MORIVER'S SWEETEST DIARY (58)
更新日記 (58)
11月 6日(金) 挨拶/燃えよ剣/学校3/ジーザスクライスト
11月 12日(木) 息災/戦争の犬たち/こんなもの
11月 13日(金) 淀川さん去る/ガイナックス脱税で査察入る
11月 16日(月) ブックマークの超整理法/パー関連リンク
11月 20日(金) タイタニックが来た/Java Scriptについて
1998年11月 20日 (金)
タイタニックがやってきた。
注文した数だけの数を確保できない、ということが明らかになり、ビデオ協
会が「このまま発売したら不公平になる」と裁判所に販売延期を求めて仮処分
申請したといういわくつきの、このタイタニックのビデオ版。
結局、無事、予定日通りの発売となり、その一つが我が家にある。
と言っても私が買ったものではない。上の妹が、すっかりディカプリオ狂い
になってしまい、いつの間にやら予約して買って来てしまっていたのだ。記憶
が正しければ、彼女が似たような騒ぎをしたのはケビン・コスナーのボディ・
ガード以来だ。
私としては基本的にジェームズ・キャメロン監督は好きだし、タイタニック
もよく出来ている映画だと思うが、ここまで横で騒がれると少しひいてしまう
部分もある。なんて言いながらも早送りでもう私も2回も見てしまったのだけ
ど。
***
最近、ずっとこれまで避け続けていた画像や、JavaScript、スタイルシート
などについてを勉強している。基本的にはウェブページについてはコンテンツ
第一主義なのだが、ブラウザのバージョンも上がりまくり、今ではDynamic
HTMLやら各種プラグインが登場する状況である。もはや上記の技術もローテク
に入りつつあると判断してのことだ。
とくに、スタイルシートについては、行間の幅を広げるという意味で、テキ
スト表示にはかなり重要な役割を占めるようになると思う。実は、家で普段使
っているブラウザはスタイルシート(css)未対応のネットスケープ3なので、
手探りしながらの記入ではあるのだが。
スタイルシートではないとできないことは、行間を開けることのほか、文字
を重ねあわせること、背景画像をスクロールしても動かないようにすること、
リンクの下線を消すこと、などがあるが、これにJavaScriptの技術を組み合わ
せると、アニメーションのようなこともできるようになる。Dynamic HTMLはこ
れを、HTMLの文法の延長線上で、簡単に実行させようと試みる命令である。つ
まりDynamic HTMLを理解するには前提として、スタイルシートとJavaScriptの
理解が必要となる。
JavaScriptについては、文法的なことがわからなくても、ウェブ上で多くの
人がサンプルプログラムを作って配布している。時計、ステータスバーへのメ
ッセージ、フォームの選択によるページの移動、計算、簡単なパスワードチェ
ック、小さな窓を出すことなどが有名だ。命令もそれほど複雑では無い。
JavaScriptはJavaとは名前は似ているが実はそれほど関係ない。Javaは、本
格的なプログラミング言語で、それこそ市販されているようなソフトを作るた
めの言葉である。Javaという名前がついているのは、その文法を真似しただけ
という意味しかない。
もっとも、Javaという言語自体、そもそもさらに汎用性のあるC++という結
構前からあるプログラミング言語を元にしている。したがって、JavaScriptと
いうのは、そういう言語を学んだプログラマーにとってはすぐに理解できるも
のらしく、ゲームのようなものをJavaScriptで作っている人もある。
個人的にはJavaScriptを学んでいると、昔昔初めて触れたプログラミング言
語、BASICを思い出す。去年のこの日記の初めの頃、高校の教科書にBASICにつ
