8月15日(土)

バスは淡々と進む。途中、エンジンの調子がおかしくなって １時間くらい砂漠のまっただなかで立ち往生するのはもう慣れた。 枯れ河にかかる橋が壊れていて、大きく道を外れて迂回して 砂の上を走り、その衝撃で窓ガラスが割れ落ちて、もうもうと 砂煙が車内に入ってくるのもそのうち慣れた。 車内の椅子がこわれていて、尻で押さえていないと前にずれてくるので、 柿内君と二人で交代で座るのも気にならなくなった。 人間の忍耐力ってすごいと思う。

しかし、どうしても我慢できなかったのは、ウイグル人のガキの 騒がしいことで、我々二人が珍しいのか、後ろの席からやたらと ちょっかいをかけてくる。とうとう怒った柿内君がそいつの 首根っこを抱えて押さえ込んでやると、こんどはワンワン泣きだして うるさいのなんの。 しかも親を始めウイグル人はみんな慣れた顔つきで知らんぷりをしている。 あれには閉口した。

途中、エンジントラブルが頻発して遅れているという、先発の バスに出会う。中に渡利や、きのうクチャで会った女の子二人組など、 日本人がたくさん乗っていた。

今日は昼食に初めて、おそるおそる冷麺を食べたが、当たらなかった。 17時ごろアクス着。そのちょっと手前であの安田成美似のおねえさんが 降りていった。残念。バスは朝の遅れを取り戻すべく、昨日よりかなり 遅くまで走る。アクスとアトスの昼間の「なんとか口」というところの 旅社に泊まる。外国人5人で同じ部屋をあてがわれる。 夕食は香港人の彼と３人で取る。またしても冷麺。 カレー味のシシカバブーも食べた。カシュガルまであと274km。