町の人達がみんな寝静まった深夜。この時間も一人パチパチとキーボードを叩いていることがよくあります。まわりは本当の静寂・・・と、この静寂をうち破って聞こえてくるのは「ヒヒーン」といういななき。さすがブラジル、こんな夜中に馬で出歩いているのか、と感心しました。
日は変わって、今度は昼間歩いていて道路を横断しようとすると、前に聞いた「ヒヒーン」といういななき。「あれっ、こんな所にも馬歩いているのか?」と声のする方を見ると、やって来るのは一台の車。なんと車のクラクションが馬の鳴き声だったんです。「う〜む、日本では法律で禁止されているだろうな。」と思いましたが、車のイライラするようなクラクションをならされるよりもマシかもしれません。
それに気付いてからというのも、いろいろなクラクションがあることが分かりました。馬があるんだったら牛、「んもおおぉぉ〜〜」という鳴き声も彼方から聞こえてきます。一番気に入ったのはターザンの叫び声、文字にするもの難しいあの叫び声が町中にこだまします。そんな車を見かけたら、親指を上に立てて合図。これは「いい」とか「クール!」の意味です。運ちゃんも喜んでこの合図を返してくれます。
再び深夜。今晩も静かです。またパチパチと打っていると今度聞こえてきたのは「ヒィィ〜〜」っという女性の悲鳴。「やっべ〜、ブラジル恐ろしいよ!」と思っていました。それが何度も何度も聞こえてきます。聞こえてくるたびにゾーッとしながら寝ましたが、毎晩毎晩それが繰り返されるし、毎回同じ声です。「ん?変だな?」と思い、町の人に思い切って聞いてみました。そしたら「あっ、あれ、夜警だよ。」とのことで肩の力が抜けてしまいました。
田舎とはいえやはり深夜は泥棒があちこちに出回ります。それを見回る夜警がバイクに乗ってあちこちを走っているんですが、その時に笛を吹きながら行くそうで、その音が「ヒィィ〜〜」っと聞こえるんだそうです。全く人騒がせな夜警ですね。それを知って以来、その音(声?)が全く気にならなくなり、最近ではなっていることすら気付かなくなってきました。
こんな習慣はこの町だけかと思っていましたが、他の町に遊びに行ったときも同じ音が聞こえてきました。結構あちこちで行われているんですね。