もう少し、増やした方が良いのは、分かってるんだけど…。 時間があったら、そのうち、追加して行きますんで、勘弁してください。
- 溺死
要件 A.臓器内の毛細血管中にプランクトンが残留している。
(水に入った時点で生きている場合、人は呼吸するので、水が肺の中に入る。 この時、水といっしょにプランクトンも血液中に吸収されます。)
B.左右の肺が大きく膨れており、表面の血の気が少ない。
C.通常の窒息死と異なり、粘膜に見られる溢血(いっけつ)点が、染み出したような斑点になっている。
D.胃の中に多量の水分がある。
E.気管や口腟に小さな白い気泡が見られる。遺体所見 漂母皮(手足の皮膚がふやけて白くなる状態)がみられる。 注記 浮く死体(人は浮くの?)
・肺に空気を満たせば、比重が水より軽くなるため、人体は基本的に水に浮きます。 逆に肺に空気がなければ水より比重が重くなって沈むことになります。 となると、死体は水に沈むはずなのに、現実には浮きあがり漂着して発見されます。どうして?
・水死体が浮くのは、腐敗現象により発生するガスのためと言われています。 組織が変質して発生したガスが腹腟内にたまり、肺に空気をいれた時と同じ状態になるから浮くんだって。
- 窒息死
(1)縊死(いし) 要件 A.死後も血液に流動性があり、暗赤色をしている。
B.粘膜・漿膜にいっ血点(但し、縊死の場合は殆ど確認できない)がみられる。
C.諸臓器の静脈性鬱血(うっけつ)(通常より多くの血液が流れ込んでくる状態)
以上の「窒息の三徴候」を満たし、頚部に後方が高く前方が低い絞痕(「縊溝」という)のある場合は、本人の体重などによる縊死と判断します。
尚、この場合の絞痕は、前方のみのこともありますし、また、前方の絞痕のほうが深くなっています。遺体所見 ・水平に頚部を圧迫する絞死とは異なり、顔面は紫色にはなりません(蒼白)。 いっ血点は殆ど見られないので、絞殺か縊死かを見極める際には、結膜と顔色を確認すればよいのです。
(じわじわと気管や血管を圧迫される絞死とは異なり、縊死の場合は、自身の体重などの大きな力が瞬間的に頚部にくわわる。 更に、頚部に対して後方上がりで斜めに力が加わるため、絞死の時が頚骨に保護され遮断されない椎骨動脈も瞬時に閉ざされる。 このため、脳への血行がすぐに止まり、鬱血しないわけである。)検視 ・希に、顔面に鬱血が見られることがあります。
(脳に酸素が不足すると痙攣(けいれん)が起こります。 足が床についている場合などでは、この痙攣で身体全体が飛び上がり、縄がずれ頭部に血が流れるためといわれています。)
・手足に擦過傷(さっかしょう)がみられます。
(上記の理由から起こる痙攣で、手足が周囲の家具等にぶつかるため。)注記 大半が自殺
(2)絞死(こうし) 要件 A.死後も血液に流動性があり、暗赤色をしている。
B.粘膜・漿膜にいっ血点(赤い小さな点状の出血)が顕著に現われる。
C.諸臓器の鬱血(通常より多くの血液が流れ込んで切る状態)
以上の「窒息の三徴候」を満たし、頚部に水平な絞痕のある場合は、絞死と判断する。遺体所見 ・目、口のまわり、結膜、喉の粘膜にいっ血点がみられる。
(いっ血点が喉の粘膜にも見られる場合は、絞死と断定して間違いない。)
・顔面は、鬱血のため紫色を呈する。
(これは頚部の構造に由来する。皮膚の表面から比較的浅いところにある静脈が閉ざされ、頭から血液が下がらないのに対して、深いところにあり頚骨の水平に走っている動脈は閉ざされないので、頭部に血がたまるのため。)検視 絞められた痕(索溝)が、水平に首のまわりを一周しており、結び目の痕がはっきりしています。 気管に骨折が見られることもあります。 注記 大半が他殺
自分で自分の首を絞めることは可能なの?
頚部を圧迫すると、脳へ空気がいかなくなり意識を失う。 柔道の締め技で「おちる」というのがこれにあたります。 従って、従来は自絞による自殺は不可能とされていました。 しかし、実際には、自絞による自殺というケースは案外多く、片手で自分を絞め殺したという件も確認されています。
(3)扼死(やくし) 要件 A.死後も血液に流動性があり、暗赤色をしている。
B.粘膜・漿膜にいっ血点(赤い小さな点状の出血)がみられる。
C.諸臓器の鬱血(通常より多くの血液が流れ込んで切る状態)
以上の「窒息の三徴候」を満たし、局部的な圧迫により引き起こされたものを扼死といいます。 手による圧迫が多く、喉頭上部の両側を圧迫すると気管と頚動脈が閉ざされ、瞬間的に呼吸停止、心臓麻痺を起こします。遺体所見 頚部の両側に指ないし爪の痕がある。片側に親指の痕、反対側に四指の痕がみられるのが普通。 注記 必ず他殺
指の痕から、犯人の身長を推定します。
頚部に残された親指の痕と、四指の痕の距離から手の大きさが推測できる。 そこから、犯人の大体の身長を推測することが可能となる。(すげー)
- 失血死
要件 全血液の三分の一を急激に失うと死に至る。 性別 一人当たりの全血液量 男性 体重1キロ当たり約80ml×体重 女性 体重1キロ当たり約60ml×体重 遺体所見 健康体であるにも関わらず、血の気がなく死斑が弱い。
(遺体が長期間患っていた人や貧血気味の人であった場合は失血死でなくとも、血の気のない 死斑の弱い状態になることが多い。)検視結果 状態 原因 (1)
体に大きな創口があり、中で太い血管が切れているにも関わらず、大した出血が認められない場合。臓器の破損により、血液が体内の空洞に流出したため、外面的には大した出血がみられない。体内の空洞としては、左右の胸腟・腹腟があり1000mlの要領がある。 (2)
遺体の表面に創口はないが、失血死と思われる場合。自動車事故、高所からの転落により、体内に出血していると考えられる。 注記 じわじわ出血したか、急激に失血したか?
