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1999年12月 リオ・ミレニアムカウントダウン1



ついに始まるミレニアムカウントダウン。コパカバーナで迎える2000年ヘベイリョンにむけて第一歩を踏み出しました。

12月24日 金曜日

今日はマナウスからリオへの移動です。これまでは一人っきりの旅行でしたが、これからしばらくは大人数での移動です。日本で一緒に遊んでいた友人たちもやってくるのでとっても楽しみですね。日本で遊ぶときと、ブラジルで遊ぶときではやっぱ違うんでしょうか。それでなくてもブラジルまでわざわざ来てくれるということで楽しみです。

空港までのバスで気がつきましたが結構汚れている車が多いですね。で、ひとつ笑っちゃったのが落書きです。ほこりをかぶった車に指で落書きをするのは洋の東西を問わず、同じですが、そのセンスが気に入りました。というのもある車の汚い後部に「俺を洗ってくれ!」と書いてあったからです。たんに「バカ」とか書くよりも気が利いてますね。日本でも同じようなのを見ました。これは落書きではないんですが、ある日走っていたら前の車のバンパーにテープがはってあり、そこに何か書いてありました。テープの色と文字の色が似たような色で「一体何を書いているんだろう?」と不思議に思うものの、なかなか読めません。で、思い切って接近してみると、「この字が読めるぐらい近づくな!」とそのものズバリのご指摘、ウ〜ンとうならされてしまいました。しつこくもうひとつ書きますが、どこかのトイレで正面に「右を見ろ!」右に「左を見ろ!」左に「後ろを見ろ!」そして極めつけは後ろで「トイレの中でキョロキョロするな!」をやられたときも結構衝撃大きかったです。とにかく落書きにも面白いものがありますね。

早くも機内の人となりましたが、またもやどうでもいいことに気がつきました。それはスッチーです。一人のスッチーがMrスポックにそっくりだったんです。分かる人にだけ分かってもらえばいいんですが、Mrスポックの顔をしていながらみんなに愛嬌をふりまいているのが納得いきません。MrスポックはMrスポックらしく論理的な顔をしていてほしいものです。

この後、リオまで4時間半、僕を乗せてくれたVASPですが、その間一度も映画の上映がありませんでした。マナウス行きのVARIGではちゃんとあったのに。そのくせ食べ物はたくさん出してくれました。この飛行機はサン・パウロ経由リオ行きだったんですが、マナウス→サン・パウロ区間でまず一食出てきました。その後、たった40分ほどのサン・パウロ→リオの区間でも食事が出てきたときは正直言って怖かったです。後ろのほうに座っていたんですが、自分の食事が届いたころにはもう前のほうから回収が始まっていて、昔の給食の時間を思い出しました。今はすごい速さで食事をする僕ですが、あのころは結構食事が遅く、特に苦手なおかずが出たときなんか給食の時間内で食べきれず、掃除の準備のために机を下げられちゃうという非常事態を何度か経験していました。この日は久しぶりにそのときの忌まわしき記憶がよみがえってきましたね。

それから最後に操縦士。飛行機が着陸すると、減速のために翼の上にある減速板がバーン!と立てられますが、巡航飛行中にこの板が威勢良く立てられたときには「何事や!」と思ったりしました。お客さんの精神衛生上悪いのでこれもやめていただきたいです。

機内でそんなことをブツブツ考えながらいたら、わりとすんなりとリオに到着です。さすがに国際空港らしく、世界各国の飛行機がならんでいますがボーイング747「ジャンボ」は見ませんね。JALの飛行機で一機だけありましたが、今ではあのような巨大旅客機はお呼びじゃないんでしょうか。到着後は「ご利用ありがとうございました」といういつもの挨拶が流れたんですが、最後の「ではお気をつけて行ってらっしゃい。」のところが「Feliz Natal !(では良いクリスマスを。)」になっていて、最後に登場口で見送ってくれるクルーたちも「Feliz Natal!」と言ってくれたときには「あークリスマスなんだ」と思いました。でもはっきり言ってブラジルに来てからはクリスマスなんてどうでもいいですね。当たり前ですがブラジルにはクリスマスを含めてたくさんのカトリックの行事がありますが、いちいち関わっていたら面倒なので一切顔を出していませんでした。そういう癖がついちゃうと「別にクリスマスだからって関係ないっす」って気分になっちゃいますね。よっぽど日本にいたときのほうがクリスマスのことを意識していたと思います。

