6月10日(火)
タンペレ通信に戻る
(ザ オンデコザ)
先週のことだったと思うが、同室のマラさんが「8月に日本からオンデコザがタンペレホールで演奏するが、このグループを知っとるか」と聞いてきた。マラさんは、週末にヘルシンキまで遠征してパレードでドラムをたたく、ドラマーである。オンデコザというのは、どうもドラムを中心とした音楽演奏のグループらしいが、聞いたことのない名前である。彼は、紙にグループ名を(もちろん、アルファベットで)書いてくれたが、全く分からない。
昨日、家内が夏至祭のファームステイの予約にタンペレのツーリストインフォメーションの横の旅行社に行ったとき、もらってきたパンフレットで謎が解決した。"ZA ONDEKOZA" の公演案内(8月16日午後7時タンペレホール、入場券100/120マルッカ)と書いてある。フィンランド語でさらに詳しい説明があるが、これは読めない。パンフレットの写真(の白黒のコピー)で、ようやく公演内容が分かった。ハチマキとふんどし姿の日本人男性が、櫓の上で力強く大太鼓をたたいている写真である。櫓から吊された堤灯に「鬼太鼓座」と書いてあるが、”おにだいこ”が "ONDEKO" になったようである。マラさんにパンフレットを見せたところ、「これこれ、これだよ」と喜んでくれた。
(湖で泳ぐ子供たち)
家内と子供たちは、ヘルバンタの南にあるヘルバンタ湖で泳いだようである。夏休み中、子供たちが通っている体育教室(午前は保育園児、午後は小学生)の午後のグループが、今日は水泳を予定していたからである。指導員のミッカさんは、一人で遊戯から、陸上競技、ボールゲーム、水泳まで、あらゆるスポーツの指導をしてくれる。湖での水泳は、智一人では少々心配なので、家内と素子もおまけでついて行ったとのこと。
昨日までの様に快晴下であれば、水浴びも気持ちよいかもしれないが、今日はあいにくの曇り空、気温もやや低めである。さすがにフィンランドの子供たちも最後まで泳いでいた子は少なく、かなりの子が途中で上がってきてしまったそうだ。もちろん、智は一番に降参したとのこと。4月から屋外プールで泳ぎ始める水泳部員なら、ちょうど良かったかもしれないが。明日は、ヘルバンタ湖の別の岸辺で泳ぐ予定だそうだ。フィンランド人に負けるな、さとくん。
(エストニアの教授)
12時15分から、研究室内でゲストの講演があった。エストニア(崩壊前のソ連から独立を宣言したバルト三国のうち、最もフィンランドに近い国、首都のタリンはヘルシンキとは海で隔たれているが、80kmしか離れていない)南部の大学の数学の先生である。彼が、自分の大学で実際の講義に利用している、自作のプログラムの説明、および、デモンストレーションである。彼には、昨日、私の部屋でこのホームページの「数学演習支援システム」を見てもらったところ、関心を持ってくれたので、来月、IMS '97 で発表予定の論文のコピーを差し上げた。私の英語力の低さ、視力の低さ(プロジェクタで投影されたコンピュータ画面の詳細を読み取れない)、私の知らない特殊な(特殊じゃないかもしれないが、私の知らない)数学記号など、悪条件が重なって、話の半分も理解できたかどうか、あやしいが、古いハードウエアを駆使して、見事にプログラムされていることは分かる。苦労されたであろう。
ただ、彼の話も英語であったので、その後になされた、研究室の新しいホームページのデモよりは分かりやすかった。推測だが、研究室では夏休みを利用して学部学生を臨時の研究員として雇い、ホームページのデザイン変更をしているようである。そこでは、従来使っていなかった新しいHTMLタグにGIFアニメーションやJAVAアプレットを意欲的に取り入れている。画面を見ていて、何を問題にしているかは推測がついたが、説明、質疑応答とも全てフィンランド語で、英語に良く似た専門用語以外は、ほとんど何も聞き取れなかった。少々残念である。ただ、必ず語頭にアクセントのあるフィンランド語のリズムには、すこし慣れてきた気がする。元気を出そう
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