研修の初日、サン・パウロに朝早くついたのでパカエンブー競技場に行ってみました。ここはコリンチャンスがホームスタジアムとして使っていますがサン・パウロ市営のスタジアムで、その日の夜に予定されていたコリンチャンス×ベレスサルスフィエルドのチケットを買うために出かけました。日系人の歴史に詳しい人なら知っていますが戦後、敗戦国民ということで肩身が狭かった日系人達を歓喜させたフジヤマのトビウオこと古橋広之進がブラジル遠征をして素晴らしい成績を上げたプールも併設されています。その時、戦後始めて日本国旗を掲揚することを許され、はるか遠い故郷を思い多くの日系人達が涙したと言われています。
サン・パウロ市の繁華街パウリスタ通りからちょっと離れ、谷になっているところを下っていきます。下り坂は結構急で上から眺めると下の方がよく見えるんですが、しばらく下っていると見えてきましたパカエンブー。まずはその有名なプールが見えてきましたが、「はー、ここで日系人体が魂を震わせたんだなぁ」と思うと感慨深いです。プールの奥にスタジアムがあるんですが、チケット売場はあいにく反対側にあるようで、スタジアムをほぼ半周することになってしまいました。試合のない昼間は静かなところで、まわりの家も「一昔前は高級住宅街だった」という感じでなんとなくたそがれていて、治安も悪そうです。そんなたそがれた道沿いにサッカーチームのユニフォーム(もちろんバッタ物でしょう)を売るスタンドがあります。コリンチャンスのホームスタジアムの側なのにパルメイラスのシャツとか売っていて、ちょっと心配になります。ファンに焼き討ちにあったりしないのかな?
チケット売場で無事にチケットを買った後、最寄り駅のクリニカスまで行きましたが、駅の側にはクリニカス霊園という大きな墓地があり、ちょっとよってみることにしました。友人の話によると「ブラジルの墓はその人の人生を表しているよ」とのことで面白そう(失礼!)です。さて門を一歩入ってみると、そこは!!いや〜、日本の墓地とはやはり違いますね。まずは墓。墓というか日本の公園にあるモニュメントみたいな墓がたくさんならんでいます。ほとんどがキリストや聖母マリアをかたどった像なんですが、どれもこれもこれでもかとばかりに目立つもので、このあたりにもブラジル人らしさを感じさせてくれます。さらに、墓地も多磨霊園並に巨大ですが、町を見下ろす高台に立地しているところは「先祖をなるべく気持ちのいいところに葬ってあげたい」という世界共通の気持ちが伝わり、あぁ〜やっぱり日本もブラジルも同じだなぁと思います。
さて、その後はパウリスタ大通りでショッピングなどをした後、夜にコリンチャンス×ベレス・サルスフィエルド戦を見に行きましたが、それほど観客も多くなく、いまいち盛り上がりにかける試合でした。とはいえ少数の熱狂的なコリンチアーノの発散するエネルギーは日本のファンのそれよりも遙かに大きそうでしたね。ついでにこの日はコリンチャンスのマルセリーニョの動きが最悪でした。
ショッピングといえば、リベルダージに日本食材店「丸海」が新しくできたので行きましたが、すごいです。日本のスーパーと同じ品揃えです。こちらにも日本食材店はたくさんありますが、そのほとんどが田舎の雑貨屋クラスのこじんまりとしたものです。しかしこのお店は品物の量といいお店のレイアウトといい全く日本にいるのと同じです。
なんかだんだんとサン・パウロが観光の目的地じゃなくて、単なる生活の場に感じられるようになってきた今回のサン・パウロ旅行でした。