7月28日(月)
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(ハメリンナ子供フェスティバル)
土曜日にハメリンナに出かけた。ハメリンナは、タンペレとヘルシンキの中間(少しタンペレ寄り)にある町で、夏の観光船シルバーラインの出発地(シルバーラインは、ハメリンナからタンペレまで8時間の湖上クルーズ)、フィンランドを代表する作曲家シベリウス生誕の地であり、フィンランド三大古城に数えられるハメ城(ハメ・リンナ)がある。人口5万に満たない小さな町で、落ち着いた雰囲気がある。タンペレからは72km、車で1時間弱で着くから、楽に日帰りできる。
我々は、ハメ城周辺で開かれた、ハメリンナ子供演劇フェスティバルを観に行った。劇、コンサート、ミュージカルを各一つ、「沈黙の始まり」というミステリアスな催しと、原始人の生活を再現した野外企画を観た。フィンランド語も分からずに観劇に挑戦するのもいい気なものだと思うが、劇やミュージカルは全く理解できなかったし、動物の歌を集めたコンサートも、オリジナルの曲を集めたもの(知っているメロディには出会えなかった)で、歌詞はもちろん意味不明である。
劇は、あとで英語のパンフレットを読んで概要を知ったにとどまる。コンサートでは、ボーカルの太っちょのお兄さんのコミカルな仕草、表情が魅力的であったが、語りと歌詞を楽しめなかったことが残念である。ミュージカルも、なんとなく話の筋を推測できた程度。「沈黙の始まり」は、新興宗教の儀式かと思うような、奇妙な(前衛というべきなのか?)展示と企画で、言葉に関係なく理解に苦しんだ。
最も楽しめたのは、野外企画である。一応原始人っぽい服装をした人々が、土器や草笛を作ったり、毛糸を紡いだり、古代をテーマにした(たぶん、現代の)素朴な遊びを準備したりしていた。内容は、大したことがないのかもしれないが、ここでは言葉を介さずに内容を理解できることと、周りよりゆったりとした(フィンランドの時間自体が、日本よりもゆったりしているように感じられるが)時間が流れているように感じられて、リラックスできた。
智は、友達作りの名人なのか、たまたま波長の合う子と出会ったのか、野外企画でいっしょに棒投げ(ボウリングのピンを玉で倒す代わりに、棒を投げて一列に並んだ棒を倒すゲーム:棒リングとでも呼ぶべきか)を一緒にやった兄弟とさっそく打ち解け、遊んでいた。観ていると、コミュニケーションには言葉を全くつかっていない。気持ちと身振り、あとは、コモンセンスと言うべきか万国(の子供)の共通認識だけで遊べるのである。すごいと思った。
(国際テレビ会議)
今朝、日本(豊田高専/電気工学科)とフィンランド(タンペレ工科大学/ハイパーメディア研究室)の間で、インターネットを用いたテレビ会議の実験を行った(ただし、電気工学科主任教授の後田先生も、ハイパーメディア研究室長のセッポさんも知らない。ちなみに、この国際テレビ会議の使用言語は日本語である。いよいよ日本語も国際デビューか?)。電気工学科斎藤先生の研究室の Macとこのページを開いている このマシンの両方にCU See-Me という会議ソフトをインストールし、インターネットを介して動画、音声、テキストをリアルタイムでやり取りするのである。インターネット回線のデータ転送速度が遅いので、動画は1秒間に1枚程度でパラパラ画面のようだが、音声は結構クリアに聞こえる。国際電話の代用として考えるなら極めて安い(何しろインターネットに接続しているなら追加料金は不要である。ただし、あらかじめ通話する双方が会議ソフトを起動しておく必要があり、電子メール等による通話日時の設定が不可欠だが)。今後は、このソフトを利用して、定期的に日本に残っている学生諸君と研究打ち合わせができそうである。
第一回目のテレビ会議には、電気工学科の学生諸君4名に加え、卒業生の小林君(新潟大学在学中)まで、飛び入りで参加してくれた。途中、同室のマラさんが出勤してきたので、音声は邪魔になると思い、動画とテキストによる通信に切り替えたが、ヘッドセットを使えば、電話と同じだから、マラさんも気にならないだろう。8月の「電気工学科の」公開講座や、9月の学校見学会の「電気工学科」の紹介では、参加した中学生の諸君と話ができるかもしれない。楽しみである。
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