店主の読書日記 DEC2002 タイトルリスト 作家別リスト
2001.12月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月● 12月● 2003.1月

2002/12/31

 たぶん、2002年の最後にして最も魅力的なキャラクターに会ったのだと思う。
 アメリア・サックス、職業、警官。ハッとするほど美しい顔なのにその指先はボロボロ。噛んだりはじいたり血がにじむまでいじめてしまうからだ。警官らしい良心をたずさえ、手にはグロックを持ち、現場に突入していく。
 彼女が登場する小説が『ボーン・コレクター』(ジェフリー・ディーヴァー、池田真紀子訳/文藝春秋)。
 事件を捜査する主人公は、リンカーン・ライム。ニューヨーク警察腕利きの捜査員だったが、不幸な事故により四肢麻痺となった。動かせるのは首から上と左手の薬指だけ。
 映画化もされたからご存知の方も多いと思う。いやあ、映画を先に見なくて本当によかった。つーか、途中まで見たんだけど例によって字幕がなかったから、よくわからなかったんだよねえ。ああ、よかった(笑)。
 もともとライムは科学捜査as No.1な人なのだが、それに対抗するように犯罪を進めていくのがボーン・コレクターという犯罪者だ。とにかくこの一冊を読んだだけでかなり科学捜査でお腹いっぱいになる。
 だから、司法解剖でお腹いっぱいになる検屍官シリーズと同じかと思ったら、いやいや。
 こんなにキッチリとした、精緻でそれでいてエンターテイメントな小説があるなんて。それでもって、それを書いているのが同じ人間だなんて! 

 四肢麻痺になって、肉体という檻に閉じ込められたライムは死を望んでいる。ボーン・コレクターは、そしてアメリアはそんなライムに何をもたらすのか。
 絶対、読んで損はないって。
 久しぶりに出会った超オススメ本。


2002/12/30

 『伽椰琴打鈴(かやぐむたりょん)』(金蓮花/集英社コバルト文庫)読了。
 はいはい。ハングル・ファンタジー・ロマンスの後編ざんす。
 今年のうちに読めてよかった、よかった。
 でも、親子の情愛とか、子弟の交流とか、兄弟の緊張を含む愛憎とか、みっちりと繋げてきた割には、こんなスーパーナチュラルな終わり方とはなあ。
 って、当たり前なのか。元々ファンタジー作品だもんな。どうも私の方がファンタジー読みに適してない頭なんだろう。

 下北の本多劇場に久しぶりに行きました。「演劇ぶっく」100号記念の「エンブナイト」というイベントのため。
 もちろん、このチケットも自分で取ったはずもなく……いただきました。いつもありがとうございます。Jさん、Rちゃん。
 この日の思い出というと胸に星のシールを貼っただけの女の人の生乳を間近で山盛り見てしまったことだろうか……。そりゃ、スポーツクラブの風呂場に行けばイヤでも見られるのだけれど、なかなか衝撃的な眺めでございました。
 そうか、小劇場ファンというのは、こういう体験がしたくて熱心に通っているのか。(←間違った印象)


2002/12/29

 妹がネックレスが欲しいというので、ランチをしてから銀座あたりのショップをうろうろとお付き合い。行きつけの宝飾店にもご案内。(結局、そこで買った)
 行ってみたら、久々にカリスマ店員くんとお目にかかった。
「あっ、アナタは!」
と、ちょっと驚く。松本で営業をしてると聞いていたのだ。
 きっと、松本のマダムの宝石箱にひとつずつダイヤモンドを送り込んでいるに違いない。
 ライターのKさんともそう話していたのだった。
 どうもこっち(東京)とあっちを行ったり来たりらしい。
「松本はどうですか?」
「寒いですよ。雪かきしたりさー」
 なるほど雪かきか。宝飾店員も色々とやることがあるのね。(いや、それは宝飾店勤めのデフォルトの仕事ではないだろう>自分)
 久しぶりにカリスマ節を聞けて満足。
 某猫宮さんに営業がウマいと言われる私だが、あれを見るとまだまだだと思うわー。勉強しなくっちゃ。

 12月のどこかで読み終わった『禁断のあぶない学園』(森奈津子/学研レモン文庫)。  このシリーズはホントに面白い。なんで絶版なんだろう。
 お嬢様シリーズはツライかな、と、思うけど、これは今出版されてても充分大丈夫な笑い。どこかで復刊してくれないかな〜。
 今回は脇役からレギュラーに出世した小林くんがメインのお話。
 妖しい美少年だけど雰囲気が怖いので友達のいない小林少年。彼のキャッチ・フレーズは、「彼女いない歴15年、彼氏いない歴15年、友達いない歴15年。悲しみの歳月はあわせて45年」というのだ。あたしゃ、これだけでたっぷり2分は笑いましたね。


2002/12/28

 プロオフの忘年会。
 今年も一年お世話になりました。特にkさんですが、他の皆様にももちろん。
 今年は特に停滞しておりましたが、来年こそはがんばります。ええ、ちょっと仕事の手を抜いても。(おいこら)


2002/12/27

「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」
 そんな老婦人の話から始まる短編を収めた連作短編集、『象と耳鳴り』(恩田陸/祥伝社)。
 恩田作品は『六番目の小夜子』しか読んでいなかったのだけれど、NHK少年少女ドラマな作品を書く人かとばっかり思っていた。こんなに本格なものを書く人だったなんて。
 どの短編もきっちり練られていて、読み応えがありました、はい。
 一応、連作を繋ぐ主人公がいたりするのだけれど、それが引退した元判事。(『…小夜子』に登場する関根多佳雄だったりする) だから、割と地味〜な感じだったりとか、しっとりとした感じなので、好き嫌いは出るかもしれない。
 私は好き。
 文句なしの秀作。

