今でも放送されているのか知りませんが、テレビ朝日系列の「週間地球テレビ」が好きな人はいませんか?僕はあの番組のなかの「奇妙な果実」というコーナーが好きでした。海外で発見したアヤシイ日本グッズや、外国の映画の中で取り上げられている珍妙な日本について投稿するコーナーです。
ブラジルでも日本についてはいろいろと書かれてはいますが、何と言っても日系人がたくさん住んでいて身近に日本文化があるせいか案外間違いは少なく、それほどヘンなものはありません。たまに変な漢字のTシャツを見つけるぐらいです。
ところがついに見つけました。
ボーっとテレビを見ていた時のことです。面白い番組もないのであちこちチャンネルを変えているうちにカンフー映画を発見。もともとカンフー映画が好きな僕なので、「今日はこれにするか」ということになりましたが、よく見てみるとB級のカンフー映画で、なんかセットとかが怪しいんです。衣装も東急ハンズで売っているカンフー仮装セットみたいなチャチイやつだし。
でもその映画を見ているとアヤシイ忍者が登場!「なに!?」と驚いてみてみると、どうも映画の舞台は少林寺のようで、日本から少林寺を倒すために忍者軍団がやって来たというお話。カンフー映画では、「平和な町に邪悪な集団がやってきて、一度は主人公が倒されるが修行して邪悪な集団を倒す」というドラゴンボールや魁!!男塾のようなストーリーが王道で、この番組もご多分にもれずそういったお話でした。
しかし出てくるキャラが面白い。まず主人公のカンフー少年が白い胴着に赤いハチマキで、どこかで見覚えのある出で立ち。そのうち謎のインド人僧侶が出て来るんですが、これがストリートファイター2のダルシムにそっくり。そこで思い出したんですが、主人公は同じくスト2のリュウにそっくりでした。きっとスト2に影響されて作られたんでしょう。そして気になる紅一点は女性格闘家なんですが、なぜか日本のお祭りで若い衆がするようなシメコミ姿。ビキニを意識したんでしょうがニントモカントモ。
また、少林寺はお寺なので、弟子が師匠に話しかける前には両手を合わせて挨拶をします。この時の挨拶(日本だとまあ南無阿弥陀仏みたいなところかな?)がイカシてます。「アンニンドーフ」。ブラジルで放送されているので全編ポルトガル語ですが、ここだけは「アンニンドーフ」、人と会ったら「アンニンドーフ」、修行が終わったら「アンニンドーフ」、敵と仲直りするときも「アンニンドーフ」、手と手のシワとシワを合わせて「アンニンドーフ」。
それに輪をかけて面白かったのが忍者軍団です。ある日、忍者軍団と少林寺軍団が戦うんですが、ちょうど両陣営の間には川があり、両軍川になだれ込みます。忍者と川といったらやっぱ「水蜘蛛」ですよね。もちろん忍者は水蜘蛛に乗って登場…
しかしこの水蜘蛛がすごい!!
ハリボテでできた蜘蛛を水に浮かべて、その上に忍者が馬乗りになって戦うんです。そして前後に移動する時に両足をバシャバシャさせているところなんかまったくドリフターズ。いや〜思いっきり笑わせてもらいました。
そうそう、カンフー映画では必ず味方に死人が出るんですが、この映画でも主人公の親友が忍者軍団に倒されて死にました。ラストは死んだ友人を少林寺の門弟達が弔うという感動的なシーン。静かな音楽の中で全員が合唱、「アンニンドーフ」…
さすがにこんな映画は日本では恥ずかしくて放送できないでしょうね。