そしてまた冬の世界に。。。。

行程

2日目・続き

郡山駅付近にて

夕方になったせいか、それともだんだんと再北上したからか。ちょっとまた涼しくなってくる。

でも喉が渇いていたので、駅前通りでセブンイレブンを見つけて、アイスなどを買った。

実はこの「セブンイレブン」も、わたしにとってはかなり懐かしかったりする。なぜかって、岩手には

セブンイレブンってないんだもの!!(コンビニがないという意味ではないです、念のため)


特急「ビバあいづ」磐越西線[郡山−会津若松]

(ちょっとしたヘリクツ)

「あいづ」はローマ字表記にすると「aizu」となってるらしい。

でも、今こうしてホームページなどに載せようとしてタイプするときは「aizu」と打つと「あいず」と

出てしまう。「あいづ」と出そうとすると「aidu」とタイピングしなければならないのだ。

まぁ、どうでもいいことなのかな?


けっこうホームには人がいたというのに、またも座席をGET。運がいいのかな?

会津若松に近づくにつれて温泉宿と思しき建物が増えてくる。

また、線路脇にはちらほらと残雪が見えはじめていた。

磐越西線つづき[会津若松−新潟]


乗り換え時間わずか3分。とってもヒヤヒヤしたが、それでも予定していた列車に乗り込めた。


磐越西線は、その昔、母も旅行か何かで乗ったことがあるらしく、絶賛していた記憶が微かにある。

でも、もう夜だったのでさすがに風景はあんまり見えなかった。今度は、日中に乗らなくては。

郡山を過ぎてしばらくしてから見えていた残雪は、新潟に近づくにつれて頻繁に目にするようになった。

残雪を見ながら、まだ夜も明けずひっそりと静まり返る直江津とか朝の長野の街の寒さや、コートも邪魔な

ほど暖かく、春の花が今を盛りとばかりに咲いていた水戸など、この日1日で見た風景を思い出し、たったほんの

わずかの都道府県をまわったに過ぎないのにこれだけ様子が違っている日本という国が、とてつもなく奥の深い

ものに思えてきた。


思えば、この旅に出るまでのおよそ1週間。

いろいろな事情から下宿を移ることになっていたのだが、契約期間の関係で、新居には荷物さえも運び入れられない

状態で、もといた下宿を荷物共々引き払わなければならなくなってしまっていた。

帰省中に家族から風邪をもらって帰ってきていたこともあって体調が万全とはいえず、時には何とかはやく

荷物だけはまとめなければと作業に精をだしすぎる余りに具合が悪くなって中断せざるをえなかったりしたことも

あった。

なんとか契約上の転出日より数日延長はできたものの、やはり新居に入れるまでに3日間はタイム・ラグが生じて

しまう。

荷物のほうは「何とか場所を確保して、新居に移る日まで預かっておくようにする」という話もあったが

わたしはもとより大家さんも年度末で何かと用事があり忙しく、そのうちに話はニ転三転してすりかえられて

当日には「預かるという約束などしていない。今日中には荷物は必ず引き払え」ということになってしまっていた。

<いっそ、ちょっとでかけるふりをして、入居日までどこかに身を隠してしまおうか>

そんなことも考えた。

そんなのにはお構いなしで大家さんは引越し業者に電話を入れてくださったらしく、結局予算を10000円近く

オーバーして、大きな業者に預けてしまう(そうすると、集荷してから配送までタイムラグができて、その間

荷物は業者の許に置かれる)ことになった。

部屋から家財道具をみんな運び出し、業者のトラックを送り出したあと、大家さんの顔を極力見ようとせずに

ましてや新居の住所や連絡先すら教えまいと思ったり、それからしばらくもとの下宿がある通りを2ヶ月近く

避けて生活した(新居とは歩いても10分くらいしか離れていないのだが)ことを、(この顛末を知る人で)責める

人はいなかった。


でも、列車に揺られて残雪を眺めながら一日を振り返るうちに、自分も含めて、やっぱり人間は自然以上のものには

なれないのかな、とふと思った。

特急「いなほ」白新線・羽越本線[新潟−酒田]

すっかり夜も更けてつかれていた。

禁煙車ではない車輌に乗ってしまったらしく、煙草の匂いがかなりきつい。でも、それを理由に他の車輌に

移ろうとも思わないほど、疲れていたのかもしれない。

ときどき車内の明かりが消えたような記憶はあるが。。。ほとんど眠っていた。

このとき楽しみだったのは、次の日の朝、恋人の待っている秋田に行くことであった。

人間とのやりとりに疲れて、一人になりたくて旅に出ていたのに、ただただ誰か親しい人が恋しくなっていた。


酒田駅に到着したのは日付が変わった夜中の12時過ぎだった。

地図で宿の場所を確かめて歩き出したが、途中で道を間違えているのではと不安になる。

ちょうどそこに通りかかったタクシーに乗ってしまうことにした。

ホテルの名前を告げると、運転手さんは、わたしがタクシーに乗った地点からそのホテルまでは

ほんの目と鼻の先であることを教えてくれた。そして、実際にそのとおりだった。

宿について、すっかり消耗してしまったPHSを充電器に乗せた。

そして、久しぶりのお風呂。。。。布団の上で横になって眠るのは1日ぶりでしかなかったが、それでも

久しぶりのような気がして、ぐっすりと眠ってしまう。

あと8時間で、この単独行も幕を下ろそうとしていた。


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