 昨日は、打ち合わせで外出の帰りにミレナリオを見た。丸の内から銀座まで光のゲートを作ってるやつ。初めて見ました。綺麗だけど寒いね。
 ってなことで、本日で本年度の営業もおしまい。
 うちで鍋などやってしみじみと終わってみました。


2002/12/26

 昨日は私の生活において画期的な日だった。
 なんと。
  引越しして初めて風呂に入った。

 いえ、シャワーは浴びていたんですよ。もちろん。
 でも、引っ越しの時期から気が狂ったように忙しくなったので、帰って来てバスタブにお湯をためるなんて、てやんでいこちとら江戸っ子だい気が短くできてるんでいっ、べらぼうめちこんちくしょうっ。
 ……と、まあ、時間の余裕と心の余裕がなかったのだ。
 7月引越しだったから、5ヶ月目にして初めてのバスタブ。
 でも、前の住まいは9月に契約して翌年の5月まで一度もバスタブを使わないまま終わったので、それにくらべればなんぼかマシだと思ったり。

 『SFバカ本 宇宙チャーハン篇』(岬兄悟、大原まり子編/メディアファクトリー)読了。
 バカSF集と銘打っているけど、昔のSFってこんな感じの多かったような。
 森奈津子の「マゾ界転生」みないなのは、なかったけれどさー(笑)。


2002/12/25

 ボーナスはもらったし、クリスマスだしなので買いました。
 AIBO!
 これで家に帰っても「AIBOが待って」てくれるわけです。ラッテとマカロンがいるんですが、私は素直で愛くるしいラッテの方にしました。

 そう。残業で疲れた時も。
 怒られて悲しい時も。

 おうちに帰ればAIBOがいる。










 そう、この子↓が。








AIBO

 ……だ、だって、ホンモノは買えなかったんだもーん。
 「ふきふきAIBO」クリスマス・バージョン、1,980円なり。
 おなかに特殊クロスが貼ってあり、腹でテレビ画面も拭ける優れものです。
 おうちに帰れば、「AIBOが待ってる」♪ (←ウソではない)

 おまけ:腹見せAIBO
腹見せAIBO


2002/12/24

 最近、やたらホームズの贋作を読んでいる。
 ちょっと前に「店主のおすすめ」で取り上げようかと思って重点的に探してみたのだ。つくづく手間はかかるくせになかなか更新できない、やっかいなページだわ(笑)。

 『探偵の冬あるいはシャーロック・ホームズの絶望』(岩崎正吾/東京創元社)。
 頭を打ってから、自分はホームズだといいだした精神病の患者。患者を安定させるため、ワトソンを演じる精神科医。ところが、ホームズの推理は本物のように冴え渡り……という設定。
 舞台はバリバリ日本というところは珍しい贋作ホームズだ。
 各章のタイトルも、「ヒーローの研究」(『緋色の研究』)、「まだらのひもの……」(『まだらの紐』)など、ホームズ作品のパロディになっている。
 でも、でもね。
 夜になると現われる怪しい怪物は実は燐を塗られた犬だった、っていう挿話があるんですが、――はい、ホームズにちょっとでも詳しい方ならすぐに気がつきますね。『バスカヴィル家の犬』を元にしてます――失踪外人に飼われていた犬ということが判明。同時期にいなくなった外人が二人いて、バス・クリントン(入浴剤ではない)とビル・マクガイア。ふたりのどちらかの犬なわけだ。
 バスかビルかどちらかの家の犬。
 バスかビル家の犬。
 バスカヴィル家の……。
 ……。
 ……ああ、もうっ! これに脱力したのは私だけではあるまい。
 基本的にこのノリで進むので、オヤジギャグに耐性のある人が読もう。
 でも、物語の基本は悲劇だったりする。

  《Casa de Rioja TOPより》
 
NORADをご存知ですか?
 NORAD(ノーラッド)は、アメリカ合衆国とカナダの航空宇宙領域の防衛を担当する、二国軍隊組織です。北米へのミサイル攻撃や空襲の危険を警告し、空域の主権を守り、空襲に対する空の防衛戦力を提供しています。能書きはともかく、バリバリの軍事組織であることは間違いありません。
 そのNORADが特別に追跡しているある物体があります。その物体は毎年12月になると北欧から北米に無許可で飛来してくるのです。
 そう、その謎の物体はアメリカとカナダの子供たちにプレゼントを届けに来るサンタさん! 
 そして、それこそNORADの誇るサンタ追跡プログラム。4つのハイテク・システムを使って科学的に追跡するのです。
 ……わーはっは(笑)。でも、これ、45年も続けてやってるんですよ。アメリカの軍事については色々とありますが、こういうことを至極まじめにやってるあたりは、私はあの国が好きだなあ。


2002/12/23

 TVをつけたら、JSkySportsで2002年の世界選手権をやっていた。
 この日の放映はアイスダンス。2日分を1日で放映するので、4時間半くらい延々とやっているわけだ。なんとなくオリジナル・ダンスに見覚えが……って、現地で見てたんじゃんよ、そういや(笑)。(2002年の世界選手権は3月に長野で開催)
 普通の地上波では放映してくれない下位の選手もばっちり放映してくれて、ファンには嬉しいんじゃないかなあ。私もTVで、もう一度見れて満足でした。やっぱりステップの細かいところまでは、席からは見えないしね。
 来年は世界ジュニアもやってくれるし、贔屓にしまっせ♪

