"m & m's" チョコレートで見るイベントの色考

"m & m's"は、日本でも 売られているポピュラーなチョコレートの会社である。チョコレートに色とりどりの糖衣を被せた、日本でいうところの「マーブルチョコレート」がメイン商品で、どこのマーケットにも置いてある。ここで一年暮らすうちに、この"m & m's"のチョコボールが、イベントに合わせて、特別な色のチョコボールだけを詰めた季節限定版の大袋(パーティー・パック)を売り出すことが分かってきた。題して、『"m & m's" チョコレートで見るイベントの色』である。

イベントの色というと、日本ではクリスマスの赤と緑、バレンタインデーの赤やピンク系といったところだろうか。あとは、慶事の紅白と、弔事の黒白といった、個人的な事情に伴う色ぐらいしか思い付かない。アメリカに来て、こっちの年中行事には、この色の組合わせといったパターンが決まっていることがわかった。

順番にみていくと、まずはバレンタインデー。こっちのバレンタインデーは日本と違ってチョコレートに限らず、また女性よりも男性がパートナーにバラの花を送ったりする。ハートのマークの溢れるこの季節、"m & m's"の季節限定版の色は、赤・ピンク・白である。

次いで春先にあるイースター。日本では馴染みのない行事だが、キリストの復活祭のことで、タマゴ(イースター・エッグと呼ばれて、殻に色々な模様をペイントして、中にお菓子等を入れてある。子供が、貰ったり、隠してあるイースター・エッグをエッグ・ハンティングと称して探す)とかウサギ(イースター・バニー、耳が長くて垂れている)とか、繁殖を象徴するものがこのイベントのキャラクターである。春という季節のせいか、何事にもヴィヴィッド・カラーが幅を利かしているこの国に於いて、イースターのイメージだけはパステル・カラーである。そんな訳で、"m & m's"の季節限定版の色も、パステル・ピンク、パステル・ブルー、レモン・イエローといった淡色の組合わせである。

イースターの前、3月17日にアイルランド人のお祭り、セント・パトリックデイがあるのを忘れていた。これは、アイルランドの三ッ葉のマークの色、緑一色。この日は何でも緑である。クリントン大統領だって、緑のネクタイを締めていたし、何でもやっちゃうアメリカ人は、川だって緑に着色してしまうのだ。バスクリンを流したようになっていたあの川、魚とかは大丈夫だったのかしら。セント・パトリックデイに関しては、"m & m's"の季節限定版は無かったような気がするが定かではない。

それから、この国最大のイベント、独立記念日。これはもう、言わずと知れた、青・赤・白の星条旗色で、街が埋めつくされる。フランスやロシアの国旗だって、この三色じゃん、なんて思ったりする人はアメリカ人ではいないらしい。例え、この三色が帯条に並んでいて、星条旗の形を成してなくても(他所の国の国旗の様になっていても)、それはこの国ではアメリカを意味するのだ。もちろん、"m & m's"の季節限定版は、この三色だ。

さて、秋も終りの10月31日は、ハローウィンである。日本では、お菓子のメーカー等が何とかこのイベントに乗じようとしているのがわかるが、いま一つウケないで、在日の一部の外国人が、山の手線の車両を仮装して占拠したりするぐらい(ぐらい、ってことないよね、あれは)で終っている。こちらでは、子供を中心に結構盛り上がるイベントで、もとは宗教的な意味合いもあったのだろうが、今は大人も子供も仮装を楽しむ日、といった感じである。不気味な怖いものがハローウィンの主役であるが、つきものなのは、カボチャ(日本のと違ってオレンジ色をしており、中をくり抜いて目鼻口等の穴を開け、ランタンにする)、コウモリ、魔女、骸骨、ゴーストといったところか。そんな訳で、このイベントの色は、オレンジと黒、さらに挙げれば、白もである。"m & m's"の季節限定版は、オレンジ・黒の二色だ。

最後は年末のイベント、クリスマス。クリスマスが日本と違って宗教的に重要なイベントであるこちらでは、この時期が「ホリデー・シーズン」と称されて、他宗教の人も包括して楽しめるようになっている。それでも、基本は赤と緑。もちろん"m & m's"の季節限定版も赤と緑の二色である。

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