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カラオケ



週末に立て続けに二つのカラオケ大会に行って来ました。それぞれおもむきが違って面白かったです。

まず土曜日の夜に隣のカフェランジアってところの素人のど自慢大会に行ってきました。これは夜の7時からだったんで、夕方のんびりと出発です。知り合いの車に乗せてもらったんですが会場の日系人会会館が分かりません。そこで通りすがりのブラジル人に聞きました。「日本人クラブはどこ?」とポル語で聞いたところ「知らない。」と言われ、そのブラジル人は「あっ、『カイカン』のこと?それならこういって・・・」と教えてくれました。すでに「カイカン」という言葉はブラジル語になりつつありますね。僕も地元のブラジル人に「どこでに日本語教えてるの?」と聞かれたら「日本人会」とは言わずに「カイカン」って言うことにしています。そっちのほうがみんな分かってくれますから。さらにそのブラジル人のおっちゃんは、「ちょうど今そっちの方に行く用事があるから」とわざわざ自分の車を出して案内してくれました。またまたブラジル人の親切さを感じてしまいました。

カイカンについてみると開始時間にはまだ早いのかそれほど人が集まっていませんが、ここにも僕の住むリンスの人達がやってきていました。もともとカフェランジアにはカラオケクラブがなかったところをリンスの有志が指導してクラブを作ったみたいです。

のんびり待っているうちに歌の方は始まります。まずはちっちゃい子供がチューリップ。もうひとりぐらい子供が歌ったああと、大人の部に突入です。とはいってもカラオケクラブの歴史がまだ浅いのかお世辞にもうまいとは言えません。それでもみんな熱唱しています。ちなみに素人のど自慢とはいえ審査によって賞がもらえることになっていますが、審査員はリンスのお歴々です。まず第一部はカフェランジアの人達によるカラオケ大会ですが、これといって目を引くことはありませんでした。

第二部は「特別クラス」ということで、リンスのカラオケクラブの人達の歌です。さすがにカフェランジアの人達よりは上手ですね。声に艶と張りがあります。ただいつも聞いているおじさんおばさんのうたなので「ちょっと聞き飽きたかな」と思います。だいたいみんなお得意の歌のレパートリーは限られているので何回か聞いていると「あっ、これ聞いた」ということになります。

そして最後に審査結果発表と表彰。これで素人のど自慢はこれで終わりですが、日本でもよくあるようなのど自慢大会のような感じでした。

その翌日は地区の青少年カラオケ大会なるものに生徒と一緒に行ってきました。会場までは遠いので朝7時に大型バスをしたてて出発です。バスを仕立てるというところから日本との違いを感じますね。バスに乗ってみると、バスの中は満員!すごい盛況ぶりです。ちなみに今度「日本語お話発表会」があるんですが、こちらは13人乗りのマイクロバスで十分な人数しか行かないということで・・・

さて、会場となる町についてみると、前日とはうってかわってたくさんの車が集まってきています。まあ昨日は小さな町のカラオケ大会で、今日は地区のいろんな町から集まってくる大会なので比べるわけにも行きませんが。ちなみに今回は「日本語の」カラオケ大会ということで、参加者のほとんどが各地の日本語学校の生徒です。会場にはいるとさっそくカフェー。朝食が用意されていて各自自由にほおばります。奥の方に見える調理場ではこの町の婦人会の方々ががんばっていて、これはリンスでも同じですが、本当に頭が下がります。

今回は参加者が多いので、年齢別にカテゴリーを分けて歌っていきます。もらったプログラムを見ると、まずは子供の部から始まるんですが、とくに年齢の低い子供の部門を見ると、歌う曲が「チューリップ、チューリップ、チューリップ、チューリップ」です。たまに「どんぐりころころ」が入った後は、再び「チューリップ、チューリップ、チューリップ、チューリップ」。やはり子供に歌を教えるとなると一定のところに収束するんでしょうか。

子供達もとってもかわいいです。ここぞとばかりに気合いの入った衣装で、男の子は着慣れない上着を着て、女の子はフリフリのドレスか着物です。そういえば、日本でも子供のピアノの発表会の時はこうですね。用の東西を問わず、子供のステージにかける親たちの気持ちはかわらないようです。歌詞を忘れちゃってマイクを握ったままニコニコしているだけの子供なんか見るとますますかわいいですね。まわりの大人達も「がんばれ」とか声をかけてわきあいあいです。

子供達の歌がしばらく続いた後、カテゴリー「チビッコ」が始まります。歌っている子供は童謡を歌っている子供達と同じですが、曲目が童謡から演歌に変わります。日系人の演歌好きはしってましたが、「おいおい子供に歌わせてもしょうがないだろぅ」です。昨日までおしめをしていたようなちっちゃい女の子が「♪孤独な女に似合いの街よ〜〜♪」などと歌っていると・・・彼らにとって日本の歌はしょせん外国の曲なのでその中の歌詞のことなんか気にしないんでしょう。まあ日本人が英語の歌を歌ったり聞いたりするときもあんまり歌詞のこととか気にしませんからね。

そんな子供達の歌が終わると、カテゴリー「青年」です。だいたい中高生ぐらいの子供達が歌いますが、もうこちらは本格演歌です。みんなコブシばりばりです。はっぴできめた男の子や和服の女の子もたくさん出てきて、ステージ上でパフォーマンスたっぷりに歌います。このあたりからだんだんとカラオケの様相が違ってきました。昨日のカラオケも子供のカラオケも「素人が楽しんでいる」って感じのカラオケでしたが、彼らはちょっと違ってますね。自分が楽しむのはもちろん見ている人も楽しませようという意気込みが感じられます。何となく日本人とブラジル人の違いを感じます。

カテゴリー「青年」の後はカテゴリー「大人」です。こちらは高校高学年ぐらいの子供が歌います。「青年」の部であれぐらいだったんだから、と期待してみましたが、もう期待に違わない演目です。素人の僕から見たら、みんなプロ並みです。ぎんぎんにコブシを聞かせて情感たっぷりに歌います。アクションのほうはオーバーアクションかもしれませんが、かえっていい味だしてます。それもそのはず、出場者の中には全伯大会に出ているような強者達も出ているみたいです。ただ、こんなにうまく歌うのに日本語は全くダメって人がいるのがびっくりです。

初めの頃は正直言って「あ〜一日かったりいなぁ」とか思っていましたが、最後の方になると「来てよかった」と思いました。日本のカラオケとは違った、ある意味で完成されたエンターテイメントを見る思いです。ブラジルのカラオケのすごさを思い知りました。この大会で優秀な成績をとった人達の次なる目標は「四線大会」です。サン・パウロ州北西部の各地区の大会を勝ち抜いた人達が我が町で歌声を競います。その時は子供だけでなく大人の部の優秀者も参加するので今から楽しみになってしまいました。


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