30-Sep-97 新登場

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ヨーロッパ観光地ひとくちメモ

--- 筆者の独断と偏見による ---


サブ目次 (このリストは、全く順不同です。)

◆ ドイツ

  ・フランクフルト       
  ・ロマンティック街道     
  ・ハイデルベルク       
  ・ノイシュヴァンシュタイン城 
  ・ミュンヒェン        
  ・トリアーとモーゼル渓谷   
  ・ケルン、ボンとデュッセルドルフ
  ・ツェレとゴスラル

◆ フランス

  ・イル・ド・フランス(パリ周辺)のゴシック教会堂めぐり 

◆ その他の国々


--- 以下、追って追加掲載予定 ---




(注) 本文カッコ中の★の数は、独断と偏見による「おススメ度」です。


まえがき(09-Sep-97 記)


ドイツでの駐在員生活を始めたのが92年の11月。以来もうじき5年、おかげさまで随分あちこち旅行へ行きました。折角なので、その情報を少しは紹介できればと思い、このページを回折....じゃなくて開設....(前者は仕事の用語でした)します。掲載の順序には、特に意味はありません。真面目/不真面目、客観的情報/偏見、いろいろごっちゃなのはご勘弁。



ドイツ


僕はドイツに住んでいます。元々ドイツが好きでこちらに来たこともあり、やはりドイツ内の旅行が一番多いです。とは言っても、訪問地は随分南半分に偏っていますが、これは専ら僕の個人的嗜好の問題です。



フランクフルト (おすすめ度: ?)

まずは僕の住む街から。

別のところでも書いたが、日本人観光客にとってフランクフルトと言えば、やはり「ゲーテ」と「ザクセンハウゼンのリンゴ酒場」か。かく言う僕は、ゲーテハウスは11年前の新婚旅行(これが最初のヨーロッパ旅行)の初日に連れて行かれて入ったのが最初で最後。まあ、特に「ゲーテ」に関心がある訳でもなければ、何ということもない。後者についてはこちらへ。

その昔、まだシベリア上空通過の飛行ルートが一般的でなかったころ(89年頃まで?)、日本からのヒコーキは夜成田や伊丹を発って、朝ヨーロッパに着いた。そんな訳で、朝フランクフルトに着くツアーで来ると、「午前中:フランクフルト市内観光、午後:自由行動、夜:ザクセンハウゼンのリンゴ酒場でxxxをご賞味いただきます。(フランクフルト泊)」というのが一般的だったみたい。

はっきり言ってしまおう。 ここには大した観光対象はない! 忙しい人は、早くどこか、もっと面白い所へ行こう!

とは言ったものの一言フォロー。この街、「博物館オタク」にはちょっと魅力的かも。マイン川沿いの狭い一角に、ありきたりの美術館や歴史博物館の他に、フィルム(映画)博物館、郵便博物館、建築博物館、工芸博物館、なんてのがずらーっと並んでいる。ちなみに、在住4年以上になる僕はそのどれにも入ったことがない。(自慢にはならないね。)


ロマンティック街道 (おすすめ度: ★★)

ドイツ観光の定番! やはりそれだけのものはある。

主な街としては、北から順にローテンブルク(Rothenburg)、ディンケルスビュール(Dinkelsbuehl)、ネルトリンゲン(Noerdlingen)の3つが有名。中でもローテンブルクは超有名。

これまた11年前の旅行では、僕達は南から順に訪れた。当時の印象では、素朴な街ネルトリンゲンに対してローテンブルクはあまりに「作られた観光地」のような感じがして、ちょっとイヤミに思ったのを覚えている。

ところが不思議なもので、その7年後に再度訪れたローテンブルクの印象は「素敵!」の一語。以来、公私を問わず、相当数の訪問客をここへご案内した。忙しい旅程の人も、この街だけは欠かすべからず。但し、日本人観光客が溢れているのはもとより、街中の日本語看板・張り紙の多さは覚悟のこと。

ネルトリンゲンは、その素朴さに加え、ほぼ完全な円形の城壁と、その中心に立つ教会の塔が魅力。我が家のお気に入りの街のひとつ。

なお、この街道、今は結構立派な国道(高速道路はまた別に傍を走っているので一般道ではある)で、道端の「ロマンティック街道」と書かれた日本語(!)の道路標識には度肝を抜かれるが、それでもなお、このルートの車窓の風景はすぐれものの一つだと思う。アドヴェントの季節(「クリマル」のページを見て下さい)なぞ、田舎の家々の玄関先のクリスマスツリー(しばしば、ただの庭木)に掛けられた電球の飾りの雰囲気が、とっても素敵だ。


ハイデルベルク (おすすめ度: ★)

こちらも超・定番の一つだが、僕達には城跡のテラスから見下ろす街の風景以外はあまり強い印象がない。でもまあ、ルートの通過点にあたるなら一応寄っておきたいところ。日本語の氾濫はローテンブルク以上かもしれない。


ノイシュヴァンシュタイン城 (おすすめ度: ?)

