メキシコ旅行記

 

3月25日(土)

朝食に食べたタマレ。食べ方が分からず苦労した。

7:30頃起床。やはり他のホテルを探すことにし、チェックアウトして歩き始める。いろいろ探して、結局ホステルの割と近くにある一泊250ペソのところにする。真ん中に吹き抜けのパティオがあって気持ちよい。部屋はベッドとテレビがある以外、何の装飾も家具もない寂しい部屋だったが、清潔な感じだったのでOKした。何よりフロントのお姉さんが美人で愛想が良いのが気に入った。朝食はまたしてもソカロに面した、さらに別のカフェで取る。つぶしたトウモロコシを葉っぱで蒸した、ちまきのような変な料理(Tamaleという)を頼んでしまい、悪戦苦闘していると、となりの店(といってもテラス席ではすぐ横)のウェイターさんが食べ方を教えてくれた。親切だ。

モンテアルバン遺跡の入り口

今日はモンテアルバン遺跡を見に行くことにする。遺跡行きのバスの出発するホテルに行ってみると、ちょうど11:00の便が出発するところだった。30分ほどで遺跡に到着。モンテアルバンはガイドブックによるとメキシコ有数の大きな遺跡らしい。確かに、坂道を上って、石積みの遺構が見えてくると、その先に同じような石積みが連なっている。そしてそのうちの一つによじ登ってみると、モンテアルバンの全容が広がり、今まで見えていたのがそのごく一部であることに気づく。

モンテアルバン遺跡の全容。まるで空中に浮いているような不思議な感覚である。モンテアルバンは、サポテカ人の祭祀場として、紀元前800年頃からスペイン人による1521年の征服まで2300年以上の間存続したという。神殿の置かれた二つの大基壇(写真の足元と、正面一番奥の建物)のほか、天文台、球戯場、墳墓などの建造物からなっている。
 

モンテアルバンの中心(基壇とその周囲の広場、およびそれを取り巻く遺構群)は、おおよそ大きな陸上競技場くらいの広さ。盆地の真ん中の小高い丘の上に立っているので、四方ははるかかなたの山脈がわずかに見えるだけで、まるで空中に浮いているような感覚である。その中の一番大きな建造物は、南端にある「南の大基壇」というピラミッド。広場に面したきつい段を上りきると、モンテアルバン全体が見渡せるだけでなく、オアハカ盆地のようすも見下ろせて気持ちよい。なんせ植物がほとんど生えておらず、さえぎるものが何もないので、盆地の地形の起伏までよく分かる。逆に、さえぎるものが何もないぶん、日差しはすごく強く、ずっと歩いているとクラクラしてくる。たまに木陰があって近づいていくと、木の下には土産物売りが休んでいて(待ちかまえていて)、小さなお面やいろいろなものを売りつけようとする。

アバストス市場のにぎわい

バスで町へ戻り、そのまま2等バスターミナル近くのCentral del Abastosというメルカド(市場)に行く。土曜日、つまり今日がピークとのことだが、とにかくすごい規模と人出だ。ソカロの近くにもかなり大きなメルカドがあったのに、と驚いた。近くに住む先住民族がバスに乗って売買に来るのだろうか。野天にテントを張って売っているのは野菜が多い。スイカ、マンゴー、アボカド、きゅうり(ピクルスにするような丸っこいやつ)、トマト、それにすだちのような小さなライムがよく売られている。一方、建物の中では、肉、干物、穀物、缶ジュース、衣類、くつ、時計などの電気製品、それに音楽のカセットテープなどが売られている。細々とした土産物を買ってみるが、どれも安い。特に、特産の壺を買ったところ、たったの15〜20ペソで驚いた。聞き間違いかと思って紙に書いてもらったくらいだ。

町の人たちと一緒に、屋台でタコスを食べる。

ホテルに6:00頃戻る。日焼けした肌がひりひりと痛い。少し休み、昨日発見した屋台の出ているあたりに出かける。一番にぎわっている屋台で、タコスを頼む。ここのタコスは、昼メルカドで食べたのと違って、トルティーリャの中に細切れの肉をはさんで、巻きずしのように細長く巻いてあるもの。ベテランのおやじさんが何種類もの具を手早くはさみ入れ、皿に載せて「はいよ」とばかりに客に差し出すさまは、まさに寿司屋のおやじのようある。客のほうも、「あと3つ巻いてよ」みたいな感じで、ビール片手に注文する。その他にもうまそうな屋台がいっぱいあったのだが、明日の楽しみにして、ソカロへ戻る。ソカロのカフェでビールを飲みながら日記を付け、ホテルに戻る。


←前へ | ↑最初へ | 次へ→ |


Copyright (c) 2000 Takeo Murakami
 
 
 
 
1