サン・パウロに寄ったりしていたのでリオに着いたのはもう夜でした。セントロにある宿に着くと、合流予定の友人たちがもういました。さっそく再会を祝して町に繰り出そうとするんですが、あちこち歩いてみてもどこも閉まっています。やはりクリスマス・イブです。こっちはキリスト教の国だから、クリスマス・イブの晩にカップルが出歩いて高級ホテルに泊ったりすることはありません。みんなそれぞれの家に帰り、平和な家庭の団らんを楽しむのです。きっとレストランやバールの従業員たちも家族と一緒に幸せなイブを過ごしているんでしょう。かといって旅行者の僕たちはそうもいきません。飯を食わないことにはどうにもなりませんが、唯一あいていたのがシュハスキーニョ(ブラジル版やきとりみたいなもの)の屋台だけです。そこで晩飯にしましょう。またおあつらえ向きに近くでビールも売っています。といっても閉店後のバールですでにシャッターは閉めてあるんですが、下のほうに手だけ入るぐらいの隙間が開いていて、「○○本!」と言ってお金を中に突っ込めばビールをつかんだ手がにゅっと出てきます。なんかアヤシイ物を取引しているようですが勇気を出して頼んでみると「今日はこれで終わり」と無常なるお言葉。さらにシュハスキーニョの屋台に戻ってみてもちょうど僕の前の人で終わっちゃいました。もうやってらんないっす。

結局ホテルのレストランがやっていたので、なんとか食事にありつくことができました。ところでその晩部屋に帰って、テレビをつけてみるとケーブルテレビで「Seven years in Tibet」をやってました。日本にいるときに見逃していた映画なのでこれは!と期待してみましたが、期待に違わぬ面白い映画でした。ストーリーよりも何よりも、チベット世界の曼陀羅風色使いを見ているだけで、昔あのあたりを旅したときの思い出がよみがえってきます。忘れられないチベット寺院の独特の匂いまで漂ってきそうな映画でした。汗とバターランプと高原の乾いた空気がブレンドされた神聖なる空気。ああ〜またチベットに行ってみたい!

12月25日 土曜日

さて、今日から観光客モードを幹事モードに変更です。日本から続々やってくる友人をつつがなく迎え、丁重に案内しないといけません。ということでさっそく空港までお勤めです。空港まで行くと、国際線到着ロビーで友人の到着を待ちます。もちろんリオは国際空港なので世界中からたくさんの飛行機がやってきます。ちょうどクリスマスを地元で過ごそうという人達がたくさんいて、そこここで再会の喜びに包まれています。特にブラジルはカトリックで家族を大事にするお国柄なのですごいことになっています。あちこちで涙涙の再会劇が繰り広げられています。もちろん彼らとは関係がない僕ですが、そういった光景を見ているとほのぼのとしてきて、「い・い・な、い・い・な、人〜間っていいな。(日本昔話風)」って気分になります。

そのうち友人もやってきますが、なんか日本で会っているのと気分的にはあんまり変わりませんでした。地球の裏側で会うので普段とは違った感動があるかと思ったのに。今回来る友人は大学時代の友人で、大学卒業後は半年に一回ぐらい温泉ツアーなんかで会うだけだったので、久しぶりの再会といってもそのときと同じような感じです。もしかしたら向こうにとっては新鮮な再会だったかも知れませんが。考えてみると、僕にとってリオを含めてブラジルは毎日の生活を送っている「自分の」国で、外国という気持ちにならないところが原因なのかもしれません。

そんなこんなで友人と再会して、さっそく町に出ます。日本から24時間以上かけて来ているので大変かもしれませんが、ここはひとつもう半日がんばってもらって一挙に時差ぼけ解決という勝手な理論に基づき町を連れまわします。

まずはポン・ジ・アスーカルです。やはり日光に来たら東照宮、ニューヨークに来たら自由の女神、リオに来たらポン・ジ・アスーカルです。今日は低い雲が垂れ込めていて、あんまり景色はよさそうじゃありませんが、登ってみるだけ登ってみます。いつものロープウェー乗り場に来るとクリスマスということかさすがに観光客が多いです。いつにもまして国際色豊かでいろいろな言葉が聞こえます。そういえば、もうここに来るのは三回目ですね。

