7月8日(蚊)

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(素子のお友達)

 木村さん(九州工大の北村先生)のお嬢さんは、素子と同じ歳である。先週火曜日にトナカイ牧場(と言うよりは、ラップランドの蚊の養殖場と言ったほうが分かりやすいかもしれないが)への観光ツアーでご一緒してから、素子は彼女に会いたくてしょうがない。翌水曜日の朝も、彼女が早く朝食を取っているかもしれないから、8時に食堂に行こうと誘うと、いつもの寝起きの悪さからは信じられない素早さで起き着替えも済ませた。素子にとって、一緒に遊べる友達がいかに大切かを、教えられた気がする。

  

 彼女が、ヘルバンタの保育園に通い始める9月まで、まだ2か月ある。さくらちゃんは、まだ小さすぎるし、会議が終われば帰国してしまうあやかちゃんとの楽しい一時を、十分楽しんでくれたらと願っている。

いよいよ発表

 私の発表は、3日木曜日の昼であった。教育に関する2番目にセッションである。3人の発表者の最後になるため、規定によって、このセッションの座長も務めることになった。なにしろ、初めての国際会議での発表である。発表時間も、発表約20分、質問10分と、国内で経験した発表より長い。緊張せずにすむわけがない。内容がインターネットを用いた数学教育だけに、発表資料もホームページ上に置き、ここロバニエミの会議場からインターネット経由でアクセスして利用、ついでに、システムのデモンストレーションも行えるよう準備した。
 発表前日までに、会場内のコンピュータ室で何度も予行演習(声は出せないものの)を行い、英語で話すこと以外は万全の準備をして発表に赴いた。同じセッションの二人は、シモさんとリーッカさん(女性)、ヘルシンキ工科大学の先生である。有名な Linux の開発元だけに、数学教育システムも Linux 上で走る。ロバニエミ工科大学のスタッフが発表に必要なシステムは組上げてくれてある。3台のパーソナルコンピュータ(Macintosh, windowsNT, Linux)が準備されており、ケーブルを切り替えるだけでコンピュータ画面を大型スクリーンに投影させながら発表ができる。万が一のために、持参したOHP シートは、ほとんど使う必要がなかった。
 発表は、うまくいった(と本人は思う)。聞いてくれた人からの反応もあったし、発表後に個人的に質問に来てくれた人も(フィンランド国内の人のみならず、ドイツやスペイン人からも接触が)あった。正直言って、学会発表でまともな質問をされたのは初めてのような気がする。今までの発表分野が極めて特殊な分野で、短時間では導入の説明もできないこともあったが、私が経験した国内の発表に比べて質問が多く、発表者も得るところが多い。「こうでなくちゃ、発表しても意味がないよな」と思う。国内のアクティブな Mathematica 利用者とも知り合いになれたし、この会議に参加した意義は大きかった。


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