九州城巡り (1993.3.3-9)

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3月3日
東京から新幹線に乗ってひたすら九州を目指す。想像以上に遠い。飛行機の方が良かったかな、と少し後悔。新幹線から小倉城が見えて九州に入ってしばらくすると、博多駅に到着する。レンタカーを借りて早速1つ目の福岡城へ行く。新幹線での疲れが十分に取れていないので少し淡白。福岡ドームが見えて喜んだり、大濠公園の広さに驚いたり、城探索に集中しきれない。

次は「城」と言い難いかもしれないが、元寇防塁を見に行く。看板が出ているのだがいまいちどこにあるのかよくわからない。同じところを車で行ったり来たりして、とりあえず適当に停めて浜辺に行く。海がすごい静かできれいだった。元寇防塁は今一つ確信ができるものが発見できず、納得いかないまま引き上げて博多泊。宿で同行している石田が体調不良を訴え始める。初日なのになんてこった。安静にするため9時には寝た。健康的だ。

 
3月4日
石田はやや元気になった。喉が痛いとかで口数が少ないが、大丈夫だという事なので大野城へ向かう。いい天気のハイキング気分の城だった。古代系なのでよくわからないけどまあいいか。本日は古代系2連チャンだ。

次は基肄城だ。この城には実は正確に言うと到達してない。石垣を少々程度なら見たけど道に迷って城址の中心部がある場所がわからなかった。林中をさまよっていると、石田が車に戻ると言い出した。別れて一人でしばらくさまよって見たが林が果てしなく続いているだけで、城址を発見するには相当時間がかかりそうなので結局断念。いつか雪辱を晴らしに再び訪れる事を心に誓う。でも、看板通りに来たのにどこで間違えたんだろう?

この日も博多泊。石田の具合は昨日の夜よりも悪そうだ。とっとと寝る。

 
3月5日
朝起きて、石田に体調を聞くのが日課となってきた。まあ旅は道連れだ。良くはないが、悪くもないという事だった。せっかく九州まで来ているのでとりあえず出発だ。雷山神籠石に行く。知らない土地をドライブするのは結構大変だ。朝早くでたのに渋滞に巻き込まれてなかなか進まない。考えてみると世間は金曜日なので朝の通勤ラッシュだ。急に申し訳ない気持ちになる。

雷山神籠石に到達するまでの道が凄かった。少し間違えば落ちてしまいそうな細い山道をレンタカーでひた走る。ガードレールを作って欲しい。怖かった。おまけに未舗装の砂利道だ。レンタカーで良かった。そんなハードなドライブをしている間は良かったのに、神籠石のある林で体が冷えたのかまた石田の調子が悪くなってきた。早々に立ち去って帯隈山神籠石へ。帯隈山神籠石は畑の中を散々車でうろうろしてようやく見つけた。とりあえず見た、という感じでまた去る。福岡城以来古代系ばっかりで今一つ良くわからないので少々フラストレーションがたまる。

次は一気に九州自動車道を南下して宿泊地の熊本に向かう。時間が少し余っていたので急遽宇土城へも立ち寄ることにした。九州自動車道は広くてまっすぐで交通量も多くないのでとても走りやすい。問題は道路の両脇にはなにもなく、ふきっさらしになっていることだ。レンタカーが1300ccのスターレットだったので、ちょっとスピードを出すと吹き飛ばされそうになって怖かった。

宇土城に行ったはいいが、下調べを全くしていなかったので非常にあっさりとしか見なかった。見終えたころには夕方のいい時間になってきたので、再び九州自動車道を使って熊本へ向かう。熊本に着いてホテルにチェックインをすると、早速夕食と熊本城の夜景見物をしに夜の熊本に繰り出した。しかし、城の周りの道が異常にわかりにくく、おまけに夜で初めての土地なため苦労した。同じ様なところをぐるぐるした末にようやく宇土櫓近くへたどり着き、駐車禁止の看板を横目に車を停めて空堀に入ったりして遊ぶ。天守になんか足場が組まれていて修理中という事を発見して少しがっかりする。