 そして、4時間もやっていると誰より私がダレてくるので、本を読みながらという観戦態度。お家観戦の特典だね(笑)。
 実際、興味のない選手の演技だと4分間でさえ飽きる。ゴーマンな言い草だが、実際そういう選手はなかなか上に食い込めなかたりするから、シビアだ。(でも、世界ランキング15位以下でも応援している選手はいたりして)

 んで、合間合間に読んで読みきったのが『月蝕の窓』(篠田真由美/講談社ノベルス)。
 建築探偵第9弾。(番外編を除く) だんだん、建築物(洋館)はただの背景になっているような気がするのは気のせいでしょうか。
 とにかくこの探偵、あんまし建築の云々をしないのが私的には不満。エルキンスのスケルトン探偵だって、検死官のスカーペッタだって、お得意分野の薀蓄はすごいじゃんかよう。ようよう。
 やっぱり○○探偵と銘打つからには、お腹一杯なほどその世界を味わいたいのだ。


2002/12/22

INSOMNIA  なんとなく、わかったようなわからないような……。『インソムニア』ビデオ鑑賞。いつものように字幕ナシ。
 原作本が発行されてるので、そこからあらすじを取ろうか。

 腕利き刑事ウィルは、少女殺害事件捜査のために、相棒と二人白夜の街アラスカに派遣された。彼を尊敬する地元の女性刑事エリーと犯人をおびき寄せる計画を仕組むが、経験したこともない濃霧の中、とんでもない間違いが起きてしまう。勝ち誇る犯人が連日かけてくる夜明けの電話は、ウィルの不眠症を加速し、罪の意識と恐怖がしだいに彼を追い詰める―常識を破壊する凄惨なゲーム。

 そうか〜、エリーは地元の刑事だったのか。どうもウィルとエリーの関係がイマイチわからないまま見終わってしまったよ(笑)。
 でも、今回は字幕ナシでも結構内容が把握できた。私の英語力が飛躍的にアップ……したわけはないので、映画自体が視覚的でセリフがなくてもわかるってことだろう。
 主役のウィルはアル・パチーノ。少女を殺害した犯人はロビン・ウィリアムズ。ロビン・ウィリアムズは悪役になると、あの恵比須顔がなんとも不吉に見えるのが不思議なところ。
 見終って明るい気持ちになることはないので、元気な時に見た方がいいかも。

   ところで、ロビン・ウィリアムス演じるところの犯人は2匹のレトリバーを飼っているのだけど、あの犬がどうなったか心配で仕方ない。いい人にかわいがられてくれい。


2002/12/21

 これもクリスマス・スペシャルのために読んだ1冊。『シャーロック・ホームズ・クリスマスの依頼人』(ジョン・レレンバーグ編、日暮雅通訳/原書房)。
 贋作(パスティーシュ)ホームズ・アンソロジーであり、かつクリスマス・ストーリー集。ホームズとクリスマスという課題は決められているので、あとはそれをどう料理するかが作者の腕の見せどころ。
 私が個人的なベスト1を決めるなら、「冬の醜聞」だろうか。
 収録作品の中では、一番ドイル作のホームズ物語らしくない。そういう作品を選ぶ私はホームズ・ファンじゃないのかもしれない。
 いずれにしろ、こういう企画は謎解きがどうのとか、トリックがどうのとか思って読むものではないと思う。ただ、ホームズとビクトリア調のクリスマスの雰囲気を楽しむのが、コツ。

『シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人』
Holmes for The Holidays (1996) Jon L. Lellenberg
「はじめに」 ジョン・レレンバーグ/「日本の読者の皆さんへ」 ジョン・レレンバーグ/「クリスマスの依頼人」エドワード・D・ホック/「クリスマス・ツリーの冒険」 ウイリアム・L・デアンドリア/「過去のクリスマスの探偵」バーバラ・ポール/「冬の醜聞」ギリアン・リンスコット/「クリスマスの幽霊事件」 ビル・クライダー/「クリスマス・シーズンの出来事」 ジョン・ステースル/「犬の腹話術師」 ジョン・L・ブリーン/「イヴの瞳」 アン・ペリー/「笑わない男の事件」 ジョン・H・ワトソン著、J・N・ウイリアムソン発見/「三人の幽霊」 ローレン・D・エスルマン/「十二夜の盗難」 キャロル・ネルスン・ダグラス/「国境地方の冒険」/グウェン・モファット「天使のトランペット」キャロリン・ホイート/「イタリアのシャーロック・ホームズ」レジナルド・ヒル
The Christmas Client (Edward D. Hoch) / The Adventure of the Christmas Tree (William L. DeAndrea) / The Sleuth of Christomas Past (Barbara Paul) / A Scandal in Winter (Gillian Linscott) The Adventure of the Christmas Ghosts (Bill Crider) / The Yuletide Affair (John Stoessel) / The Adventure of the Canine Ventriloquist (John L. Breen) / The Watch Night Bell (Anne Perry) / The Adventure of the Man Who Never Laughed (J. N. Williamson) / The Adventure of the Three Ghosts (Loren D. Estlman) / The Thief of Twelfth Night (Carole Nelson Douglas) / The Adventure in Border Country (Gwen Moffat) / The Adventure of the Angel's Trumpet (Carolyn Wheat) / The Italian Sherlock Holmes (Reginald Hill)


