11月10日(月)
子供達のホッケーシーズンが始まった。タンペレ中央のコウルン(学校)通りにあるアイスホッケー場(屋外の施設で、もちろん照明付き)で、シーズン始めのトーナメントが始まった。イルヴェス傘下の少年ホッケー団相互の試合で智の属するヘルバンタのチームは2チームに分かれて参加、まだまだ、まともに滑ることのできない智も、ローテションに加わって試合に出場した。予選リーグの相手は、第一戦(水):強豪カウカヤルヴィ、第二戦(土):レキ・ティーケリトである。第一戦は5対0の完封負け。両チームの選手のスケート技術の差が大きく、3×20分の試合中8割以上は相手チームにパックを支配されていた。ゴールキーパーのローペは何度も鋭いシュートを防いで大健闘だったが、あれだけ攻め込まれては、無失点は不可能だろう。智が加わったことで余分に取られた点は2点くらいか。
第二戦の相手:レキ・ティーケリトは女子のチームだった。相手チームが女の子ばかりだと分かったのは、試合開始後10分くらい。素子が「女の子がいるね」と言ったことがきっかけである。それまでは、「カウカヤルヴィに比べれば実力差が小さいから、いい試合になるかも」などと思っていたのだが、よく見ると、相手チームに女子が混じっているどころか、全員女子である(智は、最後まで相手が女子だとは気付かなかったようだ)。このチームにもスケートの上手な選手が居て、自ゴール付近から2、3人の選手は振り切って一気にゴールまで攻め上がってくる。サッカーでは鉄壁のディフェンスを見せたミッコも、ホッケーでは守り切れない(ホッケーではサッカーよりディフェンスが難しいのか)。試合終了間際に味方が幸運なゴールを決めて連続完封は免れたが、この試合も3対1、ヘルバンタは2連敗でシーズン始めのトーナメントを終えた。
以前書いたように思うが、サッカーの試合に比べると、ホッケーではプレイする子供達も応援する親達も、気合いのいれ方が違う。試合中に応援席(と言っても席に座っている人は皆無、皆リンクにかぶりつきであるが)から試合場に投げかけられる声援の大きさ、コーチの目つき、敗戦後の子供達のくやしがり方のいずれもが、サッカーとは違う。やはり、彼等の本業はホッケーでサッカーはシーズンオフのトレーニングに過ぎなかったようだ。
(カンガサーラ II)
先週の日曜日、湖が凍る前にと再びカンガサーラ(タンペレの東隣の町で、片道20km弱)を訪ねた。フィンランドでは、どこにでもある地形だが、湖と湖の間に幅数十メートルの地峡ができ、小高い丘の上の上には木製の展望塔も準備され、両側の湖の景色を楽しむことができる。智のホッケー用具(プロテクタ類)を入手するため、キルップトリ(蚤の市)めぐりをした後なので、午後3時を過ぎ、あたりは完全に夕方の風景、湖中の島にあるサーリキュラット村では、十分以上も太陽に向かって走ることになった。フィンランドでは太陽が斜めに沈むため夕焼けの時間は長く、一旦夕日に向かうと対向車のヘッドライトさえ見えない状態になる。幸い未舗装の村道は行き来する車も少なく、この間に行き違った車は二台のみ、トロトロ走っていても後から迫られることはなかった。また、夕焼け時の美しさは、感動的でさえある。
(晩秋の湖) (地峡の展望塔) (Uno の影)
(湖の凍結 II)
先々週末に一度零下に冷えこんだ気温も、週後半に緩み、このところプラスの気温が続いている。最近の湖の状況を、アパートに最も近いアハヴェニス湖を例に紹介しよう。先週日曜日(11月2日)の午前、青空に誘われ子供達を連れてアハヴェニス湖まで散歩すると、岸の近くを中心に、約2割の湖面が氷に覆われていた。この日、10時半の気温はー2℃、風なし。太陽は南天の地平線から20度くらいの高さで、木々の影は長く伸び、早朝の雰囲気である。この時期、天気が良ければ、一日中、早朝の雰囲気を楽しめることは、すでに話した通り。
(アハヴェニス湖の氷 11/2) (早朝?の散歩) (岸辺の鴨)
昨日(11月9日)の午後、深い霧の中をアハヴェニス湖まで散歩した。気温は+3℃、風なし。遠くから見るとほとんど融けてしまったかと思った氷も、近くによって見るとさにあらず。湖面の9割以上が氷の覆われ、残されたわずかな西北のコーナーに湖中の鴨が集って、近所の人から餌をもらっていた。氷は岸辺付近で2cm以上あり、このところの暖かさでも融けない理由が分かる。ただし、氷の表面は融け、氷の上に水の膜があるので、遠くから見ると氷があるようには見えない。雨量は少ないが、融けた雪で道路はべちゃべちゃ。近所のグランドに作られたホッケーリンクも気温が下がるのを待っている。
(アハヴェニス湖の氷 11/9) (残された水面に集まった鴨たち)
11月のフィンランドは気温の変動が激しく、ー10℃〜+10℃くらいの変動幅がありそうである(お日様の光が弱いので、昼間と夜間の気温差は少ないように思うが、流れ込む空気団の温度により、数日〜一週間単位で大きく変動するようだ)。
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