いて説明するページがあることを馬鹿馬鹿しいこと述べたが、JavaScriptが、
C++まで続く似た構造の言語であることを考えると、これからは、こちらを学
ばせた方がよいかもしれない。数値計算も一応できるし。
***
参考までにJavaScriptが学習できるサイトを幾つか紹介しておきます。
(前回のリンク集は作らないという言葉は嘘になってしまいました。深くお
詫びします)
・とほほのJavaScript入門
サンプルは無いが、専門的なことまでコンパクトにまとまっていて言語とし
て学ぶたい人にはよい。クッキー入門もある。
・一番役立つWWW JavaScript
クッキー関連以外の主要なスクリプトの例がある。レイアウトも見やすいの
で理解はともかくJavaScriptの機能だけをまず使いたい人にお勧め。
・JavaScript道具箱
数学で用いる演算式や、文字化けしやすい文字の紹介など、かなり上級者む
けの内容。サンプルでよくあるような機能以外のものに挑戦したい人は読むと
よいと思う。
・Next Step
JavaScriptだけというより、HTMLやDynamic HTMLなども含めたウェブ言語に
ついてのTips(便利な技)について解説。レイアウトがかなり奇麗で勉強にな
りました。
・JavaScript Navigator
クッキー関連の情報に詳しいです。クッキーは唯一データをJavaScriptで
データを訪問者側のコンピュータに保存させることができる機能なので、使い
勝手は色々あるはずだが、嫌いな人は嫌いとあって、なかなか解説のいいペー
ジが少ない。このページでは豊富なサンプルがある上に、用いた命令の解説ま
でついていて、かなり役立ちます。個人的に雰囲気が気に入ってます。
・JavaC
クッキー関連以外の主要なサンプルがほぼ全部あります。バージョンの古い
命令だけで作ったものと、新しいブラウザでのみ使える追加命令で作られたも
のとが分けてあり、何ができて何ができないかが理解しやすい。
・WEB PAGE CLUB
メインはCGI(掲示板の作成など)に関する知識で、JavaScriptについては
ちょこっとしか無いのですが、トップページにある、クリックするとサブメニ
ューが、にゅっと飛び出る仕組みが気になっています。
***
画像については長くなるのでまた日をあらためて、ということで。ではまた。
(11/21 1:11)
1998年11月 16日 (月)
最近、すっかり他人のページを訪問するということが無くなってしまった。
といっても、ウェブのページ自体を見なくなったというわけではなく、バイ
ト先の仕事の関係で、数的にはかなりの量を見ている。大体、お役立ちページ
を集めたリンク集に紹介されていところは、一度は見ている。だが、本当にち
ょっと見ては去るということが多く、なかなかリピーターにはならない。
今、毎日見ているのはYahoo Japanのニュースのコーナーだけであったりす
る。それも国内、エンターテイメント、コンピュータ関連ニュースのみ。だが、
これだけだって、丁寧に読めば結構な量がある。詳しい記事については家に帰
ってから新聞で読むことの方が多い。やはり同じ分量を読むなら、紙面の方が
いいのは体感として分かる。
ウェブで情報を探すこともしばしばあるが、やはりYahooやgooで調べ終えて
しまうと、URLもメモせず忘れてしまう。gooで見つけたページは、とりあえず
テキストの文章にURLだけコピーして、保存したりするが、ブックマークする
ことは無い。ましてやYahooで見つけたページについては、キーワードさえ覚
えておけば、またすぐ探しだせるのだから、メモする気すらおきない。ページ
の名前の断片さえ分かればそれでいいのだ。
***
最近、野口悠紀雄の書いた「『超』パソコン仕事術」が文庫になった。
かつて、大判で出版されたのは96年。ウィンドウズ95の普及が始まり、個人
ユーザーがウェブ制作を一気に始めた頃である。
