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拝啓、道の上より



旅に出るとバスに乗って道を飛ばすんですが、こっちは町と町の間隔が離れていてその間には広大な農場や小さい村がぽつぽつとあるだけでなんにもありません。だから道もまっすぐ、信号もありません。よって車の流れはとってもいいです。バスターミナルに停まっている時間を含めても、平均時速80kmぐらいはでます。バスでです。普通の車だったら平均100km以上で走るんでしょう。

そのような道はホドビアなどと呼ばれていて他の道よりもランクが高いようで、快適に移動できるようになっています。まず道と道との交差点。日本だったら信号か立体交差だと思いますが、ブラジルの場合はロータリーが多いです。クローバー型ロータリーなど、直進車が止まらなくてもすむような仕掛けになっています。その他、ホドビアはだいたい日本の高速道路のように町外れをとおることが多いんですが、町の真中を通る時にも信号はなく、他の道とは陸橋などで交差しています。

こうしたホドビアは日本の高速道路と同じで通行料金がとられますが、課金システムは日本とは少し違います。日本の高速道路は入る時と出る時に料金所があって、走行距離に応じて加算されますが、こちらはホドビアの途中に料金所が何ヶ所かあり、そこを通るたびに一定額が徴収されます。関所のシステムと同じですね。長距離を走ると何ヶ所も料金所を通ることになり、高い料金をとられるというシステム。

このような料金所は日本でもバイパスなどで見られますが、日本とブラジルのシステムではいくつか違いがあります。そのひとつですが、ブラジルの料金所は片側車線しか徴収しないことが多いです。たとえば我が町からサン・パウロに行くホドビアのマレシャル・ホンドンの場合、サン・パウロに行く場合は、確か1ヶ所しか料金を取られないはずです。でもサン・パウロからこちらに来る時には何ヶ所も料金所があって、そのたびにお金を取られます。日本人的発想だったら料金所を作ったら上り下りとも料金を徴収しそうですが、これまたブラジル流は違いますね。

そしてもうひとつの違い。もしかしてこれが一番大きな違いかもしれませんが、償却問題です。日本の高速道路ももともと「建設費相当額を徴収したら料金所を廃止する」というタテマエですが、実際は「高速道路のどこかで延長工事が行われているかぎり、料金を徴収しつづける」という詐欺的システムになっています。その点すばらしいのがブラジルの道路。ある区間の償却期間が終わった後は、ちゃんと料金所がなくなるんだそうです。

一方街中の道を見てみると、まず最初に気づくのが一方通行の多さ。交通量がそれほど多くない我が町でも一部の主要な道路を除いてほとんどが一方通行。だから近くに行く時でもぐるっと大回りをしないといけませんし、初めての町に入ると要領が分からない一方通行に悩まされることになります。車も少ないので交互通行にすればいいのにとも思いますが、これがブラジル流なんでしょう。

そんな市内の道には昔ながらの石畳の道が多く、道路脇の街路樹と石畳の組み合わせはヨーロッパ的でとても美しいものです。でもそれは写真で見る場合。実際に上を走ってみるとガタガタとゆれるのでスピードもでないし、車内には騒音が充満して隣の人とお話もできません。そして何よりもイヤらしいのが雨の日の石畳。これがすべるすべる。昔、ツール・ド・フランスの映像で、雨の石畳の上でスリップする選手を見たことがありますが、それが実感できます。走りこまれてツルツルになった石畳に埃まじりの雨がついて、油がついているかのように滑りやすくなっています。町には坂道が多いので、雨の日の坂道発進の車がキュルキュルとタイヤを空回りさせている光景もよく見かけます。

また、市内の道を歩いているとかまぼこのような道路上のでっぱりをよく見かけます。これはロンバーダーとかケブラ・マーラと言われていて、強制的にスピードを落とさせるような仕掛けです。交差点の前や、学校の前など徐行が必要なところや、下り坂の途中などスピードを出してしまいがちなところに設けられていますが、サンパウロのような都会ではここで減速したときに強盗にあうという話も聞きます。それをロンバーダー強盗と言うそうです。

もう一つこちらの道路で特徴的なのは「すぐに音が出る」ということです。ブラジルの町中を歩いていると「キキキー」と車のタイヤのきしむ音が良く聞こえ、「さすがブラジル運転が荒い」と思うこともありますが、よ〜く見てみると、大したカーブでもないのに音がします。普通に減速して停まっても音がします。どうも日本のアスファルトと質が違うようで、ちょっとしたことで音がします。また、路面に敷設するアスファルトも薄いようで、すぐに穴が開きますね。

さて、視点を歩道にうつしてみましょう。ブラジルの歩道といえば、モザイク模様。主に白と黒の石を使ったモザイク模様で飾られています。特にリオのコパカバーナのモザイク模様は有名で、黒と白の波模様が延々と4kmにわたって続いています。そして歩道の端には街路樹。熱い太陽が照りつけるブラジルでは街路樹がかかせません。街路樹といえば、ベレーンのマンゴ並木が有名ですが、とにかくブラジルの町を上から眺めるとたくさん街路樹が植えてあり、森の中に町があるかのようです。


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