98年1月 こんな言葉がありました
言葉は温かい、言葉は辛い、そして言葉はやるせない
特に断りがない場合は、朝日新聞から引用しています
引用時のミスには気を付けているつもりですが、何かありましたらメールでご指摘ください
最近の言葉(1/31)
「ぜひ一度行ってみたい。来週どうしても行こう」
- 収賄容疑で逮捕された大蔵省、金融証券検査官室長・宮川宏一容疑者(53)の要求
- 第一観銀のMOF坦に対し、自ら「ノーパンしゃぶしゃぶ」での接待を持ち掛けた
- コース料理で一万九千九百八十円、コンパニオン代で5千から一万円、その他女性の飲み代含めると三万円を超える
- 宮川容疑者以外にも多くの大蔵省幹部が接待を受けたとされている
- 店の会員として千2百人を超す金融機関の社員が登録している
「接待」にまつわる言葉の数々
一年で一億飲み歩くキャリアがのうのうとしていて、二、三百万円のノンキャリアがやり玉になるとは許せない |
あるノンキャリア |
接待している側として言うのもおかしいが、ノンキャリアの人の気持ちは分かる。キャリアとノンキャリアでは、一生に手にする金額はケタ違いだ |
あるMOF坦 |
うちのMOF坦は、大蔵官僚接待といっても、せいぜいノーパンしゃぶしゃぶ程度だと言っています |
ある金融機関の広報部 |
ウチでは最近、収賄がらみの不祥事を聞かないのは、業者とのつき合い方がうまいからだと思う。目立たないよう、地方の店を使ったりとかね。厚生省がやられたのは下手だったから。今回の大蔵省などは問題外 |
農水省の古参技官 |
地方の気象台長がその町の運動会に招かれ、弁当が出される程度。接待と呼べるものはまずありません |
気象庁の係長 |
メーカーの許認可を握っているのは役所ではない。遠慮会釈なく製品の評価を下すひとりひとりの消費者だ。数が多すぎてとても接待なんてできない |
浜田広・リコー会長 |
費用? そりゃ向こう持ちだろ。向こうが誘ったんだから。だって会社のカネだろ。向こうだって自分で払っているわけじゃない |
ある大蔵省幹部 |
どこの銀行も(接待を)やってる。悪いことと思っていない。率直な意見がいえる間柄をつくる。下心はない |
ある第一観銀幹部 |
机の前で話すと大蔵省の公式見解になる。だから別な席が必要になる |
銀行局を経験した大蔵省幹部 |
担当する被告の金で連日、裁判官が飲み食いしゴルフしていたとしたら、だれがそんな裁判官の判決を信用するだろうか |
ある検察幹部 |
「オレが蔵相を兼務しているうちに辞表を出せ」
- 28日朝、首相官邸を訪れた大蔵省の小村武事務次官に対する橋本龍太郎首相の怒り
- 小村次官が10%、武藤敏郎官房長が5%の給与カット、賞与ゼロの減俸案を提示したのにキレて
「はいそうです。お許しいただけるものと思っています」
- 29日正午前、「辞意を表明しに行きます」と向かった国会前で小村武事務次官の答え
- 記者団に取り込まれ”辞表を提出するということですね”と問われ
- 28日午前に辞表を提出した三塚博蔵相に遅れること一日、「更迭」の文字が新聞に躍る中
- 「大蔵改革に全力を尽くす」と続投を宣言していたもののついに力尽き
- 「すべて事務方のトップである私に責任がある」と自らの判断で辞表を提出したと強調した
- 『蔵相の辞任は、91年10月に証券・金融不祥事で引責辞任した橋本蔵相(当時)以来。歴史は繰り返す』(憂鬱のK)
「その時、新人賞で新井素子を推したのは悪くなかったと、星さんがニコニコしていう」
- 14日行われた作家・星新一さんの葬儀で「星さんが私を作家にしてくれた」という作家の新井素子さん(37)の言葉
- 「いつか満足ゆく作品を書いたら、星さんの元に飛んでゆくのが夢でした」に続けて
- 「それをやれないうちに夢になってしまった。私が怠け者だったからです。でもいつか必ず、お墓に持っていきます。その本を読んでいただけるでしょうか」と続けた
- 1960年8月8日、東京生まれのSF作家。都立井草高校二年在学中に『第一回奇想天外新人賞』に佳作入選。高校三年の時、奇想天外社より「あたしの中の……」でデビュー。SFだけでなく、TVドラマにもなった「結婚物語」「新婚物語」(主演・沢口靖子)の原作者でもある。
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「八百本ホームラン打っている打者でも、九回裏のチャンスに三振したら、球をぶつけられてもしかたないでしょ」
- 十二年もの「地下活動」を終え十三年ぶりに出した新曲「幸せな結末」がヒットを続ける大滝詠一さん(49)の言葉
- ”大滝詠一という名前にプレッシャーはありませんでしたか?”との問いに
- 「実は売れなかったら引退する覚悟でした。だからタイトルも自分のデビュー当時のバンド名のセルフカバーにした。千尋の谷であることは百も承知。落ちたら終わりでした」に続いて
- 「キャリアなんかなんの足しにもならないですから。その覚悟をタイトルにこめた」と続く
- 娘は『テンポは遅い、サウンドは古くさい、歌い方は難しい。出だしは特に歌いづらい。はやらないと思った』
