98年8月にはこんな言葉がありました
言葉は温かい、言葉は辛い、そして言葉はやるせない
特に断りがない場合は、朝日新聞から引用しています
この一週間の世界を振り返ります。どんな言葉があったのでしょう
引用時のミスには気を付けているつもりですが、何かありましたらメールでご指摘ください
♀、♂、NEWS
マーク付けました
★最近の言葉 (8/29)
♂ 「大新聞は銀座四町目に店を出してるようなもの。でも、路地裏にでも田舎にも店は張れる」
- 「スタジオから『評論』するのは恥ずかしくて」ジャーナリスト・黒田清さん(67)の言葉
- 「大事なんは、ちゃーんとした『料理』を出すこと。畑から抜いてきた大根をそのまま出すんやったら、朝日や読売かて情報産業としての日経やリクルートには勝てん。記者が心から感じた見方で取材を深めんと」と続く
- すい臓がんの手術を受け、体力がまだ不十分のため現場に取材にいけない日々が続く
- 「行政職に上がったら、ジャーナリストではないからね。ボクの場合は、それでは一生悔いが残ってしまう」と大阪読売の編集局次長を最後に辞表を出し、ジャーナリストとして生きる
- 「ボクは、今やってるミニコミの活動に人を誘ったことはない。一緒にやりたいという人がおっても、一人でもええんです。それで、銀座に店張ってる人とも、若い人とも対等や。シニアゴルフをやるつもりはないですわ」と語った
♂ 「井上は好投していたし、一番難しい判断でしたが、一番安易なリベラでいきました」
- 22日、9回に逆転負けを食らった阪神・吉田義男監督(64)の言葉
- 8回まで一安打・無失点の好投した井上が9回連続短、長打を浴びて降板。プロ初完投が消える
- 救援リベラは無死満塁で稲葉に逆転2塁打を浴びる。この回3点を取られて2-3で敗戦した
♂ 「やらなければいけないことは本屋に行けばみんな書いてある」
- 24日発足した経済戦略会議の初会合を終えたトヨタ自動車・奥田碩社長の言葉
- 「今まで蛮勇を振るうようなリーダーが出なかったから実行できなかっただけ」
- 小渕恵三首相のウリの一つである経済戦略会議への参加を口説き落としたものの、連れない返事
♂ 「結局、過去十年間の経験で、米国型の市場経済モデルはロシアには全く向かないことがはっきりした」
- 前モスクワ市長、ガブリール・ポポフさん(61)の言葉
- 「西欧モデルをそのまま持ち込むことは難しい。各国のモデルのいいところを学びながら、ロシアは独自のモデルを探さなければならない」と続く
- ”国有財産のプリバチザーツィア(民営化)は結局、プリフバチザーツィア(略奪化)になってしまった”と嘆く声のあるロシア経済
- 「経営の知識があり、よく働く人が株を手に入れるのではなく、単にお金を持っている人が株を手に入れ、経営権を握る。これでは企業を効率よく運営できるはずがない」と語った
♂ 「いかに悔いても、そのとき負った私たちの傷はいえない。私の指は戻ってこない」
- 東京都庁爆弾事件の被害者、元知事室担当副参事さん(47)の言葉
- オウム真理教元信徒、富永昌宏被告(29)の法廷で証言した
- ”被告が申し訳ない、と反省した場合は、罪を軽くしてもいい、という気持ちがあるか”と検察官に聞かれこう答えた
(8/22)
♂ 「私はルインスキーさんと適切でない関係を持った。それは間違いだった」
- 17日、午後10時から行われたテレビ演説でのクリントン大統領の言葉
- 「私は一月の証言で、モニカ・ルインスキーさんとの関係について聞かれた。私の答えは法的には正確だった。しかし、自ら進んで情報は提供しなかった」に続いて
- 「深刻な判断の過りで、個人的なミスだった。このことは完全に私に責任がある」と続く
♂ 「百歳まで生きたいし、フランス語をもっと上手に書けるようになりたいという目標もあります」
- フランス文学者・河盛好蔵(かわもりよしぞう)さん(95)の言葉
- 89年2月に脳こうそくの発作が起きて左手足が不自由になった
- 「右手が丈夫で助かりました。体が自由に動かないことはつらいことですが、人生はまっとうしなくてはね。本も新聞も読めるし、ベッドで聴く(石原)裕次郎はいいものですよ。落語も面白い。ぼくは目はよくないけど、耳はいいのでね」と語った
- 島崎藤村のパリ時代の足跡を丹念に追った『藤村のパリ』で今春、読売文学賞を受賞した
♂ 「負ける相手ではなかった。最後までいける自信があった。横浜を抑えられるのはおれしかいなかった」
- 今大会屈指の左腕と言われ、横浜にまさかの大逆転を許した明徳義塾・寺本四郎投手の言葉
- 主将でエースで四番打者のプライドの高い左腕は「松坂君? 打者としては威圧感がなかった。投手として?