当時、初めてマウスのついたウィンドウズパソコンを購入した私は、恥ずか
しながら使用法に戸惑っていた。それまではNECのPC8801という、画像などろ
くに使えない状態でパソコン通信のみをしていたのだが、そのパソコン通信を
するだけにしても、やり方がわからない。
そんな時、野口氏の上記の本は非常に役立った。巻末に、95の電源の入り
かた、切り方、メモ帳の使い方、ファイルの移動、パソコン通信の仕方などが
書いてあるのも嬉しかった。
そして、具体的に何と何さえ覚えていればいいのかを指し示してくれた。
氏の述べたことで、一番有意義だったのは「何でもテキストファイルにして
ハードディスクに入れておけばいい。ファイルは月ごとのフォルダーに時間順
にならべておけ」というもの。これぞ氏の言う「超整理法」の極意でもある。
すなわち、自分だけが管理するデータの整理は、時間順に並べ、しかも一個
所にまとめておけばいい、というものだ。実際には、よく使うものは別のとこ
ろにコピーしたりしておくが、基本的にはとにかくつっこんでおけば案外忘れ
ない。目的のものを探す時は、「秀丸エディター」についているgrep機能で、
キーワードで探せばよい。
今もこの教えは守っている。面倒なこともなく、ファイルも無くならず、と
ても便利である。
URLの管理やメールアドレスの管理も、これで実質何もしないで済む。うる
覚えの言葉を頼りに、キーワード検索すれば、ファイルはすぐに見つかる。
メールアドレスも、一つのフォルダーに全部入れっぱなしで消さないでおくか
ら、名前か大体の日付を覚えていれば、数分で探せる。
***
実は氏の考えが好きな一つの理由は、氏はかなりローテクな技術をうまく使
っているところにある。上のテキストデータにして、あとは全文検索すればい
いというコンセプトは、おそらく今後もずっと使える手法だ。そもそも、ウェ
ブの検索システム自体が、そういう具合に出来ている。
***
ということでウェブの話に戻る。
実用的なサイトはウェブ上に幾つもあって、紹介がてらに、リンクを張ろう
と思ってもすぐ忘れてしまう。でも、みなさん、時刻表のリンクとか、列車の
乗り換えを自動的に見てくれるページ、テレビ番組表、地図、新聞データベー
ス、有名な書評のページ、オンライン辞書などなどはもう知ってますよね。
知らなくっても今の言葉をYahooに入れればすぐに見つかります。
ちなみに野口氏のページにあるリンク集はかなり使えます。こうしたリンク
集を知っているとますます、自分で作る気力が無くなります。野口氏のページ
へのリンクは張りません。Yahooで「野口 超」と入れれば出てきます。参考
までにこの私のページは「青草亭」でOK。実は、自分でもURL覚えていない
のでいつもこの方法で、探して来たりしています……。
***
パーマン関連リンクで情報をいただきました。こことここ。
きちんと整理しないといけませんが、とりあえず。大田さん、ありがとうご
ざいました。
(11/17 3:03)
***
やっぱり不親切かな。
野口悠紀雄氏のページはここ。
(11/17 3:11)
1998年11月 13日 (金)
淀川さんが亡くなった。89歳だったという。8月30日の日記に少し淀川さん
んのことを書いたけれども、想像以上に日本人の多くは淀川さんの影響を受け
ているのではと思う。物心がつく頃にはもう淀川長治さんはいた。ちなみに最
初は「淀川チョウジ」と呼んでいたことを一応告白しておこう。
それはともかく、日曜洋画劇場で文末がどこにあるのかよく分からない話ぶ
りではあったものの、そこから感じる熱いパッションに、なにかいい気持ちに
させられた。
テレビでみる映画解説というと、水野晴夫とか品田雄吉などもいるが、やは
り淀川さんの地位はちょっと別格であった。普通は、冷静な分析がまず先立つ
が、淀川さんの場合はまず感覚的なものが優先する。そしてとにかく、どんな
