メキシコ旅行記

 

3月30日(木)

メキシコシティ南バスターミナルにて。タスコ行きの立派なバス。

今日はメキシコシティを発ってタスコへ向かう日。日。朝6:30頃チェックアウトし、地下鉄に乗る。地下鉄は本当は大きな荷物を持って入ってはいけないのだが、ホテルのフロントで聞いたら大丈夫だというので乗ってみる。思っていたより混んでいたが、まあなんとかなった。しかし、最初決死の覚悟?で地下鉄に乗ったときに比べると、ずいぶん大胆になったものだ。

南バスターミナルには7:10頃着。各社のタスコ行き時刻表を見ると、Esttrella de Oro社のバスが7:40発で一番近いのでそれにする。バスターミナルにはまるで空港のように各バス会社のカウンターがあり、バス乗り場へ行くゲートではX線チェックもやっている。しかも、カウンターでの発券は完全にオンライン管理されていて、名前を入力したり、座席の希望を聞いてくれたりする。バスは少し遅れ8:00頃出発したが、これまた立派なバスで乗り心地も飛行機よりずっといい。ずっと山岳地帯を走るが、ハイウェイも大変新しく快適。メキシコのバスの旅はなかなかのものである。

町のランドマークであるサンタプリスカ教会。かつての銀山王ボルダが、莫大な私財を投じて建造し町に寄贈したものという。

狭くて急なタスコの路地。あちこちに観光客目当ての露店が並んでいる。

タスコには10時前に着く。タスコはかつて銀の採掘で繁栄した鉱山都市で、当時の壮麗な街並みと銀細工を観光資源として、現在では観光都市として栄えている。ターミナルで明日の復路の切符を買い、リュックを担いで、とりあえず町の中心のランドマークであるサンタプリスカ教会目指して歩き始める。大通りをしばらく歩いていると、見上げるような坂の上に見えてきた。タスコの町は、全体に険しい斜面に作られていて、坂道だらけの町である。意を決して坂を登り始めるが、キツい。しかも、タクシーやらミニバスやらトラックやら、車通りが多い。よくあのボロビートルのタクシーがブレーキだけで踏ん張っていられるなと思うような急坂である。

坂道をぜいぜい言いながら登っていくと、やがて両側に物売りが現れ始め、気が付くとメルカド(市場)の中に入ってしまっていた。道路がそのままメルカドになってしまうなんて、なんてややこしい町だ。メルカドの狭い路地をくぐり抜け、なんとかサンタプリスカ教会の前に出る。すぐ近くの、「歩き方」で薦められていたホテルに行くと、ちょうどそのホテルから出てきた日本人とすれ違う。ホテルは、そんなに清潔とは言えないが、あちこちに装飾が施されたかわいらしいホテルである。フロントのお姉さんも愛想が良い。中央が吹き抜けになっていて、道路に面していない南側の部屋は、廊下に向かって窓がある。荷物を置き、とりあえず町に出る。

泊まったホテル、Hotel Los Castillos。

ホテルのベッド。装飾がかわいらしい。すぐ向かいの元修道院のホテルと並んで、とても良い雰囲気のところだった。

サンタプリスカ教会の前のソカロ(広場)に行くと、さっきの日本人がいた。この人は、阪上さんといって、東京で高校教師をやっているのだそうだ。しばらく話し込むが、また後ほど会いましょうといって、とりあえず町を見て回ることにする。サンタプリスカ教会は、大きくはないが、この町の雰囲気にあったこざっぱりした教会である。中をざっと見たあと、坂を上って町のさらに高いところに言ってみる。途中小学校のようなところがあり、その前の広場からの眺めは素晴らしかった。何となくスペインのコルドバを思い出してしまう雰囲気だ。その後もさらに上へ上へと登ったが、きりがないので途中で折り返す。あちこちで道路端に犬がごろんと寝ているのを見た。この町は犬が多い。

坂の上からタスコの町を見下ろす


土産物の露店にて。彩色されていない、素焼きの太陽を探していたのだが‥。

下に降りて、さらにしばらく水平に歩いたあと、見晴らしの良いテラス席のレストランで昼食。空気もきれいで、やはりメキシコシティに比べると落ち着く。いったんホテルに戻り、チェックインをして、またすぐ外に出る。今日一日しかタスコは滞在しないので、時間がもったいないのだ。今度は土産物を見て回ることにする。ずっと旅行中買おうと思っていたものがあり、それをずっと探して回ったのだが、どうしても見つからない。何かというと、「素焼きの太陽」で、メキシコではどこでも見かける(民家の塀などに掛けられている)ものなのに、どこをどう探しても売ってないのだ。素焼きの上に彩色したものなら露店にあるのだが、それだと土産物っぽくて嫌だったのだ。さんざん探したが、結局見つからず、仕方ないので、彩色された太陽と月をホテルの近くの露店で買ってガマンする。

6:30に阪上さんと待ち合わせて飯を食いに行くことに。彼の案内でサンタプリスカ教会のすぐ横のレストランに行く。建物の屋上のテラス席で、教会が間近に見える実に気持ちの良いところ。メキシカンステーキなんとかというのを頼むが、なかなかうまかった。だんだん日が暮れていく町の様子も美しい。阪上さんは、高校の先生ということで、毎休みを使って年に3回くらいは海外旅行をしているそうで、うらやましい限りである。学生時代に中野に住んでいたそうで、中野ネタで盛り上がる。メキシコ人は、不慣れな外国人にもボラない良心的な国民だということで意見が一致した。スペイン語を独学で学んでいるそうで、スペイン語が話せると旅行していて楽しいと言っていた。ホントそうだろうと思う。すっかり話し込み、20:00過ぎにホテルに戻ってそこで別れる。自分は近くのカフェで日記を付けてからホテルに戻った。


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