ブラジル人はフェスタが大好き。フェスタジュニーナやホデイオみたいに大きなフェスタから、大学生達のフェスタまで週末になるとあちこちでフェスタが行われます。車社会のブラジルですから、そんな時には会場のまわりが車でいっぱいになり駐車場探しに苦労するのは日本と同じ。
するとどこからともなく登場するのが「路上駐車管理人」達。といっても市の職員でもなんでもなく、僕からみると路上生活者に毛が生えただけの人達です。そんな管理人達が場所を探してうろうろする車を誘導し、停めてくれるのです。そして人々がフェスタで楽しんでいる間、車上荒らしや車の盗難から守ってくれます。もちろんタダというわけではなく、帰るときには幾ばくかのお金を要求しますが、見たところ多くても1R$ぐらいのようです。偏見の入った僕の目では、彼らは一歩間違えると車にいたずらをするような人達に見えます。そうすると、まるで自分たちのいたずらから守るためにお金を払うようで、日本のヤクザの「みかじめ料(下記参照)」と同じようなアコギなシステムに思えてしょうがありません。しかも管理人ごとに担当道路があるのもヤクザっぽく、管理人同士で車の取り合いをしていることもしばしば。
一度「もしお金を払わなかったらどうなるの?」と聞いたところ、「次に止めたときに10円玉攻撃(下記参照)とかいたずらをされるよ。」と教えてもらいました。やはり払わなくてはいけないんでしょうか。
こんなシステム許されるのか!と思っていたら、先日テレビで路上駐車のことを取り上げていました。我が町のような田舎では路上駐車管理人が出現するのは車が集まるフェスタの時だけですが、サン・パウロやリオのような大都会では慢性的に駐車場が不足していて路上駐車をしなければならず、そこにも管理人がいるそうです。「こりゃ困ったもんだな」と思いながら見ていましたが、管理人も迷惑なだけの存在ではないようです。テレビによると、管理人がいる道路では他の車の通行の邪魔にならないように適度な間隔で停められているようですが、いない道路ではゴチャゴチャに停められていて、通る車の邪魔になるし、最初に奥の方に停めちゃうと出られなくなったりするようです。
こうして見ると、管理人も単なるヤクザではなくて、社会の需要があって生まれたちゃんとした仕事なんですね。ただ、まわりのブラジル人を見ても、払う人払わない人いろいろいるようですが…
これ以外にも合法的な管理人もいます。ブラジルにはゾーナ・アズール(青ゾーン)というのがあって、ゾーナ・アズールに指定されている道路では車を停めることができます。車を停めると、管理人(こちらはちゃんと市から委託されている人)がチェックして、帰り際にお金を徴収するシステムです。実際やっていることは非合法の管理人と同じですね。
☆みかじめ料
飲み屋等がヤクザに払う用心棒代。これを払わないとヤクザの嫌がらせを受けるそうです。
☆10円玉攻撃
十円玉などの硬貨で車の横にギギギ〜〜っと傷をつけられること。