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2000年1月 みんなのイグアス2



1月3日 月曜日

今日はアルゼンチン滝です。前回のイグアス旅行では時間の都合であんまりアルゼンチン滝を歩くことが出来なかったのでちょっと楽しみ。ただ、この前は公共バスの乗り継ぎが悪くて結局高いタクシーを使うことになったので、今回は他の宿泊客達と一緒にワゴンをチャーターして行くことにします。そんな僕たちがまず初めに向かったのがメルカード。アルゼンチン側はブラジル側にくらべて物価が高く、レストランもビックリするほど高いので事前に食料調達です。といってもパンとチーズとハムというブラジル式サンドイッチセットに果物をいくつか買っていくだけです。ただ、飲み水として買っていったペットボトルの水が実は炭酸水だということが後で発覚し結構辛い目にあいました。小さいペットボトルを買うときは炭酸水かミネラルウォーターかを注意して買うんですが、2リットルのペットボトルでよもや炭酸水なんかないだろうと思っていたのが間違いでした。

それに気づくこともないまま僕らを乗せたバンは出発。アルゼンチン滝をめざして一路国境を越えます。ここは八月も越えた国境ですが、今回はちょっとドキドキ。というのも今持っているブラジル連邦警察の仮身分証明書が期限切れになっていたからです。かといってパスポートは家にしまっちて持ち歩いてなんかいないのでこれだけが唯一の証明書。他の人のパスポートと一緒に運転手に渡します。「ま、なんとかなるさ、ブラジルだから」と落ち着くそぶりを見せながらも運転手が国境の係官と話して、パスポートを見せたりしている間はビクビクしているところが僕らしいといえば僕らしいんですが、結局何事もなく通過することが出来て安心。

さて最初の目的地はイグアスの滝の上流です。もちろん滝の上流には普通の川があるわけですが、昔は川岸から滝のへりまで遊歩道が延びていたそうです。しかし水害で流されてしまったので今ではボートに乗って展望台まで行きます。もちろんボートに乗る前に水鉄砲に弾丸を充填することも忘れません。それを見ている渡し守のあきれた視線なんか無視したことも言うまでもありません。ボートを待つ間に他の客から「あっちにワニがいるぞ!」という声があがったときも、右手には水鉄砲を持って駆けつけました。そしてもちろんワニを撃退!これでイグアスの平和も保たれたっていうもんです。

川岸から見るイグアス川は広い緩やかな流れで水深もそれほど深そうではありません。樹林帯の中を広く静かに流れる穏やかな川といったところですね。しかしここから200mも下れば轟々と流れ落ちるあの迫力のある滝になるんですから自然の力はすごいもんです。また、ボートにのって川面をのぞき込むと、そこには大小さまざまな魚が群れていてここにもブラジルの自然の豊かさを感じることが出来ます。ただ、そこで考えたんですが一度この滝から落ちちゃった魚は二度と上には上がれないですよね。ということは、この川にいる魚達は一度も下流の魚と交わったことがないんでしょうか。だとするとここはロスト・ワールド、ギアナ高地と同じようなものです。するとこの川の上流では他には見られないような不思議な魚とかいるのかもしれません。

ボートはやがて流された遊歩道の残骸にたどり着きます。ここから遊歩道にあがり、歩いて滝の落ち口を望む展望台に行きます。この遊歩道のまわりには流されたコンクリートの破片や、壊れた橋脚などが転々と散らばっていて、イグアス川の威力を物語っています。それを見ていると「すみません、ちょっと自然の中を歩かせてもらってます…」という謙虚な気持ちになりますね。

そしてたどり着いた展望台。目の前は悪魔の喉笛の最深部、狭い溝に大量の水が滝のように(ってここは滝ですが)流れ込んでいます。それを前にするといにしえの大航海時代に想像されていた地球の果てを見ている気がします。ここで地球は終わり、果てしない深淵に向かって水が流れ落ちていく光景はまさにこのようなものなのかも知れません。