中間駅までは晴れていましたが、やはり予想通り頂上駅は雲の中。ロープウェーは雲の中に突入していきます。降りてみると、わりと肌寒い風。ガスの中であまり視界もありません。一瞬だけチラッと景色が見えたりすると、観光客がどよめきます。こんな日でも頂上でねばる観光客がいますが、よく見てみると結構日本人風観光客も多いですね。あちこちで日本語を耳にします。と思っていたら知り合いがいました。彼女はポルト・アレグレに住んでいる日本語の先生で、今日はお姉さんを連れて来ているようです。彼女と会うといつもそうなんですが「姉に比べると私無口なのよ」とかいいながら機関銃のようにしゃべってくれるので飽きません。ちょうど今は日本語教師の夏休み、南米中に友人達が散弾のように散らばっています。その多くはチリやアルゼンチンのパタゴニアやボリビアなんかに行っているんですが、僕はアマゾンに行ったのでそっちには行けません。納得ずくてアマゾンに行ったんですが少し未練が残ります。いつかは南米南部も見てみたいですね。

結局あんまり展望も開けないままにあきらめて帰ります。まあ、まだまだチャンスはあるので無理することはありません。さて、その他の友人達と合流して軽くコパカバーナあたりを歩いてみます。曇り空でなんとなくパッとしませんが、その分涼しいです。真冬の日本から来た人にはちょうどいいのかもしれません。そういえばコパカバーナには有名な宝石店がいくつかあるんですが、ウィンドーでも眺めてみようかと思ったら、何もありませんでした。さすがクリスマス、店は軒並み休業です。それよりも休業中は外から見えるところには一切貴金属を置かないというところがブラジルらしさを感じます。

しかしどの店もお休みなので、ちょっと心配になります。多分この時期でもラゴア(ホドリゴ・フレイタス湖)に行けばしゃれたレストランぐらいやっているだろうという根も葉もない確信の元にラゴアまで行ってみます。例のごとくバスは飛ばしますが、途中さしかかった急カーブのところでは座っていても危うくほうり投げ出されそうになるほどの横Gです。と思っていると、ラゴアのほとりになにやら「やぐら」が組んであり、人がたくさん集まっています。これは行かねばならないと思い、さっそく降りてみます。するとそれはサーカスでした。しかも無料ということで人が大勢集まっているようです。ただ、開園まではまだまだ時間があるのでしばらくぶらぶらしてみます。

と、目の前で思わぬ光景に出会いました。なんとブラジル人がソフトボールをしています。ブラジル人が集まったら問答無用にサッカー、たまにバレーボールという世界にずっといたのでちょっとびっくりです。そこはちゃんとしたグラウンドでバックネットとかもあるので野球やソフトボール専用グラウンドみたいですが、やっている人達は思い思いの格好で、いかにも草ソフトという感じです。どこかのちゃんとしたチームならともかく、こんな草ソフトチームがあるぐらい、リオではソフトボールが盛んなのかな?と思ってしまいます。まったく謎の集団です。

会場の周りにはピポカ屋(ポップコーン屋)やとうもろこし屋なんかがあり、いかにもお祭りといった感じ。日本で言ったらどことなく東京ディズニーランドに似ています。子供がねだり、家族が一緒に食べるという光景も日本と同じですね。もちろん僕も食べてみますがまずはとうもろこし。なんと味がついてない!生のとうもろこしを茹でただけではやっぱ味はないんですね。どうりで他の客はバターをぬったり塩をかけたりしていたはずです。ちょっとこれにはがっかりしましたが、当たりもありました。それはシュロス。最近は日本でもチュロスなどの名前で売っている細長いサクサクした歯ざわりのお菓子です。これだけだったら日本と同じですが、こっちのシュロスを買うと、真中にドセ・ジ・レイチ(コンデンスミルクのような味の牛乳を濃縮して作った甘いソース)を入れてくれます。サクサクしてやや味気のないシュロスの味と、濃厚なドセ・ジ・レイチの味が口の中でまざってとっても良い味です。これまで気がつきませんでしたが、ブラジルの食べ物のヒット作のひとつでしょう。