・心臓に残された血液の状態で判断できる。
・残っている血液が、通常のものより水っぽければ、長期間にわたり少しずつ出血した結果による失血死であると言える。
(血液の量を少しでも多く保とうとする調整作用により、体組織中の水分が血管中に集められるため。)
- 中毒死
一酸化炭素中毒 要件 ・酸素は赤血球中のヘモグロビンと結合し、酸素を必要としている組織に到達すると、ヘモグロビンからはなれる。 酸素は、ヘモグロビンと酸素の結合により各組識へと運ばれているのである。 しかし、空気中に一酸化炭素が存在する場合は、この機能がうまく働かなくなる。 一酸化炭素によりヘモグロビンと酸素の結合が著しく阻害されるのである。
・ヘモグロビンは酸素よりも一酸化炭素とより結合する性質があり、空気中に一酸化炭素が存在する場合は、酸素とではなく、こちらとよりよく結合する。 加えて一酸化炭素とヘモグロビンの結合力は酸素との100倍に相当すると言われており、一度結合するとなかなかヘモグロビンから離れない。このため組織へ酸素が運ばれず、体内の組織が窒息することにより、死に至る。遺体所見 死斑が通常の紫赤色ではなく、鮮やかな赤色を呈しており、臓器も同様に鮮やかな赤色である。これは一酸化炭素と結合した、一酸化ヘモグロビンの色である。
(ヘモグロビンは酸素、一酸化炭素と結合すると、鮮やかな紅色を呈する。 逆に酸素を放すと、還元ヘモグロビンとなり暗赤色となる。)注記 死斑が鮮やかな紅色だから、すべてが一酸化中毒というわけではありません。 凍死した場合も同様な状態となるため、窒息死か否かを確認する必要があります。
睡眠薬 要件 A.死後経過時間に対して、通常より体温が高い。(下がりにくい)
B.皮膚が湿っている
C.結膜が水分を含んで腫れている遺体所見 通常の睡眠とはことなり、全く意識を失うため、寝返りも打たない。 よって、大量の目やにが付着したままになる。
青酸(青酸カリ・青酸ナトリウム) 毒性と致死量 状態 青酸は常温では気体。性質は弱酸性で、水やアルコールにとけ、青い炎をあげて燃える。 長期間空気中に放置すると潮解、二酸化炭素との反応により炭酸塩となり無毒化する。 水に溶かすと特有の臭いを発する。 アーモンド臭といわれるが、鋭敏に感じる人と感じない人がいる。 致死量 人に対する致死量は60mg(青酸カリの場合は150から300mg) 毒性 即効性の猛毒。体内呼吸を阻害。 特に脳と心臓における阻害作用が強く、即効性とされるのはこのためと言われているが、効果があらわれるまでの時間は個人差が著しく一定していない。 解毒法 チオ硫酸により無毒化。 中毒症状 致死量を一度に摂取した場合 [第一段階] 頭痛・めまい・胸苦しさ。動悸が激しくなり頻呼吸となる。
[第二段階] 喉に苦しさ圧迫感。ついで呼吸困難から、呼吸不正、脈拍微弱。
[第三段階] 痙攣から麻痺を経て意識不明となり呼吸停止。
[第四段階] 仮死状態から麻痺が全身に及び、心臓停止から死亡。少量を長期にわたり摂取した場合 疲労感・衰弱・脱力感 検視結果 腹、特に胃を開いた時に独特の臭いが顕著。 またカリウム、ナトリウムの強いアルカリ性により胃粘膜が壊死し、色は鮮赤ないし褐色、表面はぬらぬらした感じになっている。 注記 青酸が頻繁につかわれ始めたのは、工業化が進んだ近代からである。 青酸カリないし青酸ナトリウムが工業薬品として大量生産され、入手が容易になったためで、犯罪史上に初登場したのは昭和10年頃といわれています。(生まれてません。)
- 凍死
遺体所見 死斑が鮮やかな紅色を呈します。 温度が低い状態だと、ヘモグロビンと酸素が離れにくくなるためなんです。 注記 雪国でなくとも凍死は起こります。(どういうこと?)
酒を飲むと血管が膨張し、体温の発散が盛んになり、こういった状態で路上で泥酔し、雨に降られたりなんかすると、体温が急激に奪われて凍死してしまいます。 東京でも年間十数人の凍死者が出るといわれています。