12月10日(水)

December 10th (Wed), タンペレ通信に戻る( Back to Index)

(アウリンコ)

 アリンコのことではない。フィンランド人が(たぶん)最も好きなお日さまのことである。フィンランド語で aurinko と書く。詳しい調査はしていないが、広告、企業名などに使われる一般名詞として最も出番が多いのではないのかと思う。大学の食堂を経営している会社のトレードマークにもアウリンコの絵が使われているし、アウリンコ自動車販売、アウリンコ旅行会社などアウリンコだらけ。毎週2回アパートに投げ込まれるチラシにもアウリンコが一杯である。
 先週の日曜日にちらっと見かけてから、また、しばらく会えないだろうと思っていたら、3日後の水曜日はいきなり晴れた。出勤時は暗くて分からなかったが、昼近くに、ふと、ブラインドを上げてみると、青空である(と言っても青くはない。ほとんど白に近い水色で、注意して見ないと晴れているのか曇っているのか分からない)。校舎に隠れて見えないが、お日さまを感じる。急いでカメラを持ち、飛び出した。日曜日とは違い、薄い雲にも邪魔されていない完全なアウリンコである。電気棟の前から見ると、ちょうど、コネタロ(機械棟)の右横だ。「お日さまって、ほんとにいいですね」、と言って見たくなる。翌木曜日も、一時的にお日さまが顔を出したそうだが、私はお会いしていない。その後は、普通の天気に戻り、お日さまの気配はない。冬期にこの地に居ると、アウリンコが特別大切な存在であることが、よく分かる。

(フィンランド人が尊ぶ性格)

 フィンランド語教室のクラスメート英国人アンドリューさんからの受け売りであるが、紹介したい。フィンランドで働く外国人向けに、フィンランド人が多数を占める職場で、同僚達とうまくやっていくための社内研修で聞いた内容だそうだ。
フィンランド人が、職業人の持つべき性格として大切だと考えるものベストテン:
  1. 正直なこと(Honest)
  2. 頼りになること(Relaiable)
  3. うそをつかないこと(Truth)
  4. 控えめであること(Shy)
 以下は、忘れてしまったが、「ガンガン働くこと(Hard working)」が6位くらい、「有能なこと(Efficient)」はようやく9位に登場。アンドリューさんは、当初、「控えめ」、「(余分なことは)話さない(Silent)」というような項目が上位に登場することに驚いたが、振り返ってみると彼の奥さんのお父さんの振る舞いが、まさにその通りと、思い当たったそうだ。 アンドリューさんの話しを聞いていて、少し前の日本で調査したら同じような結果になったのではないかと思った。今の日本で同様の結果がでるとは考えにくいが。
 そう言えば、フィンランドではスーパーの野菜は計り売りで、お客が計量してレジに持参する。ヘルバンタだけではなく、タンペレの町中のスーパーでも同じである。日本では、生協の店以外では見たことがないシステムだ。ごく当然のように客を信頼しているのか、省力化の一手段か、他の欧州諸国でもめずらしいのではないか。

 
   (ライトアップされた教会)  (雷鳥をモデルにした中央図書館)

 9月から通ったフィンランド語教室は12月第一週で終了した。もう、実力不相応の宿題で悩まなくて済むと思うと気が楽だが、教室に通うことで結構力がついてきたという実感もあったので、残念でもある。


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