映画でも少なくともブラウン管の前では批判はしない。誉めまくる。作品で誉
められなければ役者で誉める。それで駄目なら、好きな過去の映画と無理やり
関連づけて誉める。たまに誉められないものもあるようだが、そういう時は淀
川さんの解説は無い。立派だった。
僕の中ではやはり、ドラマよりも映画の方が作品としての完成度は高いもの
というイメージがある。いや、映像にまつわる多くの人間が同じことを思って
いるはずだ。ドラマのディレクターは自分の映画を撮ることを密かに狙ってい
る。少なくとも映画を意識してドラマのネタや演出をしている。そして観客も
また金を払って映画館に行く以上、無料のテレビドラマ以上の何かを期待して
いる。
実際問題としてテレビと映画の作りは違う。映画は暗闇の中に固定された席
に座り、画面をおよそ2時間見続ける。テレビとは集中度が圧倒的に違う。テ
レビではチャンネルを切られないようにさまざまな工夫をする。セリフが多い
のも、あざとく音楽による盛り上げがなされるのも、そうした工夫の一つだ。
しかし、映画では映像というそれ自体で何かを語ることを許される。ただな
らぬまでの緊密感を観客に要求することが許される。決してただ高い製作費が
とれる場所としてのみ映画を作る価値があるのではない。
やや極端な映画至上的な物言いだが、録画したドラマはあまり見返さないが
映画は見返すことは多いという事実はやはりあると思う。100回見返すという
ことだってある。10年かけて、1年に10回見ればそれぐらいは簡単だ。そうい
う魔力は映画にある。
そのような映画への思い入れを何時からもつようになったのかは自分では分
からないが、子供の頃みた映画の多くはやはりテレビだったわけで、やはりそ
こで一緒に見た淀川さんの顔とその言葉の影響はどうしても無視することはで
きまい。
淀川さんの死に対して涙を流すことは無い。大往生であったとも思う。けれ
どももう、新しい映画についての淀川さんの声が聞けないのは悲しい。死の直
前までビデオを見て、前日には日曜洋画劇場の収録もしていたという。最近の
お気に入りは、ヒューマニティを感じるイラン映画だったとも聞く。また、死
を間際にここ数年は、映画に対するきつい意見も述べるようになったとも聞く。
冗談でよく、もう明日には死にますからなどということは言っていたという。
チャップリンとジョンフォードが好きで、シュワちゃんと最初に呼んだのも彼
だとか、黒澤さんの以後元気が無かったとか、まとまりもなく色々なことが報
道されているけれども。やはり何かが一つ「終った」と強く感じさせられた。
あの世があるなら、またむこうでも解説を聞かせて欲しい、と思う。
・関連リンク
Yahoo Japan トピックス:淀川長治さん死去
淀川長治の新シネマトーク
淀川長治の銀幕旅行
淀川長治クラシック名画100選
バイオグラフィ
***
エヴァンゲリオンで儲けたガイナックスに国税局査察部の手入れが入ったと
いう。18億近くの資産を隠していたという。追徴金として7億9000万取られる
らしい。
報道によれば、パソコンゲーム(「鋼鉄のガールフレンド」のことだろう
か)のソフト開発を三社に外注していたという。しかし、実はそれはダミーで
払ったと見せかけて、その手数料として20〜30%をこっそり抜いていたのだっ
た。自分のところでだけで作れば100万ですむものを、外に頼んだということ
120万を支払う。実際には100万しかかかっていないから、20万はそのまま隠し
財産になる。関連グッズで儲けた額をそうしてプールしていたらしい。その際
その協力してもらった会社にはディベートを払っていたという情報もある。
その金は全部現金にして貸し金庫に入れたり、社長の自宅に隠していたりし
ていた。ガイナックスはエヴァであたるまで、ずっと資金的には借金まみれの
ところだった。継続的に作品を安心して作るためには元手が必要だ。それに、