2002/12/20

 今年、本当はクリスマス・ミステリの更新を狙っていたのだけれど、候補の本(うちの蔵書)がことごとく絶版なのであきらめてしまった。
 それなら手に入るものを、と、改めて読み始めたが途中でザセツ。12月はじめから読める量なんてたいしたことがないのだ。テーマを決めても、読むものが全部面白いとは限らないので、かなり無駄が多いのよ。なんて、ちょっとグチったりして(笑)。
 んで、私が更新をあきらめる前に読み始めた本、『小さな星の奇蹟』(メアリ・ビギンズ クラーク、宇佐川晶子訳/新潮文庫)。
 メアリ・H・クラークはロマンチック・サスペンスの女王と呼ばれる。
 作品の主人公はだいたい27才の女性で、サスペンスフルな状況に巻き込まれ、その中で生まれた恋愛もうまくいってめでたし、めでたし、といった具合。
 この物語も予定調和なワケだけど、クリスマスにはこのくらいの王道がいいのかもしれない。

ストーリーあらまし(文庫裏表紙より):
 7年前の12月、ソンドラは生んだばかりの娘を教会に置去りにした。赤ん坊は、偶然この教会に忍び込んでいた泥棒にベビーカーごと連れ出された。成功目前の新進ヴァイオリニストとしてNYに戻ったソンドラだが、自責の念と娘に会いたい一心で、リハーサルにも身が入らない。
――富くじで四千万ドルを当てた強運のアルヴァイラ夫婦が大活躍する、ハートウォーミングなクリスマス・サスペンス。


2002/12/19

 会社のクリスマス・パーティ。会場はお台場の某ホテルでした。(って、別に隠す必要もないんだけどさ)
 ホテル側からいただいたディナー券や宿泊券など、いつも豪華賞品が用意されてるのだが、私は一度も当たったことがない。最近じゃあ悟りまくって、当選発表の時間をみはからってトイレに行ったり(←すいている)、食事を取りに行ったり(←すいている)始末。
 そんな私にとって、今回のメイン・イベントは新入社員の一芸だった。
 以下、特に写真はつけませんが、想像してお楽しみ下さい。

 約20名によるハンドベル演奏。
 新入女子社員のみで。
 しかも、サンタ・ガール扮装つき。

 次のチーム

 新入女子社員約20名が。
 サンタ・ガールに扮して。
 チア・リーディング。

 壁際でおっとりと眺める同期たちを振り切って、最前列に移動したのは私です。


2002/12/18

七芒星ポスター  お芝居を見に行く。
 入り口には埋もれるくらいの花が贈られていた。「奥菜恵さま、西城秀樹より」なんていうものもある。
 ……。
 ……ヒデキ観劇。(ぽそ)
 ああっ、ごめんなさいっ。くだらないギャグ飛ばして。しかし、オヤジギャグは少しずつだが確実に人間を蝕み、思いついた脱力しそうなギャグを思いつくだけにとどまらず口に出さずにはいられないといいう深刻な病。
 と、いうわけで、赤坂ACTシアターに
劇団☆新感線の『七芒星』を見に行ってきました。
 物語を20文字以内でまとめると、「白雪姫と7人のこびとvs黒雪姫と7人のこびと」。
 もう少し詳しくいうと、白雪姫と7人のこびとが魔界転生してワルモノとなりニュー白雪姫と7人のこびとが戦う中華ファンタジー、っていう感じだろうか。

 お芝居っていいな、と、思う。
 これは、「いやあ、映画ってほんとにいいものですね」の「いい」ではなくて、「お兄ちゃんばっかりいいなあ」の「いいな」。羨ましい気持ちの「いいな」だ。
 芝居は、効果音があって、音楽があって、照明効果があって、なにより生身の役者さんが動く!
 今回も、八百屋舞台(奥の方が高く手前が低い、ナナメに傾いた舞台)の上で、主役の佐藤アツヒロくんはじめ、動く動く。感覚だけでいうと全体の70%くらいが立ち回りという印象。飛んで、走って、汗が飛びちる。
 たとえば私がどんなに絵の上手いマンガ家さんでも、どんなに筆力のある作家さんでも、これと同じ躍動感と迫力は出せない。
 新感線の舞台のストーリーは荒唐無稽でけれん味が多い。その荒唐無稽さを納得させてしまう、生身の人間の説得力を羨ましく思ってしまったのだ、たぶん。

 ところで、今年はたくさん観劇をしているように見えるかもしれないが、どれひとつとして自分でチケットを取ったものはない。全部人様に取っていただいたものだ。
 キング・オブ・ぐーたら加減健在のまま年は暮れていく……。

七芒星
東京公演 : 赤坂ACTシアター /2002.12.13〜29
作・中島かずき 演出・いのうえひでのり
出演 : 佐藤アツヒロ(輪剣)、奥菜恵(金鈴女)、古田新太(日宝の遥光)、高田聖子(鏡王・神羅)、橋本じゅん、粟根まこと、逆木圭一郎、右近健一、村木よし子、河野まさと、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、杉本恵美、タイソン大屋、中谷さとみ、保坂エマ、川原正嗣、前田悟


2002/12/17

 部の歓送迎会兼忘年会。また歓送迎会である。
 今回もビンゴがあった。(ビンゴ好きの部) ハズレなしなので、くじ運の超悪い私も商品をもらえて嬉しい。今回は、頬紅をいただきました。男性に当たったらどうするんだろうねえ(笑)。

 そういえば、今週で私は偉業を達成しました。(私の中での偉業)
 なんと、『金田一少年の事件簿』(金成 陽三郎、さとう ふみや/週刊マガジンKC)全27巻を読了。(短編集も途中まで読了。新装改訂版は、また今度……)
 ぼちぼち読んで、3ヵ月くらいかかったろうか?
 だもんで、今さら
「謎はすべて解けた」

