98年4月 こんな言葉がありました
特に断りがない場合は、朝日新聞から引用しています
この一週間の世界を振り返ります。どんな言葉があったのでしょう
引用時のミスには気を付けているつもりですが、何かありましたらメールでご指摘ください
♀、♂、NEWS
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最近の言葉 (4/25)
♂ 「芸力を見極めて限界と思ったら、自分でチョンと摘みたい」
- ラジオ番組『小沢昭一的こころ』が25年を迎えた俳優・小沢昭一さん(69)の言葉
- 「何でもないんですよ。何でもないから続いてきたんです。世の中めまぐるしく変わるから、何かだと変わっちゃう。伝えたいこと?
全然ありませーん」と答えた
- 『まったくもって自由なのだ。これでいいのだ。これこそ小沢昭一的こころのこ・こ・ろなのだ』(憂鬱のK)
♂ 「絵を教える気なんてない。第一、教えるものがない」
- 「絵本作家になるにはどうしたらいいんですか、とよく聞かれるけれど、ぼくにだってわからない。世の中から、指導という言葉が消えたら、よっぽど違ってくると思うね」と続く
♂ 「でも、この変革の時代には、『visit the future to find
the guide』でなければ。未来にこそヒントがある、ということです」
- この春筑波大学長を退任するノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈さん(73)の言葉
- 「日本人は『温故知新』という言葉を信じすぎるように思います。将来は、現在の延長線上にある、という考え方です。『温故知新』を英語にすれば、『visit
the past to find the guide』。」に続いて
- 「平等主義とは『評価しない』ということ。そうすると、刺激や緊張感がどんどん少なくなってしまいます」と平等主義の弊害を嘆く
- 「学生からもよく『どういう筑波大生が理想ですか』と聞かれた。日本人の一番いけないところだと思います。本来、理想とは自分で掲げるもので、ほかの人が描いた像を目指すものではないはずです」と答え
- 「教育には国の社会資本をつくるか、個人の知的財産を生み出すか、二つの方向性があると思うんです。前者は、東大に代表されるように、国が必要とするビューロクラート(官僚)とテクノクラート(専門技術者)を輩出することを目指す。だから知識習得型の人間を生む。後者は、一人ひとりの個性を生かす教育と言えるでしょう。未知なるものを追い求める問題探求型の人材を育てます」と続けた
♂ 「私自身の欠点は自分は他人より優れている、正しいと思い込むプライドと、自分に欠けているものを安易に外から得ようとする依存心が強いこと」
- 23日、地下鉄サリンなど九つの事件で殺人罪などに問われているオウム真理教元幹部・井上嘉浩被告(28)の言葉
- 「自分の内面を洞察しようとすればするほど、深い森の中に迷い込んでいきます」とも語った
♀ 「一生懸命働いて、年のことなんか気にしないことよ」
- 17日、ギネスブックに世界最高齢と認定された米ペンシルベニア州のサラ・クナウスさん(117)の長寿の秘訣
- 1880年9月24日生まれ、チョコレートが大好き。ポテトチップやキャンディーも好きだが野菜は大嫌い
- ここまで長生きしたことについて、「もの静かな性格で、何があっても心を乱すことがないからと思うわ」
- 世界の最高齢者になったことについて、「だから、どうしたっていうの」
(4/18)
♂ 「大きな声では言えないが、法律は相当骨抜きになった」
- 16日、自民政治改革本部の総会で『政治倫理確立法』をめぐる議論で武部勤さんの言葉
- 「かつて社会党には『そばに来るな』というくらい嫌悪感があったが、連立をやって自民党も学び、単独政権に返り咲いた。三党合意を水に流すわけにはいかない」に続いて
- 「『不当な行為』は『著しく不当』とすべきだ。ある人がかわいそうな時に少しの不当行為をしてあげるのが、自民党の政治だ」とは小林興起さんの言
♂ 「かれこれ三十年間、政界で過ごしてきたが、今ほど、満足、責任、感謝に満ちあふれた時はない」
- 11日、北アイルランド和平の『最終合意』を確認した円卓会議議長 ジョージ・ミッチェル元米上院議員(64)の言葉
- 94年12月、クリントン大統領から北アイルランドの経済支援のための大統領顧問に任命され
- 96年6月、対立するプロテスタント、カトリック両勢力の交渉の場『円卓会議』の議長になった