こうした「節税」は誰だってやっているじゃないか……。
そんな風に思ったとしても注目を浴びていたところだけに、国税庁も見逃せ
なかったのだろう。
脱税は道義的な意味でのどのくらい「悪」であるのかは分からない。事実上
の脱税の問題には多く暴力団が絡んでおり、その影に各種の犯罪がある以上、
国税局査察部の役割の意味は大きい。それは映画「マルサの女」でも描かれて
いた通り。それに比べればという思いは私にもある。
だが、多くの人間と関わることになってしまった人、団体にはおかしなこと
だと思われるかもしれないが、さまざまな責任もまた勝手に発生してしまうも
のである。少なくとも嘘をついたのは事実である以上、やはり過度に同情して
しまうのは控えた方がいいようだ。
ところでその「マルサの女」の中でこんなセリフがあった。「権藤さん、も
う観念しましょうよ。査察が入ってつぶれた会社は無いって言うし」。
主人公、板倉亮子の言葉だが、これは本当なのだろうか。だとしたらガイナ
ックスももう嘘をつかずに済む、とかえってさっぱりした気持ちで、作品づく
りに励んでくれればとも願うばかりである。
yahooニュース(毎日新聞)の記事
※一週間ほどで消えてしまいます。
(1:26)
1998年11月 12日 (木)
ほぼ一週間ぶりになります。みなさま息災でしょうか。私の方は、と言えば
今のバイト先が今月一杯で終わりになりそうなのでその先をどうしようかと思
案している最中ではあります。あとは、来月の誕生日で免許の書き換えなので
それまでに眼鏡を新しいものにしなくては、などと考えているようなありさま
で、政局がどうとかまではなかなか関心がいかなかったりします。
ただ、ちょっと言えることは商品券を配るというのは、どう考えてもよい判
断には思えませんね。低所得の老人と15歳以下の子供にいる家庭のみという
ことでは我が家には関係なさそうですし。毎日新聞にも書いてあったことです
が、以前「ふるさと創生基金」として一億円を各自治体に配ったなんて政策が
ありましたが、多くのところで無駄に使われてしまい不評だったと聞いていま
す。本気で、景気対策をしようというよりも「政府は(自民党は)国民が不況
で苦しんでいることをちゃんと分かってますよ」というPR効果しか狙ってな
いのではないかと思われます。分かっててやっているんでしょうが、ますます
政界というものには脱力させられてしまうばかりです。
***
「戦争の犬たち」を二度も見返してしまった。クリストファー・ウォーケン
が主役を演じるある傭兵たちの映画である。僕はこのウォーケンが結構好きだ
ったりする。この映画と「デッドゾーン」の二つの彼は、いい。線が細そうで
いて、その実静かな情熱が奥底にある。また決して勝利を得られない、けれど
もしっかり自分を通している姿も恰好いい。
「戦争の犬たち」は原作がフレデリック・フォーサイス。「オデッサ・ファ
イル」「ネゴシエーター」などでも有名な、ノンフィクション的なタッチの高
度に政治的な国際問題を背景に、大胆なフィクションを描くことで知られてい
る。もっとも、戦争の犬たちは他のどの彼の作品よりもノンフィクションに近
い作品ではある。
この物語は、シャノンと呼ばれる一人のアメリカ人傭兵が、さる企業に雇わ
れ、独立したてのアフリカの小国でクーデターを起こすという話である。その
国は、元軍人の大統領が独裁体制をしいており、政治はめちゃくちゃ。企業と
してはクーデターをおこし、亡命したほかの大統領候補の男を変りに据えよう
という腹積もりなのだが、シャノンには別の計画があった……。
さて何がノンフィクションかというと、実はこの物語に描かれるクーデー
ター作戦、本当にフォーサイス自身がそれまでの印税を資金にして現実におこ
そうとしていたものだったというのである。これは噂ではなく、新聞でも報道
された事実である。むろん物語に出てくる小国はフィクションだが、武器の集
