h:考えてみれば不幸な女の話じゃないですかね〜。男女であり得なかった関係でしょう。 でもこの映画の売りとしてはレズビアンということは一切なくて、 避けてるのかもしれないけどチラシとかにも全く「レ」の字もないし。 k:のってないよね。ネタばれになっちゃうからフリーに持ってけちゃうものには 気をつけてたみたい。パンフとかには堂々と書いてある。 h:いきなり脱いじゃうし。でもその部分1分(日本の公開版では) カットされたらしいし(笑) k:でしょうね、あそこしかカットするところないでしょうね〜。 もっとサービスしてよ(笑)。その1分は何をしてるんだろう。 h:あの後半の真っ昼間のラブシーンはどうなの、関係は上手くいってたの? あまりダイアンの表情がよくなかったんだけど。 k:部屋の交換で引越したから疲れてたのかな…。 そのシーンの後、カミーラを追い返すじゃないですか。 ダイアンが「あの男のためなのね。そうするほうが都合がいいのね」みたいな ことを言うの。辛い〜! 英語が聞き取れないけど、結婚することで そういうことを隠れみのになるというか、そういう利用のされ方を…。 h:結婚ってあの監督と? 隠れみのってもう世間にバレバレになってきたからってこと? 自分のキャリアのために、ということに利用したってこと? k:そんな風に言ってたから、私ただの愛人なんだ…!って。 h:そして復讐されちゃうのかしら。 失いたくないから、殺すようにしむけて自分も死ぬ。 k:でも死んでほしくないという想いもどこかであって、最初の場面に戻る。 h:メビウスの輪のように。 k:一番はじめの場面で、馬鹿な若者が山から降りてきてキャーっと でドーンとぶつかる音と最後の小さいおじいちゃんとおばあちゃんが ダイアンを襲うときの悲鳴ほぼ同じだと思う。 h:なんなの、あれ? k:たぶんドラッグかなにかやっていて… 最後のキャーって声と自動車事故の音がつながるという… h:すごいね。 k:あれは多分両親で、最初のジルバのコンテストの映像にも被って出てくる。 空港の場面では別人のようだけど夢の中だから置き換えてる。 h:結構二人メインというわけでなく登場人物が多いですね。 k:本来のテレビ用の予定ではね、ダイナーにいた眉毛が濃い男の人がメインぽかった らしいですよ。映画にするってことで、たぶん前半も後半のラブシーンも 後で撮り加えてる。メイクの加減もあるけど肌の感じが全然違うの。 肌が荒れてて赤くなってリハーサルしすぎたかな、って。 あれは前半テレビ用に撮ったのでなないと思う。映画にするから撮り加えたと。 h:映画にして正解ね。 k:テレビシリーズになってたらそれこそ訳分からなくなりそう(笑)。 h:犬のフンの謎はとけましたか?(笑) k:ジョン・ウォーターズに対する目配せ(笑)。 h:あの前半のところだって自分が借りるつもりで入って行った部屋に 女がいたらビックリするよね。しかもあんな女が(笑)。 k:すぐ110番するよね(笑)。 h:やっぱり好みだったからかな。あんな清楚なふりして実は下心いっぱい。 k:心の中はオヤジだったと(笑)。 考えてみればあれ2日間の話ですからね。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ h:あのラテンの言葉はなんですか? k:スペイン語の?「シレンシオ(お静かに!)」。 あんな寝てる時にいきなり言い出したら怖いよね!(笑) h:でも頭うっておかしくなっちゃってるから可哀想って思ったりして。 下心いっぱいで。 k:私の思うつぼ(笑)。 でも最初の事故の場面で普通死ぬだろう、ってそこツッコミどころ。 なのに皆は死んで彼女(リタ)だけはほとんど無傷で生き残るって…。 その生き残ったリタがなぜか持っている大金は、後半のダイアンが カミーラを殺すために出した金額よりもかなり多めになっていたり 夢だからどうにでもなる。 h:すごい見てるね。DVDで前半と後半同時に見なくちゃ(笑)。 k:マルホランド・ドライブ研究家(笑)。ロジャー・エバートって アメリカのじいさんの評論家なんだけど、エッジの効いた映画が好きで 「マルホ」も去年のベストテンに入れてて、今どこかコロンビア大学?で 講議をしていて「今度ぼくの授業でこの映画をワンカットワンカットを 生徒にみせるから」とアカデミ−賞で言っていた。 やっぱり映画の好きな人にとってはとてもおいしい題材みたい。 h:何回も観に行きたくなるように作る。 k:ドラッグのようなもんね。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ h:あの劇場での場面で歌手が泣いたり、聴いていた二人も 泣いていたのは何故? k:あそこはもう違う時空にいってるでしょ。 自分のことを歌われているから泣いてる。 それを分かったリタも一緒に泣いた。 やっと気持ちが通じたから…ああ切ないね(笑)。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ h:ダイナーの場面は。 k:(ウェイトレスの)あの子かわいかったね(笑)。 前半夢の部分ではダイアンで、後半がベティ(という名札をつけていた)。 最初の二人がウィンキースでお茶を飲んでる時に コーヒーを注ぎ足しに来た彼女に「ありがとう、いいわ、ダイアン」と言う。 たぶんダイアンは下積み時代にウェイトレスをしていたと思う。 だから家にダイナーにあるカップがあるのよ。 h:!!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ h:年齢の設定はいくつくらいなんでしょう? k:ナオミ・ワッツのほうは30くらい? もうちょっと若いかな?ジルバのコンテストで優勝してカナダから出てきて、 下積みがあったとしても…、20代後半? ナオミ・ワッツ実際は34歳。 ローラはナオミより4歳上。貫禄あり過ぎ!シリコン入れ過ぎ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ k:監督は前半ダイアンの夢だからひどい扱いにされている。嫌いだから。 でも後半では優秀な監督に設定されている。 でもそうは見えないでしょ(笑)。 h:男を軸にして女ふたりの関係がこわれる話って前から多くないですか。 k:ありますね。「翼をください」も・・・ 収録日:2002年5月13日 ※次回トークは「翼をください」を予定しています。 by kote and hana. |