hemi_top.gif (1797 バイト)
nav_home.gif (1613 バイト)nav_books.gif (1520 バイト)nav_blank.gif (1180 バイト)nav_blank.gif (1180 バイト)nav_comment.gif (1682 バイト)

本と読書-1

[ 読書-2 ] [ 読書-1 ]


目次


 

『植物たちの生』 沼田真著 岩波新書838。

…今週はずっとしんどさが持続していて、昨日(木曜日)の夜あたりはなんかふらふらしてそうだったけれど、おんがく聞いてリフレッシュして、翌日のバスの中で読むのは例えばこんな本:

 沼田真著、『植物たちの生』、岩波新書838。

いまは眠くて纏めるちからもないけれど、例えばということでいくと、「遷移」という概念がある。つまり、ある土地が与えられたとして、そこにどーゆー順番で、どのような植物達が入れ替わり立ち替わり、育っていくかということ。最初はだーっとひと夏で育って枯れてゆく「短距離ランナー」の一年草、だんだんに多年草、木、という順番になる。それで、その「遷移」のプロセスは、ある期間を過ぎれば当然、安定してくるわけです。それをその場所での「極相」(Climax)と、いう。そこの話で面白かったのは、ひとの手が入った場所での地域相というのも、ひとつの極相であると認識していいだろうという、話。僕の原風景の一つである九州の「ネザサ型草地」というのも、もちろん、土地自体の新しさ、は原因としてあると思うけれど、長年の放牧によって出来上がっているもの、でもあって、人の手入れも含めてそれ全体として安定期と見なせるのだから、それはそれで「極相」だろう、とのこと。

植物に詳しくなければ、僕らはその状態をいつもスタティックのものとして、つまり極相であるものと誤解して、認識せざるを得ない。だけれども、とくにその「遷移」の段階においては、種同士の激しいやりとり(「アレロパシー」、他感作用も含む)をダイナミックに起こしている、その時間的な断面を見ているに過ぎないわけです。そういうのを、きちんと判別できるようになることは、本当に面白いと思うんだけれどね。

あと「帰化植物」のところの話で、ヨーロッパには、当然ながら「帰化植物」という、概念はない。互いに地続きであるから。ところがそれだけではなくて、ヨーロッパ全土は一度氷河に洗い流された経験を持っているわけです。だから、本土とイギリスとで互いに非常に似た植生を持っているということのほか、それによって、つまり、FLORA全体の系が「単純化」されているわけです。だからそれに比べるととくに日本のような場所というのは、相対的に非常に多様なフローラ(植物相)を、持っているわけなのです。


昨日買った本。 98.6.15

昨日三宮・駸々堂を久しぶりにゆっくりと見てまわり、いくつか目に留まった本を(比較的)まとめ買いした。

イタロ・カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』みすず書房。
イタリアの作家カルヴィーノに関しては、2,3読んだことがある程度で詳しくはないのだけれど、面白い人物なのだろうという感じは持っている。半分、"古典"のブックガイドのつもりで、購入。

太宰治『人間失格・桜桃』角川文庫。
太宰治にもともと興味はなかったけれど、最近『人間失格』の草稿発見のニュースでにわかに話題なので、読んでみることにした。これは昨晩読んだけれど、感想としては、確かに文章の構成、修辞は上手い。主人公の手記を紹介するという形式がとても効果的に成り立っていて、初めに手記が始まるところの唐突さも面白いし、「アントニム・シノニム」の遊戯を材料に「堀木」との間の亀裂があらわになる昂揚と、姦通事件の昂揚が時間的に重ねられているところ、最後にまた不意に「喜劇名詞・悲劇名詞」の糸を引っ張ってくるところ、「ただ、一さいは過ぎて行きます」の重ね具合など。
でも内容は感心しない。好みではない。僕はミシマ派です。

中井久夫『アリアドネからの糸』みすず書房。
神大医学部の先生だった…現在は定年退官されて甲南大に行かれている…中井先生は、僕の最も尊敬する人物と言っておきたい。深く理知的で、哲学者の内省と香具師の雄弁とを兼ね備えている方とでも表現しておきましょうか。エッセイ本で、初めて見かけるものだったので、さっそく購入。

■斎藤光正『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』青土社。
ピアソラが気に入っている。気に入ってはいるけれども、だからといってピアソラのことを全然知らない。最初からこんな詳しい本を買っても混乱するだけかも知れないが、まあ資料として持っておいてもいいかなと思って購入。

■中沢新一+山本容子『音楽のつつましい願い』筑摩書房。
知らない音楽を聴きたいという気持ちをしばらく持ち続けているので、そのガイドになるのではないかしらと購入。

■赤瀬川原平『フェルメールの眼』講談社。
17世紀オランダはデルフトの画家、フェルメール。こちらもまあ、最も好きな画家と言っておいていいのですが。画集の代わりになる本だし、赤瀬川原平にも多少興味があって、どんなふうに書いてあるか見てみたいので、購入。
そして、

■『大野幹代写真集 scarlet』ワニブックス。
大野幹代といっても知らない方が殆どかと思いますが、某おニャン子の某二番煎じでありますところの某乙女塾から構成されました某CoCoというグループの某一人だったわけであります。彼女が某ヌードになっていると最近知りまして、某彼女は何か<懐かしい女の子>という感じがするので買ってみたのですが、内容はまあイマイチでした。

以上、しめて17,829えん。
昨日はそのあと「せいでん」行って(新築後「和光デンキ」路線に近づいてしてしまいましたね)、プレイステーション用ソフト『みんなのGOLF』買っちゃったりして、買い物日和でした。

一旦家に帰って、買い物に行って、ごはん炊いて、トマトときゅうりと玉ねぎの《若干エスニック風》炒め物を作っておいしく食べて、『scarlet』眺めて、『みんなのGOLF』やって、『人間失格』よんで、シャワー浴びて、『人間失格』の続き読んで、Flipper's Guitar聞いて、おきらく、ごくらくな日曜日でした。

hemi_btm.gif (1068 バイト)

[TOP] [HOME]

最終更新日00/11/09

1