打てる自信があった」と語った
♂ 「逃げるんかい」
- 5月半ば次期社長の依頼を現社長の町田勝彦さんに固持されて
- 挑発された町田社長は「やったるわい」の気持ちになった
- 元社長の佐伯旭相談役の女婿で「口は悪いわ、がらはわるいわ」の新社長の真価が問われる
♂ 「照れて笑ってつくったら、喜劇になっちゃう。そうじゃいけないんだ」
- 日本初の特撮怪獣映画下『ゴジラ』を作った故・本多猪四郎(いしろう)監督の言葉
- 54年に登場したゴジラは22作作られ、75年までの8作を監督した
- 東京に戻る列車から広島を見た「あの時の恐怖感。それを、ゴジラを通じて表現できないか」と語っていた
♀ 「明るく、元気で、お利口であることばかり要求され、感情のやみの部分、つまり怒りや悲しみ、苦しさを封じ込めよ、と世の中は迫る。だから息苦しい」
- 「明も暗もあって当たり前なのに、口当たりの良いことばかり大切にして人間をなめてますよ(笑い)」と続く
- 手紙のやりとりで行うカウンセリングの実践を通じて子どもがどれほど敏感で、けなげであるかを感じ取ってきた。子は親を愛し、親の希望に沿っていこうと努力し、そのために自分を見失ってゆく
- 「自分をふくらませて見せるような大人の生き方を見ていると、子どもはそのうそに付き合って、自分自身を偽ることを覚えてゆく」と語った
(8/15)
♀ 「反核の思いを抱くことが反ヒンズーで反国家になるのなら、私はヒンズーであることも国民であることもやめる」
- 英国の代表的文学賞「ブッカー賞」受賞作家、アルンダティ・ロイさん(38)の手記より
- 「私自身が独立した一つの共和国になろう。私は領土も国旗も持たない地球市民であり、一人の女性だ」と続く
- ニューデリー在住でインドの週刊誌「アウトルック」に「相当な覚悟」でこの手記を書いた
- 日本自らの運動の弱さを嘆く声に「それでも語り続けてほしい。ジャーナリズムを含め、日本からの声が、この国で少数派でいる私たちをどんなに励ましているかを知ってほしい」と語った
♀ 「人に話しを聞いてもらいたいというのは、この世に生まれたことをだれかと共有したいという、生命の願いではないでしょうか」
- 十数年ぶりに詩集『地球の祈り』を出した詩人・作家の森崎和江さんの言葉
- 「でも能力や生産を優先する社会になって、言葉にうまくだせない人がふえている」と続く
- 「自分以外の人や自然を、じーっと聴くことができるようになれば、救われると思うのよ。耳を傾けあうと互いに自然に響き合うものがあるからこそ、生命界がこれほど長い間続いてきた。それを言語化しないと伝わらないつらさが人間社会にはあるけれど、表現は心を耕すことだとわかってほしいんです」と語った
♂ 「そんなところで勝負してるわけではないです」
- 7年ぶりにオリジナルアルバム「COZY」が発売される山下達郎さんの言葉
- 「あれは作家として作ったんだから。入れれば売れるかもしれませんが」に続いて
- Kinki Kidsに提供した「硝子の少年」が収められていないことにふれて
- 10月からは久しぶりの全国ツアーが始まる「忙しくなるから周りは止めるんだけど、都会からUターンしてがんばっている人に聞かせたい。若い人より、同世代に音を届けたいんです」と語った
♂ 「一人の選手として、英語が話せることは当然のことですよ」
- 150キロ中盤の快速球を武器に今季も二桁勝利を挙げたドジャースの朴賛浩投手(25)の言葉
- 「いざという状況で、韓国語で相談するわけにはいかない」に続いて
♀ 「人生、偶然は一個もないって信じてます」
- 「どんな人と会うか、何をするかは、本人が気がついてない、すごい深い潜在意識の中で決意して、この世に降りてきてるものなんだと思うの。だから、流れのようなものに乗ってやってきたけれど、それも自分の意思だったと思おうとしてる。作詞を女優も書く仕事も店も、だんな様との生活も」と語った
(8/9)
♂ 「この度、私は、内閣総理大臣に任命されました」
♂ 「外野フライで一点はとられても、次は併殺に打ち取る」
- 「世間から見ると、小渕首相は面白みが足りないかもしれない。野球の観客は無死満塁のピンチに、三者三振がとれる剛腕投手のリリーフ登板を期待するが、それは危険が大きいというのがベンチの自民党の判断」
- 「ホームランを一発くらったら、大変なことになる。打たせてとるのが小渕さん」に続いて
問題は、一点取られても試合に勝てるのかだ。観客が一人も居なくても勝てればよしとしよう |
♂ 「私は私の優しき女子学生に、万一東大生に声をかけられたら、ただ冷たく、尼寺へ行きやれと答えなさいと教えている」
- 恵泉女学園大学国際社会文化学科・小泉允雄さんの言葉
- 「文部省がその他のこと、例えば国際化とか情報化とか命じるたびに、大学生の目は鈍り、中学生はナイフ屋に走る。その文部省も上にゆけばゆくほど、東大法学部出が多くなるときく」に続いて
♂ 「常識にとらわれていては、幸福な生き方・死に方はできない」
- 冬のマッキンリー単独登頂に成功した栗秋正寿(くりあきまさとし)さん(25)の言葉
- 「登山の教科書があるなら、危険を冒すのは禁止行為だろう。でも、これが私の登山。仮に自然の猛威に屈しても後悔しない」と続く
- 冬のマッキンリー、単独登頂は世界で四人。その最年少
- 「まず、生還すること。次が楽しむこと。三番目が、運が良ければ頂上に立つこと」を信念に山と一生付き合ってゆくつもりだ
♀ 「大統領と行ったセックスの形式は、大統領の考えでは、『性的関係』にはならないかもしれない」
- クリントン大統領の不倫疑惑の相手、モニカ・ルインスキーさんの連邦大陪審での証言
!?
