5月28日 金曜日
夜8時すぎの夜行バスでクリチーバ行くきました。お金があんまりないので夜行寝台バスは回避。 それでも日本では高級という部類に属する快適なバスでした。なんていっても外国人サイズなんで、日本では窮屈だった僕の体でもゆっくり足を伸ばせます。ただ、こちらのバスには暖房というものがないらしく、結構寒かったです。なにしろクリチーバでは気温がひと桁台になることもあるぐらいで、念のため持参したシュラフカバーにくるまって寝ます。
5月29日 土曜日
朝7時に到着。クリチーバにいる友人と落ち合い、列車の切符をゲット。その後セントロをぶらぶらしました。さすがに環境都市クリチーバ、緑と町の調和がすごいです。サンパウロ( Sao Paulo )でも感じるんですが、ブラジルの町は本当に緑が豊かで欧米に行ったことのない僕は「これって欧米の流儀なんだろうか?」と思います。その中でもクリチーバは自他共に認める緑の豊富な町で大きな木陰に商店が連なるさまは見逃せません。
午後のバスでパラナグアに行く予定なのであまりうろつくことができず、なぜかショッピングセンターあたりをぶらつきます。中身は日本のショッピングセンターとほとんど同じ。品揃えも完全に先進国です。まあブラジルに来てみたら「やっぱここは先進国だよ」と思うことが多いんですが、とくにクリチーバはそうですね。
その他にも「花通り」と名付けられた通りがあり、文字通り花屋がたくさん並んでおり洗練された雰囲気を感じさせます。
昼飯は「歩き方」に書いてあるヘストランチ・ミカド。日本人夫妻の経営する野菜中心のお店。実は学校で一緒に日本語を教えている先生の妹さん夫妻が経営しているお店なので「クリチーバにいったらぜひ訪ねてみて」と言われていました。中身はポルキロ風のお店ですが、おみそ汁があったのは感動でした。
ちょうどご飯を食べているころ、雨がはげしく降ります。リンス( Lins )ではこのところほとんど雨は降りませんが、このあたりではしょっちゅう雨が降るようです。
昼過ぎのバスでパラナグアに。
パラナグアはサントス( Santos )と並ぶ南ブラジルの重要な輸出港。この前のニュースでは輸出するカカオを運ぶためのトラックの順番待ち渋滞が40kmになったというほどの大きな港です。ただ、バスが着くパラナグアの町のセントロは港からだいぶん離れた湾のそばにあり、静かなたたずまいが楽しめます。海際には100年以上前の古い西洋風の建物が建ち並び、雨にうたれてしっとりと、そしてどっしりと構えています。「あ〜なんかヨーロッパみたい」と思いながら駅にむかって歩きます。
駅も古い西洋風の建物。汽車は15時出発で、その15分前に行ったら、まだ人影もまばらで、 駅員ものんびりと休んでいて日本の地方の駅といった感じです。
15時になり、汽車に乗ります。ちょうど閑散期なのか汽車はたったの一両。銀色のステンレス製の気動車で、どことなく昔関門トンネルで活躍していた機関車を思い起こさせます。客の方もまばらです。この汽車は朝の9時にクリチーバを出て、15時に折り返すもので、クリチーバからの汽車はそれなりに混むそうです。さて発車しますが途中のモヘチス( Morretes )までは平野を走り、たいして見所はありません。そのせいか客もモヘチスから乗る人が多いです。
モヘチスをすぎると汽車は山をぐんぐん登っていきます。クリチーバは標高が1000mぐらいで、パラナグアはもちろん0m。途中に海岸山脈があり、その山脈越えの景観がみどころです。ただ、この日は雨で下の方は雲海になって今し方、雲の上にそびえる峰々が神秘的な雰囲気を醸し出しています。僕が乗ったのは観光専用の列車のなので普通の駅には止まらず、逆に景色のいいところではしばらく停車してくれてシャッターチャンスを与えてくれます。