め方といった進行計画は小説そのままだったらしい。なんともすごい話である。
そんなわけで、この映画に出てくる傭兵はかなりリアルに描かれている。と
は言っても私の傭兵に関する知識など、この映画と漫画「PINAPLE ARMY」と、
幾つかのルポ記事、ドキュメンタリーで見たぐらいしかないのだが。まあ、そ
れでも「らしさ」に満ち溢れている。
最初はその国へ「政情を探るための偵察」として身分を偽って潜入する。そ
ういう仕事を傭兵がするというあたりからして渋い。傭兵というとフランスの
外人部隊を想像するが、一流の傭兵はむしろ、諜報や兵士の教練を行うもので
あるらしい。
そして、その任務につくのが単純にビジネスだというのが心惹かれる。もち
ろん、単純に金が欲しいというようなものではなく、優秀な戦争専門家として
自分の命を投げうつことなく、危険な仕事をこなす、というものらしい。
実際、アフリカなどで活躍する傭兵はイギリスの「警備会社」に雇われてい
るという形になっているらしい。そこでは、小国の治安警備や、軍隊の指導を
行っている。つまり事実上の私設軍隊なのである。
主人公シャノンは、偵察にむかった際、むこうの憲兵に目をつけられ、拷問
されたあげく国外退去させられる。傭兵家業から足を洗う気になり、昔の女房
とよりを戻そうとするがうまくゆかず、クーデターを起こすという仕事を引き
受けてしまうのである。その詳細な専門家としての行動が興味深い。武器の手
配、船の手配、からんでくるマスコミの人間、謎の尾行人、などなど。プロフ
ェッショナルな世界のぶつかりあいというのは、さらっとしていて何か心地が
よい。二度も見たのは、それだけではないが、やはり、そういう部分を求めて
のものだとも思う。
これ以上書くとまた最後まで話を言ってしまいそうなので、止めにしておき
ますが、僕の中ではかなり上位の映画です。荒っぽいドキュメントタッチの画
像もお好み。「フレンチ・コネクション」や「タクシー・ドライバー」の雰囲
気。これらも傑作。やはり僕の好みというのはあるのかもしれない。
***
なぜかこんなものを書いたりして時間をつぶしてしまった。何をやっている
のやら。
(3:04)
1998年11月 6日 (金)
ほぼ一ヶ月ぶりの日記の更新となります。みなさま、本当にご無沙汰してし
おりました。
まず、突然更新を止めてしまったこと、掲示板を外してしまったこと、深く
お詫びします。その間にも、ページを来訪してくださった方々には心より感謝
します。
日記の更新停止の間もジヲシティーズ同盟関連のコンテンツと掲示板だけは、
不定期ながら更新は続けておりました。とはいえ、他力本願的な内容ばかりで、
僕自身の声というのはほとんど無いままでいました。事実上、ネットから隠居
していたような状態です。
この一ヶ月間、色々と自分自身のことについて考えていました。と言いまし
ても普段の生活についてはバイトにも行っておりましたし、特段「なにか」を
したというわけでもなく、むしろ、なにもしない時間ばかり作っていたと言っ
た方がいいかもしれません。とにかく、あまりにも色々なことで(ホームペー
ジ制作も含め)中途半端であることに気づいてしまい、気持ちがぐらつき、自
分の言葉を述べるのが怖くなったというのが一番の隠居の理由です。正直なと
ころ、今もそれほど状況は変わっていません。けれども、黙ってずっとこのま
ま、途切れた日記と言葉を残してゆくのもまた、落ち着きません。
ページを閉鎖しようかということは、一番に考えました。気持ちとしては、
それが一番楽であることは確かです。だが、それでは「中途半端なまま」であ
ることには何も変りません。結論として、今書き途中のものを終らせるまでは
ページを続けることにしました。具体的にはエヴァとパーマンとドラクエの3
つです。もちろん、中途半端ではいけないという法はありませんが、意地も通
