6月30日(月)
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(ロバニエミ)
2nd International Mathematica Symposium という会議で、例の「数学演習支援システム」について発表するため、ロバニエミに出かけた。ロバニエミは、フィンランド北部ラップランドの首都で、北極圏より8km南にある。たぶん、我々が居る間はずっと、日が沈まない。きっと、夜中になると太陽が北の地平線ぎりぎりまで降りてきて、地平線を西から東へ走って行くのだろう。暗くならないから、いくら太陽の黒点活動が活発になってもオーロラは見えないと思う。氷づけ覚悟で、冬に来ようか?
ロバニエミは、家内が高校時代に使っていた帝国書院の「新詳高等地図」にはのっていなかった。この地図に載っているフィンランドの町は、首都ヘルシンキを含めて8つだけ(タンペレはのっていた)。ラップランドの町は、ケミとイバロがのっている。この地図帳には、ボスニア湾(フィンランドとスウエーデンを隔てる海)の北の奥にあるケミと、フィンランド最北端イナリ湖畔のイバロの間に道路が走っているが、ケミから1/3走ったところで道路が二股に別れ、その少し手前で川(二つの川の合流点付近)を渡っている。ロバニエミは、この合流点にある。我々は、タンペレから夜行列車で乗り換えなしにロバニエミまで行く予定。
ロバニエミの北8km(ちょうど北極圏の境界)には、サンタクロース村がある(と「地球の歩き方にも書いてある」)。夏の間に、サンタさんが何をしているのか拝見することができるそうである。
ちなみに、ラップランドの蚊は、バカでかいそうです。ファームステイでフィンランドの蚊に悩まされた私たちですが、hはたしてラップランドの蚊に太刀打ちできるか。日本のやぶ蚊とどちらが手強いか勝負といきましょう。
(深夜のバス)
タンペレ発ロバニエミ行きの夜行列車は、午前0時40分発である。11時以降にも、タンペレダウンタウン行きのバスが2本あるが、夜間追加料金を支払う必要があり、また、路線が一部変更され、アパートの前のテーッカリン通りには停車しない。パルモネンさんに相談すると、まず、列車の到着時間を調べるべきだと、早速、自宅のコンピュータからヘルバンタのプロバイダ経由でインターネットにアクセス、フィンランド国鉄のホームページで列車の到着時間を調べてくれた。
列車の到着時間は0時15分とのこと、これなら、わざわざ遠くのバス停まで歩いて夜間バスに乗らなくても、通常バスの最終便(10時55分ころ)で行っても、駅で1時間待つだけですむと思い、テーッカリン通りからバスに乗った。10時40分頃アパートの隣りカラオケ屋で、客が店の窓ガラスを割り、口論があったので、恐る恐るアパートを出てバス停で待つ。すると、どこからともなく人が集まってきて、結局、同じバス停から乗ったのは、我々を含めて10以上、途中、ヘルバンタ内のバス停からも、それぞれ3〜4人の乗車があり、結構な人数となった。
バスがヘルバンタの丘を下って行くと、前方左側に沈む夕日が見える(日没時間は11時前後なのだろう)。アパートからは、水道塔付近の高層住宅が邪魔をして既に夕日が見えなくなっていただけに、少し感激した。それにしても、(夜間バスを除く)最終バスは、ワイルドな雰囲気である。他の乗客にしても、いったいこの時間に町まででかけて、いつ帰ってくるのだろうと、人ごとながら心配してしまうし、運転手さんも、昼間の慎重な運転とは人が変わったように(実際に、人が違うのかもしれないが)、軽快な音楽を聞きながら、曲がり角でも減速せず、盛んにコーナーを攻める。乗客が、それを面白がる感じさえする。
(深夜のダウンタウン)
夕暮れとは言え、時刻は11時10分を過ぎている。それなのに、駅前のハメーン大通りは人であふれている。歩道に椅子を並べた、パブのテラスは、ほぼ満席。立ち飲みの人も結構多い。例のケバブの店も店員さんは違うが開いていて、賑わっている。駅前のホテルのレストランでも、テラスはビールをテーブルに並べた客で一杯である。栄の繁華街ならいざ知らず、だが、考えてみれば、ここもフィンランド第二の都会の繁華街ではないか。しかも、貴重な夏、当然かもしれない。
駅は、待合室があいているだけで、さすがに、売店もパブも閉店後である。ただ、銀行の現金自動支払い機だけは、まだ働いていて、入れ替わり立ち替わり利用させていた。待合室の雰囲気は、深夜にふさわしい。11時半を過ぎると、外も暗くなってきた。
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