- 関係は1995年11月から一年半以上続き、性的関係は十数回に及んだと報じられた
クリントンさんって普段はよっぽど凄いセックスをおやりになっているんだろうか |
♂ 「『人材』とは、自分の属する組織に厳しい姿勢を貫ける人のことなんですね」
- 「大蔵省の問題もそうだが、組織益を公益と間違えているところに大きな社会的問題がある」と語った
♀ 「言葉は私たちに力を与えてくれる大切なものですが、批判的な距離を保たないと、その奴隷になってしまいます」
- 作家。詩人。批評家。映像作家。作曲家。カリフォルニア大学バークリー校教授。ベトナム系アメリカ人、トリン・T・ミンハさんの言葉
- 「創造するということは、単に新しい場所に移動することにすぎない。今の私と十年前の私は、違う場所にいるだけ。どちらがより高次か、という問題ではありません」と語った
♂ 「経済行為に乗らないこの傾向こそを、文化そのものだと言いたい」
- 「ちゃんとやる、少しでもよいものをつくろうとする、という暗黙の合意のもとに建築現場の仕組みは成り立ってきた」に続いて
- 「どんな巨大な建築でも土木構造物でも、しょせん、人の手から生まれることを、世の中のみんなが忘れている。建築は、鉄筋を組み上げる現場の人、部品を作る工場の人、そうした具体的な物に近い人たちの手作業の巨大な集合体として出来上がる」と語った
(8/1)
♂ 「『ツー・アーリー、ツー・マッチ』で頑張りたい」
- 首相就任から一夜明ての感想を尋ねられて小渕恵三首相の言葉
- 「まあ、激しい船出だけど、これからは後がない気持ちで一生懸命取り組む」に続けて
- 同年齢、衆院当選同期の橋本首相の後継への感慨について聞かれ
- 「あるといえば山ほどあるし、ないといえば何もない」と答えた
ツー・レイト、ツー・リトル!? と言われた前政権の反省の上の発言だろうけど。やり過ぎはいかがなものでありましょうか |
♂ 「晴れがましくない。大地震のがれきの山に入って行くようだ」
- 参院選で初当選し臨時国会へ出席、初登院の感想を聞かれた無所属で俳優の中村敦夫さんの言葉
- 「今までの気持ちでいたい。役者も衣装でその気になるように、権威に取り付かれる人もいるから」と議員バッチは付けない
♀ 「一種の『みそぎ』ですね」
- オペラの幕が下り歌手一人ひとりが拍手と歓声を浴びるカーテンコールについて
- 「あの瞬間は、いつも、オペラ歌手は私に向かない職業だと感じます」
- 「良くなかった時の拍手の温度の低さ、反対に素晴らしかった時の熱狂…みんなが全力を尽くしたのに、結果は残酷なまでに出てしまう」に続いて
♂ 「問題が難しいほど解かずにはいられなくなる」
- バイオ研究者から刀剣作家になった久保善博(33)さんの言葉
- 千葉大園芸学部、同大学院へと進み「いつかだれかに解明される研究を続けること」に限界を感じはじめていた時
- 人間国宝の刀匠の”鎌倉期の名刀を超える刀は一生かかってもつくれない”の言葉。二十四歳でこの世界に飛び込んだ
- 全国でただ一ヶ所、日本古来の製鉄法「たたら」を守り継ぐ島根県横田町に移り住んで五年
- 日本美術刀剣保存協会の新作刀展覧会で最高位の特別賞を受賞した
- 「計算通りに答えが出ない。それがまた、おもしろい」と語った
♂ 「音楽には、絶望を希望に変える力がある、と知ったことかな」
- 「左手のピアニスト」ラウル・ソーザさん(58)の言葉
- ピアニストとして順調だった四十歳の時、転んで右手をついたことで神経がやられ”完全な回復は無理”と医者に告げられた
- 懸命なリハビリで指揮棒を振れるまでには回復したがピアノの演奏は無理だった
- 事故から二年後のある日、楽譜を眺めていて「そうだ、片手でもピアノは弾けるじゃないか」と思い付いた
- 「それまでの技術はすべて、忘れた。ゼロ、無からの出発だった。初めは高音部のけん盤が、とても遠く感じられたよ」
- 85年、モントリオールのホールで、自ら作曲したソナタを演奏し再起の舞台を飾った。四十四歳だった
- 「ぼくを『悲劇のピアニスト』とは書かないでくれ」と語った