と、高尚な気分にひたったりするものの、やはり目の前の下世話なことに目が向いてしまうのが人間の性。今回のターゲットは「写真屋」です。ブラジルにかぎらず、観光地に行けば「一枚500円」などの看板を立てた写真屋がいますよね。ここにもそんな写真屋がいるんですが、ちょっと仕事がヘン。ある観光客が「お願いします!」っていうと、おもむろにその観光客のカメラを受け取るんです。で、ちょっとした踏み台の上に乗って、滝をバックにしたその観光客の姿を観光客自身のカメラで撮ってます。っておいおいお前、そんなことで商売になるのかよ!全然資本投資してないじゃん!人のカメラ借りてるだけじゃん!う〜むやはり南米でには日本人には想像も出来ない商売がまだまだたくさんあるみたいです。

滝の上流を楽しんだ後は、アルゼンチン滝の核心部へ。まずは行動拠点のビジターセンターです。アルゼンチン側はブラジル側にくらべて複雑な遊歩道が張り巡らされ、自然公園という雰囲気が強いです。それに環境にやさしい公園を心がけているところもブラジルと違います。これからその長い遊歩道を歩くことになるのでさっそく腹ごしらえ。センターの床の上に先ほどメルカードで買った食料をドドーンと広げて十人近い日本人がムシャムシャとパンを食べる姿はやや異様のようで、通りすがりの人々が珍しそうに見ていきます。でもこちらはミネラルウォーターと思っていた水が炭酸水だったのでそれどころではありません。こっちの炭酸水ってすぐに気が抜けるのでその前に飲み干さないといけません。だって気が抜けた後の水って変な味がしますから。

あまり美味しくない食事を終えると出発。センターの近くの遊歩道は八月にあらかた歩いていたので迷うことはありません。遊歩道のあちこちにある展望台ではみんな思い思いに写真を撮っていて楽しそうですが、実は僕は結構苦しい道のりでした。ずっと続いている下痢のせいか体がだるくて歩くだけで大変です。それでもまだ平坦な道はいいんですが、ちょっとした階段があるだけでかなり疲れます。あ〜、数年前は一日2000m登っても平気だったのに、今はたった数段の階段でさえ登りたくありません。でも道案内人が帰るわけには行かないので歩いていきますが、そんな事情もあって、景色を楽しむ余裕はありませんでした。

さて、前回、渡し船に乗って川を渡った先にある中之島、サン・マルチン島が結構楽しかったので今回もみんなを案内します。ただ、渡し船があるのはもちろん川のそば。今歩いている遊歩道は高いところにあるので、船着き場までくだらないといけません。下ったからには登らないといけないわけで、今の僕の体調ではそれはイヤなんですが、やはりあのサン・マルチン島にみんなを連れていかないわけには行かないので心を鬼にして坂を下っていきます。

船着き場に着くと、サン・マルチン島への渡し船以外に、アルゼンチン滝の間近に迫るボートツアーもそこから出ています。昨日のボートツアーが相当楽しかったのか、みんな一も二もなくツアーの申し込みをしています。もちろん僕も。昨日のツアーはイグアス川の下流からガンガンと上流にさかのぼって滝に近づきますが、今回のツアーでは船着き場のすぐ目の前がアルゼンチン滝です。さっそくスタートしたボートはすぐに滝の目の前へ。そして躊躇することなく滝に突っ込んでいきます。今回も頭から水をたたきつけられ、びしょぬれ。それでも言わねばならない「De novo(もう一回)」のかけ声。今日も思う存分楽しませてもらいました。滝に打たれている瞬間、目の前に見えるのは真っ白な壁、聞こえるのはすさまじい轟音、感じるのは体にのしかかる水圧だけで、他の全ての感覚がシャットアウトされます。なぜかその瞬間宇宙の真ん中の何もないところにいるかのような気分になるのはなぜでしょう。

パンツまでびしょぬれになりながら再び陸に上がると、今度はサン・マルチン島にわたるべく無料の船着場に行きます。そのとき、我らが一行は例のごとく水鉄砲を持っていたんですが、手に手に水鉄砲を持った僕たちに気づいた渡し守たちは、話を止めてサッと両手を上げます。で「何もしないから助けてくれ!」って言うところが芸人です。その場で的確なアドリブをかます渡し守に陽気なラティーノの魂を見ました。

