地球の反対側でもポケモンは大人気。テレビでは月曜から金曜まで午前と午後で1日2本
づつ放映してます。ポルトガル語吹き替えにはなってますが、字幕は英語なので
どうやらアメリカから買っているようです。子ども達の会話も
「今日見た?」で始まるくらいです。一時帰国したときにポケモングッズをいろいろ
「餌」に買ってきたのですが、ポケモンの絵がかいてある鉛筆削りはピカいちでした。
鉛筆削りといえば、日本ほど文房具の種類も質も充実していて
すばらしい国はないなぁと思います。
ここでは鉛筆もこだわるほど種類がなくて、いずれも硬くてうすい(表示はHBだけど、
実際はHくらいじゃないかな、と思います)ものしかありません。子ども達にいいのは
やっぱりやわらかくてはっきりかける2B以上だと思うのですが。ブラジルの学校では
授業を受けるとき、みんなボールペンを使うようです。まちがったらびりびりっと破って
ポイと捨てる(床に)。そのためにもリング式のノートが便利らしく、お店において
いるものはほとんどがリング式です。
日本語学校ではボールペンを禁止して鉛筆と消しゴムを使わせています。
ノートをやたら破るのも、もちろん床にごみを捨てるのもせんせいは許しませんよ。
でも、かたい鉛筆と消えない消しゴムで、ノートもぐじゃぐしゃになってしまうので
本当は生徒たちもイヤみたいです。
ここの鉛筆削りは、携帯用のちっちゃな(自分で鉛筆をぐりぐりまわして削るタイプ)
ものしかありません。で、日本の箱型の削り心地のいいものを買ってきたのです。
以来、みんな競って削るようになりました。
「たくさん削って、たくさん勉強してね」という先生の純粋な願いもなんだかごまか
されてしまって、みんな家にある鉛筆をもってきて削ってかえったり、友達が削りに
きたりしています。ま、いいけど。
教室では、どんな習いはじめの子でも
「先生、お水を飲んでもいいですか?」
「先生、鉛筆と消しゴムをかしてください。」
の2つは毎日言わなくてはならないので、びっくりするくらいすらすらと言えるんですが、
そこに「先生、鉛筆削りをかしてください。」が加わったこの頃です。
ポケモンの話に戻りますが、日本のポケモンを録画して持ってきました。
子ども達はいつもなら勉強がおわると蜘蛛の子を散らしたように飛び出して
行くのですが、ポケモン見ようよーというと、みんな目を輝かせて
テレビの前にきちんと座りました。全部日本語だからほとんどわからないはずなのに
30分間、テレビに吸い込まれるようにして見ています。日本語の勉強だと30分も
同じことをしてるとみんなあくびが止まらなくなるので、
手を変え品を変え飽きさせないように苦労してるっていうのに、
先生としてはなんだかショックですよ。
でも、わくわくしてる心の様子がはっきりほっぺた辺りにあらわれていて、そんなこども
たちの横顔を見ていたら嬉しくなりました。
そして、本当に興味のあるものならこんな具合なんだなぁと感心してしまいました。