10月13日(月)
October 13th (Mon), タンペレ通信に
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(ホッケー初試合)
フィンランドに来てもう5ヵ月、滞在期間の半分が経過しようとしているが、タンペレ近郊以外で長期滞在したのは、7月のロバニエミのみ。「だいたい、首都ヘルシンキを知らずして、フィンランドに来たと言えるだろうか。」というわけではないが、この週末は、智のスケート教室が休みになり、前後1ヵ月で唯一、遠出をできる機会ということで、雪の降る前にヘルシンキを訪ねておこうということになった。本当は、土曜日は都会の店で買い物、日曜日は子供達を妥協させるために動物園へ行くという完璧な計画を立てていたのだが、金曜日朝の天気予報によると、土曜日も日曜日も南部は雨、しかも日曜日の最高気温は5℃だという。まあ、動物園は駄目だな。
金曜日の夕方、帰宅するとコーチのヨウニから電話があり、「土曜日の午前中ピーニッキ(タンペレ中心部の南西部で、中央広場:ケスクストリから歩いて15分)でホッケーの試合がある。第一試合は8時半から、午前中には全試合が終わる。」との連絡が入り、智はもう行く気になっているとのこと。早くも計画の実行は危なくなってきた。午後1時に試合が終わったとしても2時の列車に乗ったのでは、ヘルシンキ着は4時、土曜日の閉店時間は3時くらいだろうから、買い物は完全にアウトである。
試合開始に10分遅れて会場につくと、子供達は氷のないスケートリンク(下はアスファルトかコンクリートで、夏は確かテニスコートとして使われていたように思う)でホッケーの試合が始まっていた。天気予報通り気温は低く、薄めのセーターとコートという(日本の冬の服装)では、立っていて寒い気がする。アイスホッケーとの違いは、スケート靴をはいていないこと、テニスボールを使っていることだけ。子供立ちは、木製のホッケースティックを持ち、グローブ、ヘルメットを付け、ゴールキーパーは、例のがっちりとした防具まで付けている。まだ、ホッケースティックを買っていない智は、コーチからスティックを借りて試合に参加した。スケート靴をはいていないので、まだ自由に動けるはずなのだが、サッカーのときは動きや目付きが違う他のメンバーに圧倒され、いいところがなかった。彼等にとって、サッカーはシーズンオフのトレーニングくらいの位置付けなのだろうか。気合いの入れ方に、かなり違いがあるような気がする。
第一試合後に、今日のスケジュールを聞かされた。第二、第三試合は相手チームが来ないためキャンセルされ、12時半から始まる第四試合まで3時間の待ち時間ができるので、皆一度家に戻って出直してくるという(かなり無計画に思えるのだが、コーチのヨウニに試合の連絡があったのも金曜日の夜だったようで、彼を責めるわけにもいかない。次回、このような試合があるのはいつかも分からないとのこと)。この無計画さ、普段はあまり気にならないのだが、この日はちょっと困った。結局、我々がヘルシンキへ行く予定であることを話し、第四試合は欠場させてもらうことにした。
(ヘルシンキ駅構内) (紅葉) (国会議事堂)
(ヘルシンキ再訪)
時間は午前9時35分、ヘルシンキ行きの列車はトウルク行きの列車と違って1時間に一本あるから、10時の列車に乗れるだろうと駅に急いだ。問題は素子の足である、両方から引っ張るようにして歩き、10時5分前に駅に着く。急いで切符を買って、10時4分発の列車に乗り込んだ。土曜日の午前という時間帯のせいか列車は満員で、4人が揃って座ることはできなかった(座席の予約無く、4人が揃って座れることを空いている、ばらばらに座れば座れることを満員と定義する。ばらばらになっても座れないケースはフィンランドでは無い、と思う。)車内に、フィンランド語教室で一緒のドイツの建築家(の卵)さんが居たので、私は彼の横に座り家内と子供達は、その後の席に3人で座った。通路をはさんで反対側に席が空いていたのだが、智はそこに座ろうとしない。列車というものは無条件に座れるものだという考えに染まってしまったのかもしれない。
着いてみると、私の目的だったアカテーミン書店本店や、家内の目的だったストックマン百貨店の閉店は、午後6時、十分な時間があった。コンピュータ関係の本は、タンペレの支店よりも豊富にある。価格は割高で定価の2倍くらいで、日本の書店で購入するより少し高い気がする(米国の本はフィンランドでも洋書というのだろうか)が、内容を確認できる便利さは変え難い。書店では、日本語のムーミンの本がないかと探したが、比較的豊富な欧州言語の本(英独仏伊語などは、その言語で書かれた書籍のコーナーがある)と異なり、この店では日本語の本はほとんど見つけられなかった。絵本が3冊あったが、価格が定価の3倍では、手軽には買えない。
誤算というのは、いつもついてくるもので、この日最も残念だったのは、ホテルヘルシンキのサウナが改修中(年末まで駄目)で使えなかったことである。事前に確認しなかったのだから文句のいいようがないが、週に一回のサウナが楽しみになってしまった身としては、期待していただけに、少々辛い。部屋にバスタブがあったことも、なぐさめにはならなかった。仕方がないので、夕食時にビールを2杯(計0.8Lくらい)飲み酔っぱってしまった(この程度の量で十分酔えることが有難いが、翌朝も、少々後遺症あり)。
(モスラ?) (ホテルの朝食) (寒い昼食)
(初雪)
日曜日の夕方、ハメリンナ駅の電光掲示板では+1℃、タンペレ駅の電光掲示板は2℃の表示。駅からバス停に向かうハメーン大通りでは、みぞれのような雨が降っていた。帰宅後、ベランダの温度計で確認すると2℃ちょっと。感じた通りの冷え込みである。月曜朝の天気予報では、ここ2〜3日、フィンランド南西部の気温は最低:0最高:5℃と予想している。月曜日のラップランドは、日中も雪の予想。とうとう(日本人の感覚では)冬になったかと思って出勤した。天気は小雨混じりの曇天、ただし風はない。
先週頭からエストニア出張中のマラさんは未だ研究室に現われず、少し寂しくなって窓のシャッターを上げ、外を見ながら仕事をしていると、11時頃、白いものが空から舞ってきた。見間違いではない。これは雪である。日本で言うところのボタン雪が、ふんわりふんわりと校舎の中庭に舞い降りて、緑の芝生の頭を濡らしている。気温はプラス(のはず)、地面も冷えていないので、雪は残らないが、今日が我々の初雪である(来フィン初日にも
雪を見た
が、これは先シーズンの話しということになる)。
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