ブラジルの冬休みといえば、運動会。運動会といえば国旗・国歌。別にここで国旗国歌論争をするつもりはありませんが、両国国歌はだいぶん違います。曲の長さが。

アッという間に終わっちゃう「君が代」にくらべると、ブラジル国歌「イノ・ナショナル（Hino Nacional）」は延々と続く長い歌です。まず前奏からして長い。一度前奏と一緒に心の中で君が代を歌った事があるんですが、悲しいことに我が君が代はイノ・ナショナルの前奏とほとんど同じ長さでした。その長〜い前奏が終わった後、これまた長い一番の歌が始まり、それが終わると二番に続きます。日本の下手な流行歌よりも長いです。

で、こちらの日系人のイベントには両国国歌が流れるんですが、長いブラジル国歌と短い君が代ではどうも格好わるい。少なくとも日系人はそう考えるようです。そこで編み出されたワザが「君が代ダブル作戦」。読んで字のごとく、君が代を連続して二回歌うんです。もちろんそんなテープなんかあるわけありませんから誰かが苦心してつないだようですが、つなぎ目が分からないぐらいの出来です。それを歌うこちらの気分としては同じ歌詞で二回歌うのもとっても間が抜けているように思えてしまうんですが、彼らが主役ですからそれでいいんでしょう。

しかしそれもこれもブラジル国歌が長すぎるから。小さい生徒（それでも１０歳ぐらい）に「あんなに長いイノ・ナショナルだけど、全部憶えてる？」と聞いたら「う〜ん、一番はなんとか憶えているけど、あとは自信ない…」という答えが返ってきました。よ〜く聞いてみると、単数形複数形のあたり、人によってバラバラだったりするし。みんなも困っているみたい。

そこで別の日系人に「なんであんなにブラジル国歌は長いんだ！」と文句を言ってみたら「そりゃブラジルは日本よりもはるかに国が大きいんだから国歌も長くて当たり前だ〜！」と言われ、妙に納得してしまって以来、この問題はうやむやになっています。

そしてこの歌詞の長さが原因で、いまだにイノ・ナショナルが憶えられないんです。ぜひとも帰国までには憶えて帰りたいです。