町のあるホテルでのできごと。
10歳くらいのかわいらしいメニーナ(女の子)が恥ずかしそうに
つつつっと近づいてきました。
そして、「日本がこの土の下にあるって、ほんとう?」と真剣な顔。
私は突然のその質問にちょっと動揺しながらも
「そうだよ。この下にあるんだよ。」と地面を指差しました。
メニーナは「やっぱり!」と、満足そうな面持ち。
そして私は「地球はボールみたいな形をしているから、ここがブラジルだったら
日本はこの反対側ね」と指でまるを作って説明を続けました。
すると「ボール?ボールって、バレーボールのボールのこと?!」
と、目をボールのようにまんまるくしています。
そうそう、と私。
でもメニーナは「そんなのうそだよ、信じないよ!」
といってかけて行ってしまいました。
地元の日系人に聞いてみたところ、この「日本はこの下」という言い方
はブラジル人の間ではよくするんだそうです。
「下」ということによって優越感を持つんだとか。
こちらのピアーダ(ジョーク)で、水道管を埋める作業をする時、
「オイ、そんなに深く掘るな。日本を刺しちまうだろう」というのが
あるそうです。
でもあのメニーナにとっては、「サンタクロースがちゃんとおもちゃを
持ってきてくれるかどうか」という種類のギモンなのでしょうか。
だとしたら、本当のことを知る時がいつかは来るんでしょう。
それなら、「日本はあっちよ」と空をゆび指せばよかった。