「百点をさし上げたい」
- 22日、激しい都財政状況の中、発表された予算案に対する青島幸男・東京都知事の評価
- 「聖域なき見直し」の知事の掛け声のもと大幅削減を達成した
- しかし障害者医療費助成については「やっぱり、現行通りでいこう」の知事の声で現状維持
- 「いままでで、一番私らしい」「スリムでメリハリがある」と総括した
「ある意味で未知の初物を、いわば心意気だけで買ってくれるお客さんを大事にしたいんです」
- トヨタのハイブリッド車・プリウスを開発した内山田竹志さん(51)の言葉
- ガソリンと電気モータの両方を使うハイブリッド車は燃料電池車までのつなぎとの理解を支持しつつ
- ”通常エンジンのプリウスはつくりませんか?”との問いに
「描いたあとにどう評価されるかなんて関係のないことで、制作している時間が至福の時なんです」
- 八ヶ岳にギャラリー夢宇谷、東京でギャラリー旬を主宰する画人・幸義明(ゆきよしあき)さんの言葉
- 師も持たず、いかなる団体にも属さず、公募展などへの出展は一切しない
- 画家、書道家といった名も嫌い、評論家などによって評価されることもありがたいとは思わない
- 「描く、作という作業は、人の根源的な歓喜だと思う」に続いて
- 「楽しくて楽しくて仕方がない。知性を超えた世界ですね」と続く
- 「売れるというのは大切なことです。手元の作品が消えると、また猛烈に新しい創作がしたくなる。その流れを滞らせてはならないと思います」
(1/17)
「そのためには旬でいなければならない」
- 「表現したいことはまだまだあるから本物の現役でいたいと思う」女優・加賀まりこさん(54)の言葉
- 「私はいつも、私の言葉でしゃべりたい。女優としても、この作品だったら、ほかのだれでもなく加賀まりこが欲しいと言われたいの」に続いて
- 若いスタッフや俳優を育てるには経験を積んだ人間の存在が必要だと考えている、その言葉は温かい
- 「若い人の失敗には、ただジッと辛抱する。良い作品を作るために、ベテランの多くの俳優たちが忍耐強く、自分の失敗を許して待っていてくれることが分かって、成長してゆくものだと思うから」
「タイ・ヘルプ・タイ」
- バーツの下落が止まらず経済危機が続くタイで政府が音頭をとった「救国」運動
- 米ドルや金をバーツに換えようという運動で約70万ドルが「供出」された
- 「危機克服に奇跡はない。痛みを伴う努力のみ」とはチュアン首相の言
「商いへの影響は、あるわけない。きのうと同じく閑散ですよ」
- 13日、「日本版ビックバンの阻止を訴えたかった」板垣哲雄容疑者(41)に
- 上空を旋回するヘリコプターを見てある証券会社員(36)の言葉
「私はテロリストだ。それを誇りにしている」
- イスラム過激派のラムジ・アフメド・ユゼフ被告(29)の言葉
- 六人が死亡、千人以上が重軽傷を負った1993年2月のニューヨーク・世界貿易センタービル爆破事件の犯人
- 日本人乗客一人が死亡した94年12月のフィリピン航空機爆破事件の犯人
- 8日、ビル爆破事件で懲役二百四十年、航空機爆破で無期懲役が言い渡された
- 被告は「テロは(犠牲となった)罪のない人にはつらいことだ。しかしそれは必要だった」と語り
- 米国は広島に原爆を落とし、東京を焼い弾で焼き払い、ベトナム戦争で一般市民を殺害したと述べ
- 量刑を言い渡したダフィ判事は「邪悪の使徒だ」と叱責し
- 「あなたはイスラムの教えを信じている人とは思えない」と反論
- 「アラーを神とせず、死と破壊を崇拝している」として2億5千万ドルの損害賠償と450万ドルの罰金の支払いを同時に命じた
(1/10)
「日本人で初? 日本という枠の中で、ものを考えないほうがいいと思う」
「140万の奈良市民が年10円ずつ投資すれば古代史のロマンが買える」
- 「考古学は学問半分、技術半分」の故・末永雅雄博士の教えを忠実に守り「いい仕事をすれば、予算もつき、世論も味方してくれる」と思いで
- 奈良県教委の文化財保存課長補佐だった五年前、奈良県の幹部を説得し、黒塚を抱える大山(おおやまと)古墳群の調査に取り組んだ
- 毎年一千万ずつの予算で掘り進め、黒塚は三つ目の古墳だった
「その時々の社会通念の範囲内でのお付き合いはありました」
- 日本道路公団理事接待疑惑で野村証券に続いて接待疑惑が持たれている日本興行銀行広報部の話
「さくら銀行のデータは相当いい値段で売れるだろう。しかし、この商売は道楽でやっているようなものなので、金を得ようとは考えてはいない」
- さくら銀行顧客データ流出事件で逮捕された「名簿図書館」館長・田村武男容疑者(73)の言葉
- (業務上横領容疑で逮捕された)コンピュータソフト開発会社に勤務していた藤沢康則容疑者(34)からフロッピーディスクに記録された二万人分のデータを二十万円で購入し
- 「預金者プライバシー風前の灯(ともしび)!情報漏洩(ろうえい)事件に尻尾(しっぽ)を見せたさくら銀行の不思議な行動」などと題した文書が入力されたインターネット用フロッピーを渡すなどして
- 同行から金を脅し取ろうとし恐喝未遂容疑で逮捕された