと後ろです
K氏 こら、みんなで見るって言ったじゃないか。持っていっちゃいかん
憂子 私が探しますからおとなしくしていて下さい
K氏 そんな子どもしかるような言い方をしなくたって
憂子 ええと、、、目次によると、、、この辺りですね
K氏 は、や、く。は、や、く
憂子 もうちょっとですから、我慢して下さいね
K氏 まーだ、まーだ。ねえ、まーだ
憂子 はいはい、もうすぐですよ、言い子だから、もうちょっとね
K氏 あった。ほら、そこ。そこににあるじゃないか
憂子 言われなくても分かってます。私の方が先に見つけたんですから
K氏 いや、ワシの方がコンマ何秒かは早かった
鬱男 どっちでもいいですよ、そんなこと
K氏 そんな邪険な言い方しなくたって
憂子 そうね、ちょっと言い方が、、いやだわ
K氏 口の利き方には気をつけたまえ。口は災いの元だからな
鬱男 はいはい、分かりました
K氏 はい、は一回でいい
鬱男 ええっ、ゆうちゃんの時には何も言わないのに
K氏 君は女か?
憂子 そうよ、男は細かいことを言わないの。社長みたいになりたいの
K氏 どういう意味かね?
憂子 特に意味は在りませんが
鬱男 ほらー、凄いよ、これ。Topページもこうしてみると結構かっこいいじゃないですか
憂子 ほんと、とても社長のHPとは思えないわ
鬱男 いやあ、これ苦労したもの
憂子 そうよね、何しろ社長ったら画像は使わないとか言うから
鬱男 そうだよ、お陰でこっちは HTMLのTableとか使って表組みして色付けして華やかな雰囲気を出すのに苦労したんだ
K氏 二度も苦労したって言うんじゃない。男は一度だ
憂子 でも、本当に苦労したものね、感動しちゃうわ
鬱男 だろ!? 感動するほど苦労したんだよね
憂子 こんないいことが待ってるならあの苦労も無駄じゃなかったわね
鬱男 本当だよ。こうなるって分かってるなら
K氏 もっと苦労すればよかったなんて言うんじゃないだろうな
鬱男 ああ、すみません
K氏 そんなに苦労が好きならいくらでもネタはあるぞ
鬱男 別に苦労は好きってことはないですが
K氏 好きでもないのに苦労、苦労と二人で都合5回も言うんじゃない
憂子 また、数えてたんですか
K氏 ああ、数えてた
鬱男 本当にそういうことはまめですね
K氏 それが取り柄だ
憂子 取り柄かどうかは人によって意見が分かれると思いますけど
K氏 おお、おお。誉められてる
鬱男 ええ、誉められてますね
K氏 けなされてない
憂子 ええ、もちろんけなされてなんかいませんよ
鬱男 紹介記事ですから
K氏 そりゃ、そうだが。人の話しによると紹介しておきながら、あれが悪い、これが悪い、勉強が足らん。そんなことをいう雑誌もあると聞いていたので内心ビビッていたのだ
鬱男 それで、僕らに教えてくれなかったんですね
K氏 とにかくこれで長年の苦労が報われた
憂子 そうですよ、社長もそれなりに頑張りましたものね
K氏 そのへらず口だけは慎んだほうがいいぞ
憂子 はい、調子に乗りすぎました
K氏 分かればいいが
憂子 みんな頑張りましたもの
K氏 おう、おう、みんなよう頑張った
鬱男 頑張ったら頑張っただけ、ですよ社長
K氏 うん!?
憂子 やったらやっただけ
K氏 だけ!?
鬱男 お祝いをしなくっちゃ、ねえ社長
K氏 お祝いか
憂子 そうですよ。お・い・わ・い。
K氏 みなまで言うな
鬱男
憂子
飲みに行きましょう!!!
K氏 分かっておる、心配するな。金は天下の回り物だ。ワッハッハ
先回と終わり方が一緒のような気がする。そしてその後の落胆も同様なのである

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