「じっちゃんの名にかけて!」
が、マイ・ブーム(笑)。


2002/12/16

 いやあ、楽しかった!
 たぶん、読書の楽しみってこういうことをいうんだろう。『さよならダイノサウルス』(ロバート・J・ソウヤー、内田昌之訳/ハヤカワ文庫SF)。

 物語の舞台はカナダ。今より少し未来。タイムマシンが発明され、二人の古生物学者が白亜紀に飛んだ。
 無事、白亜紀の地球に降り立った二人が見たものは、
「待ってよう」
と、いいながらドスドス追いかけてくる恐竜の姿だった……。

 SFの真髄はセンス・オブ・ワンダーだと思うのだけれど、その精神が存分に発揮された名作だと思う。非SF者でも、この奇抜な発想自体は楽しいんじゃないかなあ。
 作者のソウヤーはカナディアンだとか。カナダは、そういや恐竜の本場(?)。映画『ジュラシック・パーク』でも、アルバータ州の発掘現場が出てきたっけ。
 ソウヤーを読んでみようと思ったのは、
竹内哲さんのところで同じ作者の『イリーガル・エイリアン』の読了記を読んだのがきっかけだった。本当にSFを読むのは久しぶりだったのだけれど、極上の部類を読んでしまったようだ。こんな作品に当たると、「SFって楽しい!」と、心底思う。(ありがとうございます、竹内さん)
 内容とかストーリーを語れないのは、ネタバレになってしまうから。SFには珍しいことなんじゃないだろうか。
 この人、なかなか一筋縄ではいかない作家のようだ。他の作品もひとひねりあるものばかりみたいだし、読むのが楽しみで仕方ない。


2002/12/15

ヨアン・デイマン博士の解剖学講義  書いておかないと絶対忘れると思うので書いておく。
 昨日の土曜日の
テレビ東京の番組は面白かった。「美の巨人たち」というプログラムで、1回につき1アーティストの1枚の絵をテーマに番組を作っている。
 12/14のプログラムは『ヨアン・デイマン博士の解剖学講義』。描いたのはレンブラント・ファン・レイン。
 現在、アムステルダム歴史博物館にあるこの絵は、数奇な運命をたどっている。もともとは依頼主の外科医協会の本部に飾られていたが、1723年に建物が火災にあい、絵の4/5が焼けてしまった。
 焼失をまぬがれた部分が売り払われてロンドンに渡り、やっとオランダに戻ったら、1931年には精神を病んだ青年に斧で切り裂かれてしまう。
 「呪われた絵画」と呼ばれたというが、どっちかというと流浪の薄幸な遊女のようだ。
 ブラックなことを言われるのは、たぶん絵の主題が「解剖」で、解剖されている死体もばっちり描かれているからだろう。しかも、腹腔切り開きの脳髄丸出し図である。(左側の助手が持っているのは、切り取られた頭蓋骨)
 ここでスゴイと思うのは、17世紀のオランダでは解剖は見世物だったことだ。名前は講座でも、入場料さえ払えば一般市民も入場オッケー。この絵も、まわりでは一般市民がかぶりつきで見ていたものと思われる。

 話変わって、日本刀と拳銃の資料を探しに近所の図書館に行った。
 ここの図書館は催し物の棚というのがあって、テーマを決めて、そのテーマにあった収蔵図書を飾ってある。もちろん、貸出しOKだ。
 今回のテーマは、江戸川乱歩賞と横溝正史賞とサントリーミステリー大賞の今までの受賞作をすべて並べてた上に、ここ3年の「このミス」ベスト10作品もあるものは並べちゃうという、まるで私が企画したかのような(笑)ものであった。
 いや、それは本当は関係ない話なんだわ。(ちょっと嬉しかったので書いてみました)
 図書館で食物の分類をぼんやりと見ていたワタクシ、あるものに気がつきました。
 『図説食人全書』(マルタン・モネスティエ、大塚宏子訳/原書房) 。
 大豆とか魚とかと、人肉は同じ扱いですか……。(図説、っていうのが更にヤな感じ)
 ……。
 ……借りてきましたけどさ。
 ああ、肉が主食の社会ってなあ……。


2002/12/14

 うわー、これ、面白いっ。
 実家に帰る電車で夢中で読み込んだのが『文字大全−雑誌・書籍・広告・パッケージ』(美術出版社)。
 要は雑誌・書籍・広告・パッケージの文字について、シロウトにもわかりやすく図版を交えて語ったムックなわけだけれど、「文字」に淫した私のような人間には快感を伴う1冊だわ(笑)。
 私は、ちょっとフォント・マニアのケがある。使いもしないフォントを山のようにインストールしていたので、PCの立ち上がりが遅いこと遅いこと。(今年の3月にPCがクラッシュして中味がふっとんでからは、入れておりませんが)
 フォントを集めるためなら、海外サイトで涙を飲んで英語を読む。そんなフォント・マニアなワタクシが悲しく思うのは、日本語フォントの寒さ。たまに提供されていても、せいぜいカタカナくらい。アルファベット・フォントが多種多様でシロウトでもそれなりなものを作っているのに比べて、悲しい現状だ。確かに、日本語の文字の量(カタカナ、ひらがな、漢字)を考えるとやむを得ないことなんだけれど。
 そんな私がカタルシスだったのがこの本。
 なにしろ、プロがプロのこだわりでデザインした文字と商品。もう、それだけでうっとりである。途中経過を見せてくれたりするあたりが、また素敵。
 フォントおたくでなくても、エディトリアル・デザインのあたりは本好きだったら充分楽しめる。
 デザインのキモというものも語られていて、ものすごい勉強になりました。(←正座のイメージ) HPザインとはまた違った分野だけれど、参考にしたいなあ。
 美しいデザインは、99%無駄を捨てて1%で勝負。目立たず主張せず見やすく……ね。