向こう岸に着くと、しばらく急な斜面をあがらなければいけません。ここでもヒーヒーいいながらなんとか登り切ると、そこは平らになっていてあちこち周遊できるようになっています。ここも八月に歩いたところなのでぐるりと一周できるコースをまわりますが、終点の「この先立入禁止」の看板の先に行くことにします。というのも途中で会った人から「立入禁止の先に行ったら滝壺で泳げるよ」という話を聞いたから。立入禁止の先には大きな石がごろごろしていて日本の山を登っているみたいで久しぶりに楽しいアウトドア体験です。ところどころにコンクリートのかたまりがあるのをみると、昔はこのあたりも遊歩道があったんでしょう。その先の大きな岩盤に穴が開いていてトンネルのようになっています。そこをくぐり抜けると、そこは滝と川と岩が織りなす小公園。ここには小うるさいレンジャーもいないので、何でも出来ます。もちろん日本人としてやらなければいけないのが「修行」です。滝を見るとその下に立って水に打たれたくなるんですよね。で、両手はちゃんと胸の前に組むってのが基本です。でもイグアスの滝の本流の下にでも立とうものなら、滝に打たれるどころかどこかに流されちゃってアッという間に逝っちゃうので、手近なところにあったちっちゃい滝にしておきます。こけが生えて足場が悪いところを近づいてみると、その滝もなかなかの水量で、立つどころではありません。足元の岩にしがみつくようにして滝のそばにいるのが精一杯。滝の真下にちょっと手を伸ばしてみましたが、ものすごい水圧ではじき返されてしまいます。これじゃどうしようもありませんね。

さて、その後はサン・マルチン島のもう一つの見所、アルゼンチン版の「悪魔の喉笛」を見たあと、早々に戻ることにします。例のごとく昼食でのんびりしてしまったので、今回の行程も押せ押せで、最終の渡し船の時間まで後わずかです。

また、元の岸にもどっちゃいましたが、帰りの集合時間まではまだ間があるので、しばらくアルゼンチン側を歩くことにします。今は滝の底の方にいますが、今度は滝の頂上付近まで80mほど登らないといけません。これが本日最後の登りと思って、必死の思いで歩き続ける僕でした。

これから先はアルゼンチン滝のへりにそった遊歩道をのんびりと歩きます。途中のおみやげ屋でいろいろと物色すると、ボリビア風の「いかにもインジオが吹いてました!」って雰囲気の笛が置いてあります。その笛を友人が買ったので、ちょっと借りて、子供の頃習った曲なんかを吹いたりしてみましょう。ちょうど、その頃は日暮れ時で西の方から光がさしこんでいて、金色の光に照らされながら笛を吹き吹き歩いていると、子供の頃の学校帰りを思い出しますね。

1月4日 火曜日

さて、イグアス滞在も今日でおしまい。明日の便で再びリオ・デ・ジャネイロに戻ることになります。イグアスといえば、もちろん第一に滝ですが、他にも見所があります。その一つが国境巡り。ここはブラジルとアルゼンチンとパラグアイが国境を接しているところで、それぞれの国境の町、フォズ・ド・イグアス(Foz do Iguacu:ブラジル)、プエルト・イグアス(Puerto Iguazu:アルゼンチン)、シウダード・デル・エステ(Ciudad del Este:パラグアイ)がお互いに特徴を出し合っています。特に僕たちのこころを刺激するのがパラグアイという響き。一度マットグロッソの国境の町、ペドロ・ファン・カバジェロ(Pedro Juan Caballero)には行ったことがありますが、ブラジルとはあまりにも違っている町の姿に旅心がくすぐられたものです。今、思ってみると、アマゾンの小さな町もそんな具合ですが、やはり経済力の差でしょうね。

ぜひとも行ってみたいパラグアイでしたが、今日ばかりはあきらめます。このところの体調不良がなかなか良くならず、思い切って休んだ方がいいようです。みんなはパラグアイに買い物に行き、夕方イタイプーダムに行くという話なので、途中から合流することにしました。午前中にフォズ市内で用事を済ませた後はホテルに戻って一休み。

さて、のんびりしているうちにもう時間になり、イタイプーダムまで行くことにします。


イタイプーダム(地球の歩き方より)

フォズ・ド・イグアスの町から約20km、ブラジルとパラグアイの国境パラナ川に建造されたイタイプー発電所は、世界最大の出力を誇る水力発電所だ。両国の共同事業として、1975年に着工。1984年に送電を開始した。