- 弁護士業務のかたわら、大西洋を100回以上往復生活の中、「超党派の妥協の名人」と言われた交渉術と忍耐強さで合意にこぎつけた
- 「警官を撃ち殺したり、丸腰のタクシー運転手を殺したりする勇気は、もういらない。求められているのは、民主主義という闘技場で、説得、公平さ、良識を競う勇気だ」と語った
♂ 「自分が偉大なゴルファーとは思わない。でも悪くないゴルファーだ。そうだろ?」
- ゴルフのマスターズトーナメントでメジャー初優勝したマーク・オメーラ選手(41)の言葉
- 84年に米ツアー初勝利から計14勝しながらメジャーだけは勝てなかった
- メジャー57戦め、マスターズは15回目の出場だった
- 最終日、最後の72ホール目に初めてスコアボードのトップに立った。3日間トップを走ったカプルス選手に1打差の逆転勝利だった
♂ 「イギリスには、芸術家にキャーキャー言う人はいない」
- 英国ロイヤルバレエのプリシパル熊川哲也さん(26)の言葉
- 「テレビに出て芸能人だと思われるのも、クマテツなんて呼ばれるのも、すごくいやだ」と続く
- TVコマーシャル、映画「F(エフ)」への出演、五千円の写真集「Crystalline」は発売4ヶ月で一万部
- 「バレエがいっさいなくなったら、自分じゃなくなる。体がついていかないんだからやめろよ、と言われるまでは、バレエダンサーとしてやっていくつもり」と語った
♂ 「ぼくの二十歳代はあと六年たらずしかない。まだ二十四歳じゃなくて、もう二十四歳」
- 長野冬季五輪の金メダリスト、男子500メートルスケートの世界記録保持者、清水宏保さん(24)の言葉
- レース中、レース前に行うメンタルリハーサルで500メートルのコース取りを完璧にイメージした「光の道」が見えるという
- 記録を出したレースでは最終コーナーの出口でその光の道から2センチ外にふくらんだ
- ”本当に、2センチの違いが滑っていてわかるの?”と問われ
- 「2センチは、自分にとっては大きな違いです。はっきりミスしている」と答えた
(4/11)
♂ 「ダーッ」
- 4日、引退試合を行ったプロレスラーのアントニオ猪木さん(55)の雄叫び
- 「闘魂とは、闘いを通じて己の魂を磨くことだと思います」と引退セレモニーで語り
- リングを下り、うつむきかげんに歩く花道の最後で振り向き、大きな笑みを浮かべて叫んだ
♂ 「最近、どうしてこんな人を採ったのかと思うこともある。せめて分母を大きくして、もっと広く採用した方がいいのではないか」
- 8日、日本記者クラブでの講演で柳井俊二・外務事務次官の言葉
- 外交官試験が廃止されて国家公務員試験に一本化されることについて述べた
- 「外交官試験という特殊な試験を行うと、競争試験だから中には優秀な人がいる一方、偏った人がいる」に続いて
- 『国家公務員試験は競争試験ではないのだろうか?』(憂鬱のK)
♀ 「そんなこと聞かないでよ。とうに老後なんだから」
- 本が売れ入ったお金も税金をたっぷり払い、骨董を少し買い、孫にご馳走したら口座は二十万しか残っていなかった
- 「骨董もカネや太鼓で探せばいいものが出てくるっていうもんじゃないけど、人だってそう。じっと待っていれば、きちんとした人のところには不思議なことに、人も、ものも、集まってくるのよ。待ってればいいの」
- 「頼まれもしないのに天下国家を心配することなんか、ないじゃあないの。それより、一人ひとりが自分の持ち場をしっかり守って、一日一日を一生懸命に生きることなのよ。私が職人を好きなのは、そういうことなの」と語った
♀ 「人のモノマネばかりしていると、声は消耗しちゃうのよ」
- 「発声の基本は一つ。でも自分だけの色を、それも多彩に持たなければ」と続く
- 8日、新国際劇場二シーズン目の開幕を飾るプッチーニ『蝶々夫人』で登場した
- 舞台に出る時間も長く歌いづめのこの役は『ソプラノ殺し』とも言われる
- 「私は『蝶々夫人』以外のレパートリーも多いから、長く歌い続けられるんです。この役と、他のオペラとを往復しながら、いかに無駄な力を使わずに歌うか、研究を積み重ねてきました」と語った
♂ 「先回りして支えたら、自分の力で立てなくなる」
- 『桜のいのち 庭のこころ』の作者、植木職人・佐野藤右衛門さん(70)の言葉
- 「木は生きようとするなら、古い枝を落としても、必ず新しい枝を生やす」に続いて
- 「結構だが、桜に甘えすぎてはいないかね」観光が優先され木の周囲を舗装し、環境を変え、それでいて木が弱ったとみればすぐに支柱を立てて枝を支える現状を嘆いて
- 一年の半分以上が桜の旅。まだ見ぬ品種を探し、手がけた木の様子を見るために飛び回る
- 古老を探して話を聞き、接ぎ穂を分けてもらい、山を歩いて種を拾う