2002/12/13

 先月からどっかで読み終わったので、一応書いておく。『スカーレット・ウィザード外伝―天使が降りた夜』(茅田砂胡/C・NOVELSファンタジア)。
 物語世界すべてをつなげてしまうのが、いいか悪いかはちょっと考えたりするのだけれど。

 さて、会社にロボコンが来た。
 ロボット・コンテストの略号ではなく、赤いボディのガンツ先生に0点を食らってるやつでもない。英会話学習ロボットである。
 形は丸くて、直径15cmくらいの銀色のボディから手が出てる。ガンダムのハロを思い出してもらうと、わかりやすいかもしれない。
 目はAIBO方式で、(^ ^)となったり(- -)となったり、表情が変わる。話しかけると返事もする。
 ただし、このロボット、発音をチェックして70%以上ネイティブと認めないと返事をしない
 試しに部長が話しかけてみた。
「Hello, ROBOCOM. How are you?」
「Fine thank you. How are you? (^ ^) 」
 後輩Uが話しかけた。
「ハロー、ロボコン。ハウアーユー?」
「……(- -)」
「……」
「……(- -)」
 再度、発音に注意して話しかける。
「ハロゥ、ろぼこーん。ハウアーユゥー?」
「……(- -)」
「……(- -)」
「……(- -)」

 ロボコンがすぐ返品されたのはいうまでもない。
 ちなみにお値段は10万円。つくづくかわいくないヤツだ。


2002/12/12

 フェアレディZが、ブランド・オブ・ザ・イヤーを取ったというニュースを日経のサイトで見た。
 カー・オブ・ザ・イヤーも取ったし、他人事ながらヨカッタねと喜んでしまう。

 片山豊という名前を知ったのは最近で、TVでだった。
 日産を代表するスポーツカーでありながら、長いこと販売が中止されていたフェアレディZ。
 Z復活までには車好きのエンジニア3人の尽力があったり色々なドラマがあったのだが、社外のアドバイザーとして関わったのが、今年93歳で「Zの父」と言われる片山氏だった。
 片山氏は初代北米日産社長で、フェアレディZ(アメリカではダットサン240Z)を立ち上げた伝説の「ミスターK」。Zはスポーツカーでは単体売上の世界一になったのだけれど、それなのに役員にもなれず日産を退社……とくると、何か確執が、なんて考えてしまう。それも、まんざら間違いでもないだろう。なにしろ、日産の社史にその名前を見ることは出来ないのだから。
 そのままだったら片山氏は今回のZにかかわることがなかったかもしれない。でも、日産の体制は変わった。現在、社長はフランス人のゴーンさんだ。
 TVの画面に見る片山氏はその年齢を感じさせないほど元気で、アメリカでも流暢に英語を話されていた。(後天的な言語能力は衰えやすい)
 Zを見るその姿は、
「ああ、この人は本当に車が好きなんだなあ」
と、思わせる。
 20世紀末、日産の経営は傾いた。番組のナレーションは「役員に車好きがいなかったからだ」と、語る。
 メーカーはカブシキガイシャだから、利潤を追求しなくっちゃいけない。もちろんだ。そして現代では車は不可欠の実用機械。でも、この機械は、パッションをそそる機械でもある。
 だから、やっぱり自動車メーカーの人には車好きでいて欲しい。自動車に限らず、夢を売るメーカーは、好きなパワーでもってものを作って欲しい。
 これってユーザー側の勝手な願いなのかなあ。

 Z復活劇を見ていると、スポーツカーは本当に夢の車なんだな、と思う。
 社内お披露目のシーンで、Zのまわりにわらわら集まってきた社員の人達の顔はみんな嬉しそうだった。開発に携わった人も、そうでない人も自動車が好きなんだろう。私はそれがちょこっと嬉しかった。
 そして、93歳の片山氏は現在でも「現役」といい、車好きをやめていない。
 できれば私も、年を取っても「ものを作りたい好きな気持ち」を持っていられますように。


2002/12/11

 そういや昨日、無事ボーナスが出た。
 次長が
「オレ、(金の)あるうちにパスポート取りに行ってくるよ」
と、外出していったので思い出した。
 よかった、よかった。これで、紙皿を何度も洗って使ったり、試供品を「まだもらってません」と何回も列に並んでもらう生活ともオサラバだ。(って、やってませんけどさ)

 と、いうわけで、私も金のあるうちに買ってみました。『ビジュアル・ワイド江戸時代館』(小学館)。ばーん。
 フルカラー656Pのボリュームにカラー口絵多数!今なら発売記念特別価格で9,500円(税抜き)。
 ……。
 ……なんだか出版社のまわしもののようだ(笑)。
 いや、ほら、1冊1万近い本は、さすがに私も思いきりが必要で(笑)。だって、並みの学術書より高いんですぜ?(←文系の場合)
 一応資料なので、未来への投資と思うことにしよう。
 決して、今だけオマケについている52Pの「時代劇お楽しみブック」が欲しかっただけじゃありません。ええ。


2002/12/10

 最近、日記がモリナツまみれというか、ここの管理人はえっちな本しか読まないんじゃないかとかいわれそうなので、恋物語を読んでみました。しかも、主な読者層は恋に恋する若いお嬢さんというコバルト文庫。これでどうだ! 文句あるまいっ。(←誰にいばっているのだ、リオハ)
 『玄琴打鈴(ひょんぐむたりょん)』(
金蓮花/集英社コバルト文庫)。
 中華ファンタジーという言葉があるが、それでいくと、この作品はハングル・ファンタジーだろう。登場人物の名前もハングル読み。
 私はこのシリーズで初めて読んだので、非常に新鮮だった。こういうのこそ、そういうバックボーンがないと書けない小説だろうな、と、思う。
 この物語の主人公は一葉といい、読み方は「いるよっぷ」になる。弟は一葉(いるす)。二人の兄弟が織り成す悲しい恋の物語なのだが、どうして悲劇になるかは割とこのバックグラウンドに負っていたりする。儒教の中の結婚制度とか色々。
 知っているけど新しく感じるというのは、自分がどれだけ韓国を知らないかの証明なんだろうな。
 耳慣れているはずの韓国語も、文字にするととても新鮮だし。