主要ダムの長さは1406m、全てのダムの長さは総計8km、高さは最高185m、貯水池面積1350平方km(琵琶湖の約2倍)、貯水量2010億立方m、水の排出量は毎秒5万8000立方mあり、イグアスの滝の約30倍にあたる。出力70万kw/時の発電器が18基すべて作動すれば、1260万kw/時の発電が可能となり、960万kw/時のエジプト・アスワンダムを抜いて世界一の総出力発電所となる。ちなみに生産される電力の半分はパラグアイの権利であるが、今のところ消費できないでいる。


今のところ消費できないでいる。」っていう一言に、いかに場違いなものを作っちゃったかということが表れていると思います。パラグアイ一国で消費できないような発電所を作っちゃうんですからね。

市バスに揺られながら、40分ほどでダムに到着。といっても「ここだよ」と言って降ろされたところは目にも鮮やかな緑の芝生が広がる野原のそば。ダムらしい建物も見えなければ、川さえも見えません。ただ、野原の上にのびる送電線が発電所らしいんですが、その数なんと四本。日本でよく見かける高電圧の送電線が四本並んでいる姿は圧巻で、イタイプー発電所の発電量のものすごさを物語っています。

そこから道沿いにしばらく歩くと「イタイプー水力発電所」って看板が掲げられた大きなゲートがあるんですが、このあたりも野原に囲まれていて発電所らしくありません。どちらかというと巨大で空虚な公園といったところです。ここを訪れる観光客は、ゲートの近くのビジターセンターでダムの説明を聞き、無料の観光バスに乗ってダムまで案内される仕組みになっています。

ビジターセンター内部はイタイプーダムの計画から建設、そして現在にいたるまでの様々なデータが視覚的に展示されています。展示の仕方とか、説明の細かさなどが日本の展示方法によく似ていてあまり違和感を感じなかったんですが、よく考えるとこれはブラジルではめずらしいことです。ブラジルの博物館などに行ったことがあるんですが、よっぽど大きいところをのぞくとけっこうチャチな説明が多かったりしますからね。

また、これは建物内の展示ではなかったんですが、建物の外にあるベンチの背もたれには「イタイプー豆知識」が描かれています。イタイプーの様々なデータを、世の中の他の建造物などと比較していて、館内の無味乾燥なデータよりもはるかに面白いものでした。ちょっとあげてみましょう。

などなどイタイプーの大きさが伝わる内容です。これを見終わるころには館内でも歴史紹介映画が終わり、人々がゾロゾロと出てきます。さっそく無料バスに乗ってダム見学に出発です。だだっ広い敷地内をしばらく移動するとダムのはずですが、この数分間のバス移動でも寝てしまいました。

到着したのはダムを真正面に望む展望台です。ここで初めてのダムとの対面となりますが、巨大構造物が好きな僕は駐車場から思わず小走り。そして展望台から見たダムはまさに圧巻。そんじょそこらの建物とはケタ違いの大きさで、なにか現実離れして見えました。そうですね、たとえてみると、スターウォーズのデススターを実際に目の前に見たときの迫力とでも言いましょうか。かえって分かりにくいですか?どっちにしろ、この大きさは人工物のスケールじゃなくて、山とか川のような自然物のスケールですね。そう言う意味で人間が作っちゃいけないような、現在のバベルの塔にも見えてしまいます。そんな建物が、発電というとっても身近な目的に使われているのもなにかしっくりいきません。ここまで大きい建物だったら、いっそ「これ実は教会なんです」って言ってもらった方が納得しちゃうかもしれません。呆気にとられて展望台にしばらくいましたが、この時の気持ちは大きな山を眺めるかのようでした。

再び僕たちを乗せたバスは、ダムにむけて近づきます。ダムの真ん中には管制センターのようなものがあるので、そこに行くのかな?と思ったら素通りしちゃいました。あそこはお金を払うような観光客向けなんでしょうか。結局その後ダムの上を通って帰っちゃいました。でもダムの上からの景色も面白いです。片側には海かと見まごうばかりの巨大なダム湖が広がり、傾きかけた西日でキラキラと輝いていて、「あ〜ブラジルの自然っていいなぁ」的雰囲気。一方その反対側には巨大な人工構造物が広がっています。左の窓には大自然、右の窓には超人工という対照的な景色が広がっていて、バスの中は非現実的な空間になっちゃいました。万博なんかの映像系パビリオンの中にいるみたいです。やがてダムを通り過ぎるといつの間にか寝てしまい、ダムツアーは終わり。もうちょっと見たかったんですが、この不思議な気持ちのまま帰る方がいいんでしょう。