せない自分が嫌なのでそうさせてもらうだけという話です。その意地を通した
後はどうするかは考えてはいません。
今後、ということでは日記の方は今まで以上に不定期に更新をするつもりで
す。以前はエッセイ的なものも加味しようなどという色気もあったのですが、
ちょっとこうした要素も少なくなるかと思います。
メールによる感想などは大変嬉しいのですが、ご返事の方はそっけないもの
になってしまう可能性大です。中途半端なものの一番のことに、今、受験しよ
うとしている勉強のことがあり、そっちに力を入れたいというのが理由です。
***
隠居期間に幾つか本を読みました。司馬遼太郎の「燃えよ剣」は印象的でし
た。恥ずかしながら新選組についてほとんど知識が無く、洒落でもなく新鮮で
した。しかも、単純に歴史ものだと思っていた本書が実は、恥ずかしいまでの
ラブロマンスもの、もしくは青春ものだということも知って二重の驚きを得ま
した。女性に本書が密かに人気あるというのも少し納得です。
ほかに、なぜか父親が大沢在昌にはまってしまい買ってきた「新宿鮫」シ
リーズを一緒になって読破してしまいました。ヒロインのロックシンガーの存
在を抜かせば、ややベタベタで恥ずかしいところはあるにせよ、読ませる物語
でした。基本的に「プロフェッショナル」なものというのは好みですから。ヒ
ロインについては、作者に悪いのですがそのシーンだけカットして読みました。
映画「ベン・ハー」で、キリストの登場シーンだけ早送りして見るようなもの
ですね(この作品自体は名作です。ご覧あれ)。
映画と言えば招待券があったという理由だけで、「学校3」を見ました。知
的障害の息子を持つ母親、大竹しのぶが、大会社をリストラ退社した小林稔侍
と中年同士の恋をするという物語です。タイトルに反して、舞台となる職業訓
練校(正式には技術専門学校)はあまり重要ではなく、学ぶ喜びがどうという
テーマはあまり無いです。
そんな話であるせいか、観客は中年の男女ばかり。お袋と見に行ってしまっ
た私は、つい離れた席に移動してしまいます。
感動ものということですが、意外にもタッチは抑え目。また学校2で、やは
り知能障害の問題を扱っただけあって、主人公の息子(黒田勇樹)の描き方も
ひどく落ち着いたものに見えました。インパクトだけを狙った、悪意も強く感
じるあの野島伸二脚本の「聖者の行進」とは天と地ほどの差があります。
詳細は省きますが、見て損は無かったです。実は「男はつらいよ」を最後ま
で一度も見たことがなく、またその作品の泥臭さに時々嫌気は感じるものの、
山田洋次監督ってやっぱりすごいのかも、と実感させられました。
あと心に残っているのは久々にビデオで見返した「ジーザス・クライスト・
スーパースター」。
キリスト最後の7日間を、主にユダの視点から描いた、ロック・ミュージカ
ルの映画化作品です。キリストについての知識がある人ほど、そのぶっとんだ
演出と音楽に、笑うか圧倒されるかされること請合いです。僕自身は最初笑っ
てばかりいたのですが、何度か見返すうちに、よく考えてみるとすごいこと言
ってるな、とうならされるようになりました。
個人的に好きなシーンは、死刑が決まりうずくまるキリストの背後に、既に
自殺して死んだはずのユダ(黒人ロックシンガー風)が、郷ひろみかが着てそ
うな真っ白な衣装に身をつつみ、巨大な十字架につかまって夜の空から、ロッ
クをBGMに従え舞い下りてくる場面です。その隣では、半裸の女性たちが、
腰をふりふり、「ジーザス・クライスト・スーパースター、あなたは一体何者
なの?」と踊りまくっています。その音楽は今でも耳についています。
***
ということで不定期の更新は今後もほそぼそと続けてゆく、という挨拶プラ
ス簡単な近況報告、でした。再見。
(4:22)
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