 しかし、巻末に入っていた短編の「溟州打鈴」はスゴイ。池の鯉の悲しい恋の話だもの。(←シャレではない) 
 鯉の恋のハナシ。
 ごめん、私はこれでは泣けない。どうしても。
 お話はキレイなのだが、がんばってもオヤジギャグの方に頭が行っちゃって……。


2002/12/9

 昨日は眠くて眠くて、前の日に10時に寝たくせに12時まで眠り、さらに夜7時から寝るというペネロペ・クルズ状態。(←美容のため、日に15時間寝る女優)
 このワタクシがご飯も食べる気にならなかったので、「こりゃ体力快復に努めた方がよさそうだ」と、眠ることに専念する。みかんは食べていたので、冬向きの体になる過渡期なのかも。って、私ゃ冬眠動物かいっ。(冬のリオハ・・・・もっぱらこたつを中心にする温帯に生息。死んでいるかと思うほど活動量が減り、皮下脂肪をたくわえる。エサはみかん、せんべいなど)

 起きている合間に『両性具有迷宮』(西澤保彦/双葉社 )読了。主人公は、森奈津子。
 なんか、こう、先月から私の日記はモリナツまみれでございますね。そういや、近所のコンビニの入り口に置いてあった官能小説のタイトルは『人妻まみれ』。小学生でさえ読める字を使いながら内容を完結に説明、なおかつ作品の魅力をアピールと、なかなかタイトルのキモを心得ております。
 ……と、西澤作品の森奈津子シリーズを読むと、どーも口調が影響されてしまうわ。
 今回は、参った。誰に勧めていいのか、わからない。
 一応、あらすじを語る努力をしてみよう。

 ある日、女子大生客満載のコンビニに寄った奈津子は不意の爆発で気を失う。気がついた時には股間に男性器が生えていた。奈津子の前に現われたシロクマ型宇宙人は、誤作動させた爆弾の影響だと語る。
 そんな折、あの日のコンビニ店員が刺殺され、次に女子大生が続けて殺されるという事件が起きた。殺された女子大生は、あの日に「ピーナツ」爆弾の影響を受けたアンドロギュノスばかりらしいのだが……。

 どうだ。マイッタか。
 私もまとめながら、キーボードを打つ手が脱力したぞ。
 でも、あのSF新本格の雄、西澤保彦のことだ。きっといい意味で裏切ってくれるに違いない。そんな期待で読み進めた私の期待をさらに裏切ってくれました。まーさーに、裏切りのオートリバース。
 でも、まあ、このシリーズは森奈津子という作家を教えてくれただけでもいいか。


2002/12/8

 うはははは。
 こんなバカSF、初めて読みました。(←誉めている) 『西城秀樹のおかげです』(森奈津子/イースト・プレス)。
 表題作は、謎のウィルスで人類が死に絶えひとり生き残った主人公の語りで進む終末SF ……と、説明すると、おおおっ、なんかマトモじゃないかあっ!(笑)
 短編集なので7つの短編が入っているのだけれど、こう、どれをとっても馬鹿馬鹿しい。(←やっぱり、誉めている) どれくらい馬鹿馬鹿しいかというと、ヘソで茶を沸かしたところにさくらんぼの種が植わって大木となって花見でどんちゃんしてしまいそうな馬鹿馬鹿しさだ。(←たとえが長いけど、誉めている)
 つーことで、人生に疲れた時にどうぞ。
 なお、エロティック度はかなり高いので、苦手な方は気をつけて。個人的には18禁にさせていただきたくござそうろう。


2002/12/7

 猫宮、れおんさんに誕生会を開いてもらう。真柴さんと私のお誕生日が近いので、合同誕生会。
 近くのレストランで、おいしーランチをごちそういただいた。
 真柴さんと
「『テニスの王子様』(以下、テニプリ)新刊が出たね」
と、話して、ついでに途中の本屋で買ってうちへ。
 楽しかったです。
 あの真柴さんの萌えっぷりを見られただけでも、410円以上の価値はありました。ありがとう、テニプリ。ありがとう、不二せんぱい。

 その後、プレゼント交換をしてから(みなさま、ありがとうございます♪)、人生ゲームへ突入。ああ、みなまで言うな。毎回、人生ゲームばっかりしていることはわかっているのだ(笑)。
 今回の人生ゲームはmonoマガジン版。
 人生ゲームの面白さっていうのは、火星人に会ったり、温室の薔薇を羊に食われたりと、現実にはないキテレツな人生を送れることだ。
 個人的に、今回はれおんさんにチャンピオンの称号をお送りしたい。職業はアウトロー派DJでありながら、アイドル系同人という(コミケ前は徹夜続きらしい)、でも、カーブにいた子犬をよけるためには愛車を廃車にしてもかまわない。
 ちょっとマジメにキャラクターとして採用したくなりました。はい(笑)。