そして夜のお楽しみはショー。マクコ・サファリの客引きに誘われたショーです。そういえば、このような観光客向けのショーってのはブラジルでは初めてですね。日も暮れ、真っ暗になったあと、お迎えの車がやって来ます。ホテルがあるのはフォズ・ド・イグアスの町のはずれで、会場の「レストラン・ハファイン(Restaurante Rafain)」はそこからブラジル滝の方に抜ける道沿いにあります。この道は完全に町外れで、両側には真っ黒な森が広がり、時おりリゾートホテルが表れて場違いな輝きをひけらかしています。

そういった建物の一つがハファインです。建物はちょっと大きめですが普通のレストランといったところで、ただそのまわりにマイクロバスなどがたくさん停まっているところだけが他の建物と違います。さて、一見普通のレストランですが、中に入ってみると一変!真ん中にステージがあり、色とりどりの照明で照らされています。真っ暗な砂漠の中で隊商のテントに入り、宝石を見せてもらったとしたら、こんな具合になるんでしょうか。やっぱり分かりにくいですか?どっちにしろとにかく忽然とあらわれた移動サーカスのようなところです。

まずはシュハスコを楽しみながら時間をつぶします。そして始まりました。ショーです。気に入ったヤツ、あんまりおもしろなくなかったヤツなどいろいろありましたので箇条書きで。

●パラグアイのダンス
と言ってましたが、よく分かりません。とにかく踊り子の頭の上にワインのボトルのようなものを何本も乗せていきます。踊り子はぐるぐる回転したりと激しい踊りを踊るんですが、そのボトルを落とすことはありません。最後には六本ほど載せてましたね。どうでもいいことですが、顔が知り合い(日本人)に似ているのが最後まで気になる踊り子でした。

●インディアインハープ(って言うの?)
南米のインジオ達が使っているハープだと思いますが、そのたそがれた響きが、ちょっと古めの絵画を眺めるかのようです。これは一度隣町の音楽会で聞いたことがあり、もう一度聞きたいなぁと思っていたところだったので、一番うれしかった演奏でしたね。ショーの後には演奏していた人が実際に各テーブルをまわってCDを売りに来るんですが、もちろん買いました。

●ボリビア風民族音楽
南米の民族音楽として日本で一番知られているものです。例の「コンドルは飛んでいく」系の音楽です。パンの笛風の乾いた音が、殺伐としたアンデスを想像させてくれますよね。ただ、この手の音楽はうちの町にもたまにやって来るし、町のCD屋に行けばちゃんとしたものが買えるので、今回は買わず。その他、最後にはやっぱり「コンドルは飛んでいく」を演奏しましたが、この時には結構面白い踊りを踊る人が出てきました。こればっかりは写真を見て下さい。

●アメリカンクラッカー楽団
アメリカンクラッカーのような楽器というか器具の使い手。けん玉の玉に1mぐらいのヒモをつけてブンブン振り回します。その玉をカカカカンと音楽に合わせて床にたたきつけます。リズムだけの単調なものですが、その単調なリズムが逆に催眠術みたいに人々を引きつけていました。

●番外編:エッチなおみやげ
建物の入口にはインジオの民芸品を売るお店があったんですが、その中にちょっとエッチなキーホルダーを売っていました。可動式だったのが見事にツボにはまり、思わず四つも買ってしまいましたが、いまだに持て余しています。これも写真で見て下さい。

そんなところですね。

初めはそれほど期待してなかったというか「もしかしたらだまされてるんじゃないか?」と思ったりしましたが、実際に見てみるとあちこちの音楽や踊りを一通り見せてくれるし、観光客にとってはなかなかありがたいですね。これからイグアスに人を連れてくるときには必ずツアーに組み込むことにしましょう。日本の友人達も十分楽しんでいたみたいで、こちらも満足満足。


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