メキシコ旅行記

 

3月26日(日)

ミトラ遺跡と、それを踏みつぶすように建てられたサンパブロ教会。

モザイク模様が美しいミトラ遺跡の壁。モンテアルバンと同様、サポテカ人によって造られたといわれる。

早起きして7:00前にホテルを出る。今日は、昨日行きそびれたミトラ遺跡へ行くことにし、2等バスターミナルへ歩いていく。でっかいバスに乗り、ミトラへ9:00頃着。10分ほど歩いて遺跡の前に着く。この遺跡は、スペイン人たちが入植した際、遺跡の真ん中に(遺跡の石材を使って)教会を建ててしまったらしく、モンテアルバンのような空間のまとまりがない。モザイク模様の壁はキレイだったが、30分ほどぶらぶらすると見所はつきてしまった。

トラコルータの教会。手入れがされず、中はかなり傷んでいた。

片道1時間もバスに乗ってやってきて、これだけでは物足りないと思い、オアハカに帰る途中のトラコルータという先住民の村へ行ってみる。「歩き方」によると、今日、日曜日は露天市があるらしい。ミトラからバスに乗り、すぐ到着。バスターミナルを出ると、いきなりテントが道に張りめぐらされ、露天市が始まっている。そこから村の中心の教会、ソカロ、常設のメルカドのあるところまで、延々と露天市が続く。赤いドームの立派な教会に入ってみるが、残念ながら中はすごいすさみようで、天井画ははげ落ち、彫刻はホコリですすけていた。常設のメルカドで昼食を取る。建物の中にはフードコートのような一角があり、それぞれの区画の小さなベンチとテーブルで食べるようになっている。多少土産を買い、ターミナルに戻ってオアハカ行きのバスに乗る。

バスの中でウトウトしていると、気づくと立派なバスターミナルに到着していた。行きに乗った場所とは違うので、ここはどこだか分からなくなる。とりあえず降り立つが、ここがオアハカであるかどうかも心許ない。前にもどこかでこんな体験をしたような気がするが、自分のいる場所が分からないというのはかなり情けないし、心細いものだ。「ここはオアハカですか」と人に聞くのも馬鹿みたいだし、ここがどこであるかなんて説明は普通どこにも書いてない。とりあえず、オアハカだと思いこむことにして、外に出て、何方向かを少し見回った上、一番にぎわっている方向に歩き出す。幸い、見覚えのある景色が現れてきて、ここがオアハカであったことがようやく判明した。

夕暮れのサントドミンゴ教会
 

一日中炎天下を歩いていたので疲れたが、オアハカ地方博物館というのはどうしても見ておきたかったので、ホテルでシャワーを浴びて6:30頃出かける。博物館はサントドミンゴ教会のとなりにある。一昨日はライトアップされていたが、かすかな夕焼けに照らし出されるサントドミンゴ教会もなかなか美しい。が、いざ博物館に入り、立派な内庭を歩いていると、そよ風に当たって急に悪寒がしてきた。これは良くないと思い、博物館は早々に切り上げて、その辺のカフェで日記を付け、早めに寝る。


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