開園前にもいろいろとイベントがあるらしく、仮装した集団とか、民族衣装風の格好をした一団とかしましたが、ふらふらしているうちにみんな終わっちゃいました。そのうち夕暮れです。ラゴアの向こう側にはポン・ジ・アスーカルと同じくらい不思議な形をしたドイス・イルモンスが雲をまとってそびえ立ち、その向こうから金色の矢が差し込んでいるのを見ていると刻々と移り変わる時と、それでも変わらない何かを感じることが出来ました。

そのうち、日本から来たばかりの友人が眠いと言うことで僕と一緒に帰ることにします。まだ時間も早いのでバスでも拾おうと、ラゴアのほとりの大通りまで行きますが、お目当てのバスは全然現れません。仕方がないのでラゴアのほとりでぶらぶらと時間をつぶしましたが、そこにはクリスマス名物の巨大なツリーが輝いています。ここから見るとラゴアの反対側にあるツリーですが、異様に大きいです。同じくらの距離にある10階建てのビルと同じくらいの高さがあります。後で聞いたところによると、このツリーはリオの名物らしく、このほかにも何カ所かに建てられているそうです。

結局宿まで直通のバスはもう終わっているみたいなのでタクシーで帰ります。友人は車内で爆睡。そうですね。ここまで24時間以上のフライトでやってきて、そのまま一日歩いたんですから相当疲れていたんでしょう。友人を部屋に送り届けた後、僕も遅まきながら夕食です。昨日食いっぱぐれたシュハスキーニョの屋台です。まわりを見てもクリスマスということで開いている食堂がありません。それに人通り自体少ないです。クリスマスになると物欲を満たすために町に繰り出す日本とは違って、こちらではちゃんとした宗教行事として生きているみたいで、みんなこの日だけは家族とともに集まって日々の幸せを神に感謝するんですね。そんななか、今日も屋台に来ている人達、その中でも酔っぱらっている人達はちょっと悲しい過去でもあるのかもしれません。

しかし僕にとっては今日は365日のうちの単なる一日でした。これほどクリスマスを感じない一日を過ごしたのは初めてかもしれません。きっと家々では暖かい明かりに照らされながら聖なる一日を祝っているんでしょう。僕は高いビルに囲まれた路地にある屋台でシュハスキーニョとビールを片手にそんなクリスマスの夜空を見上げていました。

12月26日 日曜日

朝の報告によると、昨日日本から来たばかりの友人はリオを出発し、さっそく近くの町に行く模様。リオの観光を一日で済ましてしまうのももったいないと思うけど、それ以上にのんびりとした旅に慣れてしまった自分と、いにしえのJALパックなみのスケジュールで行動する日本の友人との温度差を感じてしまい、「ああ、また日本人から一歩遠ざかってしまったなぁ」と感慨に耽ってしまいます。

さて、今日も日本から友人がやって来ます。だいぶんなれてきたバスで早々に空港に向かいます。何事もなくピックアップした後、バスに乗って行くんですが、車内で「リオの街は舗装されているんですか?」の質問に内心「バカモン!!ブラジルをなめるでないぞ!」と思いつつも、「ちゃんと舗装されるよ」と答えておきます。きっと日本にいる多くの人はブラジル全体がジャングルで、僕も猿と一緒に生活していると思っているんでしょうね。そういえば、ブラジル在住の友人(日本人)が日本にいる友人に「昨日夕食をとっていたら窓から猿が入ってきて、奪われてしまいました。」と書いたら本気で心配されたそうです。

ちょっと「ブラジルのいいところを見せなければならん!」と思った僕はホテルでちょっと休んだ後、ガレット(ステーキ食堂)に連れていって一番おいしいピッカーニャを食べさせることにしました。ピッカーニャは牛の腰からお尻にかけての肉で、柔らかく脂身もおいしいところです。未だかつてピッカーニャを食べてまずいと言った日本人はいません。そしてその後に「こんなおいしい肉、日本にはないです。」という言葉が続くんですが、この友人もこの例に漏れず、たいそう気に入ってくれたようで、ホッとしています。

