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[失 業 日 記]

×月13日(月)
 履歴書のために撮った自分の写真は4cm×3cmだった。1枚使おうと思ったのだが、「離職された皆様へ」という手引きには3cm×2.5cmの指定。どうしようかと思いハローワークに電話してみる。たぶんそれで大丈夫との返事だった(いわゆる”大魔人状態”にならなきゃいいって話だ)。他にも書類のことについて色々尋ねるうちに、とりあえず住所管轄のハローワークまで来てくださいとおっしゃる。少しくらい書類が足りなくても、後で提出することが可能らしい。親切だ。
 地下鉄に乗り地図を見て、3時15分くらいにハローワークについた。入り口から人があふれていた。若い女の子や男の子やサラリーマン風の男性。年輩の方もいる。自分も大変だが中高年の方には胸が痛む。失業者がんばれー!
 総合受付に行って、書類が足りないけれど来てしまった、その旨をつげる。事務的にあしらわれ、渡された書類に記入を済ませ5番窓口に。書類を提出、登録が行われる。それから3番窓口で順番待ちの番号札を持って待機。ここで失業の認定が行われるのだ。
 13人待ち。窓口前方の椅子に座ってお待ちくださいという。隣の人は本を読みながら待っている。頭を上げ前方の窓口を見てみると、何人かハローワークのスタッフの方が。メガネの女の人はなんかうるさそうだ、色々聞かれそう・・・。その隣のおじさんスタッフはちょっと優しそう、笑顔で応対だ。自分はそれを眺めつつ、昨日の夜中に一生懸命考えたスピーチを頭の中で繰返してみる。こんなに頑張って就職活動しているのにぜんぜん職にありつけない、どうすればいいんだ。履歴書を送っても返事が来ない(そんな事実、自分にはない)、困っているんだ。そう、失業者と認定されるためには「積極的に就職しようとする気持ち」が必要なのだ。失業した友人の話、身内の話を参考にしつつ考えたスピーチをここで炸裂させるぞ!
 とうとう、自分の番号がまわってきた。担当のスタッフの方は、意外に若い女性。自分はスピーチのことで頭がいっぱい。それでいて、失業期間中のバイトのことを正直に申告するつもりだ。現住所はこちらですか? 写真持ってきましたか? 住民票のかわりはパスポートじゃだめですよ(自分はなぜか血迷ってパスポートなんて関係ないものを持って行った)
そして、「離職の理由は?」・・・いよいよ来たぞ。
「はい・・・」
「自己都合でよろしいですね・・・」
「それでは一週間待機の後、3ヶ月経った時点で・・・」
「・・・・ 」
それだけかい。
せっかくあんなにスピーチ考えてきたのに・・・でも、混んでたからね。気がつけば4時過ぎてたし。こんなにすんなり、さあ、自分は失業者としての一歩を踏み出した。次の出所日(説明会があるんだって)は×月20日、足りなかった書類を忘れずに持って行かなければ。「説明会」か・・・初めての「説明会」に期待と不安を胸にはずませる自分だった。
(つづく)
大魔人
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