- 「記録を残して、新しい芽を育てることはできる。次の世代に役立てばいい。自分の植えた木の花見はできんのです」と語った
(4/5)
♂ 「夢っていうのは、達成しなきゃいけない目標だと思うんですよ」
- 28日、スピードスケート500メートルで夢の34秒台の世界新記録を出した清水宏保さん(24)の言葉
- 36秒台から35秒台に縮めるまで12年かかった。ダン・ジャンセンが1993年末に35秒台を記録してから4年ちょっとしかたっていない
- ”いつ34秒台を意識したか?”に答えて「ジャンセンが35秒台を出したときです」と答えた。清水が19歳の時のことだ
- 「今日は正直言って怖かった。体験したことのないスピード感が最後まで続いたから」
- 「でも一度体験すれば、後は慣れる。33秒台? 可能性はある」
♂ 「こういう法律ができたら、全員警察に逮捕される」
- 26日、自民党旧渡辺派の総会で『政治腐敗防止法(仮称)』に対して牧野隆盛さんの言葉
- 「あっせん利得」を罰する法律を巡る論議で自民党が揺れている
- 「だれもあっせんしたらいけないとはいっていない。選挙区の人の言うことは大いに聞いてやったらいい。金をもらうのがいけないのよ」とは社民党の土井たかこ党首
- 「我々の仕事は、ある意味でいろいろな要望をあっせん仲介することにある。(政治腐敗防止法は)それそのものを禁止しているわけではないだろう。それによって何らかの利益を受けなければ問題はない」が自民党の橋本龍太郎党首の弁
- 「こんなばかなことを決めたのは、どこのどなたか」が代議士の本音
- 『不当な金をもらえば捕まるのが当たり前です。全員逮捕されなさい』(憂鬱のK)
♀ 「学歴社会が悪いのですか。それとも職場が悪いのですか」
- 文部省主催の「一緒に夢を話そう」で新中学生の大村佳代さん(12)の文相への質問
- 「東京大学を出て、官僚になった人が官官接待や汚職などをしているのは」に続いて
- 東大卒で元通産官僚の町村信孝文相は「学歴社会は関係ないでしょう。職場は関係あるかもしれないけど、一人ひとりの心構えの問題」と答えた
- 『もちろん学歴社会も職場も悪い。本人の出来も悪い。出来の悪い人間を引き上げてしまうシステムも悪い。許してきた社会も、つまり私やあなたの両親、学校の先生、みんなが悪いのです』が正解では?(憂鬱のK)
♂ 「適者生存という自然の法則を知っていますか」
- 1日、川崎信用金庫の柳川三五理事長の(入庫式で88人の新入職員への)訓示
- 「北海道拓殖銀行は九十八歳で死んだ。山一証券は百一年でこの世を去った。金融機関の人間にとって、生涯忘れられない出来事だ」と続け
- 「時代に合わせて経営を変えねば、生き残れない」と締めくくった
- 「過激な訓示かな、と最後まで迷ったが、幹部や支店長たちにこそ聞いてほしかった」と語った
♀ 「頑張らない生き方というのがキーワードしてある。間尺に合った暮らし、八分目というか、背伸びしない」
- 元漫画家で江戸の風俗、生活文化を研究する杉浦日向子(ひなこ)さんの言葉
- 「人間が楽に生き、楽に死んでいけた社会。楽ということですね。つまり生老病死とありますけど、私たちは若さと健康にだけ固執してますけど、それは一つの面しか見ていない薄っぺらな価値観ですね。江戸は生老病死を春夏秋冬のように受け止めて、享受して、老いは老い、病は病、死は死として迎え入れていた、その辺が一番ひかれる」と答え
- 「だから老いることも病むことも決して悪いことではない。それは自分の上に起こるメッセージだから、しっかり受け止めて。つまり闘病という言葉がない。病は闘うものではなく、受け入れて平らやかにいやす、平癒という」に続いて
- 現代社会のスピードについてゆけずに「隠居」し酒とそばを少々食し「道楽プラス研究・著述」の日々を送る
- 「桜ほど、ああまた一年巡りきたんだなと実感する木もないですもの。みなぎっている命の気配が背中合わせにある死も考えさせる。始まりと終わりが一緒にある」と語った
♂ 「優しさは、優位に立つ側、ゆとりを持つ側から発せられる。人類は有史以前から地球環境に寄り添って生きてきた。その地球に対して『優しい』とは倣岸不遜(ごうがんふそん)に響く」
- 「優しさがもてはやされる世を映し『地球に優しい』『環境に優しい』という表現がまかり通る」に続いて
- 「自然を支配しようとした近代合理主義の発想が染み付いたままだ」と続く
- 2月28日の声欄の碓井道子さん(24)の「私は自宅で闘病中である。でも、健康だったときには気づかなかったことに気づいた。今日の夕焼けは本当に美しかった」を取り上げ