そういえば、こっちには霜降りのような肉はありませんね。肉なら肉!って感じではっきりしています。それに日本だとロースとカルビぐらいしかないけど、さすが肉食文化ブラジル、肉の部位別にたくさんの種類があり、またそれぞれ味が違っているのですごいです。もう今から「日本に帰ったらこんなおいしい肉は食べられないんだよなぁ」と思うと無性に悲しくなっちゃいます。

その他リオの名物というかブラジルではどこでもおいしいんですが、果汁100%のナチュラルジュース。これも日本にはあまり無いものですね。僕が好きなのはカジューのジュースです、ってオヤジギャグみたいですが、カジューという果物は実際にあります。日本でもカシューナッツが売っていますが、そのことです。「カシューナッツでジュースを作るの?」と思うかもしれませんが、カシューナッツの実の下にはピーマンみたいな形をしたもうひとつの実がくっついていて、これが果汁豊富でとてもおいしいんです。カジューのジュースはこれを絞って作ります。ただ、カジューの汁が洋服に付くとシミになって取れないという話です。

さらにブラジルが実は都会だって事を教え込むためにコルコバードのキリスト像に登ることにしました。今日は天気もいいし、最高の景色を見ることが出来るでしょう。頂上行きのケーブルカーの駅まで行ってみるとすごい人です。さすがにあと数日後に迫ったヘベリョンにむけて人がたくさん集まっているみたいです。大型観光バスも多く、お金持ち風のお客さんもたくさんいます。

電車に乗ってしばらく行くと、デジカメを持ったお姉ちゃんがやって来て、車内の客一人一人の写真を撮ります。別にサービスというわけではなく、ここで取った写真をPCに取り込み、プラスチックのお皿にその写真を吹き付けて売るのです。登るときに写真をとって、その客達がコルコバードの観光を終えて、下に降りるために再び駅にやって来たときに売りつけます。電車がやって来るまでにはしばらく時間があり、駅の待合所みたいなところでしばらく待つんですが、皿売りのお姉ちゃん達が観光客一人一人の顔を見て、その人のお皿を探し出して交渉開始です。あちこちで戦いが繰り広げられますが、なによりも客の顔が印刷された皿を探し出すときの彼女たちの目は、もしかしたらいままでブラジルで見てきたなかで、一番真剣だったかもしれません。ただ、この皿を買った人の話によると、簡単な吹き付けのためしばらくすると色が落ちてしまうそうなのでご注意下さい。

さて、頂上駅に着いてみると素晴らしい天気。前回来たときは完全にガスの中だったので楽しみです。なんか僕が一番喜んでいるみたいです。頂上にいたる階段沿いにあるおみやげに寄るのももどかしく、登っていきます。頂上から見た景色は「絶景かな、絶景かな」、青空の下にリオの街がくっきりと浮かび上がっています。青々として入り組む入り江に、街のあちこちにもこもこと盛り上がっている奇岩、それに真っ白なプライアと、林立するビル群がすばらしくマッチしています。やっぱリオの街はきれいっすよ。世界で一番美しい街って言われるのも納得ですね。さすがにこの日は天気がいいでの観光客がたくさんいます。おみやげ屋に怪しい写真やがゴチャゴチャいて、その間を大勢の観光客がうろうろしている光景はどこの国の観光地でも同じです。ブラジルにはそういった有名どころの観光地が少ないので、たまにそんなところに出くわすと、日本にいるみたいで懐かしくなりますね。しかも観光客の中には日本人観光客もいるようで、たまに日本が聞こえます。いままでいろんな観光地に行きましたが、ほとんど日本人を見かけなかったので、久しぶりに日本人観光客を見かけてちょっとうれしくなりました。やっぱリオまで来る人はいるんだ。

ところでコルコバードのキリストは東側に広がる町に向かって大きく両手を広げているので、午後ここを訪れると背中から光を受ける格好になり、あんまり写真うつりがよくありませんが、逆に町の写真を撮るには午後が絶好のチャンスです。とはいえ背中から光を受けるキリストも結構いいもんでしたよ。なんか後光がさしてるみたいで神々しさ1.5倍って感じでした。どうでもいいんですが、日本で貧乏生活をしていた頃にはカップラーメンの「○○1.5倍」というヤツにとてもお世話になっていたんで、「1.5倍」という響きには愛着が感じられます。