途中深い渓谷をぐるっと一回りして汽車が走るところがハイライトです。切り立った崖になると停車しながらゆっくりゆっくり進んでいきます。そのなかの一番景色のいいところに展望台があり、列車も止まり小休止。乗客は降りて思い思いに写真を撮っています。
そこをすぎると、高地になり、あとはひたすらクリチーバにむかって進みます。夜の7時頃に到着。クリチーバに到着した後、友人に電話して日系人会のビンゴ大会に合流。しかし会場に着いたころは終わっていたので、今晩お世話になる大学の先生のお宅に向かいます。
ところがそこから観光案内が始まりました。時間はほぼ9時前です。まずはクリチーバ国際空港。 ここは新しくできたきれいな美しい空港で、空港フリークには見逃せないところかもしれません。 空港の帰りにクリチーバ名物トゥルボに乗ります。よく観光用の写真に乗っている丸いチューブの形をした待合室のあるバスです。待合室に入るときにお金を払い、どこまでも乗れます。セントロを走っている普通のバスよりもバス停の間隔が長く、特急バスといった感じです。
バスの中で友人に「クリチーバはクリスタルをイメージして町づくりをしてるんだよ。」と言われましたが、確かにトゥルボの待合室はガラス張りで、バスも銀色、町中の建物もガラス張りの建物が多かった記憶があります。
その後、ナイトクラブやパブが建ち並ぶあたりを訪れましたが、古い町並みがオレンジ色の灯りに照らされてエキゾチックな雰囲気です。これも欧米文化の影響なのか町中のあかりはすべてオレンジ色の白熱灯で無粋な蛍光灯のあかりは全くありません。すごく雰囲気がいいです。
さらにその後、イタリア人が多く住むというサンタ・フェリシダージで夜食。このあたりはもちろんイタリア料理の名所で味も抜群。普通の料理屋でパスタを頼むとだいぶん前にゆでて保温しておいたあんまりおいしくないパスタが出てきますがさすがにここではゆでたてでした。ただ値段も普通のお店の2倍以上するのでちょっと痛いっす。そして帰ったのは3時過ぎでした。こっちでは夜遅くまでみんな遊んでいます。そのくせ翌朝7時ぐらいから働き始めるから信じられません。
5月30日 日曜日
この日は昼から先生の娘さんの家でシュハスコ。娘さんは日本人の先生とブラジル人の旦那さんのハーフなんですが、やっぱ美しいっす。もう言葉はいりません。こっちの片言のポルトガル語とジョーク、それにおいしいワインの力でわきあいあいとしたシュハスコでした。ただ、家族全員が違うサッカーチームのファンらしく、サッカーの話になるとさらに盛り上がりなかなかの昼食です。
それから先生に案内されて、クリチーバの市内観光。車で走っていると、市内中心部の一角に突如として日本の銀閣風の建物が出現。なんでも兵庫県が建てたものらしい。クリチーバがあるパラナ州は日系人がたくさん住んでいますが、そのつながりを感じさせるような建物でした。
また、中心からちょっと外れたところにある植物園にも行きましたが、ここはヴェルサイユ宮殿風の庭園に、そうガラス張りのかわいい建物が建っており、いかにもクリスタル・パレスといった感じがします。
その後は公園のような市内をぶらぶら観光し、Rua 24 horas というところに行きます。ここは文字通り24時間営業の店が建ち並ぶところですが、このところの不況のせいか通りの半分のお店は閉店中でした。そのためなんとなく閑散とした雰囲気です。
最後には昔の停車場を改造したショッピングセンターへ。yここはボーリング場や映画館などのアミューズメント施設とお店が融合したテーマパークのようなもので、僕の知っている範囲では福岡市のキャナル・シティーにそっくりです。日曜の夜を楽しく過ごすブラジル人家族に混じりながら一日を締めくくりました。