引き続き、超・定番。奥の山から見下ろす城、ちょっと離れた下の平地から湖越しに見る城はキレイだが、これは19世紀のアナクロ建築物であることはお忘れなく。内部は......我が家としては、「この城は外から眺めるに限る!」との結論に至った。前項と違い、ちょっと不便な場所にあるので、「それだけの為にわざわざ行く場所かなぁ?」。


ミュンヒェン (おすすめ度: ★★)

なにがおススメかって、最初の旅行の時以来とにかく気に入ってしまったのだ。でも、「何が?」と聞かれると困る。実はいつも同じように街と公園(イギリス庭園)をぶらぶら歩いているだけなので。


トリアーとモーゼル渓谷 (おすすめ度: ★★)

ローマ時代の遺跡のある古都トリアーは、日本で知られている以上にドイツ人の間では著名な観光地らしい。「中世風木組みの家と城壁」はドイツでは何処へ行っても珍しくないが、「ローマ遺跡」となるとだいぶ有難味が増すようだ。また、ここのドーム(司教座聖堂)は、とっても素朴な、いわゆるドイツロマネスク様式の代表的な教会建築の一つ。すぐ隣のゴシック様式の教会堂との対比が面白い。それから、この街にはマルクス(Karl Marx)の生家がある。僕がその事を知ったのは、実はドイツ語教室の教科書Sprachkurs Duetsch 3 (旧版)に出ていたから。

少しでもワインに興味がある人には、ぜひモーゼル渓谷へ足を伸ばすことをおススメする。渓谷沿いの鉄道こそずっと昔に廃止になったが、その名(Moselbahn)を引き継ぐローカルバスの便は結構悪くない。川岸の斜面の遥か上方まで広がるブドウ畑は、他では見られない特筆もの。秋のブドウ観光の季節は、早めに宿を確保すること。


ケルン、ボンとデュッセルドルフ (おすすめ度: ★)

これら3都市をいっしょに取り上げた一番の理由は地理的に近いから。もう一つの理由は、はっきり言って単独でわざわざ訪れるような観光地かどうか疑問なため。

ボンでは、ベートーベンの家以外には見るべきものが無いようにも言われるが、ここのミュンスター(司教座聖堂のことだが、なぜかこの街ではDomと呼ばない)はロマネスクからゴシックに移行期の建築として、一見の価値はある。

ケルンでは、何と言っても「ケルンの大聖堂」。がんばって塔にも登ろう。

さて、デュッセルドルフ。この街を「観光メモ」に載せることを疑問に思う向きも多いかもしれないが、「ヨーロッパの一角に形成された日本人コロニー」という極めて特殊な現代文化の一面を観察するのは、結構面白いと思う。そのためには、必ず日曜日以外に訪れなければならない。日曜日はお店が休みなので、インマーマン通り(日本関係の領事館、ホテル、企業の事務所、食品店、本屋、デパート、旅行代理店等が集中するところ)の異様な雰囲気が薄れてしまうので。

なお、この地域で「いわゆる観光地」を推薦するなら、ツォンス(Zons)を挙げたい。ケルンとデュッセルの中間くらいの、ライン川左岸(西岸)の小さな街。


ツェレとゴスラル (おススメ度:★★)

ハノーファー近郊にあるこの2都市、木組みの家の町並みが美しいことで有名。でも、明らかに雰囲気が違う。なぜ?

僕は僕なりにその理由を見出したつもり。(ごく表面的な話です。)

だが、ここで書いてしまっては面白くない。ぜひこの両市、続けて訪れることをおススメする。ワンセットで挙げたのもそのため。....なんてエラそうなことを書いてしまったが、僕達はまだ日本に住んでいた92年に旅行で訪れた後、再訪していない。




フランス


ドイツの隣、近いこともあってフランスも比較的よく行きますが、まずは「とびきりお気に入り」の所から。



イル・ド・フランス(パリ周辺)のゴシック教会堂めぐり (おすすめ度: ★★★)

もともと教会建築はヨーロッパの観光対象の目玉の一つ。僕も以前から教会建築を見るのは好きだったが、あるとき出張の帰りにたまたま成田空港内の本屋で買った「大聖堂のコスモロジー」という本(講談社現代新書、No.1120)を読んで以来、ますます虜になった。(以下、データは主にこの本より引用。)

日本でゴシック式教会建築というと「ケルンの大聖堂」(ドイツ)が真っ先に思い浮かぶかもしれないが、発祥の地はここイル・ド・フランスだとか。この地域にあるゴシック教会堂を、例えば建築時代の順に沿って;
 ・ノワヨン (Noyon,    1150年頃?建築開始、以下同じ)
 ・ラン   (Laon,     1150年頃)
 ・パリ   (Paris,    1165年頃)
 ・シャルトル(Chartres, 1195年頃)
 ・ランス  (Reims,    1211年頃)
 ・アミアン (Amien,    1220年頃)
 ・ボーヴェ (Beauvais, 1227年頃)
なんて具合に見ていくと、最高に面白いだろう。僕の場合は、経路の関係で順番は入れ替えてしまったが。2〜3日で全部まとめて見るには、車が欲しい。(詳しい場所は地図で探して見てください。上記は全部、街の名前です。)

このうち、アミアンのカテドラルはフランス最大の教会建築と言われ、天井高さは42メートルある。最後に挙げたボーヴェのカテドラルの天井は更に高く48メートルもあり、完成すればアミアンより遥かに大きな教会になるはずであったが、途中で中断されてしまったまま、現在に至っている。

これら後期のやつになると、塔の高さこそウルム(161m、ドイツ)やケルン(157m、ドイツ)にはかなわないが、本堂の天井の高さではケルン以上ではないかと思う。(手元のガイドブックにはケルンの大聖堂の天井高さの記述がない。)ついでに付言すれば、ケルンやウルムの塔の先端部分は、19世紀になって完成された、いわば「後世の付け足し」部分である。もっとも、イル・ド・フランスのゴシック教会堂の多くも、時期こそもっと早いが、本堂よりは後で増改築された塔を持つものが多い。

「そんなに教会ばっかり見てられないよ」という方へ。
せめてパリの他に一つは見たいものだ。一番華麗かつ有名なのはシャルトル。とりわけステンドグラスが有名で、ツアーでも結構行くみたい。「大きさで勝負」なら、アミアンかボーヴェ。ひっそりと「わび・さび」志向なら、ノワヨンかランがおススメ。






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