あまりの景色のすばらしさに長居をしてしまいましたが、まだまだ他にも行かなければいけないところがたくさんあるのでコルコバードを後にします。もちろん帰りも電車ですが、下っている途中に白い柱を見かけました。なんかどこかで見たことがあります。怪しいな?と思ったらやっぱり「世界人類が平和でありますように」と書いてあるじゃないですか!恐るべき分布力ですね。この柱は。ホントかどうか知りませんが、ヒマラヤ鑑賞の絶好のスポットであるカラパタールの丘の上にもあるそうで、ひさかに日本が誇る世界の一品かもしれません。なんか世界が滅亡した後でもこの柱とゴキブリだけは残りそうです、なんて考えるのは「世界人類平和教」に対して失礼かな?

眠そうな友人を引き連れて、今度はイパネマ海岸の方に行きます。バスがイパネマに近づいてくるとまたまた面白いものを見かけたので思わず途中下車してしまいました。それはキリスト生誕の模様を描いた模型です。クリスマスの時期になると、あちこちでこういった模型が作られ展示されるんですが、これは完成度、大きさともにレベルが高いですね。馬小屋で誕生したシーンが描かれていて、ちゃんと小屋の上にはキリストの誕生を告げる星や、天使が飾ってあり本格的です。これはシーズンが終わると片づけちゃうそうで、さしずめ日本でいうところの雛人形みたいなもんでしょうか。

模型が飾ってある教会のそばには公園があって、花のフェイラがありました。白やピンクのきれいな花が並んでいましたが、そのなかに白い菊の花もありました。たぶんこの花はクリスマスから年末にかけてプレゼントに使うための花でしょうが、白い菊をもらってもうれしくないですね。もちろんこれは日本人の習慣で、ブラジルでは全く関係ないんですけど。ま、白い花はどうでも良くて、一番気になったのが端っこにおいてあるボンサイ。ブラジルでも日系人を中心として盆栽がはやっていて、ブラジル人の間にもじわじわと浸透しているとのことなので興味があります。で、近くに寄ってみてみると「!!!、おいおいこんなんで盆栽かよ、何も知らない客をだましてるだけやんか!」といった盆栽が目白押し。どう見てもそこら辺に生えている松の木の枝を切って刺しただけにしか見えません。こういった盆栽を喜んで買って家に飾って喜んでいる人がいるんでしょうか。それだったら僕も盆栽屋になった方がいいのかなぁ。

そしてイパネマの海岸に行きましたが、天気もいいだけあってかなりの人出です。また、今日は平日にも関わらず、海岸沿いの通りが歩行者天国になっていました。もうこれから年末にかけてはお祭りモードになるんでしょう。その歩行者天国を歩いている人はみんな水着です。走っている人も、ローラーブレードに乗っている人も、自転車に乗っている人も、みんな水着。そのなかでいかにも旅行者風のバックパックを担いだ僕たちはかなり浮いていましたね。プライアの方を見てみると、これもヘベイリョンの準備なのかやぐらが組んであります。年末カウントダウンの時にはここでコンサートが開かれ、辺り一帯がディスコになるそうです。世界最小の布地面積を誇るブラジルのビキニにはもうなれてしまった僕ですが、真冬の日本から来た友人にはちょっと刺激が強すぎるので、目を回さないうちに移動した方がいいでしょう。

一日の最後はポン・ジ・アスーカルです。夕暮れのころを狙って行ってみたんですが、同じ事を考えている人はやはり大勢いて結構並んでいて、頂上に着いた頃は太陽も沈んじゃって暗くなっていました。でも暗くなったらなったでまた楽しいのがポン・ジ・アスーカルのいいところ。リオの夜景を楽しんでもらいました。今日、初めて晴天のコルコバードにも行ったので、これでコルコバードとポン・ジ・アスーカルの両方を見たことになりますが、それぞれ違いますね。コルコバードの方が内陸に位置しているのでリオの街を概観するのにはいいようです。地図に載っているリオの街を確認するには最適です。それに比べるとポン・ジ・アスーカルはリオの街と湾をはさんで反対側になるので地図の確認には向いていません。でも海と山とビルの絶妙な関係を楽しむにはこちらがいいですね。それになによりも展望台にカフェがあり、しかもコルコバードよりも遅くまで開いているので、ビールでも飲みながらのんびりと景色をたんのうするには最適です。


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