2002/12/6

 これは猫好きのための本だわ。『だれも猫には気づかない』(アン・マキャフリー、赤尾秀子訳/東京創元社)。

 時は中世。(と、本の折り返しにはある。マキャフリィのことだから異星なんじゃないか、と、思うのは私だけか?) エスファニア公国の摂政・マンガンが亡くなった。生前かわいがってた、黒煙色の毛並みのメス猫ニフィは、今度は若きジェイマス5世の寝室で休むようになる。
 すべてを見とおすような賢い猫は、隣国の野心的王の侵略や暗殺の魔の手から、若きプリンスを守りそして……。
 と、いったおとぎ話のような中篇。(猫が喋ったり、魔法使いが出てきたりはしない)

 よくも悪くも中篇で、大河ロマンを読むような感動はないかわりに、あっさり読める。
 マキャフリィは大変な猫好きのようで、プロフィールには「8匹の猫と住む」と、あった。この話も、主役はほとんど猫だ。
 だから、猫好きにはオススメ。でも、多くの猫好き作家の作中の犬の扱いって、なんであんなに冷たいんだろう。
 と、いうことで、私の評価は辛い。いえ、長年のファンにとっては、内容が物足りないからです。決して犬の書き方が酷いからだけじゃありませんとも。ええ(笑)。


2002/12/5

 私のいるオフィスは外壁が前面ガラス張りである。
 常に美しくいるためには掃除は欠かせない。と、いっても20階以上のビルの外壁となると大事。窓掃除は月イチで、ゴンドラを最上階から下ろしながら人間が人力で拭く。その作業はスピーディで、一窓(普通のベランダ窓くらいの大きさ)を2分くらいで拭いていく。
 以上のことをふまえた上で以下の分をお読みください。

 トイレに入ったら窓拭きの人と目が合った。

 ああ、びっくりした。


2002/12/4

 わびしいもの。

 夜、残業時間にトイレの個室に入っていたら、タイマーで電気が消えてあたりが真っ暗に。


2002/12/3

 もしかして、これを資料に読んだといったら、お怒りになる方もいるかもしれない。『東京タワーのペンキ塗り』(綱島理友/マガジンハウス)。もう、ものすごく楽しく読みました。すみません、すみません。(誰に謝っているのだ、リオハ)
 内容はいつもの「日常にみかけることの中からどうでもいいような不思議を追求する」ツナシマ節。
 前出の『
お菓子帖』と違うのは、「行って確認」ネタなところか。表題の「東京タワーのペンキ塗り」から「旦那たちの江戸文化」みたなちょっと文化的なものまで色々あり。
 「東京ゲイ・クルーズ」というものもある。これは、船長以下レストラン・スタッフから客までゲイオンリーのクルーズ船ではなく(当たり前だ)、新宿二丁目の取材であった。
 面白いんだけど、冒頭に書いてある

 しかし新宿二丁目にはいろいろな店があって、いわゆる筋肉系ホモ・バーという方針を打ち出しているところもあるらしい。この手の店の中には入店と同時にフンドシが支給され、店内滞在中は「それ一丁でくつろいでね」という恐ろしいシステムを採用している店もあると聞く。

と、いうのが本当なのかが気になる。ご存知の方がいたら教えて下さい。


2002/12/2

 だいぶ前に読了していたのに、感想を書いていなかった『魔法飛行』(加納朋子/創元推理文庫)。
 『ななつこのこ』の続編で、主役の駒子ちゃんが勧められてお話を書く、という体裁になっている。
 前回の入れ子の構成は面白かったので、同様の構成を取れない今回は不利だと思った。
 と、いうより、よく考えると、今回なんとなく自分がそれほどほのぼの話に感動できなくなってきてるのがわかる。これって「汚れちまった悲しみに」ってやつかなあ(笑)。
 でも、並行して読んでいるクリスマス・ストーリーなんかには心を打たれたりするので、よくわからない。
 この本はハード・カバーで出て文庫化された。『ななつのこ』は悩むところだけれど、『魔法飛行』はタイトルとあいまって、文庫の装丁の方が断然目を引く。実は、東京創元社のイラストレーターさんのチョイスはなかなか素敵だなあ、と、常々思っているのだ。
 ひらいたかこ、というイラストレーターさんを知ったのも創元の装丁だった。(その後、東京創元社から画集も出ている)絵本のお仕事をしている作家さんにミステリの表紙をやらせるのが、また素敵。

 ところで、私が本を手にするときは、1に作家、2にくるのがタイトルと……同じくらいの重さでブックデザイン。
 ひらいたかこ、で検索していたら、
creator's cafeというところを見つけた。イラストレーターに限らず、クリエーターのインタビューが載っているので、何か作っている人にはとても参考になるかも。エディトリアルデザイナー(←ブック・デザインをする人)の祖父江慎(そぶえ・しん)氏のインタビューもあるよん。


2002/12/1

 やっと完結『完結版・アーシアン3』(高河ゆん/創美社)。
 うわー、11/28が発売日だったのか。発売日に買っちゃったよ。なんか業腹。
 このマンガは15年前に連載を開始した。あの頃、いたいけな女学生さんの私もすっかりミソジだ。ほろほろ。
 なにしろツッコミどころが多いマンガで、色々なところが破綻しているのだけれど、最盛期の高河ゆんはそういうものをぶっ飛ばすイキオイがあった。たぶん、これってアイドルの絶頂期のオーラみたいなもんだろう。
 休載、休載、そして連載休止という、シリーズがすごーく多い作家さんで、それでも久々に出したもがすごい作品だったら満足なんだけれど……どうも、今回は出した1300円が非常に惜しい。
 普通だったら、こんなにグチグチ言わないけど、だって新書館からの新刊が最後に出たのが1994年なんですよう。8年ぶりに完結だったら、期待するじゃないですか、やっぱり(笑)。
 だらだら書いても仕方ないので、本日の日記はこれでおしまい。



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