ちなみに何故かこの辺から石田の体調が持ち直してきた。単に北九州の空気があわなかっただけなんじゃあないかと疑う。

 
3月6日
今日は今回の城巡りで一番楽しみにしていた熊本城だ。昔修学旅行で来た時は2時間しか無かったので、今回はたっぷり時間をかけて見た。1年前の台風で瓦が飛んでしまったらしく天守が修理中だったので絵的にいまいちだったけど、復興だからまあいいか。ただ、修理工事の影響で天守すぐ下の石門にいけなかったのは残念だ。それでもやっぱり熊本城はいいなあ。

次は国道をひた走り大分県竹田市を目指す。途中牧場のそばを通る。辺り一面に牛がいた。竹田市では岡城に行く。ちなみに竹田市の「荒城の月」というお菓子はあまり日持ちがしないので九州の人にも手に入りにくい貴重なお土産となるらしい。味もなかなか。この日は素泊まり3000円の「佐藤旅館」という素敵な駅前の宿に泊まった。値段相応のサービスぶりだった。次の日にマラソン大会が開催されるらしく宿は結構繁盛していた。

 
3月7日
雨だ。この日までは天気に恵まれていたのについに雨だ。小雨なのでなんとかなるだろう。せっかく耶馬渓をご機嫌ドライブと行こうと思ったのに。雨の中でも耶馬渓はきれいだったので晴れたらかなりのものだろう。真の目的地は耶馬渓にある長岩城だ。小雨が降る中果敢に挑戦した。

耶馬渓を後にすると、再び福岡入する。このころになって九州に来たのに九州らしいことを何もしていないのに気づく。石田の体調が良くないから城見物以外は移動か食事か寝てるだけという非常に禁欲的な旅だ。食事すらコンビニとファミレスで極力簡単に済ませている。ということで昼食はラーメンを食べることにする。車を走らせていると長浜ラーメンの店があったので入る。まずかった。後で聞いた話によるとラーメン屋はたくさんある分当たり外れが多いらしい。行った店は間違いなく外れだった。

福岡にでは大宰府水城に行く。大宰府には何故か犬がたくさんいた。水城は暗くて良くわからなかった。この日は友人の井上さんの家に泊めてもらった。夕御飯までごちそうになってとてもありがたかった。どうもありがとうございました。トラベラーズハイともいうべき身勝手旅行の勢いで急に勝手に押しかけてしまったけど、後から考えるとかなりずうずうしかったと反省した。

 
3月8日
この日の前半は井上さんを加えた3人行動。秋月城を見に行く。一瞬雪がちらついたりしたけど天気もなんとかもつ。三連水車というものも見に行ったけど残念ながら動いていなかった。考えてみると3月だからあたりまえか。井上さんと別れて再び2人行動開始。甘木市に何故か石田の実家が土地を持っていて靴屋さんに貸しているらしい。ちょっと訪ねて見ることにする。店のご主人に名乗るとすぐに話が通じた。なんか面白かった。

今一つ効率の悪い移動だなと思いつつも、次は名護屋城へ行く。結構時間がかかって着いたときは夕暮れ時だった。天気がいつの間にか良くなっていた。天気が変わるほど移動したのか。気になるのはまた石田の容態が悪くなってきた事だ。やっぱり北九州の空気が体にあわないのか。それにしても何が悪いんだろう。喉が痛いというので湿度が問題なのだろうか。唐津の宿に着いたころには完全にグロッキーだった。

 
3月9日
いよいよ九州最終日。余裕を見て日程を組んでいたのでもう足を伸せるところに見るべき城がない。とりあえず唐津城を見る。唐津城を見終えた後は博多駅へ向かう帰途に着く。途中元寇防塁に再挑戦し、今度は発見する。良かった、良かった。まだちょっと時間があったので最後は志賀島へ行って金印発見の碑を見る。金印発見の地は公園となっていて景色がすばらしかった。

そのまま博多駅へ直行し、レンタカーを返して新幹線で帰途に着いた。帰りの新幹線では疲れ果てて曝睡した。最後まで石田の体調がすぐれなかったのが心残りだが、こうして1週間に渡り15の城関連史跡を巡った旅行を終えた。

 
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